リフォームとリノベーションの違いって?自分好みのリノベーションを実現する方法
中古物件を購入して自分好みにリノベーションする人は増えています。
ウッドショックや世界的なインフレ、輸入材の品薄、半導体不足により新築住宅の価格が高くなっている現在(2022年)では、
中古物件を購入した方が質の良い住宅を手に入れることができます。
中古物件を購入するだけでは自分の生活スタイルに合っていない場合は、
リノベーションすることを考えるのですが…
自分好みのリノベーションを実現するにはどうしたらいいの?
私が考える自分好みのリノベーションを実現するための方法は以下になります。
自分好みのリノベーションを実現する方法
・イメージ写真を集める
・細かいところまで要望を出す
・工事金額でやる範囲を判断する
・こだわりとあきらめが必要
・設計事務所に手伝ってもらう
この記事では具体的にどうすればいいのかを考えてみたいと思います。
私はもう20年以上、建築業界で仕事をしていますが、リノベーションという言葉ができる以前から大規模な改修工事は数多く経験しています。
リノベーションをするにはある程度の現場経験がないと難しいと思います。
建築設計を仕事としている私にとっては、新築の住宅設計にはない難しさや既存の建築の判断力が必要となるのでとても面白いです。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎自分好みのリノベーションを実現したい人
▶︎リノベーションをどう進めたらいいのかわからない人
上記の方々に対して、自分好みのリノベーションを実現するための方法をご紹介します。
この記事が自分好みのリノベーションを実現するための手助けになってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を16年間(2022年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。
「いいね!」や「フォロー」していただけるとうれしいです。ヨロシク(b・ω・d)デス♪
それからコメント欄はこれまで皆さんが経験してきたことを発信する場として使っていただければ幸いです。
役立つ情報をみんなで共有できるような書き込みは大歓迎です。
目次
リフォームとリノベーションの違い
リノベーションとは、今ある建物に対して大規模な工事を行うことで、
新築の状態よりも性能を向上させたり、価値を高めたりすることを言います。
リフォームとリノベーション、どちらともよく聞き似たような言葉ですが、意味合いが全く違ってきます。
リフォームは元に戻す
リフォームとは、建築後長い時間を経たことで、汚れて古びてしまった内装を新築の状態に近づけるための改修のことを指します。
剥がれてしまった壁紙を貼り替える、床板を張り替える、古くなった浴室まわりを新しいものに取り換える、などが挙げられます。
大掛かりに取り壊して新たなものをつくり上げて…
というわけではなく、
部分的や表層的に改修工事を行うことで、古びてしまった住まいを新築当時の状態に戻し、原状回復するために行われます。
リノベーションは刷新
リノベーションは、間取りや内装、配管などすべてを一旦ゼロから考え直し、
これから住む人たちの暮らしに合わせてつくり替えることによって機能を刷新し、新しい価値を生み出すことです。
定年退職を機に新たな土地に引っ越し、そこで購入した中古物件の壁を取り払って光と風が通り抜ける広々としたリビングをつくったり、
家族向けの部屋をひとり暮らしにあった間取りや機能に刷新したりすることで、
そこで暮らす人に向けて新たな価値を提供することができます。
刷新によって新たな価値の創出やこれから住む人のライフスタイルにあった暮らしの創出、
といったプラスαの様々なものを生み出すことができます。
リフォームはマイナスから0にすること、リノベーションは0から1にも100にもすることと考えてもらうと分かりやすいのではないでしょうか。
自分好みのリノベーションを実現する方法
自分好みのリノベーションを実現する方法ためには以下のことに注意しましょう。
自分好みのリノベーションを実現する方法
・イメージ写真を集める
・細かいところまで要望を出す
・工事金額でやる範囲を判断する
・こだわりとあきらめが必要
・設計事務所に手伝ってもらう
イメージ写真を集める
自分好みのリノベーションを実現するためには、イメージ写真を集めることが必要です。
イメージ写真を集めることで自分の好みやリノベーションの傾向がわかるからです。
イメージ写真を集める際はPinterest(ピンタレスト)やRoomClip(ルームクリップ)がおすすめです。
イメージ写真を選ぶときはリノベーションしたい部分にあったイメージ写真を選びましょう。
鉄骨造やRC造のイメージ写真を選び、木造だと構造的に実現不可能な場合があるからです。
鉄骨造やRC造のイメージ写真を選ぶとなんでいけないの?
梁のスパンがとんでいる大空間だったり、木造では接合の難しい片持ち梁などで持たせている場合があるからです。
また、レトロなイメージ写真を選んでしまうと現在では生産されていない素材を探すのに苦労することもあります。
どこの部分に着目してリノベーションで実現するのかを考えながらイメージ写真を選びましょう。
細かいところまで要望を出す
自分好みのリノベーションを実現するためには、細かいところまで要望を出すことが必要です。
工務店などにお願いするときにイメージだけ伝えてお任せでお願いすると、自分の生活スタイルに合ったリノベーションをすることができないからです。
細かいところまでの要望とは例えば、
洗濯物を干して畳んで収納するまでの家事動線をリノベーションする場合、
家事の手順や1日の洗濯物のサイズや大きさ、量なども具体的に伝えることが必要です。
設計ではそれにあった干すスペースや畳むスペースの位置関係や大きさ、収納のサイズなどを決めるからです。
家事は得意でないの伝えるのは恥ずかしいんだけど…
自分のいつもの家事の様子を伝えるのは恥ずかしいかもしれませんが、
それを恥ずかしがっていると自分に合ったリノベーションは実現するのが難しくなります。
リノベーションでは自分の生活スタイルに合わせて刷新する(作り変える)ことがとても重要です。
恥ずかしいという気持ちは捨てて、まずは自分の生活スタイルを理解してもらうように細かいところまで要望を出してみましょう。
工事金額でやる範囲を判断する
自分好みのリノベーションを実現するためには、工事金額でやる範囲を判断することが必要です。
リノベーションは通常のリフォームよりも工事金額が高くなる場合が多いです。
構造から変更しないと実現できないリノベーションもあるからです。
構造の変更にはしっかりと耐震性を確保するための耐震補強や確認申請などの費用が別途かかってきます。
工事金額をしっかりと出してもらい、どこまでやるのかを判断しましょう。
工事金額が予算オーバーしたらどうするの?
工事金額で大きい金額の工事を取りやめることが必要です。
工事金額が大きくなるリノベーションとしては
工事金額が大きくなるリノベーション
・構造の変更
・サッシの大きさ変更
・外壁や屋根の改修
・水回りの変更
・高い仕様の変更
などが挙げられます。
高い仕様の変更とは、床を無垢フローリングに変えたり、クロスから左官仕上にしたりする変更のことです。
一度、全てを盛り込んだ工事金額を出してもらい、どこにお金が掛かっているのかをみてから工事範囲を判断していきましょう。
こだわりとあきらめが必要
自分好みのリノベーションを実現するためには、こだわりとあきらめが必要です。
こだわりすぎると工事金額が大きくなる場合が多いからです。
ここでいうこだわりとは、仕上げ素材や間取りの変更も含まれます。
リノベーションでは木造住宅をスケルトンの状態まで解体して間取りをいちから作る場合もあります。
それでも、既存の構造の都合上どうしてもその柱を抜くことができなかったり、梁のスパンを飛ばすことができなかったりすることがあります。
また、仕上げ素材も現在生産しているものでないと素材を探すことが難しい場合もあります。
こだわりとあきらめの線引きってどうすればいいの?
工務店や設計事務所の担当者にしっかりと相談することをおすすめします。
建築のプロならその線引きをはっきりと説明してくれると思います。
また、どこにこだわりどこをあきらめるのかは自分の生活スタイルを快適にできるかでも線引きすることもできます。
あきらめたからといってやる気を落とさずに、できることをこだわりぬいて自分好みのリノベーションを実現しましょう。
設計事務所に手伝ってもらう
自分好みのリノベーションを実現するためには、設計事務所に手伝ってもらうことが必要です。
設計事務所は自分のこだわりにとことん付き合ってくれるところが多いからです。
工務店やハウスメーカーでは工事することで報酬が発生するので、そこまでの時間をさけないという実情があります。
設計事務所の場合は設計することで報酬をもらっているので、こだわりのリノベーションを実現するための相談役としてはうってつけです。
設計事務所ならどこでもいいの?
リノベーションに強い設計事務所を選ぶことが重要です。
リノベーションは新築の住宅設計と違い、現場経験や既存の建築を見極める判断力が必要になるからです。
設計事務所を長く続けていて経験豊富な担当者がいるところがおすすめです。
また、工務店に頼んだ場合でも途中から設計事務所に手伝ってもらうと話がスムーズに進む場合も多いです。
工務店の注文住宅やリノベーションで設計事務所が間に入るメリットについてはこちらの記事をご参照ください↓
設計事務所がリノベーションに強い理由
設計事務所がリノベーションに強い理由は以下になります。
設計事務所がリノベーションに強い理由
・斬新なアイデアを持っている
・暮らしのこだわりを実現できる
・新たな可能性を見つけられる
斬新なアイデアを持っている
設計事務所がリノベーションに強い理由は、斬新なアイデアを持っているからです。
設計事務所では、建物のあらゆる可能性を探りながら設計を進めていきます。
お客様のこんな暮らしがしたい、あんな間取りにしたい、というイメージを超えたものを提供することができます。
想像している以上の提案や暮らしやすい設計的な配慮は設計事務所の得意とするとことです。
斬新なアイデアってどんなものなの?
例えば、ダイニング・キッチンを充実させてリビングを作らない間取りにしたり、
2階を減築しバリアフリーの平家の住宅にしたりすることもできます。
リフォームのように既存の間取りにとらわれることなく、
自分たちのいまの暮らしにあった住宅にすることができるのが設計事務所のリノベーションのいいところです。
暮らしのこだわりを実現できる
設計事務所がリノベーションに強い理由は、暮らしのこだわりを実現できるからです。
工務店や建設会社にリノベーションを頼むと暮らしのこだわりまで理解してもらうことが難しい場合があります。
設計事務所の場合は暮らしのこだわりを設計的な配慮で実現することが仕事なので、とにかく細いところまで話を聞いてくれます。
どこまでこだわりを実現できるの?
Tシャツの折りたたみ方から収納の引き出しサイズを考え、造作家具を作ったり、
その人の身長に合わせて収納家具の棚の高さを設定したり…
設計事務所では既製品を使わないでオーダーメイドでさまざまなものを作るおことができる強みがあります。
暮らしのこだわりを実現したいのであれば、最初から設計事務所にリノベーションを頼む方がいいと思います。
新たな可能性を見つけられる
設計事務所がリノベーションに強い理由は、新たな可能性を見つけられるからです。
リノベーションは、今あるものに対して手を加えることで、性能の向上や新たな価値を見出すことです。
今までは、一つの用途、一つの方法でしか活用されていなかった建物に、新たな可能性を見出し、カタチにすることができます。
どんな可能性が見つかるの?
例えば、事務所として使っていたところを住宅にする場合など、普通の住宅にはない大きな空間ができたり、
空き店舗を一棟丸ごとリノベーションすることで、おしゃれな店舗兼住宅ができたりします。
※用途が変わるのをコンバージョンということもあります。
既存の建物の空間的に良いところや特徴的な構造材などをうまく活かしてリノベーションするのは設計事務所の得意とするところです。
まとめ
今回は自分好みのリノベーションを実現したい人やリノベーションをどう進めたらいいのかわからない人に対して、
自分好みのリノベーションを実現するための方法をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
自分好みのリノベーションを実現する方法
・イメージ写真を集める
・細かいところまで要望を出す
・工事金額でやる範囲を判断する
・こだわりとあきらめが必要
・設計事務所に手伝ってもらう
設計事務所がリノベーションに強い理由
・斬新なアイデアを持っている
・暮らしのこだわりを実現できる
・新たな可能性を見つけられる
自分好みのリノベーションをしたいのであれば、設計事務所に手伝ってもらうのが一番の近道です。
リノベーションの意味する通り、建築をゼロベースで考え、機能を刷新し、新しい価値を生み出すことは設計事務所の得意とするところだからです。
私の主催する設計事務所も住宅設計やリノベーションを中心に設計活動を行っています。
数多くリノベーションをしてきた経験から、その建築を見ればどのようにリノベーションを進めればいいのかがわかります。
設計事務所を開設して16年間、この実績が少しでも皆様のお役に立てるように、無料相談を実施しています。
この機会に下記のお問い合わせフォームから住宅についてのお悩み事などメールしていただければ幸いです。
建築についてのお悩み事などアーキトリックまでお気軽にお問い合わせください。営業時間 10:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
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