原駅前広場の整備で原駅周辺のまちづくりはどう変わるの?

原駅前の常盤旅館がなくなり、 だだっ広い空間があいていました。
現在、沼津市が原駅の駐輪場を再整備するために仮の駐輪場として利用されているとのこと。
ずいぶんと原駅に行かないあいだに雰囲気がいっぺんしていて驚きました。

常盤旅館

いま沼津市は原駅周辺まちなみづくりとして以下の事業を行っています。

●原駅前広場整備事業(沼津市)
原駅前広場の拡幅整備を行い、安全な歩行空間の確保、利用者の利便性向上を図る。

●原駅町沖線整備事業(静岡県)
原駅前広場の拡幅整備に伴い、道路拡幅及び歩道整備を行う。

●原駅自転車等駐車場整備事業(沼津市)
原駅前広場の拡幅整備に伴い、現駐輪場を再整備し、自転車等利用者の安全で快適な駐車スペースを確保する。

●白隠のみち整備事業(沼津市)
歴史的資源を活用した、歴史・文化が薫るまちづくりを目指し、地区の賑わいの再生や風情あるまちなみの創出を図る。

●帯笑園整備事業(沼津市)
帯笑園の保存・管理及び活用のため帯笑園の整備を行う。

●市道0204号線整備事業(沼津市)
交差点部を拡幅改良し、車両通行の円滑化と歩行者の安全確保を図る。

※帯笑園は2019年4月29日に無事にオープニングセレモニーが行われました。

これら事業は統一したイメージのもとで事業を進めることで、原地区特有のまちなみを顕在化させていこうとするものだそうです。
住む人、訪れる人が原地区の風情心地よさを感じられる空間とすることを意識しているとのこと。

原駅前にあるフランドル松屋にタバコを買いに散歩がてら、どのようになるのか整備事情の進行状況をじっと見守っています。

東海道宿場町としての原宿

歌川広重原 朝之富士

東海道の宿場町といっても…江戸時代に本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠25軒と沼津宿の半分の規模であり東海道で最も小さな宿場町だったそうです。

しかしながら、古くは木曾義仲討伐のために上洛する源義経が大規模な馬揃えを行ったことで知られており、街道一の富士山の眺め歌川広重はじめとする多くの浮世絵師絵師や歌人、文人等が作品に残しています。また白隠慧鶴(はくいんえかく)の生まれ、再興した松蔭寺や、当時街道一の庭園・植物園といわれた植松家の「帯笑園」などがあります。

円窓内自画像 永青文庫蔵

白隠慧鶴(はくいん えかく)
1699年(元禄12年)~1768年(明和5年)
臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧。衰退していた臨済宗を復興させ「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」とまで謳われた。
「坐禅和讃」「禅画と墨蹟」

帯笑園

古代の街道は根方の地を通っていたが、平安中期以降の東海道は海岸沿いの浦方路(甲州道)を通るようになります。

原中宿は六軒町浅間神社附近にあっただろうとされ、その後の原の宿は原駅南側の甲州道(旧国一)沿いにあったといわれますが、

慶長の大潮被害や幕府の新しい東海道の整備に伴い、現在の場所に移転し形成されていきました。

その後、新田開発により植田新田・助兵衛新田、一本松新田が生まれ、又原宿東には古くより大塚町があり、

江戸時代には原宿二町(東町・西町)と大塚町で東海道原宿を形成しました。

明治22年の町村施行で三新田・原宿・大塚町が一緒になり、原が誕生しました。

その後、昭和30年に隣接の浮島村と合併して新原が出来、昭和43年に再び沼津市と合併し、今までの区は沼津市の大字となりました。

「原歴史漫歩」望月宏充氏 参照サイトより

古墳時代からの遺跡がある

2017年2月「中原遺跡」の現地説明会に行った時
海と沼地としかないと思っていた場所が砂礫洲になっていて、たくさんの住居跡が発掘されていました。
そこに集落があったことは確かであり、地元の歴史が古墳時代にまでさかのぼれる驚きを感じたのを覚えています。

中原遺跡  住居址全景
中原遺跡  かまど跡
中原遺跡  土器出土
中原遺跡  鉄製品出土
中原遺跡  ガラス小玉を作る型出土

平成20~22年度の発掘調査により、約1,300年前の建物跡約130軒や1,000年前の溝や柱穴などが発見されており、出土した遺物はコンテナ220箱におよび、中にはガラス小玉を作った鋳型や鉄製品を作るための道具も出土しています。

古墳時代の終わりごろから奈良時代にかけて、装飾品や鉄製品の生産を行う職人たちの集落があったと推測されています。

新貨物ターミナル建設予定地でありつかわない土地は公園整備などがされるみたいなので前述のような発掘調査の結果をふまえた公園が整備されることを切に願っております。

原駅前広場というからには…

サン・マルコ広場

広場ということばから、サン・マルコ広場のようにイベントなど人で賑わっていたり、おいしいランチが出るお店があったり、こ洒落たカフェでくつろげるものだとイメージしてしまいますが事業内容をみると…

●原駅前広場整備事業(沼津市)
原駅前広場の拡幅整備を行い、安全な歩行空間の確保、利用者の利便性向上を図る。

とあります。
統一したイメージのもとで事業を進めるのはいいのですが、せめて駅前だけは昼も夜も人で賑わい、安くてうまい台湾のような屋台村などが出来てほしいものです。

現状を考えると…
●原駅を利用するひとや近隣住民のニーズにあったお店がない
●原駅前にコンビにひとつないので駅でビールやおつまみを買うことが出来ない
●まっすぐ通したつきあたりは国道一号線であり右折が出来ないこと
などなど…

原地区で唯一商店街のある興国寺城通りへは迂回しなければならないことや住民が住むエリアへ行きづらいなどとても問題のある都市計画だと思います。

ちなみに原駅の1日平均乗車人員(沼津市統計書)は

2016年 2,325人

2017年 2,328人


であり静岡県内212中37位のランキングです。(沼津駅は4位)
(ランキングは平成27年度の国土交通省国土数値情報より)
思っていたほど利用者数が少ないということもなさそうです。

原地区特有のまちなみのをどのように顕在化するのか、風情や心地よさをどのように空間で表現するのかはわかりませんが…

原駅前広場の整備に関してですが、単にだだっ広く閑散としたバスターミナルをつくるだけで、あとのお店などは民間に丸投げとならないようにしてもらいたいと思う今日この頃です。

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