どんな暮らしができる?狭小間口の住宅だからこそ検討すべき間取り10選

狭小間口の土地は利便性がよく、土地代が安いケースが多いです。

しかしながら、どんな住宅が建てられるのかやどんな暮らし方ができるのか想像しづらいです。

狭小間口の住宅って
どんな暮らし方ができるの?

休日にアウトドアリビングでBBQや広い土間でお茶を飲みながらご近所さんと雑談したり…

狭小間口の住宅にはデメリットが多くありますが、間取りを工夫すれば快適に暮らすことができます。

私も狭小間口の住宅に長年住んでいますが、特に問題なく快適に暮らしています。

狭小間口の住宅をつくる際の注意点についてはこちらをご覧ください↓



今回は狭小間口の住宅だからこそ検討すべき間取りを10こご紹介します。

この記事が、狭小間口の土地の購入を検討している人に、どんな住宅が建つのかの不安を少しでも解消することができれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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狭小間口だからこその間取り10選

狭小間口の住宅だからこそ検討したい間取りは以下になります。

①2階リビング
②アウトドアリビング
③コートヤード
④別棟で建てる
⑤広い土間スペース
⑥趣味部屋としてのロフト
⑦片流れ屋根と勾配天井
⑧トップライトと高窓
⑨大きな空間を家具で間仕切る
⑩スリップ階段


狭小間口の土地は旧東海道など街道沿いの場所に多いです。

街道沿いにはこのような短冊状の土地が多いのは、江戸時代に「間口税」といった税金があり、間口を狭くして課される税金を少なくするためです。


①2階リビング

狭小間口の住宅では2階リビングを検討することがおすすめです。

2階リビングとは文字通り2階にリビングがある住宅のことです。

狭小間口の住宅では隣の家との距離がなく、隣接して建てなければなりません。

キッチン・ダイニング・リビングなど普段生活する空間を2階にすることで生活音や近隣からの視線を気にする必要がなくなります

2階リビングについてのメリット・デメリイットはこちらをご覧ください↓

②アウトドアリビング

狭小間口の住宅ではアウトドアリビングを検討することがおすすめです。

アウトドアリビングについてはこちらをご覧ください↓

狭小間口の住宅では大きなリビングを実現することが難しいです。

屋根付きのウッドデッキなどを設けリビングの延長として使うことができます。

でも、近隣からの視線が
気にならない?

そんな場合は2階リビングと合わせて2階にアウトドアリビングを設けることがおすすめです。

私も2階にアウトドアリビングがあるのですが、昼間の人通りや視線を気にすることなくのんびりと快適にアウトドアリビングで過ごしています。

③コートヤード

狭小間口の住宅ではコートヤードを検討することがおすすめです。

コートヤードとは建物や塀などで四方を囲われた中庭のことです。

狭小間口の土地は風通しや日当たりが悪いといったデメリットがあります。

そんな場合はコートヤードを設けることで風通しや日当たりを解消することができます。

中庭の種類やメリット・デメリットについてはこちらをご覧ください↓

④別棟で建てる

敷地が細長い場合は思い切って別棟で建てることを検討してみましょう。

例えばリビング・ダイニング・キッチンなど普段生活する空間と、寝室・子ども部屋などの空間を別棟で建てるなどです。

別棟で建てることの大きなメリットは家族でほどよい距離感を保て、プライバシーも確保できるところにあります。

また、別棟で建てることで建物と建物の間に空間ができるので風通しや日当たりなどを良くすることができます。

⑤広い土間スペース

狭小間口の住宅では細長い屋根付きの広い土間スペースを検討してみましょう。

広い土間スペースがあればバイクや自転車が置けたり子供の遊び場としてとてもよい空間になります。

また、南北に細長い土間の場合は風通しが良く、雨が降った日でも洗濯物が干せます。

キッチンに面して土間スペースを作れば、BBQや炭火で焼き肉、七輪でサンマを焼いたりすることもできます。

広い土間スペースは狭小間口の住宅だからこそのいろいろな使い方があります

⑥趣味部屋としてのロフト

狭小間口の住宅では趣味部屋としてのロフトを検討してみましょう。

狭い間口の住宅だと平面的に趣味部屋をつくるのは難しい場合があります。

そんな時は空間を立体的に有効活用することがおすすめです。

ロフトで快適に過ごすための設計上の注意点はこちらをご参照ください↓

ロフトは子ども部屋や男の隠れ家にはもってこいの空間です。

狭いけど、誰の目も気にしないで落ち着ける場所があるのっていいですよね。

⑦片流れ屋根と勾配天井

狭小間口の住宅では片流れ屋根と勾配天井を検討してみましょう。

狭小間口の住宅は間口が狭くて細長い建物になります。

このような建物に切妻屋根をかけると縦長のボリュームになったり、美しい外観としてまとめるのが難しいです。

このような時は片流れ屋根にすることで、縦長のボリュームをシンプルな外観にまとめる事ができます。

片流れ屋根にするのであれば勾配天井をあわせて検討することがおすすめです。

狭小間口の住宅では平面的に空間を広くとることはできないです。

勾配天井にすると縦方向に立体的に空間を広く見せることができます。

勾配天井を作る際の注意点についてはこちらをご参照ください↓

⑧トップライトと高窓

狭小間口の住宅ではトップライトと高窓を検討してみましょう。

狭小間口の土地だと建物が細長くなり北側の部屋にうまく太陽の光と取り込むことができません。

敷地が細長ければ中庭をとって北側にも太陽の光を取り込むことができるのですが、中庭を広く取らないと太陽の光をうまく取り込むことができないです。

そんな時はトップライトを設けると北側でもとても明るい部屋にすることができます

勾配天井にする時は高窓を設けることで明るくなることはもちろんですが、室内の温度差による自然換気が促されます

⑨大きな空間を家具で間仕切る

狭小間口の住宅では大きな空間を家具で間仕切るような間取りがおすすめです。

天井までの間仕切り壁で区切ってしまうとせっかくの大きな空間が小さくなってしまいます。

家具で間仕切るとは、天井高さ2,600mmのひとつの空間を目線を遮る1,850〜2,000mmの高さの家具や建具などで間仕切る方法です。

家具や建具の上に600mm程度の隙間を設けることでひとつの空間としての繋がりを感じることができます。

ひとつの空間にすることで音や匂いなどが伝わりやすいのですが、狭小間口の住宅でも広さを感じることができる間取りになります。

⑩スリップ階段

狭小間口の住宅の階段はストリップ階段にするのがおすすめです。

ストリップ階段とは蹴込板(段の垂直方向の板)や手すり壁がない階段のことです。

ただでさえ狭くなりがちな間取りにマッシブな階段を作ってしまうと視線が遮られて狭く感じてしまいます。

ストリップ階段にすることで階段としての圧迫感がなくなり視線が遮られずに上からの光を取り込むことができます

まとめ

今回は狭小間口の住宅だからこそ検討すべき間取りを10こご紹介してきました。

まとめると以下になります。

①2階リビング
②アウトドアリビング
③コートヤード
④別棟で建てる
⑤広い土間スペース
⑥趣味部屋としてのロフト
⑦片流れ屋根と勾配天井
⑧トップライトと高窓
⑨大きな空間を家具で間仕切る
⑩スリップ階段


間口の狭い建物は奥行きや高さ方向に空間的な広がりを作れば、広さが感じられる空間が実現できます。

狭小間口の土地は利便性がよく、土地代が安いケースが多いので良い物件が多くあります。

この記事が、狭小間口の土地の購入を検討している人に、どんな住宅が建つのかの不安を少しでも解消することができれば幸いです。

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