設計事務所の注文住宅ってどう違うの?設計事務所の5つの特徴と注意点

皆さんも家づくりを考える際に、工務店は家を建ててくれるところ、大工さんが作ってくれるとかなんとなくイメージはあると思いますが、

設計事務所っていうと名前は聞いた事があるけどピンとこない、具体的にはどんなとこなのか?って疑問な方も多いと思います。

設計事務所ってどういうことをするの?

基本は名前の通り建物の設計を業務のメインにしていますが、

設計事務所によって家、マンション、ビルだったり、木造、鉄骨造、RC造とか得意とする設計や業務範囲なんかも違います。

したがって、いわゆる工務店やハウスメーカーに家づくりを依頼するのと少し違うスタンス、立ち位置がちょっと変わるので、

設計事務所の特徴や設計事務所に依頼するメリット、どんな人が向いているのか?をしっかりと理解した上で選択しないと依頼してから、

「こんなはずじゃなかった」

「思っていた家づくりと違う」

って後悔する可能性があります。

そこで今回は家づくりの基本知識として、

マイホームを依頼する際の選択肢の1つである設計事務所について5つの特徴と設計事務所に依頼する際の注意点を詳しくお伝えしたいと思います。

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎設計事務所の注文住宅がどう違うのか知りたい人

▶︎設計事務所の注文住宅の注意点を知りたい人

上記の方々に対して、設計事務所の5つの特徴と注意点をご紹介します。

この記事で注文住宅を設計事務所に頼む人が少しでも増えてくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

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設計事務所の5つの特徴

はじめに結論をいうと設計事務所の特徴は次の5つです。

設計事務所の5つの特徴

・設計と監理がメインで家を作らない

・自由度の高い家づくりができる

・設計士の個性が強い場合がある

・設計料が別途必要になる

・独立した立場での工事監理

設計事務所といっても色々あるので全て当てはまるわけではないですが、

今回は一般的な特徴をまずお伝えしてその上で、設計事務所に依頼するメリットと注意点を解説したいと思います。

設計と監理がメインで家を作らない

設計事務所の特徴のひとつ目は、設計と監理がメインの仕事で家は作らない事です。

工務店やハウスメーカーの場合は建物の設計から施工、引き渡した後のアフターまで全てひとつの住宅会社の窓口で完結するのが一般的です。

一方、設計事務所の場合は建物の設計と図面通りに工事が施工されているかを監理するのが仕事なので、

実際に材料を発注して職人さんを手配したり、家を作ったり、アフターサービスまで行っている所はかなり少ないです。

設計事務所に依頼する際の具体的な家づくりの流れは、

設計事務所の家づくりの流れ

・建物の基本的な図面を描いてもらう
平面図、立面図、矩計図(断面図)など基本的な図面を作成する
⬇️
・仕様を決める
どこに何の材料を使うのか?それぞれの色合いや雰囲気を決めます
⬇️
・実施設計をしてもらう
建築基準法や構造計算、設備設計など具体的な実施図面を作成する
⬇️
・相見積もりで施工会社を決める
数社から見積もりを取り、その条件で家を作れる工務店や建設会社を決める
⬇️
・工事監理をする
工事が始まったら現場で図面通り施工しているかを監理する

というのが、簡単な設計事務所の業務の特徴のひとつになります。

自由度の高い家づくりができる

設計事務所の特徴の2つ目は、自由度の高い家づくりができる事です。

設計事務所は名前の通り設計業務に特化しているので、間取りや使う材料、デザインの自由度が抜群に高いのが特徴です。

工務店では材料は何を使うのかある程度の標準仕様が決めてあったり、ハウスメーカーも合理化のために間取りの自由度に制限があるところも多いです。

それが悪いって意味ではないのですが、

ひとつひとつの材料選定から本当に全てを自分で決めたい、完全オリジナルが良いって人には設計事務所が一番満足度の高い家を作ることができます。

設計士の個性が強い場合がある

設計事務所の特徴の3つ目は、設計士の個性が強い場合がある事です。

実際には設計事務所に限った話ではないのですが、

設計士はいい意味で個性的なセンスや考え方を持っている人が多くて、それがそのままダイレクトに建物の図面に表われる事があります。

その個性が好きという場合にはもちろん良いのですが、実際に設計してもらったらちょっと違ったとなる可能性もあるので、

依頼する前にしっかりと吟味した方がいいと思います。

当たり前ですが、自分のエゴばかり押し付けずにちゃんとお客様に合わせて柔軟に対応してくれる設計士もいるので、

設計事務所に依頼したら絶対に個性的な家になるってわけではないです。

設計料が別途必要になる

設計事務所の特徴の4つ目は、設計料が工事費用とは別で必要になる事です。

工務店やハウスメーカーに依頼しても設計料は必要ですが、大体50〜100万円ぐらいのところが多いと思います。

工務店やハウスメーカーの場合は、余計にかかった分は工事費用に含まれているので一概に設計料がこれだけとは言えないのですが…

設計事務所の場合は建物の規模やつくり方、どれくらい複雑かによっても変わりますが、

大体、工事費用の10〜15%くらいが相場です。

例えば、2,500万円の家なら250万円の設計料が工事費用とは別途で必要になります。

この設計料の金額を高いと思うかは人それぞれですが、

少し高くても設計事務所に依頼したい人やそこに価値を感じるかどうかが設計事務所に依頼する際のポイントのひとつになります。

独立した立場での工事監理

設計事務所の特徴の5つ目は、独立した立場での工事監理する事です。

設計事務所の仕事は前述しましたが、あくまで建物の設計と監理で実際に工事をする施工会社とは利害関係がない別の立場になるので、

厳しくミスや施工不良をチェックし是正してくれます

そもそもしっかりと施工してくれる信頼できる施工会社に工事を依頼することが大前提の話なのですが、

それでもちょっと心配だなっていう人にとっては設計事務所が第三者的な立場で監理してくれるのはすごく安心です。

ただし、設計事務所から紹介されたつながりのある施工会社に工事を依頼する場合は、客観的な立場で監理をしくれない可能性もあります。

この対策としてはお客様が自分で工事してくれる施工会社を探してくるという方法がいいと思います。

自分で施工会社を探すっていうと少し大変なイメージがあるかもしれませんが、

普通に街中にある工務店で設計と監理は設計事務所で、工事だけでも請け負いますよって所はたくさんあります

家が完成するまでも長いですが、暮らし始めてからの方がもっと長いです。

何か不具合があった場合に相談できる工務店やアフターまで面倒を見てくれる施工会社を探して、

自分の目で確かめて自分の責任でしっかりと選定しておくことはとても大切なことだと思います。

第三者での適切な監理を有効にするという意味でも設計事務所と合わせて工務店や施工会社選びも慎重に検討するようにしましょう。

設計事務所に依頼する3つのメリット

次にここまで見てきた特徴を踏まえて、設計事務所に依頼する3つのメリットを簡単に解説していきます。

設計事務所に依頼する3つのメリット

・自分の希望通りの家づくり

・オリジナルの提案

・第三者の立場での監理

自分の希望通りの家づくり

設計事務所に依頼するひとつ目のメリットは、自分の希望どおりに家づくりができることです。

設計事務所は設計の自由度が一番の強みで得意分野なので、

こうあるべきみたいな枠にとらわれない家づくりをしたい人や、

独自の価値観、趣味やライフスタイルを実現したい人にとっては、

じっくり相談すればかなり満足度の高い家が完成すると思います。

オリジナルの提案

設計事務所に依頼する2つ目のメリットは、他にはないオリジナルの提案をしてもらえることです。

ひとつ目のメリットに似ていますが、

設計事務所が向いている人

・他の人と同じような家は嫌だ

・自分でも思い付かないような提案をしてもらいたい

・一流の設計士に建物プランを作って欲しい

と考える人は価値観がばっちりあう設計事務所に出会えればピッタリだと思います。

第三者の立場での監理

設計事務所に依頼する3つ目のメリットは、施工会社を第三者の立場で監理してもらえることです。

私も会社時代に何度か欠陥住宅を目の当たりにしたことがありますが、

施工者と監理者は利害から離れた立場で、

施工会社や工事現場に厳しく目を光らせてくれる設計事務所は頼もしい存在になること間違いなしです。

設計事務所に依頼する際の注意点

設計事務所に依頼する際の注意点は以下の2点になります。

設計事務所に依頼する際の注意点

・設計に多くの時間がかかる

・無料でのプラン提案が難しい

設計に多くの時間がかかる

設計事務所に依頼する際の注意点のひとつ目は、設計に多くの時間がかかることです。

例えばハウスメーカーのようにある程度決まった標準仕様から材料を選択したり、規格から建物プランを組み合わせるわけではなく、

本当にゼロからプランを作っていくし、細かい材料もいちから選定していくのでどうしても設計に時間がかかってしまいます

設計事務所の注文住宅は時間がかかる理由についてはこちらの記事をご参照くさい↓

時間的に余裕がある人、しっかりと時間をかけて自分の思い通りの家にしたい人には良いのですが、

来年の小学校の入学式に間に合わせたいとか時間に制限がある人だと場合によっては難しいかもしれません。

無料でのプラン提案が難しい

設計事務所に依頼する際の注意点の2つ目は、無料でのプラン提案が難しいことです。

特にハウスメーカーの場合はプランがある程度規格化されていたり、今までのストックも豊富にあるので、

契約前でも無料で建物のプランの提案をしてくれるところが多いです。

正直これは、設計事務所に限らず最近は自由度の高い工務店でもプラン提案は有料ってところが多くなっています

ゼロからたくさんの時間をかけてプランを作るので当たり前といえばそうかもしれません。

ただプランが有料になってしまうって場合は、今までの施工事例を見せてもらったり、モデルハウスなどを見学して雰囲気を感じるしかないので、

マイホームのイメージが少し掴みにくいのでデメリットになる可能性があります。


ちなみに、私も静岡県沼津市で設計事務所を開業して16年目(2022現在)になります。

無料相談を受け付けているのでブログ読者からの住宅の悩み相談する機会が多いです。

家づくりのことで行き詰まってしまったり、悩みを相談したい人は是非、私どもの無料相談をご利用ください↓

まとめ

今回は設計事務所の注文住宅がどう違うのか知りたい人や設計事務所の注文住宅の注意点を知りたい人に対して、

設計事務所の5つの特徴と注意点をご紹介してきました。

まとめると以下になります。

設計事務所の5つの特徴

・設計と監理がメインで家を作らない

・自由度の高い家づくりができる

・設計士の個性が強い場合がある

・設計料が別途必要になる

・独立した立場での工事監理

設計事務所が向いている人

・他の人と同じような家は嫌だ

・自分でも思い付かないような提案をしてもらいたい

・一流の設計士に建物プランを作って欲しい

設計事務所に依頼する際の注意点

・設計に多くの時間がかかる

・無料でのプラン提案が難しい

設計事務所の特徴や設計事務所に依頼するメリットやどんな人が向いているのかをしっかりと理解した上で選択しないと依頼してから、

「こんなはずじゃなかった」

「思っていた家づくりと違う」

って後悔する可能性があります。

今回ご紹介した内容が全てではないのですが、

これからマイホームを考えている人にとって基礎知識として、なんとなく設計事務所がどんな会社なのか少しでも理解しておきましょう。

この記事で注文住宅を設計事務所に頼む人が少しでも増えてくれれば幸いです。

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