設計ってどこまで配慮できるの?設計することで暮らしを楽にするアイデア5選
暮らしを楽にする注文住宅はどこまで配慮して設計するのかでかなり違ったものになります。
せっかく注文住宅を建てるのであれば、細かいところまで配慮して設計してもらった方がいいと思います。
注文住宅の設計ってどこまで配慮できるの?
設計事務所の注文住宅ではかなり細かなところまで配慮して設計することができます。
例えば
収納の棚の高さは施主の身長に合わせて寸法を設定したり、
掃除用具を充電するために収納内にコンセントを設けたり、
太陽光の季節ごとの角度を計算して夏は光を遮り、冬は光を取り入れられる軒の出や庇を設計したり…
たくさんのことを配慮して設計することができます。
しかしながら、工務店やハウスメーカーの注文住宅の場合は、
施主がしっかりと考えを伝えないと暮らしを楽にする注文住宅は実現するのが難しいと思います。
どんなことを伝えたらいいの?
この記事でご紹介する「暮らしを楽にするアイデア」のようなことを伝えて設計してもらうことをおすすめします。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎設計することで暮らしを楽にするアイデアを知りたい人
▶︎どこまで配慮して設計すればいいのか分からない人
上記の方々に対して、設計することで暮らしを楽にするアイデアを5つご紹介します。
この記事で暮らしを楽にするために配慮して設計する参考になってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
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目次
暮らしを楽にするアイデア5選
暮らしを楽にするアイデアの代表例は以下になります。
暮らしを楽にするアイデア5選
・家事動線をコンパクトに
・収納力をアップする
・太陽光を取り入れる
・メンテナンスフリーの素材選び
・掃除のしやすい設備を選ぶ
家事動線をコンパクトに
暮らしを楽にするアイデアのひとつ目は、家事動線をコンパクトにすることです。
家事動線とは住宅の中で料理や洗濯、掃除などの家事をする際に人の動きを表す線のことです。
家事動線がコンパクトになればあまり動き回ることなく家事をすることができるようになります。
買い物から帰ってきてキッチンに行くまでの動線や、洗濯物を干してしまうまでの一連の流れを具体的に想像して、
その動線内に何があればいいのかを考え部屋をゾーニングする必要があります。
また、家事動線だけでなく生活動線も考える必要があります。
生活動線とは朝、起きて、顔を洗い、食事をして、トイレに入り、出かける、といった毎日の生活上の一連の動きを表した線のことです。
これらの動線を具体的に考えてなるべくコンパクトにすると暮らしを楽にすることができます。
収納力をアップする
暮らしを楽にするアイデアは、収納力をアップすることです。
収納力をアップすれば空間にゆとりが生まれ、物が出しっぱなしになることもなく掃除が楽になるからです。
収納力をアップするには片付け方について学ぶ必要があります。
収納力をアップする方法や片付け方を学ぶにはこちらの記事をご参照ください↓
収納力をアップするには、間取りを考えるときのわずかな隙間でもそこに何が収納できれば便利になるのかを考える必要があります。
設計段階で住宅の展開図を作ってもらい間取りのどこに空いている空間があるのかを把握しましょう。
無駄な空間を作らずに収納力がアップすることができれば暮らしを楽にすることができます。
太陽光を取り入れる
暮らしを楽にするアイデアは、太陽光を取り入れることです。
冬は太陽光をうまく取り入れれば、暖房を動かす必要がなくなりポカポカと暖かい環境で暮らすことができるからです。
また、夏は太陽光を遮ることが必要です。
断面図で太陽光の角度を描き込み、軒の出や庇をしっかりと設計することが必要です。
最近では冷暖房の空調を前提とした軒の出や庇のない家が多くなりましたが、
いくら家の断熱・気密性能を上げたとしても太陽光からの熱エネルギーの影響は大きいです。
軒の出や庇をしっかりと設計し、太陽光をうまく利用することで暮らしを楽にすることができます。
メンテナンスフリーの素材選び
暮らしを楽にするアイデアは、メンテナンスフリーの素材選びをすることです。
メンテナンスフリーの素材を使用すれば、お手入れの面倒臭さから解放されて自由な時間が生まれるからです。
メンテナンスフリーの素材としては
・床:コーティングされたフローリング
・壁:羽目板
・外壁:金属系、樹脂系サイディング
・屋根:粘土瓦、ガルバリウム鋼板
などの耐用年数が長いものを使用するとメンテナンスの回数が少なくなります。
工務店やハウスメーカーの場合は素材選びは決められたものから選ぶことになると思いますが、
しっかりと耐用年数の長いものを選ぶようにしましょう。
掃除のしやすい設備を選ぶ
暮らしを楽にするアイデアは、掃除のしやすい設備を選ぶことです。
掃除のしやすい設備を選べば、日頃の掃除が楽になりしっかりと掃除をすることで設備の寿命が長くなるからです。
掃除のしやすい設備はトイレの便器やユニットバスなどのメーカーのショールームに実際に行って実物を見て確認しましょう。
その他には床下換気システムを採用する方法もあります。
床下換気システムとは部屋の換気を床下で行うものです。
一般的に換気扇は天井についていますが、フィルター掃除をするのに椅子や脚立を使わないと届かないデメリットがあります。
床下に換気扇がついていれば、手が届くので日頃の掃除が楽にできるといったメリットがあります。
床下換気システムについてはこちらをご覧ください↓
実現するために施主がやるべきこと
暮らしを楽にする注文住宅を実現するために施主がやるべきことは以下になります。
実現するために施主がやるべきこと
・しっかりと要望を伝える
・使いたい設備や材料を調べる
・設計図面をしっかりと理解する
しっかりと要望を伝える
暮らしを楽にする注文住宅を実現するために施主がやるべきことは、しっかりと要望を伝えることです。
しっかりと要望を伝えないと自分の生活スタイルに合った注文住宅を実現できないからです。
例えば、
①キッチンはLDKを見渡せる対面式
②お客さんからキッチンが見えないように
③ダイニングテーブルの近くにコンセント
④玄関先に食品がストックできる収納
⑤脱衣室の近くにファミリークローゼット
⑥脱衣室に洗濯物干し
⑦寝室の枕元に充電用のコンセント
などなど…
具体的に生活する上での必要なものを箇条書きにするといいと思います。
また、箇条書きにした要望に優先順位やこれだけは必ず作ってほしいものを記しておきましょう。
設計上どうしても要望がうまく実現できないかったり、どちらかを選ばないといけない場合などが出てくるからです。
たくさんの要望の内で7割が実現できれば成功だと思います。
しっかりと要望を具体的に示して設計者に伝えましょう。
使いたい設備や材料を調べる
暮らしを楽にする注文住宅を実現するために施主がやるべきことは、使いたい設備や材料を調べることです。
使いたい設備や材料がある人は住宅にかなりこだわりを持った人だと思います。
設計者は今までの経験や会社でできる仕様をもとに設計を進めるのですが、
施主が使いたい設備や材料のことはあまり知識がない場合があります。
使いたい設備や材料をしっかりと調べて、設計段階でこれを使いたい提示しましょう。
しかしながら、使いたい設備や材料がその家では使えなかったり、使えたとしても高くなってしまうこともあります。
特にハウスメーカーの注文住宅の場合は仕様の選択肢は限られているので、
使いたい設備や材料があっても注文住宅の設計に盛り込むことができない場合があります。
設計図面をしっかりと理解する
暮らしを楽にする注文住宅を実現するために施主がやるべきことは、設計図面をしっかりと理解することです。
設計図面を理解しておかないと自分の要望が設計に反映されているのかわからないからです。
素人が設計図面を理解するのは難しいと思いますが、わからないところはしっかりと設計者や営業担当者に理解できるまで質問しましょう。
設計図面で特に注意したいのは、
・配置図
・平面図
・立面図
・断面、矩計図
・展開図
・家具図
・照明配置図
・コンセント図
などを理解することです。
設計図面を理解するには三角スケールを購入することをおすすめします↓
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まとめ
今回は設計することで暮らしを楽にするアイデアを知りたい人やどこまで配慮して設計すればいいのか分からない人に対して、
設計することで暮らしを楽にするアイデアを5つご紹介してきました。
まとめると以下になります。
暮らしを楽にするアイデア5選
・家事動線をコンパクトに
・収納力をアップする
・太陽光を取り入れる
・メンテナンスフリーの素材選び
・掃除のしやすい設備を選ぶ
実現するために施主がやるべきこと
・しっかりと要望を伝える
・使いたい設備や材料を調べる
・設計図面をしっかりと理解する
暮らしを楽にするアイデアは人それぞれですが、今回ご紹介した5つのアイデアを参考にして、
具体的には何が必要なのかを考えると設計で要望することを簡単に思い描くことができると思います。
注文住宅はどこまで設計で配慮するのかで全く違う住宅になります。
しっかりと要望を設計者に伝えて、自分の生活スタイルに合った注文住宅を実現しましょう。
この記事で暮らしを楽にするために配慮して設計する参考になってくれれば幸いです。
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アーキトリック一級建築士事務所