アンドロイドが心をもつ?スタートレックから「人間の条件」を考える
最近子供たちと話をする機会が増えたので
「共通の話題として漫画やアニメを見ておかなければならない」
という自分にとって都合のよい言い訳をしながら時間があるときにまとめて動画をみまくっています。
Amazonプライム・ビデオがかなり充実していきているし配送特典や音楽聴き放題サービスを受けつつ月額500円なのはとても悩ましいのですが、
スタートレックファンであるがためにNetflixに加入し続けています。
やはり自分のツボとなるコンテンツをかかえられてるのって料理で胃袋をつかまれ頭の上がらない男の気持ちと同じですね(´Д`) =3 ハゥー
最近の世の中は何かとAI,AIといっていますが、そんなことをすっ飛ばしたようなロボット工学の粋を集めた身体と陽電子頭脳を搭載したアンドロイドがスタートレックには登場します。
その彼「データ」がある困難にぶち当たり人間の心について考えさせられる物語を紹介したいのですが、その前に…
スタートレックってなに?
スタートレックとはいわずと知れたアメリカのSFテレビドラマです。設定は以下↓
時代は作品ごとに違うが、おおむね22世紀から24世紀の話である。地球人は銀河系内のほぼ四分の一の領域に進出しており、様々な異星人と交流しながら、残りの領域の探索を進めている。
地球からは貧困や戦争などが根絶されており、見た目や無知から来る偏見、差別も存在しない、ある意味で理想的な世界と化している。貨幣経済はなくなり、人間は富や欲望ではなく人間性の向上を目指して働いている。
『ウィキペディア(Wikipedia)』
したがって科学・テクノロジーだけにとどまらず、哲学・宗教・政治など人間や人間社会の本質に迫ることもテーマとして取り上げられていて、とても考えさせられることが豊富にある作品です。
以下は放送順のシリーズ項目です↓
1.スタートレック宇宙大作戦(TOS):1966年~1969年
2.新スタートレック[ネクストジェネレーション](TNG):1987年~1994
3.スタートレックディープスペースナイン(DS9):1993年~1999年
4.スタートレックヴォイジャー(VOY):1995年~2001年
5.スタートレックエンタープライズ(ENT):2001年~2005年
6.スタートレックディスカバリー(DSC):2017年~現在も継続中
Netflixオリジナルでスタートレックディスカバリーやってます!シーズン2もそろそろ終盤ですね。
※その他、「スター・トレック」rebootや「ジェネレーションズ」から「ネメシス」まで映画もあります。
いかんせん作品が多いので興味はあるけど、どこからはじめていいのかわからないという方は
TNG → DS9 → VOY → ENT → reboot → TOS → DSC
とはじめたほうが個人的には手っ取り早く楽しめるかと思います。
ディスカバリー以外は基本的に1話完結型のつくりなので途中からでも見たいときに楽しめるのが特徴です。
アンドロイドのデータって誰?
冒頭にもふれましたが、ロボット工学の粋を集めた身体と陽電子頭脳を搭載したアンドロイドの「データ」のことです。
新スタートレック(TNG) シリーズで個人的に一番好きなキャラクターです。
彼が人間であればほんとに完璧なのですが、感情がないのが悩み?でありつねに人間に近づきたいと思っているアンドロイドです。
ドラマの中で人間の感情について日々研究を怠らない姿勢や時には艦内の人間関係に配慮したと思われるようなやさしさとも取れる行動をサラッとやってのけるなどナゾの尽きない生命体?です。
エピソード「人間の条件」とは?
新スタートレック(TNG) 「人間の条件」
https://www.netflix.com/watch/70177897
データはある科学者に分解調査を要請される。しかしその科学者の腕前が今ひとつ信用できないため、宇宙艦隊を辞任する道を選ぶが…。
Netflixキャプション
最初はポーカーをするシーンからはじまる。
データはポーカーに関する知識は知り尽くしており確立計算もお手の物なので負けるわけがないと自信ありで挑むのだが、ライカー副長のポーカーフェイスにしてやられる。
単純なゲームの本質には(ルールよりも)心理戦や人の直感というものの重要性を知ることになる。
その後データのアカデミー時代に”感情のない機械だ”と入学に反対した上官マドックスがきてデータのコピーを作るために分解したいと申し出てくる。
その上官マドックスの科学者としての能力が信用できないため(神経フィラメントへの電子抵抗の解決法に不安を感じた)データは断りたいのだが、そのマドックスは上官として強制的な転属命令や艦隊の所有物であるという理由で断れないように外堀を埋めてくる。
ピカード艦長とライカー副長はデータをとても大切に思っているのでなんとかならないか法務局長ルボアに救いを求める。
ルボアに提案されたのはピカードとライカーが、被告と原告の代理人となり法廷でその決議を争うことである。
法廷で敵対しなければならないライカーの気持ちは複雑で最初は断るが、データを救うには自分が彼を機械であることを証明する側に回らなければ救う手立てはないとあきらめ決意する。
やっていくうちに楽しくなって本気になってしまうのはライカーの人間性?ピカード艦長に本気で挑戦できるのはピカード艦長の能力を認めているからなのか…
法廷での議論が進む中で「心を持つ者の条件とは」から
「アンドロイドは種族か」という議論に発展。こころとは何か、人間とは何か、種族として認められるのなら他の生命体が有する権利を与える必要性はないのかなどなど考えさせられる内容となっています。
心とは何なのか?
法廷での議論で「心を持つ者の条件」としてマドックスがあげた項目は3つあります。
1.知性 / intelligence
2.自己認識力 / self-awareness
3.知覚力 / Consciousness
1.知性 / intelligence
知ったり,考えたり,判断したりする能力のことで、マドックス自身もデータには学習と理解能力に加え適応力があると認めている。
2.自己認識力 / self-awareness
個人としての自分や自分自身の存在と行動、思考に気付くこと。
データはこの法廷で自分の存在やおかれている状況を冷静に認識し、my lifeということばを使うことで自我に目覚めていることを表現します。
3.知覚力 / Consciousness
知覚反応のある意識のこと(民族意識や道徳意識などの権利や自覚という意味も含まれる)。
さてこの知覚力ですが、データの身体は超高性能のアンドロイドという設定のため知覚力は人間のそれよりもより正確かつ感度のよいものであることはいうまでもありません。
※知覚とは感覚器官を通して,現存する外界の事物や事象,あるいはそれらの変化を把握すること。
結局この法廷では、心とは何なのかは定義していません
ピカード艦長は「人間か機械か」という議論から
「権利を有する生命体ではないのか?」というところへ論点をもってゆき、
データは機械ではあるが艦隊の所有物ではないということと、基本的人権が法廷で認められます。最終的にデータは上官マドックスの要請に拒否権を行使することになります。
もしデータが何千体と複製でる未来がきたとき、それはもう種族であり、人間が他者から自由を奪いとってもいいという下僕扱いする権利を有することを(奴隷制度などを)容認する判例となったことでしょう。
人型ロボットであることの重要性
ロボット工学の粋を集めた身体と陽電子頭脳を搭載したアンドロイドであるデータだから心(魂)のようなものを持つようになったのですが、心を持つためには2001年宇宙の旅のHAL(ハル)のようなコンピューターもあるかもしれません。
しかしながら重要なのは人間と共存できるかなので、人間と共存できるのはやはり人型ロボットでなければならない気がします。(もしくはネコ型)
これからAIもロボットにつまれ知覚力を身につけたとき自己認識力を獲得する未来は近いかもしれません。
さてスタートレック「人間の条件」 エピソードの最後に法廷で敵対していたライカー副長にデータが声をかけるシーンがあります。
ライカーは一歩間違えればデータをマドックスに引き渡してしまうところだったと自己険悪になっていたのですが、データはそんなことお構いなしで、自分を救うためにライカーがあえて原告側にまわったと、ことの起こりの本質をいいあて感謝の意を伝えます。
感情がないからこんなことが出来るのか(自分だったら相手を嫌いになってしまいますがw)、データの相手に対するやさしさやいたわりの気持ちのようなものを感じたのはいうまでもありません。
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