石膏ボード(プラスターボード)にビスを打つ前に知っておきたいこと
現在、日本での住宅の壁下地には石膏ボードが使われるのが一般的ですが、石膏ボードの下地だと時計などを取付けるための釘やビスがきかないなんてことよくあります。
釘やビスが打てない場合
どうしたらいいの?
石膏ボードでもひと工夫すればしっかりと釘やビスで固定することは可能です。
今回は石膏ボードで物を取付ける際に注意したいポイントやビスを打つ場合に利用するアイテムをご紹介できればと思います。
この記事で下地の石膏ボードに物を取り付ける自分なりの方法を試していただければ幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
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石膏ボードに取付けるために
代表的な3つの方法は以下となります。
石膏ボードに取付ける方法
1.下地センサーで下地を探す
2.石膏ボードアンカーを使う
3.石膏ボードフックを使う
取り付けたい物の重さにもよりますので石膏ボードにビスを打つときは耐荷重がどのくらい必要なのかまずは確認しましょう。
下地センサーで下地を探す
シンワ測定下地センサー
¥4,976
1番確実な方法は、壁の中に隠れた間柱や柱を探してそこにビスを打つ方法です。
石膏ボードの材料自体の耐荷重は
・9.5mmで24Kg
・12.5mmで34Kg
が目安となります。
一般の住宅だと壁に使われている石膏ボードは12.5mmだと思うので、
壁に取り付けたいものの重さが30Kgを超えるようであれば、壁の中に隠れた間柱や柱を探すことをおすすめします。
壁に隠れて室内側からわからない間柱や柱を探す時は下地センサーを利用して位置を探しましょう。
シンワ測定下地センサーは下地位置があるところで音がでて、レーザー照射により下地の位置を正確に知ることができます。
石膏ボードアンカーを使う
YAMASHIN ボードアンカー G4 25本
¥573
石膏ボードアンカーとは、石膏ボードに先に穴を開けプラスチックの筒状のものを差込みます。
差し込んだプラスチックにビスを打つと内部でプラスチックが開き石膏ボードに固定できるタイプのものです。
石膏ボードアンカーはいろいろなタイプが出ています。
・トグラー
・モノマックス
・モリーアンカー
・カベタップ
・ウェルナット
・ソリッドアンカー
などがありますが、実際に使ってみないと正直わからないかと思います。
また、石膏ボードの厚みによって石膏ボードアンカーの耐荷重も変わってきます。
ボードアンカーG4の場合
・石膏ボードの厚み9.5mmで24Kg
・石膏ボードの厚み12.5mmで26Kg
となります。
ボードアンカーを使う場合は必ず下地にドリルでバカ穴(適切な大きさの穴)をあけてから差し込むようにしましょう。
思った以上に大きい穴となるので、間違えて使ってしまったら壁穴の補修材で埋めてましょう。
※ボードアンカーを使うときに下記のようにクロスを最初にはがして取付けることで後での補修が楽になります↓
石膏ボードフックを使う
福井金属工芸 壁掛けフック
¥778
時計や小物などの7Kg~10Kg以下のものを壁に飾りたい時は石膏ボードフックがとても便利です。
賃貸物件などにすんでいるときなかなか壁に穴を開けるのは控えたいところですがそんな時は石膏ボードフックが役に立ちます。
石膏ボードアンカーはどうしても壁に穴があいてしまうため補修することを考えると、なるべく壁には穴を開けたくないのが正直なところです。
そんな時は石膏ボードフックがおすすめです。
ホームセンターのDIYコーナーに様々なタイプがあるので取り付けたいものの重さに合ったものを選ぶようにしましょう。
※とりはずした後の補修ですが虫ピンでさしたような小さい穴が3つほど開くだけです。
開いた穴はジョイントコークなどで充填すればよいかと思います。
ジョイントコーク アイボリー
¥440
設計段階でできること
そもそも設計段階で壁付けにTVを取付けたかったり、飾り棚を取付けたいなどの要望をいっていただければ、
そのように下地を補強した上でつくるのが設計事務所の仕事です。
後から棚を作るかもしれない部分にはビスが打てるように下地を構造用合板にしておくなどの対策も必要です。
30Kgを超えるものを壁に取付けるのであれば、しっかりとその製品の図面や情報を設計事務所や工務店、大工さんに伝えましょう。
お洒落な飾り棚で各メーカーが出しているものは、下地から施工しないと取り付かないものが多くあります。
壁などに筋交いがあると取付けられない場合もあるので設計段階でこのカウンターや飾り棚を取付ける旨を伝えいましょう。
まとめ
石膏ボードに取付ける場合は
石膏ボードに取付ける方法
1.下地センサーで下地を探す
2.石膏ボードアンカーを使う
3.石膏ボードフックを使う
などの方法があり
30Kgを超えるものを取付ける場合は設計段階しっかりと伝えることです。
後からテレビを壁付けにしたくなったり、飾り棚をつけたくなったり、
階段手すりやハンガーフックが欲しくなったりと住んでいるといろいろと取付けたくなるものです。
なるべく設計段階から予想して、
下地を構造用合板にしておくことや石膏ボードアンカーは補修しやすいようにクロスをはがして取付けるなど工夫することをおすすめします。
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アーキトリック一級建築士事務所