建築家を目指すには何が必要?建築士が建築家になるために必要なこと
建築士の資格を取ったとしても建築家としてデビューできる人少ないです。
建築家とは建築のために身を捧げている人のことであり、その人の生き方そのものが建築家としての証になります。
建築家は建築士のように国家資格ではないのではっきりとした定義はないのが現状です。
なので、建築家だと自称すれば今すぐにでも建築家になることはできます。
しかしながら、誰しもが認める建築家となるには以下のことが必要だと私は考えています。
建築家になるために必要なこと
・建築に対する知識と経験
・建築家としての実績
・共感してくれるクライアント
建築家として認められたいのであれば、これらのことを少しずつ積み上げていく必要があります。
私は建築業界で働き始めて今年で24年目(2023年現在)になります。
これまでの人生で数多くの尊敬できる建築家の先生方と一緒に仕事をしてきました。
建築家の先生方と一緒に仕事をしてきた刺激的な経験から、建築家になるには何が必要なのかを考えるようになりました。
この記事はそんな私が目指している理想的な建築家像の考えをまとめた記事になります。
建築家の先生ってどんな人?
職業としての建築家はたくさんいますが、それだけでは不十分だと私は考えています。
ルイス・カーン(Louis I. Khan)のように建築に人生を捧げている人が理想の建築家だと考えています。
なので、私が理想とする建築家は一般的に言われている建築家とは少し違うかもしれませんね^_^;
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
▶︎建築家になるために必要なこと
▶︎建築士と建築家の考え方の違い
▶︎具体的に何をすべきなのか?
上記のようなことがわかります。
今の時代、建築家を目指すためにやるべきことは、
建築家を目指すためにやるべきこと
・ブログやSNSでの発信
・建築的なブランディング
・建築を実現するための仲間づくり
だと考えています。
もちろんそれを地道にやったからといって必ず建築家になれるということではないのですが、
少なくとも理想とする建築家に近づけると私は信じています。
お金持ちの知り合いが仕事をくれて好きなように設計させてもらい、
それが建築雑誌に取り上げられて有名になり、仕事が舞い込んでくる…
なんて夢物語です。
建築家としてデビューできるチャンスが巡ってくるまで地道に自分自身の足元の地盤を固めていきましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。
「いいね!」や「フォロー」していただけるとうれしいです。ヨロシク(b・ω・d)デス♪
それからコメント欄はこれまで皆さんが経験してきたことを発信する場として使っていただければ幸いです。
役立つ情報をみんなで共有できるような書き込みは大歓迎です。
目次
建築家になるために必要なこと
建築家になるために必要なものは以下になります。
建築家になるために必要なこと
・建築に対する知識と経験
・建築家としての実績
・共感してくれるクライアント
建築に対する知識と経験
建築家になるために必要なもののひとつ目は、建築に対する知識と経験です。
建築に対しての知識や経験がないと、建築家として仕事することができないからです。
建築家としての仕事とは単に建築を作るだけでなく、建築に対しての新たな考え方や価値観を生み出してくことにあると思います。
その時に建築に対しての知識や経験がなければ新しいものは生まれないと思います。
新しい発想ってどうすれば生み出せるの?
建築だけでなく色々な分野の最新のテクノロジーに注目し、建築に利用できないか常に考えることでも新しい発想は生み出せます。
自分の立ち位置を建築に据えると他の分野のテクノロジーをどうやって建築に利用できるか考えるようになります。
その時に建築に対する知識と経験があれば、建築的な考えに基づいた新たな価値観を生み出せると思います。
また、建築に対する知識や経験がないとそれが新しい発想であるかどうかがわからないと思います。
建築に対する知識や経験を積み重ねることで生まれた建築に対しての新たな考え方や価値観は、多くの人に支持されると思います。
建築家としての実績
建築家になるために必要なものは、建築家としての実績です。
建築家としての実績がないと残念ながら建築家として認められないからです。
建築を建てるだけであれば建築士でもできるので、それだけでは建築家としての実績とは言えないと思います。
建築家としての実績はどうやって作ればいいの?
建築家としての実績になるものとは、どのような考えのもと作られた建築なのか、
明確なコンセプトやメッセージ性のある建築をどれだけ建てたかだと思います。
コンセプトやメッセージ性のある建築を作るためには、施主の建築に対する考え方や生活スタイルも重要になります。
面白い建築はそこで暮らす人も面白い考え方をしていることが多いです。
もちろん実際に建たなかったとしても、その建築に対してどれだけ考えたのかがわかる図面やエスキース、記録を残すことも実績になると思います。
建築家としての実績を積み重ねた結果として建築家として認められるのだと思います。
共感してくれるクライアント
建築家になるために必要なものは、共感してくれるクライアントです。
自分の考えや価値観に共感してくれる人(第三者)がいて初めて建築家として認められることになるからです。
共感してくれるクライアントがいなければそもそも建築家としての仕事が来ないと思います。
建築家としての仕事がない場合はどうすればいいの?
建築の仕事はクライアントあってのところがありますが、
自分のお金で建築を建てることで建築家としての仕事を作り出すことは可能です。
もちろんお金がなければできないことですが…
共感してくれるクライアントに出会うには、自分の考えや価値観を日頃からはっきりと主張する必要があると思います。
今ではSNSやブログ、youtubeなどの媒体で簡単に自分の考えを発信できる時代になりました。
私の場合はブログが発信するメインの媒体ですが、建築に対しての考えを発信するにはいい媒体だと考えています。
ブログで建築家として活動を続ける理由についてはこちらの記事をご参照ください↓
建築士と建築家の違い
建築士と建築家の違いは以下のところであらわれてきます。
建築士と建築家の違い
・常識に従うか疑問を持つか
・価値観を変えられるか
・建築に身を捧げているか
・説得できる表現力があるか
・建築に対する考え方や理論がある
常識に従うか疑問を持つか
建築士と建築家の違いは、常識に従うか疑問を持つかで違ってきます。
建築士は常識に従って仕事をすることが多いのですが、建築家は常識に対して疑問を持ち、常識を新たに作り出す力があります。
例えば、建築家は建築基準法で決められたことや市町村での条例での決まり事でも交渉を重ね、時には政治力を使って特例を認めさせることもあります。
建築家には建築士としての常識が通用しないの?
建築家の多くは建築士であるので、建築士としての常識は十分に理解しているのですが、
自分の表現したいことに法的な規制がかかった場合は、法自体に疑問を持ち、それを実現するためにさまざまな手段を考えると思います。
ただ常識に従って自分の表現したいことを諦めているようじゃあ、建築家とは言えないと思います。
価値観を変えられるか
建築士と建築家の違いは、価値観を変えられるかどうかで違ってきます。
価値観とは建築に対しての一般的な考え方のことで、建築家はこの価値観を変えてしまうくらい魅力的な建築空間を実現することができます。
建築家の住宅の例ですが、一般的なLDKの空間構成ではなく、路地で各部屋がつながった建築で、路地空間がリビングの代わりになるなど、
一般的な住宅とは違った建築を作り、暮らし方についての価値観を根本から変えてしまう仕事をします。
建築家の住宅って暮らしずらそうだけど?
確かに暮らしずらい住宅ができてしまう場合もあります。
しかしながら、暮らしずらくてもそれを忘れてしまうくらい魅力的な空間を作るのが建築家の仕事です。
例えば、安藤忠雄さんの「住吉の長屋」などがいい例です。
住宅は暮らしずらくても慣れてしまう場合が多いのも事実です。
建築家を目指すなら暮らし方についての価値観を根本から変えてしまうような仕事をしましょう。
建築に身を捧げているか
建築士と建築家の違いは、建築に身を捧げているかどうかで違ってきます。
建築士は職業であり建築に身を捧げているとはいえないのですが、
建築家は建築に対して身を捧げているので生き方そのものが自分の目指す建築を実現することに繋がっています。
例えば、建築の納まりをよくするためには工事予算が足りなかった場合など、
建築家は納まりをよくするために工事予算をクライアントと交渉して引っ張り出してきたり、時には自腹で工事予算を負担したりします。
自腹で工事費を負担する意味あるの?
自分の作る建築は自分の作品だと考える建築家は多いため、
建築家にとって建築の納まりをよくすることは自分の作品への愛情の表れだと思います。
建築に身を捧げているからこそ、それを少しでもよくする努力を惜しまないのが建築家だと思います。
説得できる表現力があるか
建築士と建築家の違いは、説得できる表現力があるかで違ってきます。
建築家にはクライアントを説得できる表現力があります。
私がこれまで見てきた建築家の先生方にはコミュニケーション能力だけでなく、パースや模型などで魅力的な建築空間を表現する力がありました。
パースや模型が上手くないと建築家になれないの?
クライアントを説得できればパースや模型の上手さはあまり関係ないと思います。
表現力は言葉の使い方ひとつでも変わってきます。
建築家は洗脳とも呼べるコミュニュケーション能力を使ってクライアントを説得する人が多いです。
建築に対する考え方や理論がある
建築士と建築家の違いは、建築に対する考え方や理論があるかで違ってきます。
建築家にはそれぞれに建築に対する考え方や理論があります。
建築はその考え方や理論を実践するための作品になる場合が多いです。
建築に対する考え方や理論がないとどうなるの?
建築に対する考え方や理論がないと、新たな価値観を持った建築を作ることができないと思います。
我々の暮らしに新たな価値観を持った建築空間を作ることは建築家の仕事のひとつです。
新たな価値観を持った空間とは、例えば3Dプリンターなど新たな工法によって作られた建築空間や、新しい木構造で作った建築空間などのことです。
建築に対する考え方や理論がないと新しい工法や構造などを用いて建築空間を作ることは難しいと思います。
建築家を目指すなら自分の建築に対する考え方や理論をしっかりと持ち、それを実践できる機会を待ちましょう。
建築家を目指すためにやるべきこと
私が考える建築家を目指すためにやるべきことは以下になります。
建築家を目指すためにやるべきこと
・ブログやSNSでの発信
・建築的なブランディング
・建築を実現するための仲間づくり
ブログやSNSでの発信
建築家を目指すためにやるべきことのひとつ目は、ブログやSNSでの発信することです。
ブログやSNSで自分の考えや情報を発信をすると共感してくれるクライアントと出会える可能性が広がるからです。
ブログやSNSで建築家として活動するメリットとしては以下のようなことが考えられます。
・共感してくれる人が増やせる
・お金をかけずに活動できる
・建築家としての影響力が得られる
などが挙げられます。
フォロアーを増やすためにブログやSNSで何を発信すればいいの?
役立つ情報を発信するのが一番いいと思います。
私もまだSNSでの情報発信は本格的にしていないのですが、ブログでは「住宅の悩みを解決する」ことをテーマに発信しています。
おかげさまで2年目で月25,000PVを達成することができました。
まだ、お問い合わせが劇的に増えたというわけではないのですが、続けていれば共感してくれるクライアントに出会う可能性は高くなります。
自分のできる範囲で有益な情報や建築に対する考え方をブログやSNSで発信していきましょう。
建築的なブランディング
建築家を目指すためにやるべきことは、建築的なブランディングすることです。
自分自身を建築的にブランディングできれば、建築に付加価値をつけることができるからです。
建築に付加価値があると自分の生活スタイルに合ったオーダーメイドの住宅というだけにとどまらずに、
施主に所有欲や満足度を与えることができます。
建築的なブランディングってどうすればつけることができるの?
例えば、ホテルのような非日常の演出がなされたおしゃれなリビングや、
エアコン一台で温熱環境が快適になる高性能の住宅であったり、
設計事務所の得意とするわかりやすいキャッチコピーを考えることで建築的なブランディングはつけることができます。
近年の建築費用の上昇により、いつまでもローコスト住宅をターゲットにしていると経営が厳しくなります。
これから設計事務所が目指すべきものは、建築に付加価値をつけてそれなりの納得する建築費用をかける住宅だと思います。
そのために設計事務所として建築的なブランディングをすることがとても重要になります。
建築を実現するための仲間づくり
建築家を目指すためにやるべきことは、建築を実現するための仲間づくりをすることです。
自分がいくら新しい建築のアイデアがあっても、それを実現するためには工務店や施工会社、専門業者の協力が必要になるからです。
協力してくれる仲間がいると自分では手の余る仕事でも窓口になることができます。
仕事の窓口になることはとても重要です。
仕事の窓口になれば、その仕事をどのように進めるかのディレクションを自分主導で行え、自分の実績とすることができるからです。
どうすれば仲間づくりができるの?
仲間づくりは仕事を工務店や施工会社に持っていくことでも作ることができます。
儲かる仕事を持っていけば、評価やコネクションを強固にすることができます。
工務店や施工会社とのコネクションの作り方についてはこちらの記事をご参照ください↓
まとめ
今回は建築家を目指している建築士や建築家になるために必要なことを知りたい人に対して、
私が考えた建築士が建築家になるために必要なことをご紹介してきました。
まとめると以下になります。
建築家になるために必要なこと
・建築に対する知識と経験
・建築家としての実績
・共感してくれるクライアント
建築士と建築家の違い
・常識に従うか疑問を持つか
・価値観を変えられるか
・建築に身を捧げているか
・説得できる表現力があるか
・建築に対する考え方や理論がある
建築家を目指すためにやるべきこと
・ブログやSNSでの発信
・建築的なブランディング
・建築を実現するための仲間づくり
もちろんそれを地道にやったからといって必ず建築家になれるということではないのですが、
少なくとも理想とする建築家に近づけると私は信じています。
お金持ちの知り合いが仕事をくれて好きなように設計させてもらい、
それが建築雑誌に取り上げられて有名になり、仕事が舞い込んでくる…
なんて夢物語です。
建築家としてデビューできるチャンスが巡ってくるまで地道に自分自身の足元の地盤を固めていきましょう。
この記事で建築家を目指す建築士が少しでも増えてくれれば幸いです。
この記事が役に立った、面白かったという方はコメントしてくださいね。
また、FacebookやTwitterでみなさんのお役にたてる情報発信しています!
「いいね!」や「フォロー」していただけるとうれしいです。ヨロシク(b・ω・d)デス♪
アーキトリック一級建築士事務所