見えないところは要注意!!買っちゃダメな中古住宅のポイント
中古住宅は新築に比べて価格は抑えられますが、購入してから欠陥が見つかったり、契約前に気づかなかった近隣トラブルがあったり、
事前の調査を怠るとその後の暮らしが地獄のような毎日になってしまいます。
事前調査ってどうすればいいの?
大工さんやホームインスペクターに調査を依頼する方法が確実です。
私は18年間(2024年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
古い物件だと給水管の水漏れで大掛かりな水まわりの工事をしなければならない場合が多かったです。
今回は買っちゃダメな中古住宅のポイントとして、契約前に必ずチェックして欲しいことをご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・見えないところの注意点
・立地の注意点
上記のことがわかります。
中古住宅はリノベーションして使うことを考えると決して安い買い物ではありません。
建物の見えないところに注意することはもちろん、建物のまわりの環境もしっかりと調べてから購入を検討しましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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見えないところの注意点
中古住宅は売却しようと考えている側はなるべく見た目を良くしておこうと考えるものです。
リフォーム済みできれいになっていても、重大な欠陥となるような部分は見えないところに隠れています。
見えないところの注意点は以下になります。
見えないところの注意点
・排水管、給水管
→サビがないかどうか
→水漏れがないかどうか
・シロアリ被害
→壁や柱をたたいて確認
→建具の開閉や床の沈み
→家のまわりを確認
排水管、給水管
一戸建ての排水管や給水管の素材は築年数によって違います。
古い建物は金属製の配管が多くサビなどの不具合が出ていることもあります。
家中の蛇口から水を出してみて、金属の臭いがしたり、赤っぽい水が出たりすると、劣化によってサビが発生している可能性も高いです。
水にサビが混じるのも良くありませんが、サビが原因で穴があいていて水漏れが発生することがあるので、劣化には注意が必要です。
また、キッチンやトイレで水を流した時に流れが悪い、異音がする、水が逆流してくるなどの症状があったら要注意です。
交換工事が必要になり、20〜30万円程度の費用がかかってしまう場合もあります。
シロアリ被害
室内の柱などにシロアリが発生しているかどうかチェックするために、壁や柱をたたいてみましょう。
特に湿気の多いスペースはたたくだけでなく、押してみてください。
複数の箇所の音や手ごたえを比べてみて、不自然なところがあったら要注意です。
扉が開閉しにくい場所や、床が沈むところがないかどうか要チェックです。
また、家のまわりを歩いてみてウッドデッキや縁台がある場合は、
腐りかけていないか、蟻道(シロアリの通り道)ができていないかなども注意してみる必要があります。
このように、見えない部分の劣化や不具合は素人では十分なチェックが難しいです。
内見して購入しようと思った物件に気になる症状を見つけたら、
契約の前に大工さんやホームインスペクターに依頼して、調査してもらった方が良いでしょう。
劣化がひどく、大掛かりな工事が何ヶ所も必要になるともっと良い物件が変えたのではないかという後悔につながるので慎重に検討しましょう。
立地の注意点
中古住宅の購入前に土地の調査をすることはとても大切です。
建物を気に入ってもそのまま購入してはいけません。
以下のチェックポイントを必ず確認しましょう。
立地の注意点
・軟弱地盤
・隣が空き家や迷惑な家
・私道が含まれている
軟弱地盤
家を建てる時には地盤調査がありますが、中古住宅は家が建っているんだから大丈夫だろうと思いがちです。
しかし、地盤改良工事が不十分だったり、築年数が古いと地盤改良工事自体が行われていないこともあります。
新築時の地盤調査報告書や地盤対策の報告書を見せてもらうのが一番良いのですが、
できない場合は基礎や外壁にひび割れがないかどうかや、隣家のフェンスに傾きがないかをチェックしましょう。
隣が空き家や迷惑な家
隣が老朽化した空き家だと、放火や暴風雨や地震で倒壊する危険性があります。
また、台風の時に屋根などが飛んできたら大変です。
持ち主がいつまで放っておくつもりなのかわからない空き家はかなり危険です。
ペットを常識では考えられないほどたくさん飼っている家や不特定多数の人が出入りしている家があるような場合もおすすめできません。
私道が含まれている
道路は大きく「公道」と「私道」に別れていて、私道とは個人や法人が所有する道路のことをいいます。
敷地が4m以上の道路に2m以上接していれば建物の建築許可が得られるという接道義務については皆さんご存知だと思いますが、
接している道路が公道とは限りません。
目の前の道路が個人所有の私道の場合は
・接している土地の所有者の共有名義
・接している土地の所有者のそれぞれが所有
といったパターンがあります。
広い土地を分けて売る場合など私道を含むことが多いからです。
私道でトラブルとなることが多い事例は以下になります。
私道で多いトラブル
・いつも特定の住人が指導に駐車している
・子供たちが毎日私道で遊んでいる
・道路の補修費用を分担してもらえない
などが挙げられます。
このようなことは暮らしてみないとわからないものです。
先に住んでいた人が私道に駐車しているために駐車場に入れにくかった場合、停めなでほしいとお願いするのも気が引けます。
困ったことに、私道は駐車違反で取り締まってもらえないです。
不便な状況がずっと続くのかと思うと気が重くなりますよね。
また、私道が子どもたちの遊び場になっているとオープン外構の場合は蹴ったボールが車にあたったり、
車を出すときにおもちゃがあってすぐに出られなかったりすることもあります。
それで悩んでいる人も少なくありません。
道路の補修費用の分担とはアスファルトが陥没していたら本来、私道は共有なので補修費用は分担になるはずなのですが、
影響なく暮らせる人にとっては無駄な出費のように感じられ、困る人だけが負担すればいいと言われてしまうこともあります。
このようなトラブルが発生しそうな場所かどうかは時間を変えて何度か見に行って確かめるくらいしか方法がありません。
私道を含む物件は決して悪いわけではないのですが、
後から引っ越してきた人は立場が弱くなりがちなので、不安がある場合は避けた方がいいかもしれません。
この時間帯の様子をチェック
内見は昼間に行くことが多いのではないでしょうか。
その時間帯は近所の人たちは仕事に出かけていてお子さんたちも学校へ行っている時間です。
きっと周囲は静かですよね。
実際に在宅している時間帯の様子を見るためにも夕方以降や休日の様子を知る必要があります。
夕方になると私道に車が停められていたり、昼間は静かでも夜になると近隣にバイクが何台も集まってきたなどということもあります。
注文住宅でも分譲住宅でもどのような人が隣人になるかわからないものですが、
中古住宅は築古であるほど周囲の人たちも長く暮らしている場合が多いです。
そのようなところでは生活習慣が定着しているので、トラブルになると解決が難しいです。
中古住宅はそれまで暮らしていた人がどれだけメンテナンスをおこなっていたか、
どのように近隣と付き合っていたかによって住宅の状態も住み心地も変わります。
住宅内の目にみえる部分だけでなく、隠れた部分も入念にチェックすることをおすすめします。
まとめ
今回は中古住宅の購入を考えている人や中古住宅の購入する前の注意点を知りたい人に対して、
買っちゃダメな中古住宅のポイントとして、契約前に必ずチェックして欲しいことをご紹介してきました。
まとめると以下になります。
見えないところの注意点
・排水管、給水管
→サビがないかどうか
→水漏れがないかどうか
・シロアリ被害
→壁や柱をたたいて確認
→建具の開閉や床の沈み
→家のまわりを確認
立地の注意点
・軟弱地盤
・隣が空き家や迷惑な家
・私道が含まれている
私道で多いトラブル
・いつも特定の住人が指導に駐車している
・子供たちが毎日私道で遊んでいる
・道路の補修費用を分担してもらえない
この記事が少しでも中古住宅を購入して後から後悔する人が減ってくれれば幸いです。
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