それでも設計事務所にする?設計事務所の注文住宅は時間がかかる理由

気に入った設計事務所で注文住宅を依頼したいけど…

どのような流れになるのかや完成までどのくらいの時間がかかるのか不安に感じる人は多いと思います。

設計事務所の注文住宅は時間がかかるの?

設計事務所に注文住宅を頼むと完成までに早くて1年近くかかります。

長い場合は完成まで2年〜2年半かかったなんて住宅もありました。

設計事務所の注文住宅はなぜ時間がかかるの?

設計事務所の注文住宅がなぜ時間がかかるのかは、いろいろと理由がありますが、簡単にいうと全てがオーダーメードで、ゼロベースで設計を始めるからです。

今回は、設計事務所に注文住宅を依頼したいけど完成までに時間がかかると悩んでいる人に、

なぜ時間がかかるのかや完成までを早くするためにすることなどを紹介します。

この記事で、設計事務所の注文住宅が時間がかかることに不満を持っている人が、少しでも納得のいく答えを見つけれられれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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設計事務所だと時間がかかる理由

設計事務所だと時間がかかる理由は、設計事務所の注文住宅の進め方や時間のかかる作業があるからです。

以下で詳しく見ていきましょう。

設計事務所の注文住宅の進め方

設計事務所の注文住宅の進め方は以下になります。

①予算とイメージづくり
②設計事務所選び
③基本設計
④設計監理等業務委託契約
⑤実施設計
⑥相見積もりと施工会社選び
⑦見積り調整
⑧工事請負契約
⑨着工
⑩中間検査
⑪竣工、引き渡し


詳しくはこちらの記事をご参照ください↓

①と②は決まっているとして、

③基本設計
→2〜3ヶ月
⑤実施設計
→1〜2ヶ月
⑥相見積もりと施工会社選び
→1ヶ月
⑦見積り調整
→1ヶ月
⑨〜⑪建築工事
→5〜6ヶ月
_______________________________
合計期間:10〜13ヶ月

基本設計から始めて引渡しまで約1年かかる計算になります。

※あくまで、基本設計や解体工事、造成工事がないなどスムーズに行った場合の合計期間になります。

注文住宅で時間がかかる作業

上記の流れの中でも特に時間のかかる作業は以下になります。

・基本設計
・仕上げの確認
・設備のグレードを決める
・相見積もりと施工会社選び
・施工会社の経験不足

基本設計

基本設計は、その敷地の法的な規制や測量、地盤調査などを行い建築可能な間取りや外観などを検討する作業です。

建物のコンセプトと深く関わってくるため、とても重要な作業であり、なかなか決まらないで長引いてしまうなんてことがよくあります。

基本設計の段階ではあくまでの建築可能な間取りや外観を、配置図、平面図、立面図、断面図、建築模型などを用いて建物を具体的な形にしていく作業が主になるので、

この段階で、材料や設備はこれを使いたいなど具体的なことに悩んでしまったりするお施主さんもいますが、それは実施設計の段階でやることになります。

建築に対してのミクロな視点マクロの視点をうまく使い分けるようにしましょう。

基本設計はどちらかというとマクロな視点を決める作業になります。

仕上げの確認

仕上げの確認とはメーカーのサンプルなどを取り寄せて一つずつ確認する作業となります。

実施設計の段階で仕上げは一つずつ確認していくのですが、この作業も時間のかかる作業になります。

メーカーのサンプルは小さいため、それを使用した場合の全体のイメージがつきずらいのでなかなか決めることができないなんてことがよくあります。

そんな場合は、3DCGパースなどを作ってもらったり、それを使用している実例やメーカーのショールームに実際に足を運ぶことがおすすめです。

設備のグレードを決める

設備のグレードを決める作業も実施設計の段階です。

メーカーのショールームに行って実物を見て使い勝手などを確認する作業になります。

メーカーのショールームに行くと自分が選んでいた設備にいろいろなオプションがあるのでなかなか決められないなんてことよくあります。

ショールームのコーディネーターはいろいろと進めてくるので、自分の使い勝手の基準をしっかりと持たなければ迷ってしまいます。

そんな場合は、気になるオプションは全部入れておき、見積り調整の段階で予算がオーバーしてしまったら削る作業をしましょう。

相見積もりと施工会社選び

相見積もりと施工会社選びも時間のかかる作業です。

相見積もりについてはこちらの記事をご参照ください↓

施工会社の選び方ですが、住宅が建ってからも長い付き合いになるので信用できるかや、すぐに対応してくれるかなどで決めた方がいいと思います。

いくら相見積もりで安いからといって、そこに決めたのはいいけど数年後に潰れてしまった!

なんてことよくあります。

また、すぐに対応してくれるのかは会社の体制づくりに関係しています。

従業員の多い会社でも、住宅部門を切り離している施工会社もあります。

会社としての信用や、すぐに対応してくれるかなどは、その会社で施工した住宅の施主に話を聞くのが一番だと思います。

施工会社選びに迷っってしまったら、今まで建てた建物を見学させてもらって、その時に話を聞くのもいい方法だと思います。

施工会社の経験不足

工事が始まってからの段階で施工会社の経験不足により工事が遅れてしまったなんてこともあります。

施工会社によっては設計事務所が指定する材料や設備を取り扱ったことがない場合があるためです。

設計事務所側からすれば、契約前の段階でどうやって施工するのかを考えていてほしいところですが…

見積もり段階から工事が始まるまでの準備期間が短いと工事が始まってからうまくいかないなんてことがあります。

そんな時は見積り調整する期間をしっかりと取りそこで施工上の不明瞭なところをはっきりと決めたり、代替案を考えておきましょう。

完成を早くするためにすること

完成を少しでも早くするための方法は以下が代表的な事柄になります。

・コンセプトを明確にする
・最初から注文住宅の仕様を決める
・最初から施工会社を決める
・予算に余裕を持つ
・設計事務所や施工会社に任せる


などが挙げられます。

コンセプトを明確にする

設計段階からコンセプトを明確にすることは重要なことです。

住宅のコンセプトは簡単でわかりやすいものがいいと思います。

例えば、「老後も快適に暮らせる住まい」などです。

コンセプトがはっきりしていると何が必要か、そうでないのかが分かるため基本設計の作業がスムーズに進みます

「老後も快適に暮らせる住まい」の場合は高齢者等配慮等級などのバリアフリーの設計が求められます。

また、温熱環境や使う材料、メンテナンスなども高齢者にとって使い勝手の良いものを選ぶ設計になります。

コンセプトがぶれてしまうと設計がまとまらないので、設計する前段階の暮らしをイメージするところで考えておきましょう。

最初から注文住宅の仕様を決める

最初から注文住宅の仕様を決めると設計や施工するのが早くなります。

仕様とは断熱方法、床・壁・天井の仕上げ、軒天、屋根、外壁などの材料や仕上げのことを言います。

建築の素人が仕様を決めることは難しいのですが、

実際の建物を見学させてもらって

〇〇邸と一緒の仕様にしたい

というだけで大体の仕様は決めることができます

これが決まっていないと、複数の選択肢から選ばなければならないため、初めて家を建てる人は迷ってしまうケースが多いです。

例えば、壁の仕上げひとつとっても、クロス仕上げ、左官仕上げ、板張り、エコカラット仕上げなどなど、たくさんの仕上げがあります。

従って、最初から仕様が決まっていると設計や施工するのが早くなります。

最初から施工会社を決める

最初から施工会社を決めると相見積もりや施工会社選びの手間が省けるので、その分、完成を早くすることができます。

設計事務所としても施工会社が決まっていると

設計段階から打合せに入ってもらい施工可能かどうかや予算に収まるかどうかなどを相談できるので助かることがあります。

また、前もってスケジュールがわかっていれば、いざ着工となった場合の準備期間の短縮にもなります。

しかしながら、デメリットもあります。

一番大きいのは相見積もりでの値引き交渉ができないところです。

施工会社もどこかの工事で利益を取らなければならないので、その工事金額が適正かどうかの判断は相見積もりをしないとわからないと思います。

最初から施工会社を決めて工事を早くするのか、適正な価格で工事をしたいのかはどちらを優先するのかで決めましょう。

予算に余裕を持つ

予算に余裕を持つことも工事を早くするには重要なことです。

建築はお金を使えば解決できることがほとんどです。

例えば、明日までに屋根を仕上げたい場合、お金を使って人手を増やせば解決できます。

工事を早くしたいのであれば、お金を使うことで解決できることが多いので予算には余裕を持っておきましょう

設計事務所や施工会社に任せる

自分では迷って時間がかかりそうなら、設計事務所や施工会社に任せることも工事を早くするためには必要なことです。

それでも、自分が全部決めたい!

って人も中にはいますが、工事を早くすることを考えたらあまりおすすめではありません。

設計事務所や施工会社の方が、建築についての専門的な知識や現在出回っているの材料などの知識やノウハウがあります。

工事を早くするには、ある程度は人に任せる姿勢も必要です。

まとめ

今回は、設計事務所に注文住宅を依頼したいけど完成までに時間がかかると悩んでいる人に、

なぜ時間がかかるのかや完成までを早くするためにすることなどを紹介してきました。

まとめると以下になります。

注文住宅で時間がかかる作業

基本設計

仕上げの確認

設備のグレードを決める

相見積もりと施工会社選び

施工会社の経験不足

完成を早くするためにすること

コンセプトを明確にする

最初から注文住宅の仕様を決める

最初から施工会社を決める

予算に余裕を持つ

設計事務所や施工会社に任せる

設計事務所の注文住宅は時間がかかるのは仕方がないことだと思います。

しかしながら、注文住宅でしか世界で一つだけの自分にあった住宅は作れないと思います。

それでも、なるべく早く完成させたい人は前述した事柄を頭に入れてスムーズに作業が進むように心がけておきましょう。

この記事で、設計事務所の注文住宅が時間がかかることに不満を持っている人が、少しでも納得のいく答えを見つけれられれば幸いです。

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