新築よりも中古物件を買ってリノベーションした方がいい?中古物件の注意点
新築を建てるには土地探しから始めなければなりません。
このまちに住みたいと思っても、空いている土地がなかったり、空いていても敷地の条件が厳しかったりします。
土地代も想像以上に高いので新築にこだわらないのであれば、土地付きの中古物件をリノベーションしたほうがいい場合があります。
新築よりも中古物件を買ってリノベーションした方がいいの?
住みやすいまちは人気があるので、空いている土地を探すのは難しいと思います。
上のグラフは全国の空き家数と空き家率の推移です。
2018年における空き家の戸数は849万戸あり、全住宅のうち13.6%を占めています。
全国の空き家は年々増加傾向にあります。
住みやすいまちにはすでに家が建っている場合が多いのですが…
それらが空き家になっている物件も増えています。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎中古物件を買ってリノベーションを考えている人
▶︎中古物件を選ぶときの注意点を知りたい人
上記の方々に対して、中古物件を買ってリノベーションする時の中古物件を選び方と注意点をご紹介します。
この記事が少しでも中古物件を買って自分好みにリノベーションする人のお役に立てれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。
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目次
中古物件を選ぶときの注意点
中古物件を選ぶ時の注意点は以下になります。
中古物件を選ぶときの注意点
・違法建築に注意する
・最寄りの駅までの距離を確認する
・外装リフォームも考える
・配管の劣化に気を付ける
・家の前の交通量を確認する
違法建築に注意する
中古物件を選ぶ時の注意点としては、違法建築に注意しましょう。
違法建築を不動産屋にすすめられるのはそもそも問題なのですが…
建築確認を必要とするリノベーションができないといったデメリットがあるからです。
建築確認を必要とするリノベーションとは、
確認申請が必要なリノベーション
■4号建築物の場合
・準防火・防火地域の増築(面積に関係なく)
・準防火・防火地域以外の土地で10㎡を超える増築
・大規模(過半以上)の修繕・模様替え
などのことをです。
※準防火・防火地域とは、都市部の建物密集地は火災による延焼を抑えるため指定された地域で、延焼を防止する措置が義務づけられています。
確認申請を必要としないリノベーションはできるの?
違法建築で確認申請を必要としないリノベーションはできますが、
中古物件の場合は築年数も経っているので、屋根や外壁の修繕ができないと雨漏りがひどくなり最悪の場合は住めなくなることもあります。
中古物件を不動産屋から購入する場合は、検査済証の有無を確認し、しっかりと写しを控えておきましょう。
最寄りの駅までの距離を確認する
中古物件を選ぶ時の注意点としては、最寄りの駅までの距離を確認しましょう。
中古物件を購入するメリットとして多いのが、最寄りの駅やスーパーなどの市街地までの距離が近いことです。
不動産情報だけを信用して、しっかりと自分の足で確認しないと後から情報と違うことに気づき後悔する場合があるからです。
不動産情報となんで違いがあるの?
不動産情報に載っている駅まで何分などの表記は、単純に距離からわり出したものが多く、
実際の信号や踏切の待ち時間などが含まれていません。
そのため、思ったより駅まで時間がかかることもあります。
また、最寄りの駅までバスを利用して通勤しようとしている人も注意が必要です。
朝の時間帯は通勤の車で混雑して、時刻表通りに到着できない場合があるからです。
実際に自分の足で歩いて時間を測ったり、朝の時間帯に通勤してみて希望の条件に合っているかどうかを確認しましょう。
外装リフォームも考える
中古物件を選ぶ時の注意点としては、外装リフォームも考えましょう。
内装にこだわってリノベーションすると外装のリフォームまで頭が回らない場合があるからです。
住宅の屋根や外壁の耐用年数は30年です。
リフォーム済みの中古物件やしっかりとメンテナンスされていればいいいのですが、
空き家期間が長い物件の場合は、屋根や外装が傷んでいるケースが多いです。
家の痛み具合ってどうやって確認すればいいの?
ホームインスペクター(住宅診断士)に依頼するといいと思います。
費用も目視で確認するだけであれば、基本的な診断は5〜7万円程度になります。
不動産屋が費用を負担してくれる場合もあるので、購入前に住宅診断をして確認したい旨を不動産屋に話してみましょう。
配管の劣化に気を付ける
中古物件を選ぶ時の注意点としては、配管の劣化に気を付けましょう。
古い中古物件の場合は水道管に鉄管が使用されていて、劣化して水漏れが起こっている場合が多いからです。
いまでの給水管としてはHIVP管やポリ管が一般的です。
※HIVP管とは水道用耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管のことで、プラスチック樹脂のためにサビ付きのトラブルが起きない水道管のことです。
※ポリ管とはポリエチレン管のことで、取り外しや取り付けが簡単で熱や振動、化学物質に比較的強い性質があります。
水漏れってどうやって調べればいいの?
水道管の元栓バルブをあけた状態でトイレやキッチン、風呂の水栓を一度使ってみてから閉め、水道メーターが回っているかどうかを確認しましょう。
水道メーターが少しでも回っていれば毎月の水道代が高くついてしまいます。
特に、鉄管が使用されていた場合は修繕のための工事費用が高くなるので、
中古物件を探す際に配管は何を使っているのかなど確認し、劣化に気をつけましょう。
家の前の交通量を確認する
中古物件を選ぶ時の注意点としては、家の前の交通量を確認しましょう。
閑静な住宅街だから静かに暮らせると思っていたら、
実は家の前の道が大通りの抜け道になっていて、夜中まで続く騒音や揺れに困るなんてこともあるからです。
車の通りが激しいと窓を開けづらくなったり、子供が外で遊ぶのも危なくなってしまいます。
どうやって確認すればいいの?
交通量を確認する場合は、時間帯や曜日を変えて何度か訪れてみることがおすすめです。
また、近所に駅やコンビニ、公園がある場合も注意が必要です。
生活の利便性や子供にとってはいい環境に思えるのですが、それらの施設が若者のたまり場になっている場合もあり、
深夜まで話し声が聞こえたりして不快に感じるなどの後悔もあります。
家の周辺がどのような環境なのかをしっかりと確認してから物件を決めるようにしましょう。
リノベーションで失敗しないコツ
リノベーションで失敗しないコツは以下になります。
リノベーションで失敗しないコツ
・自分に合った業者を選ぶ
・体験談や失敗談を参考にする
・設計事務所に相談する
自分に合った業者を選ぶ
リノベーションで失敗しないコツは、自分に合った業者を選ぶことです。
自分の好みに近い事例を手がけている業者をいくつかピックアップし、疑問や質問があれば、ネットや電話で問い合わせをしてみるのがおすすめです。
パンフレットや資料があれば、複数の会社から取り寄せて比較しましょう。
リノベーションを行う会社の質はピンからキリまであります。
しっかりとした業者を見つける判断基準として「建築士事務所登録」している会社を選びましょう。
建築士事務所登録している会社は建築基準法に反することができないことや、管理建築士がいるからです。
違法なリノベーションをしてしまう業者も少なくないので、しっかりと見極めましょう。
体験談や失敗談を参考にする
リノベーションで失敗しないコツは、体験談や失敗談を参考にすることです。
手始めに、選ぼうとしている会社の体験談や失敗談をネットで調べてみることをおすすめします。
ネットで調べると、
・担当者とセンスが合わない
・希望する間取りにならなかった不満
・予算オーバーになったこと
など色々とその会社のことがわかります。
ネットでの体験談や失敗談はいろいろな理由があって書かれているのとなので、
一概に全てを信用することはできないのですが、あくまでも参考にして自分の時にはそうならないように注意するなどの対策が必要です。
設計事務所に相談する
リノベーションで失敗しないコツは、設計事務所に相談することです。
工事をしてくれる会社のいいなりになってしまうと、自分の思うようにリノベーションできないことが多いです。
会社が決まっていても、設計事務所に間に入ってもらい自分と施工会社、設計事務所の3社で設計を進めることがおすすめです。
リノベーションで設計事務所が間に入るメリットについてはこちらの記事をご参照ください↓
設計事務所が間に入ると施主の要望に沿って設計してくれるので、自分の思うようにリノベーションできるケースが多いです。
リノベーションの設計料は規模により違いますが、新築の設計料よりも安くなる場合がほとんどです。
設計料をケチって不便な暮らしに我慢するよりも、設計料をしっかりと払い思い通りのリノベーションをして快適に暮らすほうがいいと思います。
まとめ
今回は中古物件を買ってリノベーションを考えている人や中古物件を選ぶときの注意点を知りたい人に対して、
中古物件を買ってリノベーションする時の中古物件を選び方と注意点をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
中古物件を選ぶときの注意点
・違法建築に注意する
・最寄りの駅までの距離を確認する
・外装リフォームも考える
・配管の劣化に気を付ける
・家の前の交通量を確認する
リノベーションで失敗しないコツ
・自分に合った業者を選ぶ
・体験談や失敗談を参考にする
・設計事務所に相談する
これからは新築よりも空き家をうまくリノベーションして暮らす人が増えていくと思います。
しっかりとした中古物件を選び、自分好みのリノベーションして快適な暮らしを手に入れましょう。
この記事が少しでも中古物件を買って自分好みにリノベーションする人のお役に立てれば幸いです。
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