住宅の設計はどこに頼む?設計事務所で注文住宅を頼むメリットとデメリット
注文住宅を建てようと思っているのであれば、最初にどこに行くのかでその先の展開が変わっていきます。
初めからハウスメーカーに行ってしまうと7割の人が他のハウスメーカーとの比較の中で決めることになります。
工務店や設計事務所で頼むという選択肢があったにも関わらず、結局は高い買い物をさせられている人が多いのはとても残念に思います。
住宅の設計はどこに頼めばいいの?
ハウスメーカーや工務店などいろいろな会社がありどこが良いのか迷ってしまいます。
住宅展示場やモデルハウスに行って営業がしつこかったり、見積もりを取っても思っていたほど安く無かったり…
完成まで時間があるのであれば注文住宅を設計事務所に頼んでみるのも良いかもしれません。
今回は住宅の設計をどこに頼むか悩んでいる人に、設計事務所に頼むという選択肢を提案し、
設計事務所に頼むことのメリットやデメリット、工務店やハウスメーカーに頼んだ時の設計の違いなどをご紹介します。
この記事で注文住宅の設計を設計事務所に頼むという選択肢もありだと少しでも分かってもらえれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。
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目次
設計事務所のメリットとデメリット
以下で設計事務所に注文住宅を頼むメリットとデメリットを紹介します。
工務店でも設計事務所登録している場合も多いのですが…
ここでいう設計事務所とは住宅を専門にしている設計・監理業務だけを行い、工事まで行わない設計事務所のことです。
設計事務所のメリット
設計事務所のメリットは以下になります。
・間取りや仕様の自由度がある
・高い設計力とデザイン性
・特殊な敷地でも対応
・適正な建築費になる
・手抜き工事を許さない
間取りや仕様の自由度がある
間取りの自由度はハウスメーカーなどとは比較にならないくらいの自由度があります。
工務店も間取りの自由度はあるのですが、独自で採用している工法や仕様の関係上、自由にできない部分が出てくる場合があります。
設計事務所の間取りの自由度もあくまで敷地条件の中での自由度なので、建築不可の土地や違法建築の増築などはできません。
仕様とは構造や仕上げ、使用する材料のことです。
仕様の自由度があるということは既製のメーカーの材料を使わないでオーダーメイドのものを仕様とすることができます。
予算の縛りがなければ、オリジナルの外壁タイルや粘土瓦で仕上げることも可能です。
高い設計力とデザイン性
設計事務所では高い設計力とデザイン性を売りにしているところがあります。
住宅の外観デザインは設計する人のセンスに左右されるところが大きいです。
日頃から美的センスを重要視している設計事務所がデザインすると細部にまでこだわって作り上げてくれます。
空間的な面白さと洗練された外観デザインを求めるのであれば、設計事務所に頼めば間違いはないと思います。
ハウスメーカーや工務店の住宅だとカッコいい外観でも内部空間の面白さにつながっていない住宅が多いです。
特殊な敷地でも対応
特殊な敷地でも可能な限り設計をすることができます。
これは設計することへの自由度があるからこそ実現できることになります。
特殊な敷地や敷地条件の厳しい場合など、暮らし方自体を考え直し本当に必要なものだけで空間を構成する…
例えば、今では当たり前のリビングでも、
本当に必要なのか?
各自が個室で過ごす時間の方を充実させた方がいいのでは?
など暮らし方自体を考え直すことで他とは違った自分達の暮らしにあった注文住宅を実現することができます。
適正な建築費になる
設計事務所に頼む大きなメリットのひとつは適正な建築費になることが挙げられます。
なぜ適正な建築費になるのかというと、実施設計が終わった段階で施工会社から相見積もりをとり競わせることで施工会社を決めるからです。
この相見積もりをとって競わせることが適正な建築費で工事を進めるためにはとても重要なことになります。
施工会社は当然ですが、会社の利益が取れる工事を見積の中に素人目にはわからないように潜ませてきます。
その工事が適正な価格なのかは他社と比較してみないとわからないのは当然だと思います。
ハウスメーカーや工務店の場合も見積もりを取って比較すればいいと思いがちですが、
ハウスメーカーや工務店の見積もりを比較しても、そもそもプランが違ったり、選んでいる仕様が違かったりして正確に比較することができません。
しっかりと比較して適正な建築費で工事をしたいのであれば、実施設計をして比較する以外にないと思います。
手抜き工事を許さない
設計事務所に設計・監理をお願いすると施主と施工会社以外の設計事務所という第三者が工事に関わってきます。
この第三者である設計事務所の監理はとても重要な役割だと思います。
ハウスメーカーや工務店など下請けの業者の質は正直なところまちまちです。
しっかりと施工してくれる業者ならいいのですが、そうでない場合もあります。
そんな場合でも、第三者の目が監理してくれれば、手抜き工事など許すはずもなく設計図通りの品質で作ることが可能になります。
設計事務所のデメリット
設計事務所のデメリットは以下になります。
・完成まで時間がかかる
・沢山の選択肢があり迷う
・住宅展示場がない
・工事金額がすぐに分からない
・担当者との価値観の違い
完成まで時間がかかる
設計事務所に注文住宅を頼む際の一番のデメリットは、完成までに時間がかかることだと思います。
完成までになぜ時間がかかるのかはこちらの記事をご参照ください↓
完成を早くすることを全て行なったとしても、
・基本設計→3ヶ月
・実施設計→1ヶ月
・相見積もり→1ヶ月
・工事期間→5ヶ月
トータル10ヶ月は最短でもかかる計算になります。
早く完成したいからといって、基本設計や工事期間を短くすることはあまりお勧めではありません。
こだわりの注文住宅を実現させるための時間を削ることになり、設計事務所に頼むメリットがなくなってしまうからです。
完成までに時間が取れないのであれば、ハウスメーカーや工務店にお願いした方がいいと思います。
設計事務所をあまり急がせても、いい仕事ができないので断られる場合が多いです。
沢山の選択肢があり迷う
メリットの中で仕様の自由度があることをあげましたが、なかなか決められない人に沢山の選択肢があると迷ってしまうことがあります。
沢山の選択肢があることが逆にデメリットになるなんてことよくあります。
設計事務所の注文住宅では展示場やモデルハウスのように実物を目にすることができないのもその理由です。
メーカーのショールームで実物を見たとしても実際に自分の住宅に合っているのか完璧にイメージできる人は少ないと思います。
造作家具などは実物を作るまで図面やパースで確認しなければならないのでなかなか決められないなんてことが多いです。
そんな場合は、設計事務所にある程度まかせましょう。
設計事務所は何件も住宅を作っているプロ集団です。
設計事務所に選択肢を絞ってもらいその中から選ぶというスタンスに変えれば自分のこだわりを実現する満足感が得られ、選ぶストレスから解放されます。
住宅展示場がない
設計事務所では住宅展示場やモデルハウスがないので実物が確認できないデメリットがあります。
もちろん設計事務所でもオープンハウスのように引渡し間近の住宅を一般に開放して見学する機会を作る場合もありますが、
実物を確認できないのはできるまで設計した注文住宅をイメージすることが難しいので不安に思うお客さんが多いです。
そんな不安を解消するために設計事務所では建築模型や外観パース、内観パースなどを用いてイメージしてもらう努力をしています。
設計事務所を選ぶ際もしっかりとイメージを伝える努力をしてくれる設計事務所を選んだ方がいいと思います。
設計事務所にも色々と特徴があるのですが、ファーストプレゼンは無料のところが多いです。
お試しでプランを作ってもらうなど、決める際は十分に設計事務所の特徴を吟味してから頼むようにしましょう。
工事金額がすぐに分からない
設計事務所の注文住宅のデメリットのひとつとして工事金額がすぐにわからないことがあげられます。
住宅設計を専門に行なっている設計事務所の場合は、独自で坪単価いくらの仕様などを作っているので、
設計事務所がクライアントの予算を大きく超える工事金額になることはないと思います。
デザインに特化した設計事務所や住宅設計をあまりやっていない設計事務所の場合は、建築のコスト感覚がない設計をしてしまう場合があります。
建築のコスト感覚がある設計事務所の見分け方は、開設者や担当が設計施工を行う会社や、建設会社、工務店で働いた経験があるかないかで判断できます。
設計事務所を選ぶときに担当者の経歴などそれとなく聞いてみるといいと思います。
担当者との価値観の違い
大きな設計事務所に頼むと設計担当する人によって当たり外れがあります。
設計事務所の担当者との価値観の違いがあり、自分のこだわりが理解されずに残念な設計になってしまう場合があります。
担当者をすぐに変えてもらえればいいのですが、設計事務所にも都合がありなかなかすぐには対応できないと思います。
住宅に対しての価値観の違いは、設計する際に何を気おつけなければならないのかなど寸法設定や仕上げの選択など様々なところで違いによるズレが現れてきます。
住宅設計をしている人なら価値観が違ったとしても、想像力を働かせて設計することは可能なのですが…
設計事務所自体に根本的な価値観の違いがある場合は、お断りして他の設計事務所を探しましょう。
工務店やハウスメーカーとの違い
工務店やハウスメーカーとの違いは以下になります。
・設計施工が同じ会社
・展示場やモデルハウスがある
・完成まで早い
お客さんとしてはメリットが多くありますが、デメリットや不十分なこともあります。
設計施工が同じ会社
設計施工が同じ会社だと設計したらすぐに工事金額がわかるといったメリットがあります。
また設計施工が同じ会社だと設計事務所のような実施設計での大量の図面が必要なくなります。
それにより設計から工事が始まるまでに作業労力が削減されるといった会社にとってのメリットもあります。
しかしながらお客さんとしてはデメリットがあります。
その代表例は以下になります。
・設計料が工事費に含まれる
・工事を第三者が監理できない
・相見積もりができない
ハウスメーカーの工事費が高いのは広告宣伝費や設計料が含まれているからです。
また同じ会社だと第三者によるチェック機能がないので手抜き工事に繋がりやすいです。
相見積もりできないのは適正な建築費で工事できないといったデメリットがあります。
設計施工が同じ会社のメリットとしては会社側のメリットの方が多いと思います。
展示場やモデルハウスがある
展示場やモデルハウスがあると実際に実物を見れるのでイメージしやすいといったメリットがあります。
私もハウスメーカーの住宅をリサーチするために住宅展示場によく行きますが、どこも魅力的なディスプレイや設備を備えています。
もちろん、設計事務所としての立場は隠して一般の素人として見せてもらうのですが、そんな私にも親切に説明してくれるので展示場に行くのはとても楽しいです。
しかしながらデメリットもあります。
その代表例は以下になります。
・仕様を変えると割高になる
・生活感がない
・営業がしつこい
住宅展示場で使用されている材料や設備はグレードの高いものが使われている場合が多いです。
実際に設計の話を進めると展示場で気に入った素材を選ぶとオプションになるなんて場合が多くあります。
展示場やモデルハウスの場合はそこで実際に生活をしていないので生活感がない場合が多いです。
見た目には綺麗でいいなと思ってしまうのですが、実際に自分の生活スタイルには合わないことがあります。
また、営業がしつこく電話してきたりメールしてきたりします。
はっきりと断っても「断られてからが勝負」という言葉を信じてさらに力を入れて営業してくる人もいますw
完成まで早い
設計施工が同じ会社なので設計打合せから工事完成までが早いのも大きなメリットです。
完成までが早いと引越し先での家賃が安くなったり、不便な生活をする期間が短くてすみます。
しかしながらデメリットもあります。
その代表例は以下になります。
・じっくりと考える時間がない
・限られた選択肢から決める
・設計変更に対応できない
設計期間が短いとじっくりと考える時間がないので、できてから後悔することが多くあります。
仕様に関しては標準仕様が決められているので限られた選択肢から決めることになります。
その他にもたくさんの選択肢が実際にはあるのですが…
初めての住宅を作る人がほとんどなので、しっかり勉強していないと疑問にも思わないで選択してしまう場合が多いです。
また、工事が始まってからの設計変更に対応できないケースが多いです。
設計事務所の場合、設計変更は申請手続きは別途かかりますが、工事をストップして設計変更を行うことも可能です。
設計事務所に頼んだ方がいい理由
ここまで読んでくれたあなたは設計事務所のメリットとデメリット、工務店やハウスメーカーとの違いが十分に理解できたと思います。
私が注文住宅なら設計事務所に頼んだ方がいい理由は、
単に私が設計事務所を運営しているからだというだけでないこともご理解いただけたと思います。
さらに付け加えるのであれば以下のことが挙げられます。
・住宅へのこだわりをとことん追求
・適正な建築費と確実な工事監理
・相談やファーストプレゼンが無料
※私が運営するのは
「アーキトリック一級建築士事務所」
という設計事務所です。
アーキトリック一級建築士事務所の仕事内容についてはこちらをご参照ください↓
住宅へのこだわりをとことん追求
設計事務所の注文住宅には間取りや仕様の自由度があり、どんなこだわりでも対応出来る設計力があります。
そして、住宅へのこだわりをとことん追求できる体制が設計事務所にはあります。
あなたの住宅へのこだわりを聞かせてください
・DIYやバイクいじりのできるガレージ
・音楽スタジオのような防音室
・旅館やホテルのような演出
・キッチンスタジオのようなキッチン
・露天風呂のようなバスルーム
などなど…
私の話になりますが、
とにかく人がはまっている趣味の話を聞くのが好きで
興味を持ってしまうと仕事そっちのけで話し込んでしまい
ときには自らはまってしまいます。
そんな話の中から建築空間に落としこめないか、試行錯誤しながらプランをつくることを楽しみに仕事をしています。
住宅設計をしているとそんな人の趣味の話が聞けるのでとても楽しいです。
あなたのこだわりを実現させるために全力で設計させていただきます。
適正な建築費と確実な工事監理
設計事務所の注文住宅では相見積もりで競争入札して適正な建築費で工事ができます。
また、第三者の立場で工事監理を確実に行うので手抜き工事や施工の間違えを正すことができます。
私は設計施工の会社で勤めていた経験もあり、工事見積もりも自分で作っていました。
施工会社の見積もりを分析すれば、どの工事で利益を取っているのか大体想像できます。
また、正しい施工法を日々勉強しているので工事監理もかなり細かいところまで指示します。
施工会社や職人さんからはめんどくさいと思われても、
現場でこうやりたいという思いを職人さんたちにわかってもらうために何度も話し合いをします。
一緒に建築を作り上げることの楽しさは、お互いが立場を超えて納め方の議論できるところにあると考えています。
デスクワークで設計やパース、模型製作も重要ですが、
いい建築を作るためには現場主義に徹することがとても重要だと思います。
事務所での仕事がないときは現場にまめに足を運ぶように心がけています。
相談やファーストプレゼンが無料
私が静岡県沼津市で設計事務所を始めて16年以上が経ちます。
これまでわたしを支えてくれた仲間と関わっていただいた皆さまに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな感謝の気持ちから、
アーキトリックでは少しでも皆様のお役に立てるよう無料相談を実施しております。
注文住宅でお悩みのことだけでなく、建築に関するさまざまなトラブルなどできる限りお答え致します。
この機会に是非お問い合わせのほどよろしくお願い致します。
アーキトリックへのお問合せはこちらから↓
建築についてのお悩み事などアーキトリックまでお気軽にお問い合わせください。営業時間 10:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
お問い合わせまとめ
今回は住宅の設計をどこに頼むか悩んでいる人に、設計事務所に頼むという選択肢を提案し、
設計事務所に頼むことのメリットやデメリット、工務店やハウスメーカーに頼んだ時の設計の違いなどを紹介してきました。
まとめると以下になります。
■設計事務所のメリット・デメリット
・間取りや仕様の自由度がある
・高い設計力とデザイン性
・特殊な敷地でも対応
・適正な建築費になる
・手抜き工事を許さない
・完成まで時間がかかる
・沢山の選択肢があり迷う
・住宅展示場がない
・工事金額がすぐに分からない
・担当者との価値観の違い
■工務店やハウスメーカーとの違い
・設計施工が同じ会社
・展示場やモデルハウスがある
・完成まで早い
・設計料が工事費に含まれる
・工事を第三者が監理できない
・相見積もりができない
・仕様を変えると割高になる
・生活感がない
・営業がしつこい
・じっくりと考える時間がない
・限られた選択肢から決める
・設計変更に対応できない
初めての注文住宅ではわからないことだらけで、どんな本を読んでも正解ではないと思います。
注文住宅の正解は自分自身で探す以外に方法はないと思います。
そんな時に頼りになるのが相談役としての設計事務所だと私は考えています。
工事をとって利益を得ることにとらわれない設計事務所という存在をうまく利用して、こだわりの注文住宅を実現しましょう。
この記事で注文住宅の設計を設計事務所に頼むという選択肢もありだと少しでも分かってもらえれば幸いです。
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アーキトリック一級建築士事務所