どんな空間にしたい?照明器具を選ぶ前に知っておきたい基礎知識
照明器具といってもいろいろありますが、選んだ照明器具がどのように照らしてくれるのかは実際つけてみないとわかりづらいです。
種類もたくさんあるので統一感を出すにはどれを選べばよいのかや自分のイメージする雰囲気に合った照明器具はどれなのかなど考える前に知っておきたいことを簡単ですがまとめてみました。
照明器具を選ぶ前にどんな空間にしたいかイメージすることが大事です。ただ照明器具を選ぶだけでは自分のイメージを完全に実現することは難しいので、照明計画の基礎知識が必要になります。
どんな照明器具があるのかを知るまえに照明についての基礎知識をまとめてあります。まずはこちらをご参照ください↓
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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照明器具の種類
代表的な照明器具の種類は以下の通りです。
:シーリングライト
:ペンダントライト
:シャンデリア
:ダウンライト
:スポットライト
:ブラケットライト
:スタンドライト
:エクステリアライト
画像はODELIC(オーデリック株式会社)より
■シーリングライトは天井につけて部屋全体を明るくするタイプのものです。引掛シーリングが付いていれば専用のアダプタを取付けて簡単に交換可能です。
■ペンダントライトは天井などから吊下げて周囲を明るくするものです。引掛シーリングやダクトレール(ライティングレール)があれば簡単に取付けられます。
■シャンデリアは天井から吊下げられたもので多くの光源がついているタイプのものです。重量が重いものもあるので天井の野縁(天井の下地材)の補強が必要な場合もあります。
■ダウンライトは天井に埋め込むタイプのものです。LEDの普及によりかなり薄型のものが増えました。天井をすっきり見せたいときなどベースライトとして使用します。
■スポットライトは壁面や飾り棚などに照らしたい対象物があるとき照らすものです。首振りタイプなので自由に照らしたいものに光を向けられます。
■ブラケットライトは壁面に取付けられているタイプで補助的に照らすものです。階段や廊下などでインテリアのアクセントとして使用されます。
■スタンドライトは必要に応じて移動できる置き型のものです。リビングや寝室を補助的に照らすフロアスタンドやサイドテーブルなどの読書用テーブルスタンドなどがあります。
■エクステリアライトは屋外用の照明器具の総称で防雨タイプのものです。建物の外観を引き立てるだけでなく防犯面にも重要な役割を果たしています。
ひと通り代表的な種類がわかった上で、気をつける場所ごとのポイントを見ていきましょう。
見落としがちな照明器具選びのポイント
キッチンはシーリングライトやダウンライトで全体を明るくした上で棚下灯などで調理台の手元の明るさも確保したいところです。
オープンキッチンの場合などリビング・ダイニング側に光が漏れないように配置し、リビングダイニングの雰囲気を壊さないようにしましょう。
玄関は全体を照らそうとすると自分の影が足元に落ちてしまいかえって見えずらくなってしまう場合が多いです。
照明器具の配置で足元が明るくなるようにしましょう。
トイレの照明は入ってから点けるのか、点けてから入るのかで分かれるところですが、
考えるのがめんどくさい場合はダウンライトやシーリングライトなど人感センサー付きのものにすると消し忘れがなくなります。
バスルームや洗面台などには住宅設備に付随する照明器具がついていますが、脱衣室の全体を明るくする照明は必要です。
湯気などでショートしてしまったり錆びてしまったりする恐れがあるのでできれば防湿タイプのシーリングライトのものをお勧めします。
歩きなれた廊下でも暗いと不安になります。夜にトイレまで歩くときあまりの明るさで眠気が吹っ飛んでしまうなんてことよくありますので、
そんなときは足元だけを照らすフットライトをお勧めします。
人感センサ付きのコンセント一体型やコンセントに取付けるタイプなどがあります。
階段のブラケットライトは三路スイッチにすることを忘れないでくださいね↓
※リビング、ダイニングの照明についてはそれぞれの好みもありますので今回は省きます。
私の好みはキャンプのときのような雰囲気の照明計画を心がけています。
どんなことに気をつけているのか知りたい方はこちらをご覧ください↓
吹抜けや勾配天井の照らしかた
吹抜けはしっかりと照明計画をしないと暗くなりがちです。
高い天井からペンダントライトを吊下げるなども大きな空間では照明器具が大きくなりがちなのでお勧めできません。
まずは、高い天井からでもしっかりと床面を照らしてくれるダウンライトを選びベースの明るさを確保します。
その上で壁面はブラケットライトや間接照明、ソファー付近はフロアスタンドなど補助照明で局所的に照らすことをおすすめします。
勾配天井はスポットライトを上向きに使いアッパーライトにすることがおすすめです。
勾配天井を照らすメリットは反射光により柔らかな雰囲気を作ることや、目に直接光が入ってこないので眠る前の夜の照明には最適です。
屋外の照明器具で注意すること
玄関までアプローチは旅館や料亭など行灯で照らされた雰囲気ってのもいいですよね。
自分の場合、スイッチ式のコンセントにするのを忘れてしまい下校途中の中学生のたまり場となってしまいましたが、
皆さんはスイッチ式のコンセントにすることを忘れないようにしましょう。
ガーデニングなど夜にアプローチの前庭や勝手口などの外から見通しの悪い死角を明るくすることで不審者が侵入しにくいくなります。
防犯用など人感センサ付きの照明器具は反応する範囲に注意して配置しましょう。
LED照明は紫外線がほぼ含まれないので虫を寄せ付けにくいと一般にいわれています。
ベランダやバルコニーでは虫を寄せ付けにくいLED照明に変えることをお勧めします。
夜のベランダBBQなどではとても役立ちます。
屋外の照明器具にはブラケットライトやスポットライトなどいろいろなタイプがあるので選ぶのに迷ってしまいますが、
照度20Lx~50Lxもあれば十分です。
夜の雰囲気をこわさないようにあまり明るすぎない照明器具を選びましょう
照明器具のまとめ
各場所ごと照明器具を選ぶときのポイントをまとめておきます。
■キッチン:棚下灯での手元を照らす
■玄関:足元をしっかりと照らす
■トイレ:人感センサーにする
■脱衣室:防湿タイプにする
■廊下:フットライトにする
■階段:三路スイッチにする
■吹抜け:ベースの明るさをしっかりと計画
■勾配天井:アッパーライトで照らす
■アプローチ:スイッチ付きのコンセントに
■勝手口:人感センサーの範囲に注意する
■ベランダやバルコニー:雰囲気をこわさないLED照明にする
などなど、まだまだありそうですが今回はこんなところです。
結局のところ照明器具は基本的な明るさを確保するダウンライトやシーリングライトなどをあまりデザインが主張しないものにして、あとは自分の好みでデザインを選ぶのがいいかと思います。
基本的な照明計画(照度分布など)をした上で、取付けたい照明器具を選ぶのが失敗しないコツだと思います。
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