夫婦2人が老後に住む終の住処で2,000万円以下(25〜28坪)の暮らしやすい間取り

夫婦2人が老後に住む終の住処を建てたいと思っている人は多いと思います。

夫婦2人が暮らす終の住処を建てるなら平家の小さな家がおすすめです。

平家の小さな家だと

・修繕費が安い
・光熱費が安い
・掃除が楽
・移動が楽


などのメリットがあります。

土地はあるから、2,000万円以下だったら建てられそうだけど?

現実的に考えて、土地があれば2,000万円以下で建物をたてることができます。

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎夫婦2人が老後に住む終の住処がわからない人

▶︎終の住処を2,000万円以下で建てたい人

上記の方々に対して、夫婦2人が老後に住む終の住処で設計上の注意点や、2,000万円以下(25〜28坪)の暮らしやすい間取りを紹介します。

この記事で老後に住む終の住処を実現する人が少しでも増えてくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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終の住処の設計上の注意点

暮らしやすい終の住処を建てるには以下のことに配慮して設計しましょう。

終の住処の設計上の注意点

・平家であること

・全てにおいてバリアフリー

・勾配天井で空間を広く見せる

・空間を区切らない

・中庭を作る

平家であること

暮らしやすい終の住処を建てるには、平家であることに配慮して設計しましょう。

平家であれば、ワンフロアーで階段の上り下りがないので移動や掃除が楽になるからです。

実際に私の祖父もそうでしたが、歳をとると10㎝の段差でも躓いてしまい、

2階に上がることが難しくなり、2階を使わなくなっていました。

平家にすると床面積が増えない?

確かに、平家にすると床面積は増えますが、間取りをうまく作れば、コンパクトにすることが可能です。

平家でコンパクトにすると収納が取れないといったデメリットがありますが…

終の住処なので、なるべく物は処分することが必要になります。

お気に入りのものを最小限にして生活していく努力は必要だと思います。

全てにおいてバリアフリー

暮らしやすい終の住処を建てるには、全てにおいてバリアフリーであることに配慮して設計しましょう。

快適に暮らすために障害となるものがあると暮らしていて不便さを感じてしまうからです。

全てにおいてバリアフリーとは床の段差や出入口の幅だけでなく、

温熱環境や掃除のしやすさなども考慮することが必要です。

終の住処をバリアフリーにするための注意点についてはこちらの記事をご参照ください↓

バリアフリー以外でも配慮することってある?

バリアフリー以外で配慮することは、

・寝室とトイレの距離
・部屋ごとの温度差をなくす
・掃除のしやすさを考える
・維持費のかからない素材選び
・軒の出に配慮する


などが挙げられます。

部屋ごとの温度差をなくすためには床下エアコンが効果的です。

床下エアコンに関しての記事はこちらをご参照ください↓

勾配天井で空間を広く見せる

暮らしやすい終の住処を建てるには、勾配天井で空間を広く見せることに配慮して設計しましょう。

勾配天井で空間を広く高く見せることができると普段の生活に高揚感が生まれ楽しく暮らすことができるからです。

勾配天井とは1階の屋根の形状を利用して傾斜をつけ、高くした天井のことです。

勾配天井についてはこちらの記事をご参照ください↓

天井を高くすることって必要なの?

天井を高くすることで空間的な面白さが生まれます。

空間的な面白さは暮らしている人のこころのあり方に影響すると思います。

マンションではなくせっかく平家に住むのであれば勾配天井をうまく作り、

空間的な面白さを楽しみましょう。

空間を区切らない

暮らしやすい終の住処を建てるには、空間を区切らないことに配慮して設計しましょう。

コンパクトな平家の空間を壁などで区切ってしまうとより狭く感じてしまうからです。

25帖のLDKをキッチン8帖、ダイニング6帖、リビング11帖のように分けてしまうより、

一体の25帖のLDKにした方が広く感じると思います。

壁が少ないと耐震性が下がるんじゃない?

確かに壁が少ないと耐震性は下がるかもしれませんが、

しっかりとした構造部材を使用すれば2階がない分、かなり広い空間を作ることが可能です。

庭を作ればアクセスのしやすさから広々と開放的な平家を実現することができます。

中庭を作る

暮らしやすい終の住処を建てるには、中庭を作ることに配慮して設計しましょう。

植物に囲まれた生活をすると季節のうつろいや自然を身近に感じることができるからです。

中庭があれば、家庭菜園もできるので老後の豊かな暮らしを実現することができます。

中庭は手入れが大変じゃない?

確かに中庭の手入れは大変かもしれませんが、

老後のゆったりとした時間を過ごすには庭いじりは最高の趣味だと思います。

せっかく日本に暮らしているのだから、季節のうつろいや自然を身近に感じられる中庭を作りましょう。

2,000万円以下の間取り

2,000万円以下(25〜28坪)の暮らしやすい間取りを考えてみました。

北入り、東(西)入り、南入りの3タイプの基本プランになります。

このプランで終の住処の生活をイメージできれば幸いです。

PLAN_A

PLAN_A
建築面積:25.51坪
1,786万円

北入りを想定した間取りになります。

LDKは25帖あり、夫婦2人が暮らすには十分広さになります。

寝室は6帖が2部屋あるので2LDKのプランになります。

南西と北東に中庭を設けてあります。

リビングからウッドデッキにでられます。

軒をふかくすればお茶を飲みならがひと休みできるアウトドアリビングにもなります。

坪単価70万円で建てたとして1,786万円となります。

PLAN_B

PLAN_B
建築面積:27.51坪
1,926万円

東(西)入りを想定した間取りになります。

LDKは25帖あり、夫婦2人が暮らすには十分広さになります。

寝室は6帖と8帖が2部屋あるので2LDKのプランになります。

南側に隣地があるので南に大きく庭がとれずに、東と西に中庭を設けてあります。

東西の庭でも十分に光が入るように建物との距離を広くとってあります。

坪単価70万円で建てたとして1,926万円となります。

PLAN_C

PLAN_C
建築面積:26.51坪
1,856万円

南入りを想定した間取りになります。

LDKは25帖あり、夫婦2人が暮らすには十分広さになります。

寝室は6帖が2部屋あるので2LDKのプランになります。

南側と北東に中庭を設けてあります。

LDKは南北に開口部があるため、風通しが良く、夏場はエアコンをかけなくても涼しいと思います。

坪単価70万円で建てたとして1,856万円となります

まとめ

今回は夫婦2人が老後に住む終の住処がわからない人や終の住処を2,000万円以下で建てたい人に対して、

夫婦2人が老後に住む終の住処で設計上の注意点や、2,000万円以下(25〜28坪)の暮らしやすい間取りを紹介してきました。

まとめると以下になります。

終の住処の設計上の注意点

・平家であること

・全てにおいてバリアフリー

・勾配天井で空間を広く見せる

・空間を区切らない

・中庭を作る

建坪が25〜28坪の場合は建蔽率が50%とすると、

土地の大きさは50〜56坪以上は必要になります。

基本プランで想定している土地は68〜72坪になります。

老後は車を1台にすると建蔽率の制限はありますが、さらに狭い土地でも建築可能になります。

コンパクトな平家で暮らしやすい間取りは2LDKがちょうど良いと思います。

収納があまり取れないのですが、老後は物を処分してコンパクトに生活することを考えれば、

収納がありすぎても物が増えるだけだと思います。

この記事で老後に住む終の住処を実現する人が少しでも増えてくれれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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