リバースモーゲージとリースバックの違いって?自宅をお金に変える最善の方法
まだ若いうちから終活のことを考えておくことはとても大切なことです。
終活でとくに大変なのは自宅の処分についてだと思います。
30代半ばで建てたとして65歳になる頃には築年数が30年以上、
相続するにしても古くなってしまっているし、リフォームするにしてもお金がない…
そんな自宅を処分する方法を調べていると出てくるキーワードが「リバースモーゲージ」と「リースバック」です。
リバースモーゲージとリースバックの違いって何?
リバースモーゲージとリースバックはどちらも自宅に住みながら自宅をお金に変える方法ですが…
簡単に説明すると、
死亡してから自宅を売却するのがリバースモーゲージ
先に自宅を売却して賃貸に切り替えるのがリースバック
です。
今回はリバースモーゲージとリースバックの違いが分からない人に、それぞれの違いやメリット・デメリットを紹介します。
結論から言うと、自宅をお金に変える最善の方法は
「自宅を高値で売却して家賃の安い賃貸に引越すこと」
だと私は考えます。
もちろん、高齢になってから賃貸を借りられるのかという問題もありますが…
リバースモーゲージやリースバックは銀行や不動産会社が損をしないような仕組みになっています。
この記事でリバースモーゲージやリースバックの仕組みについて知ることで、
自宅をお金に変えるにはどのような方法がいいのか自分で考える手助けになってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
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目次
リバースモーゲージとリースバックの概要
そもそも、リバースモーゲージやリースバックの記事を書こうとしたきっかけは、アフィリエイト案件として高単価だったからですが、
色々と調べていく中で、どう考えても銀行や不動産会社の方が得する仕組みのように思えたのでとても勧められるアフィリエイト案件ではないと思ったのがきっかけです。
高単価なアフィリエイト案件は広告主側のメリットが大きい場合が多いので、
自分が損をしないように、しっかりとリバースモーゲージやリースバックの仕組みを理解しておきましょう。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは自宅を担保にして、そのまま住み続けながら銀行から融資を受けられる仕組みですが、
死亡時に自宅を売却することが前提で、月々の負担額が利息だけになるローン制度です。
ここで注意が必要なのは、リバースモーゲージはローン制度の一種であること、
つまり自宅を担保にして銀行からお金を借りる制度だということです。
最終的に売却したときに銀行が損をしないように、自宅の評価額は毎年見直され、評価額の50~60%程度が借入限度額になる仕組みです。
借入限度額を超えてお金を借りることはできないので、
それを生活費に充てている場合など、
想定していたよりも長生きしてしまうと生活費がなくなってしまう危険性があります。
リースバックとは
リースバックとは住んでいる住宅を売却し、売却後は買主から賃借することで、もとの住まいに住み続けることができる不動産の売却方式です。
正式名称は「セール・アンド・リースバック」と呼ばれます。
通常の売却と異なり、リースバック方式で住宅を売却すると、まとまった資金が一括で入手でき、さらに売却後ももとの住まいを借りて住み続けることができます。
後述しますが、一見して何も問題がないように見えるのですが家賃が発生するというところが問題になります。
家賃の設定は買取価格によって決まります。
買取価格が高ければ高いほど家賃が高くなる仕組みになっています。
買取価格が安ければ家賃も安くなるのですが…
結局は不動産会社や投資家の方が儲かる仕組みになっています。
リバースモーゲージとリースバックの比較
下記はリバースモーゲージとリースバックを比較した表になります。
リバースモーゲージ | リースバック | |
資金調達の相手 | 銀行や金融機関 | 不動産会社や投資家 |
物件の所有権 | 維持できる | 買主に移転 |
資金用途 | 制限あり(投資等は×) | 制限なし |
固定資産税の納税義務 | あり | なし |
管理費・修繕積立金の支払い | あり | なし |
年齢制限 | あり(65歳以上) | なし |
対象不動産 | 戸建て住宅 | 戸建て、マンション等 |
住まいの状態 | 自己所有で居住継続 | 賃貸借契約で居住継続 |
資金調達までの期間 | 2ヶ月前後 | 最短で1週間(平均1ヶ月) |
年収条件 | あり(※年金等のキャッシュフローが十分でない限り高齢者にはハードルが高い) | なし(※但し家賃保証会社との契約が必要な場合が多い) |
支出の形態 | 利息の支払いが始まる | 家賃の支払いが始まる |
リバースモーゲージの方は所有権は維持されるので、固定資産税や修繕費用などは自分で支払わなければなりません。
リースバックは固定資産税はかかりませんが、賃貸契約の内容によっては修繕費用を自分で支払わなければならない場合もありますのでしっかりと確認しましょう。
リバースモーゲージとリースバックのメリット・デメリット
次にリバースモーゲージとリースバックのメリット・デメリットを見てみましょう。
リバースモーゲージのメリットとデメリット
リバースモーゲージのメリットとデメリットは以下になります。
・自宅を担保に融資が受けられる
・毎月の返済は利息のみ
・限度額まで何度でも借入が可能
・年齢と年収の制限がある
・不動産評価額の変動リスク
・資金用途に制限がある
・相続人の同意が必要
・借入可能額が少ない
デメリットの資金用途の制限ですが…
地方自治体の社会福祉協議会が提供しているリバースモーゲージは、自立支援を目的としているため、老後の生活資金のみにしか利用できません。
一方、住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージでは、住まいに関する5つ(本人が居住する住宅の建設・購入、リフォーム、高齢者向け住宅への入居一時金、住宅ローンの借りかえ、子世帯などの住宅資金)の用途のみで、生活資金としては利用できません。
金融機関が独自で提供しているリバースモーゲージは、事業用資金および投資目的以外なら原則自由とするものが多い傾向です。
また、借入可能額が少ないことも大きなデメリットになります。
リバースモーゲージの借入可能額を上げる方法についてはこちらをご参照ください↓
リースバックのメリットとデメリット
リバースバックのメリットとデメリットは以下になります。
・売却代金が一括で支払われる
・資金用途に制限がない
・所有するリスクやコストがなくなる
・家賃の支払いが発生する
・所有資産ではなくなる
リースバックはデメリットが少ないようですが後述する家賃の発生が大きなデメリットとなります。
買取価格によって家賃が決められるので、高く売却できないといった矛盾が生じています。
住宅ローンを組んで支払い残高が残っている段階でのリースバックは家賃の方が住宅ローンより高くなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
リースバックについての注意点はこちらをご参照ください↓
リースバックは家賃に気をつける
リースバックは自宅の買取価格によって家賃が設定されます。
買取価格が高くなると家賃も高くなるので注意が必要です。
リースバック後の家賃の計算は以下の方法で求められます。
家賃=買取価格×7〜13%÷12ヶ月
例えば
35歳で30年の住宅ローンを3,000万借り入れ、頭金の500万円を足して3,500万円の住宅を30年後に売却する場合
35,000,000×0.2(経年減点補正率27年以上)
=7,000,000
評価額は700万円になります。
土地(500万円)と合わせて高値で売れたとしても1,500万円
買取価格1,500万円の時の家賃は
1,500万×7〜13%÷12ヶ月
=87,500〜162,500円
家賃は約8万7千500円〜16万2千500円となります。
これが高いと思うのかは人それぞれですが、
1,500万円が手に入るといっても、築年数30年の住宅が郊外のマンション(2LDK、築年数10年)と同じくらいの家賃になる…
なんか納得のいかないのは私だけでしょうか?
自宅をお金に変える最善の方法とは
先にも述べましたが、自宅をお金に変える最善の方法は
「自宅を高値で売却して家賃の安い賃貸に引越すこと」
だと私は考えます。
自宅を売却して賃貸に引越す
自宅を売却して賃貸に引越すのは早い方がいいと思います。
というのは以下のリスクがあるからです。
・高齢になると賃貸借契約を断られる
・築年数が経つと建物の評価額が下がる
・15年目からメンテナンス費用がかかる
35歳で子供が小学生(8歳)の時に35年の住宅ローンで建てた住宅なら、子供が独立する12〜15年目が自宅を売却する目安だと思います。
まだ47歳〜50歳、現役で働いている時期なので賃貸借契約もスムーズに借りることができます。
また、メンテナンス費用にお金をかけることもなく売却できます。
評価額は木造住宅の場合は経年減点補正率12年で0.45となるので約半額になってしまいますが、高値で売却することができます。
この時期に自宅を売却すると、退職後にお金を貯めて現金払いで終の住処を建てることも可能です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください↓
銀行や不動産会社が儲かる仕組み
リバースモーゲージもリースバックも結局は銀行や不動産会社が儲かる仕組みだと思います。
確かに高齢になって自宅の処分に困っている人にとっては二束三文とはいえ自宅をお金に変えられるのでいいとは思います。
また、高齢になってから賃貸借契約できずに困ることもありません。
しかしながら、築年数30年の木造住宅ではメンテナンスが必要になります。
リースバックなら買主がメンテナンスをする義務があるのですが、注意しないと特約で借主にメンテナンス費用の負担を求められるケースがあります。
また、賃貸借契約の更新タイミングに家賃の値上げを要求されるケースもあります。
リバースモーゲージもリースバックも結局は銀行や不動産会社が損をしない仕組みであることを忘れないようにしましょう。
リースバックでよくあるトラブルについてはこちらのサイトがとても詳しく書かれています↓
リースバックでよくある11つのトラブル事例
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まとめ
今回はリバースモーゲージとリースバックの違いが分からない人に、それぞれの違いやメリット・デメリットを紹介してきました。
まとめると以下になります。
■リバースモーゲージのメリット・デメリット
・自宅を担保に融資が受けられる
・毎月の返済は利息のみ
・限度額まで何度でも借入が可能
・年齢と年収の制限がある
・不動産評価額の変動リスク
・資金用途に制限がある
・相続人の同意が必要
・借入可能額が少ない
■リバースバックのメリット・デメリット
・売却代金が一括で支払われる
・資金用途に制限がない
・所有するリスクやコストがなくなる
・家賃の支払いが発生する
・所有資産ではなくなる
■私が考える自宅をお金に変える最善の方法
「自宅を高値で売却して家賃の安い賃貸に引越すこと」
■リースバックは家賃に気をつける
家賃=買取価格×7〜13%÷12ヶ月
リバースモーゲージやリースバックは銀行や不動産会社が損をしないような仕組みになっています。
しっかりと仕組みを理解した上で自分なりの自宅をお金に変える方法を考えましょう。
この記事でリバースモーゲージやリースバックの仕組みについて知ることで、
自宅をお金に変えるにはどのような方法がいいのか自分で考える手助けになってくれれば幸いです。。
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