終の棲家にはなにが必要?リタイアしてから建てる平屋の家の注意点

リタイアしてから小さいけど快適な平屋の家を建てて「終の棲家」にするのって憧れます。

終の棲家」とは、生涯を終えるまで生活するための住宅のことです。

リタイア後の趣味や暮らし方などを身も心も健康なうちから考えておくことが重要です。

終の棲家」には一般の住宅とは違った設計上の配慮が必要になります。

終の棲家には
なにが必要なの?

大抵の人はバリアフリーであることが必要だと答えると思います。

しかしながら、バリアフリーという言葉に安心しずぎて内容を知らないと自分の望んだ「終の棲家」にはならないと思います。

そもそも
バリアフリーってなに?

バリアフリーとは一般の住宅では「高齢者等配慮対策等級」の基準を満たしているかどうかで決まります。

しかしながら、このバリアフリー性だけでなくその他に設計で配慮すべき注意点があります。

今回はバリアフリー性で求められる基準をもう一度確認し、その他に設計で配慮すべき注意点などをご紹介できればと思います。

この記事が、リタイア後の「終の棲家」を建てる際に参考になってくれれば幸いです。

バリアフリー性で求められる基準

「終の棲家」にバリアフリー性を求める場合は「高齢者等配慮対策等級3」という住宅性能評価を受ける方法が一般的です。

高齢者等配慮対策等級3」で求められる基準は大きく分けて以下になります。

・段差の解消
・手すりの設置
・通路、出入口の幅員
・寝室、便所、浴室の大きさ

段差の解消

・玄関出入口:くつずりと玄関外側20mm以下、くつずりと玄関土間5mm以下

・玄関の上がりかまち:等級3は指定なし

・勝手口等の出入口、上がりかまち:等級3は指定なし

・バルコニー出入口:等級3は指定なし

・浴室の出入口:20mm以下の単純段差または浴室内外の高低差120mm以下+またぎ高さ180mm以下+手すり

くつずりとはドア枠の下部、下枠のことです。 引き戸の場合の敷居になります。

上がりかまちとは床の端部に付ける木材(造作材)のことです。

出入口や上がりかまちなど、高齢になると足が上がらずに段差に足を引っ掛けて転倒してしまう恐れがあるため、段差を解消する必要があります。

手すりの設置

下記に示した箇所には手すりの設置(下地の準備)が必要となります。

・階段片側
・便所、浴室
・玄関、脱衣室に下地の準備

手すりがあれば、高齢になっても介助なしに歩行することができます。

手すりに全体重をかけても壊れない強度やつかみやすい形状、高さなど配慮する必要があります。

通路、出入口の幅員

・玄関は有効750mm、浴室は有効600mm以上

・玄関・浴室以外の出入口(バルコニー・勝手口等は除く)は750mm以上


幅員とは横の長さ、はばのことです。

車椅子や歩行補助器などを使って出入りするのに必要なはばを確保しなければなりません。

玄関や浴室などの出入口の幅員についてですが…

あくまでも出入口の有効幅員となり、開き戸の場合は扉の厚みや引き戸の場合は引き残し部分は幅員に含まれません。

柱寸法が120mmm角を使用する場合

柱の芯々で910mmでは有効開口750mm以上確保できないので注意が必要です

寝室、便所、浴室の大きさ

・浴室:短辺1,300mm以上かつ面積2.0㎡以上

・便所:腰掛け式で長辺1,300mm以上、便器前方または側方に500mm以上のスペース

・寝室:内法面積で9㎡以上

浴室や便所などでもし倒れてしまった場合や、浴室や寝室で介助が必要となった場合などを考慮してある程度の広さが必要になります。

その他に設計で注意すること

高齢者等配慮対策等級3」で求められるバリアフリー性は主に各部の寸法に対しての決まりごとが多いです。

その他にも高齢になっても暮らしやすい家に必要なことはたくさんあります。

その中でも私達の設計事務所が考える代表的なものは以下になります。

設計で注意すること

・寝室とトイレの距離

・部屋ごとの温度差をなくす

・掃除のしやすさを考える

・維持費のかからない素材選び

・軒の出に配慮する

寝室とトイレの距離

寝室とトイレの距離は近いほうがいいと思います。

高齢になるとトイレが近くなります。

私の祖父もトイレまでの移動距離が長いので途中で漏れてしまったなんてことありました。

自分でトイレができなくなってしまうと自尊心が傷ついてしまいます。

高齢になったら
オムツをはけばいいんじゃない?

確かにオムツをはけば漏れてしまっても安心ですが、誰しもがはいてくれるとは限りません。

最終的にはベットから起き上がれなくなりオムツを履くことになるのですが、そうなるまでの間は自分でトイレに行くための環境づくりは必要だと思います。

寝室からトイレまでの距離を近くしたり、寝室側にもトイレの出入口を設けるなどの間取りの配慮が必要です。

部屋ごとの温度差をなくす

ヒートショックを無くすために部屋ごとの温度差をなくすことが必要です。

ヒートショックとは、部屋ごとの急激な温度差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、身体へ悪影響を及ぼすことです。

部屋ごとの温度差を無くすには、高気密・高断熱にすることが必要だと思います。

高気密・高断熱にすると冬の寒さや夏の暑さの影響を受けることが少なくなります。

だけど冷暖房は部屋ごとで
家全体に行き渡らないのでは?

従来の第三種換気だと高気密にした意味がなくなってしまいます。

そこで第一種換気にするのですが、気密性が高いのでしっかりと換気計画をしないと換気が上手くできないといったデメリットもあります。

全館空調にすれば問題は解決するのですが、一般の住宅には高スペックの性能だと思います。

そこで、私どもの設計事務所では「床下エアコン」+「澄家DC(床下の第一種換気)」の設置をすすめています。

床下エアコン」とは壁掛けエアコンを床下に設置し、床下に暖かい空気を送り込み家全体を足元から温めるシステムのことです。

このシステムを導入するとフローリング自体の輻射熱や吹出口からの暖かい空気で部屋ごとの温度差を無くすことができます。

床下エアコンと第一種換気についてはこちらをご覧ください↓

掃除のしやすさを考える

掃除のしやすさを考える場合は以下のところに注意しましょう。

・壁の凹凸を無くす
・明るい床にする
・サッシは手の届く高さに
・引き戸は上吊りタイプ
・掃除用のコンセントの位置
・掃除用具の収納をつくる
・ルンバの基地をつくる
・換気扇のフィルター交換

換気扇のフィルター交換って
必要なの?

換気扇のフィルター交換ですが、第一種換気を上手く機能させるためにはメンテナンスが必要になります。

高齢になると天井に取り付けられた換気扇のフィルターを脚立を使って交換することが大変になります。

澄家DC/マーベックスなら床下の第一種換気システムのためフィルター交換など脚立を使わずに簡単に交換することが可能です。

澄家DC/マーベックスに関してはこちらをご参照ください。

維持費のかからない素材選び

高齢者にとって家の維持費は大きな負担となるので、維持費のかからない素材選びを心がけましょう。

維持費のかからない素材として注意する箇所は以下のとおりです。

・外壁サイディング
・左官仕上げ
・屋根材
・床材

具体的に何を選べばいいの?

たとえば

外壁サイディング
プラチナコート30、マイクロガード(ニチハ)のついたもので変色などの保証が10年ついて30年間は塗り替えの必要のないものなどを選びましょう。

左官仕上げ
ジョリパッド左官仕上げの場合はジョリパッドクリーンマジックを塗布しましょう。
これを塗布すると水性の光触媒のトップコートで太陽光で汚れを分解し、雨水で洗い流してくれます

屋根材
金属屋根の場合はニチハの横暖ルーフプレミアムSなどのを選びましょう。
塗膜がフッ素樹脂遮熱鋼板になり保証が15年と超高耐久となります。

床材
無垢フローリングの場合は表面塗装がArborインビジブルコート(マルホン)にすると日頃のお手入れ(掃除機や乾拭き又は固く絞った雑巾で水拭き)だけで定期的なワックスがけは必要なくなります

Arborインビジブルコート(マルホン)とは、薄めたウレタン塗装なので水滴をたらして3分後も浸透しないすぐれものです。

軒の出に配慮する

軒の出は雨の日でも窓を開けることができたり、夏の日差しを遮るのにはとても有効です。

また軒の出は太陽による紫外線や雨が外壁にかかるのをある程度防ぐ効果があるります。

紫外線や雨がかからないと
どうなるの?

外壁の汚れやサッシ周りのコーキングの劣化などを遅らせることができます。

軒の出がない場合は直接的に紫外線があたったり、雨が外壁づたいに流れていきます。

これではサッシ周りのコーキングが硬化するのを早めてしまいます。

軒の出に配慮することで外壁やサッシ周りのコーキングを長持ちさせましょう。

※軒の出は1メートル以上だと建築面積に含まれるので注意しましょう。

まとめ

今回はバリアフリー性で求められる基準を確認し、その他に設計で配慮すべき注意点などをご紹介してきました。

まとめると以下になります。

バリアフリー性で求められる基準

・段差の解消
・手すりの設置
・通路、出入口の幅員
・寝室、便所、浴室の大きさ


↑これは「高齢者等配慮対策等級3」で求められる基準となります。

バリアフリー性で求められることは主に各部の寸法に対しての決まりごとが多いです。

■その他に設計で注意すること

・寝室とトイレの距離
・部屋ごとの温度差をなくす
・掃除のしやすさを考える
・維持費のかからない素材選び
・軒の出に配慮する


バリアフリー性だけでなくその他に設計で配慮すべき注意点があることを見てきました。

生涯を終えるまで生活するための住宅なので失敗や後悔はしたくないと思います。

リタイア後の暮らし方を身も心も健康なうちから考えておくことが重要だと思います。

この記事が、リタイア後の「終の棲家」を建てる際に参考になってくれれば幸いです。

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