自宅を売っても住み続けられる?リースバックの仕組みと注意点について

まだ元気なうちに終活をしてしまおうと思う人は多いと思います。
そんな時にいちばん多い問題は、いま住んでいる自宅をどうするのかです。
相続するにしても古くなってしまっているし、老後の生活資金も心細い…
そんな時、自宅を売却してお金を調達し、そのまま住み続けながら生活資金に当てるといった人が増えてきています。

自宅を売却しても住み続けられるの?
自宅を売却しても住み続けられる「リースバック」という仕組みがあります。
これを利用するとそのまま自宅に住み続けながら生活資金の調達ができます。
同じような仕組みとして、「リバースモーゲージ」と「不動産担保ローン」があります。詳しくはこちらをご参照ください↓
今回は、「リースバック」の仕組みやメリット・デメリット、注意点などをご紹介します。
この記事が自宅の処分に困っている人や生活資金が心細い人の悩みを解決する手助けになれば幸いです。
【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
自宅を売っても住み続けられる?

自宅を売却するのが先なのか後なのかで「リースバック」と「リバースモーゲージ」という違った仕組みがあります。
短期間でまとまった資金を調達したい場合は「リースバック」の方がいいと思います。
まずは「リースバック」について詳しく見て聞きましょう。
リースバックとは
「リースバック」とは、住んでいる住宅を売却し、売却後は買主から賃借することで、もとの住まいに住み続けることができる不動産の売却方式です。
正式名称は「セール・アンド・リースバック」と呼ばれます。
通常の売却と異なり、リースバック方式で住宅を売却すると、まとまった資金が一括で入手でき、さらに売却後ももとの住まいを借りて住み続けることができます。
しかも、リースバックの中には、一定の条件のもと、売却した住まいを買い戻せる権利(この権利を「買戻し特約」といいます)が付いたものもあります。
リースバックのうち買戻し特約がついている場合は、売却先が一定期間第三者へ転売できないようになり、元の所有者は売却先との間で取り決めた期間内に買戻し金額などを支払うことで買戻しができるという仕組みになっています。
リバースモーゲージとの違い
リースバックとリバースモーゲージとの大きな違いは以下になります。
リースバック
→不動産を売却するため不動産の所有権は買い手に譲渡される。
リバースモーゲージ
→不動産を売却せず所有権はそのままで不動産を担保に融資を受ける
この不動産の所有権がなくなることによって、メンテナンスコストや不動産価格の下落などのリスクなどがなくなります。
詳しくは下記の表をご覧ください↓
リースバック | リバースモーゲージ | |
仕組み | 不動産を売却後、賃借する | 不動産を担保にし、融資を受ける |
借入の有無 | なし | あり |
所有権の移転 | する | しない |
担保の設定 | 不要 | 必要 |
調達できる資金 | 一般的な市場価格より低くなる | 金融機関の評価で異なり、市場価格よりも2割~3割低くなる |
ポイント | ・売却後、賃貸借契約に切り替えて住み続ける ・賃料が発生する ・売却条件に幅があるため利用しやすい | ・不動産を担保に融資を受ける ・利息の返済が発生する ・最終的に売却を前提にしている ・利用条件が厳しいため活用しにくい |
「リースバック」は、自宅を売却して資金を調達しつつ、自宅を賃貸にして月々の家賃を払う仕組みです。
「リバースモーゲージ」は、自宅を担保にして融資を受ける仕組みで、売却時の不動産価格が下落するリスクがあるため、毎年の金融機関の不動産評価額に左右され、借入限度額が下がる可能性があります。
リースバックのメリット・デメリット

次は、リースバックの代表的なメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
リースバックの代表的なメリットは以下になります。
売却後も住み慣れた家に住める
所有するコストがなくなる
所有するリスクがなくなる
現金化までの時間が早い
老後の資金や事業資金にできる
所有するコストがなくなるとは、固定資産税など毎年かかる税金や建物の修繕費、火災保険料などが不要になることです。
所有するリスクがなくなるとは、火災や地震などでの建物の倒壊や不動産評価額の下落、住宅ローンを借りている場合には金利の上昇などのリスクがなくなることです。
現金化までの時間が早いのは、不動産会社やファイナンス会社など専門の業者が買い取るケースがほとんどのため、現金化までの時間が短くて済むからです。
また、リースバック方式によって得られた資金は特に使い道が指定される訳ではないため、事業資金として活用することもできます。
※リバースモーゲージは提供している機関によって資金用途が制限される場合があります↓
■地方自治体の社会福祉協議会が提供しているリバースモーゲージ
→自立支援を目的としているため、老後の生活資金のみに利用
■住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージ
→住まいに関する5つの用途のみに利用
①本人が居住する住宅の建設・購入
②リフォーム
③高齢者向け住宅への入居一時金
④住宅ローンの借りかえ
⑤子世帯などの住宅資金
デメリット
リースバックの代表的なデメリットは以下になります。
売却価格が安い
所有資産ではなくなる
家賃が発生する
賃料が高い、値上げされる
売却価格が一般相場より安くなる可能性があります。
※売却価格が気になる場合は仲介による不動産査定額とリースバック方式による買取金額の見積もり金額を比較してみましょう。
売却後は自分の所有する資産ではなくなります。
そのことにより、賃借人として住み続ける形になるので、新しい所有者によって決められたルールを守る義務が生じるようになります。
賃貸住宅となりますので毎月決まった家賃を新所有者に支払うことになります。
年間の賃料は、住宅の築年数や土地の条件で変わってきますが、一般的に売却価格を基準にその地域の賃料相場から期待される利回りで決まるようになります。
しかしながら、賃料は建物を所有するオーナーがさまざまな住まい方のルールと併せて決めることができるため、高く設定されたり、値上げされるケースもあります。
賃料に関するトラブルを未然に防ぐためには、これらについて契約内容を細かく確認・交渉しましょう。
リースバックの注意点

リースバックの仕組みを利用する場合は下記のことに注意しましょう。
・売却金額と住宅ローンの関係
・定期借家契約満了時の再契約
売却金額と住宅ローンの関係
住宅ローンが残っている自宅をリースバックする場合には注意が必要です。
住宅ローンの残債よりも売却価格が上回っていれば、住宅ローンを完済できるため、リースバック方式を利用することは可能です。
(ただし、残債が多く残っている場合には、完済後手元に残る資金は少なくなります)
一方、売却価格が住宅ローンの残債を下回る場合は、住宅ローンを完済できず融資先の金融機関から抵当権を外す許可がもらえません。
そうなると、そもそも売却することができなくなってしまします。したがって、リースバックの利用もできなくなります。
定期借家契約満了時の再契約
売却先との条件によっては住み続けられる期間が定められることがあります。
その場合、一般的に定期借家契約によるリースバックとなることが多く、定期借家契約では所定の期間満了に伴い貸主が再契約を認めなければ、そこで契約が終了してしまいます。
リースバック方式で売買するものの、長く住み続けたい場合は、普通賃貸借契約でリースバックできるところを探すとよいでしょう。
再契約時の契約内容を細かく確認して、自分にとって不都合な契約にならないようにしっかりと交渉しましょう。
リースバックでの売却金額を査定する
いずれにしても、自宅の売却価格を知るところから始まります。
リースバックでの売却金額を査定するサイトは下記がおすすめです↓
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総合マネージメントサービスのリースバックなら、優先的に不動産を買い戻すこと可能です。
不動産評価額などの専門知識はもちろんのこと、買主へのリースバック交渉など特別なノウハウも必要になりますので、リースバックの実績がある業者に任せることをおすすめします。
総合マネージメントサービスは、融資・金融の分野だけではなく、不動産売買・賃貸仲介の資格も有している不動産および不動産担保ローンのエキスパートです。
将来的には住宅を買い戻したい方はぜひ総合マネージメントサービスのリースバックを利用してみてください。
まとめ

今回は、「リースバック」の仕組みやメリット・デメリット、注意点などをみてきました。
まとめると以下になります。
■リースバックとは
住んでいる住宅を売却し、売却後は買主から賃借することで、もとの住まいに住み続けることができる不動産の売却方式
売却後も住み慣れた家に住める
所有するコストがなくなる
所有するリスクがなくなる
現金化までの時間が早い
老後の資金や事業資金にできる
売却価格が安い
所有資産ではなくなる
家賃が発生する
賃料が高い、値上げされる
となります。
古く慣ればなるほど住宅には、維持するためのメンテナンス費用や災害などでの倒壊のリスクなどが上がってしまいます。
リースバックで自宅を売却してしまえば、不動産価格の下落のリスクなどもなくなり、早く資金を調達できるといったメリットがあります。
自宅の処分に困っている人にとって、自宅をお金に変えることができる仕組みを知っておいて損はないと思います。
この記事が自宅の処分に困っている人や生活資金が心細い人の悩みを解決する手助けになれば幸いです。
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