設計段階でしっかりと考えないと後悔する?流行りの間取りの落とし穴

最近は様々な工夫があるおしゃれな感じの間取りが多くなりました。

私もモデルハウスなどを見ていると、

この家に住みたい!

と思うことってよくあります。

でも、そんな素敵な間取りにもデメリットがあることを知っておかないと、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。

流行りの間取りってどんなものがあるの?

流行りの間取りとして今回取り上げるのは以下になります。

流行りの間取り

・インナーバルコニー

・アイランドキッチン

・パティオ(中庭)

・リビング階段

・スキップフロア

どれも間取りに取り入れると素敵になるものばかりですが、

しっかりとその間取りの落とし穴を理解しておきましょう。

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎流行りの間取りを作ろうと考えている人

▶︎流行りの間取りの落とし穴を知りたい人

上記の方々に対して、設計段階でしっかりと考えないと後悔する流行りの間取りの落とし穴をご紹介します。

この記事で流行りも間取りのデメリットを理解してくれる人が少しでも増えてくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

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流行りの間取りの落とし穴

流行りの間取りの落とし穴として今回取り上げるのは以下になります。

流行りの間取り

・インナーバルコニー

・アイランドキッチン

・パティオ(中庭)

・リビング階段

・スキップフロア

インナーバルコニー

通常のバルコニーは建物からせり出しているのに対して、

インナーバルコニーは建物内にあり部屋の一部がそのままバルコニーになっているものです。

バルコニーの種類やメリット・デメリットに関してはこちらの記事をご覧ください↓

通常のバルコニーのように解放感を楽しみつつ、屋根があるので天気を気にする必要がないのが特徴です。

インナーバルコニーのメリット以下になります。

・開放感がある

・天気を気にする必要がない

・雨の日でも洗濯物を干せる


・テーブルセットを置いてくつろげる



お子さんのプレイスペースやちょっとしたガーデニング、DIYなどもできます。

そんなインナーバルコニーの落とし穴は

インナーバルコニーの落とし穴

・価格が高い

・延べ床面積に含まれる

・隣接する部屋の日当たり

価格が高い

通常のバルコニーでも費用がかかるのですがインナーバルコニーの場合はそれ以上に費用がかかります。

なぜならインナーバルコニーの下の階は通常の部屋なので、防水対策や断熱材、屋根工事などの手間や材料がかかるためです。

インナーバルコニーを広くすればするほど費用がかかってしまいます。

延べ床面積に含まれる

大きさにもよりますが一般的なバルコニーは建物の床面積には含まれません。

しかしインナーバルコニーは原則として床面積に算入されます。

ということはその分、固定資産税がかかることになります。

隣接する部屋の日当たり

これは見落としがちなポイントですが、インナーバルコニーに接する奥の部屋は日当たりが悪くなるというデメリットがあります。

特にインナーバルコニーにリビングが接している場合は窓の位置などに気をつけて間取りを計画する必要があります。

アイランドキッチン

対面キッチンにはペニンシュラキッチンとアイランドキッチンの2つがあります。

キッチンの片側が壁についているペニンシュラ型に対して、

アイランドキッチンはキッチンが完全に壁から離れて島のようになっているものをいいます。

アイランド型のメリットは両側からキッチンに入れるのでキッチンの出入りがしやすいことです。

家族みんなで料理を作ったり、お客様を招いてパーティーをするイメージにピッタリです。

そんなアイランドキッチンの落とし穴は

アイランドキッチンの落とし穴

・収納スペースの確保が難しい

・常に片付けておく必要がある

・狭いLDKには不向き

収納スペースの確保が難しい

アイランド型は開放的すぎて使いづらい部分があります。

ペニンシュラ型だと壁に接している部分などにちょっとした棚を設置していろいろなものが置けますが、

アイランド型は小さな棚でも起きづらいというデメリットがあります。

料理に使う細々したものをどこに置くのかといった収納のことを考えておく必要があります。

常に片付けておく必要がある

アイランド型は周囲に壁がないのでリビングやダイニングから調理台やシンクが丸見えになります。

片付けていないとそれがそのまま見えてしまうという点でデメリットになってしまいます。

片付けが苦手な人には不向きかもしれません。

狭いLDKには不向き

アイランド型のキッチンを設置するためにはそれなりに広いスペースが必要です。

様々なアイランドキッチンを見てもわかりますが存在感があるので、

LDKに十分な広さがないとキッチンが大きすぎてアンバランスになってしまいます。

アイランドキッチンを設置する場合はLDKとのバランスも考えましょう。

パティオ(中庭)

住宅展示場でパティオ(中庭)がある家を見る機会があると思います。

庭でありながら外から見られないプライベート感が人気です。

中庭のある注文住宅の間取りのメリットとデメリットに関してはこちらの記事をご参照ください↓

そんなパティオ(中庭)の落とし穴は

パティオ(中庭)の落とし穴

・耐震性を考えると費用が高額に

・手入れが大変

・まわり道が多い

耐震性を考えると費用が高額に

家は四角形が一番安定するのですが、デザインなどにこだわってコの字やロの字にすると耐震性に影響してきます。

コの字やロの字の家の耐震性を上げるには、

その他の壁で壁量をとったり、構造材を大きくしなければならないために、結果として費用が高くなる場合があります。

手入れが大変

家の各所から見えるので手入れされていないと気になります

また、雑草や虫がよく出るので注意しましょう。

手入れをする時間がないというご家庭は思い切って中庭の床をタイルにしてしまうのもいいと思います。

まわり道が多い

中庭を囲んで部屋があるのでどうしてもまわり道が多くな理、生活動線に影響が出てきます。

間取りを考える際に生活動線は大変重要なポイントなのでしっかりと考えてパティオの配置をしましょう。

リビング階段

リビング階段も最近増えてきている流行りの間取りです。

リビング階段のメリット・デメリットについてはこちらの記事をご参照ください↓

リビング階段のメリットは

・顔を合わせる機会が増える

・リビングが広く見える

・お洒落な階段が映える

・吹抜けと相性がよい

などがあります。

しかしながら、そのメリットが裏目に出て後悔するご家庭もあるようです。

そんなリビング階段の落とし穴は

リビング階段の落とし穴

・安心してくつろげない

・冷暖房の効率が落ちる

・玄関や廊下が狭く感じる

安心してくつろげない

子供が友達を連れてくるようになるとリビング階段を通って自室に行きます。

休日にリビングでくつろいでいてそのまま寝てしまった場合など、

子供の友達が帰るときにリビングで顔を合わせてしまい、お互いにびっくりしたなんてことになったりします。

子供にとってみれば親のカッコ悪い姿を友達に見せてしまうことが恥ずかしかったりもします。

冷暖房の効率が落ちる

吹き抜けも同様ですが、冷暖房の効率が落ちるというデメリットがあります。

冬になるとエアコンだけでは暖まらずにリビングを床暖房にしないと寒くて辛いというご家庭もあります。

一番の解決方法は家全体を高気密高断熱にして、窓も断熱性を上げることですが、費用が結構上がってしまいます。

玄関や廊下が狭く感じる

玄関から続く廊下や玄関ホールに階段があると玄関が広い空間に感じます。

それがなくなることで、玄関から開放感がなくなってしまうデメリットがあります。

対策としては、玄関に窓を設けて開放感を演出するのもいいと思います。

スキップフロア

スキップフロアとは中二階などとも呼ばれますが、ひとつの階層の中に段差をつけて部屋を作ることです。

人気のある間取りでパッと見てもかなりおしゃれです。

子供の遊び場であったり書斎であったりと様々な用途に使われる空間です。

そんなスキップフロアの落とし穴は

スキップフロアの落とし穴

・建築費用が高くなる

・空調が行きわたらない

・掃除が面倒

建築費用が高くなる

壁や扉がないとはいえ通常の2階建てと比べるとそれなりに費用もアップします。

通常の(坪単価×フロア床面積)の費用に、おしゃれな作りの材料費と手間の費用がかかります

空調が行きわたらない

リビング階段や吹き抜け同様に壁がないので、冷暖房効果が落ちるというデメリットがあります。

スキップフロアに冷暖房を設置すると光熱費が高くなったり、採光や採風を取り入れる工夫も必要になります。

掃除が面倒

お掃除ロボットは使いづらくなりスキップフロアに掃除機を持って上がるようになり、面倒に感じる方もいるようです。

スキップフロアのポイントは建設業者選びが重要にないります。

自治体の審査に詳しい地域に密着した会社や強度計算などをしっかりとしてくれる経験豊富な会社を選びましょう。

まとめ

今回は流行りの間取りを作ろうと考えている人や流行りの間取りの落とし穴を知りたい人に対して、

設計段階でしっかりと考えないと後悔する流行りの間取りの落とし穴をご紹介してきました。

まとめると以下になります。

流行りの間取り

・インナーバルコニー

・アイランドキッチン

・パティオ(中庭)

・リビング階段

・スキップフロア

インナーバルコニーの落とし穴

・価格が高い

・延べ床面積に含まれる

・隣接する部屋の日当たり

アイランドキッチンの落とし穴

・収納スペースの確保が難しい

・常に片付けておく必要がある

・狭いLDKには不向き

パティオ(中庭)の落とし穴

・耐震性を考えると費用が高額に

・手入れが大変

・まわり道が多い

リビング階段の落とし穴

・安心してくつろげない

・冷暖房の効率が落ちる

・玄関や廊下が狭く感じる

スキップフロアの落とし穴

・建築費用が高くなる

・空調が行きわたらない

・掃除が面倒

流行のおしゃれな間取りを実現するにはどれもそれなりの費用がかかります。

せっかく建てるマイホームに憧れを実現することも大切だと思います。

しかしデメリットをしっかりと理解した上で、コストに見合った間取りを考えていきましょう。

この記事で流行りも間取りのデメリットを理解してくれる人が少しでも増えてくれれば幸いです。

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