セルフビルドの建築確認申請に必要な図書③壁量計算図書

前回は配置図、求積図、シックハウス関係図書の描き方と注意事項を見てきたわけですが、今回は壁量計算図書の描き方と注意事項を見ていきたいと思います。

平面図、立面図とその他で必要となる図面の描き方と注意事項はこちらへ↓

配置図、求積図、シックハウス関係図書で必要となる図面の描き方と注意事項はこちら↓

壁量計算図書について

壁量計算は、令46条4項に定められ、建物にかかる地震力風圧力に対して必要な壁量(必要壁量) を満たしているかを確かめる計算方式です。

耐力壁の倍率と長さを乗じたもの(有効壁量)を壁の種 類ごとに求め、その総和が必要壁量を超えるようにすることによって、一定の耐震、耐風性能が満たさ れたことを確認するものです。

「四号建築物」は以前は特例で壁量計算図書の添付は不要とされていた(静岡県の特定行政機関では添付が義務付されていた)のですが。建築基準法施行告示平成27年6月1日により壁量計算書等の添付が必要になりました。

地震力に対して

まずは地震に対する必要壁量を求めます。

[地震の必要壁量]=[床面積(㎡)]×[地震力に対する床面積あたりの必要壁量(m/㎡)]×[係数]

地震力に対する床面積あたりの必要壁量(m/㎡)
■屋根を軽い材料でふいた場合
・平屋:0.11(m/㎡)
・2階建ての1階:0.29(m/㎡)
・2階建ての2階:0.15(m/㎡)
■瓦など重い材料でふいた場合
・平屋:0.15(m/㎡)
・2階建ての1階:0.33(m/㎡)
・2階建ての2階:0.21(m/㎡)

と必要壁量が決まっています。

2階建ての屋根を瓦など重い材料でふいた木造住宅で
1階の床面積:106.00㎡
2階の床面積:53.00㎡

1階の必要壁量は
106.00×0.33=34.98
となり、34.98mの耐力壁がXとY方向に必要

2階の必要壁量は
53.00×0.21=11.13
となり、11.13mの耐力壁がXとY方向に必要

この必要壁量以上に[壁の長さ]×[壁倍率]で求めた壁量があればOKということになります。

風圧力に対して

強風などに対しての必要な壁量のことです。

[各階見付け面積]×[壁係数(風圧)]

各階見付け面積とは各階の床面から1.35m以下の部分を除いた面積となります。

壁係数(風圧)とは一般地域では0.50m/㎡と定められています。0.5~0.70m/㎡の範囲で各地域によって定められています。

1階のY方向の見付け面積:44.86㎡
1階のX方向の見付け面積:38.93㎡

2階のY方向の見付け面積:31.40㎡
2階のX方向の見付け面積:19.32㎡

の場合

1階Y方向に必要壁量は→44.86×0.50=22.43 ∴22.43m
1階X方向に必要壁量は→38.93×0.50=19.47 ∴19.47m

2階Y方向に必要壁量は→31.40×0.50=22.43 ∴15.70m
2階X方向に必要壁量は→19.32×0.50=19.47 ∴9.66m

となります。

この計算により求められた必要壁量以上に[壁の長さ]×[壁倍率]で求めた壁量があればOKということになります。

壁倍率について

壁倍率とは筋交いなどの種類によって定められた倍率のことです。

[壁全長]×[壁倍率]=壁量 >必要壁量=OK

たとえば、910mmの長さの壁をたすき掛け(45×90)にする場合は壁倍率4.0となり

0.91×4.0=3.64m

の壁量があることになります。

下の図に示したように壁倍率が定められています。

X方向とY方向にそれぞれ求めて必要壁量が確保できているかどうか検討します。

下図の2階建ての屋根を瓦など重い材料でふいた木造住宅の場合

1階の必要壁量は106.00×0.33=34.98mの耐力壁がXとY方向に必要

2階の必要壁量は53.00×0.21=11.13mの耐力壁がXとY方向に必要

・1階 X方向
 1.82mm×壁倍率4.0×8ヶ所=58.24m
 > 必要壁量34.98m =OK
・1階 Y方向
 1.82mm×壁倍率4.0×9ヶ所=65.52m
 > 必要壁量34.98m =OK

・2階 X方向
 1.82mm×壁倍率4.0×4ヶ所=29.12m
 > 必要壁量11.13m =OK
・2階 Y方向
 1.82mm×壁倍率4.0×6ヶ所=43.68m
 > 必要壁量11.13m =OK

となり必要壁量を確保できていることになります。

偏心率について

偏心率とは、重心と剛心のへだたりのねじり抵抗に対する割合で値が大きければ大きいほどバランスが悪い結果となります。

逆に値が小さい、0に近づくほどバランスが良い建物です。

建物を平面的に見て耐震要素の偏りをチェックする数値です。X方向とY方向は別々に確認します。

「四号建築物」の場合は偏芯率0.3を上回らないようにしなければなりません。
※建築基準法では高さ13mを超える鉄筋構造の建築物や高さ9mを超える木造建築物をはじめとした特定建築物に対して、偏心率0.15を上回らないことを義務づけられています。

まとめ

壁量計算図書について壁量計算ソフトを利用するのが早いのですが、ソフトを利用する場合でも壁量計算の仕組みを知らなければ使い方がわからないと思います。

壁量計算は手計算で慣れればすぐに求められるので設計する時、筋交いを入れるか入れないかの目安に計算してみることをおすすめします。

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