この予算だとどんな住宅が建つの?注文住宅の価格による仕様の違いについて

注文住宅を建てようとする場合は予算をどのくらいに設定するのかとても悩むところです。

注文住宅の建築工事費以外にもかかってくる費用があるので、その分の予算を考えると注文住宅の仕様にあまり選択肢がない場合もあります。

※仕様とは、構造や仕上げ、使用する材料、設備などの内容のことです。

注文住宅の価格で仕様はどう違ってくるの?

注文住宅の価格により外観や間取り、使える建材、サッシ、設備のグレードが違ってきます。

延べ床面積が36坪で4LDKの2階建ての木造住宅を考えた場合

・1,000万円台→坪単価30〜50万
:ローコスト住宅

・2,000万円台→坪単価50〜70万
:一般的な注文住宅

・3,000万円台→坪単価70〜100万
:グレードの高い住宅

・4,000万円台→坪単価100〜130万
:鉄骨造やRC造の住宅

と考えられます。

具体的な仕様については以下で説明していきます。

※坪単価で表したのは私が設計の時に仕様を決める目安にしているからです。

今回の坪単価による仕様はあくまで私の長年の経験上のものなので、

ウッドショックによる価格の上昇を考えるとこの仕様ではできないことがあるかも知れません。

あくまでも参考までに…

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎価格の違いによる注文住宅の仕様の違いを知りたい人

▶︎自分が建てたい注文住宅はどのくらいかかるのか知りたい人

上記の方々に対して、注文住宅の価格による仕様の違いや建築工事費以外でかかる費用などをご紹介します。

この記事が自分が建てたい注文住宅の予算を把握する手助けになってくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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注文住宅の価格による仕様の違い

延べ床面積が36坪で4LDKの2階建ての木造住宅を考えた場合

・1,000万円台→坪単価30〜50万
:ローコスト住宅

・2,000万円台→坪単価50〜70万
:一般的な注文住宅

・3,000万円台→坪単価70〜100万
:グレードの高い住宅

・4,000万円台→坪単価100〜130万
:鉄骨造やRC造の住宅

と考えられます。

具体的な仕様については以下で説明していきます。

1,000万円台の注文住宅の仕様

1,000万円台の注文住宅の仕様は以下になります。

1,000万円台の注文住宅の仕様

・シンプルな外観(片流れや切妻)
・シンプルな間取り
・床はフローリング材かCF仕上げ
・内壁、天井はクロス貼り(量産)
・外壁はサイディング

1,000万円台の注文住宅は、シンプルな外観や間取りでコストを抑えた家になります。

建築費は家の形に左右されることが多いので、凹凸の少ない長方形や正方形のシンプルな家になります。

また、あまり凝った間取りを作ることはできません。

床材に無垢材(丸太から切り出した自然のままの木材)を使用したり、

内壁に漆喰(しっくい)などの自然素材を多く使うことはできない仕様になります。

内壁や天井は量産タイプのクロス貼りになります。

外壁はサイディング張り、屋根はガルバリウム鋼板でシンプルな屋根形状になります。

2,000万円台の注文住宅の仕様

2,000万円台の注文住宅の仕様は以下になります。

2,000万円台の注文住宅の仕様

・窓は複合サッシ
・断熱、気密性能を上げる
・家具や設備のグレードを上げる

その他部分は1,000万円台の住宅と仕様はほぼ変わらないのですが、

窓、断熱性能、気密性能、家具や設備のグレードを上げることができます。

2,000万円台の注文住宅はどこにお金をかけるのか絞り込む必要があるので、

設備のグレードやオプションを付けすぎて予算オーバーすることが多いです。

3,000万円台の注文住宅の仕様

3,000万円台の注文住宅の仕様は以下になります。

3,000万円台の注文住宅の仕様

・床は無垢フローリング
・窓は樹脂サッシ
・内壁、天井はクロス貼りAA、S
・内壁のアクセントにエコカラット
・外壁は左官仕上げも可能

外観や間取りを工夫して暮らしやすい注文住宅を実現できます。

全国で建てられている注文住宅の平均的な建築費用は約3308万円です。

3,000万円台の注文住宅は、3000万円前半までは平均的なグレードと広さの家を建てられる価格帯で、

3000万円後半は平均よりも設備や建築資材のグレードをアップさせたり、家の大きさを広げたりすることが可能な価格帯といえます。

内壁のアクセントにエコカラットを使用したり、一部をジョリパット左官仕上げにすることも可能です。

外壁も左官仕上げにすることも可能です。

屋根は瓦屋根なども選択肢に入ってきます。

仕様の選択肢が多くなる分、設計には時間がかかりがちになるので、家族としっかりと話し合いどんな暮らし方をしたいかを明確にすることが必要です。

4,000万円台の注文住宅の仕様

4,000万円台の注文住宅の仕様は以下になります。

4,000万円台の注文住宅の仕様

・鉄骨造やRC造でも可能
・窓は樹脂サッシか木製サッシ
・間接照明などでLDKや寝室を演出
・中庭のある間取り
・内壁はジョリパット左官も可能

3,000万円台の住宅の仕様よりも高価な建材を使用できます。

坪単価100万円を超えるので木造ではなく鉄骨造やRC造の一般的な住宅の坪単価になります。

この坪単価で木造住宅を作るとなるとかなり豪華な仕様で建てることができます。

家へのこだわりの強い人の希望を設計に盛り込んでいくとこの価格帯になります。

建築工事費以外にかかる費用

建築工事費以外にかかる費用で一番大きいのは土地代です。

土地代がいくらかかるのかはこちらをご参照下さい↓

[SUUMO]不動産ポータルサイト

その他で建築工事費以外にかかる費用は以下になります。

建築工事費以外にかかる費用

・外構工事や家具、家電、カーテンなどの費用

・地鎮祭や契約時の印紙代、その他の諸経費

・登記費用や不動産取得税など

外構工事や家具、家電、カーテンなどの費用

建築費用以外にかかる費用の代表的なものは、外構工事や家具、家電、カーテンなどがあります。

一般的な住宅でかかる費用は以下になります。

外構工事は建築費用の10%

外構工事には庭だけでなく駐車場の浸透性アスファルト舗装やカーポート、ウッドデッキ、植栽などが含まれます。

家具、家電、カーテンの住宅金融支援機構の平均は201.0万

家具は3人掛けソファー、テーブル、ラグ、ダイニングテーブル、ダイニングチェア4脚をカリモクで揃えたとして100〜120万

家電はテレビ、テレビ台、エアコン5室、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、洗濯機など60〜70万

カーテンは35〜40万

仮に建築費用が1,800万の住宅を建てる際には、外構工事が180万、家具家電とカーテンが200万として、最低でも380万円が必要となります。

地鎮祭や契約時の印紙代、その他の諸経費

その他にもかかる費用としては

地鎮祭が8万〜10万

神主さんへの謝礼である初穂料は3万円程度、お供え物は1万円程度、建て方を手伝ってくれた大工さんへのご祝儀は、棟梁が1万円で大工さんには5,000円程度

住宅ローンの契約時の印紙代が500万円超~1,000万円以下だと10,000円、1,000万円超~5,000万円以下だと20,000円

その他の諸経費として、近隣の方へご挨拶での菓子折り1,000円×4件で4,000円や工事中の職人さんへの差し入れ代、火災保険、保証料などがかかります。

※保証料とは、住宅ローンで借り入れをする際に保証人を立てる代わりに支払う費用です。

100万円あたり25,000円程度が相場と言われており、2,000万円のローンであれば50万円程度必要となります。(金融機関や借入金額、契約期間などによって異なります)

登記費用や不動産取得税など

新築住宅の場合は表題登記が法律で義務付けられています。

表示登記費用は7~10万 

新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、表題登記を申請しなければならないこととされています(不動産登記法47条)

不動産取得税は土地と建物にそれぞれ4%

土地と建物の価格は評価額(固定資産税評価額)で計算します。

評価額は時価よりも低いのが通常で、土地の場合は時価の7割程度、建物の場合は5~6割程度が目安です。

土地が1,000万で建物が1,800万の場合の評価額は土地が700万で建物が900万となり、その4%なので28万と36万の合計64万が不動産取得税となります。

ここまで建築費用以外にかかる費用を見てきたわけですが

延べ床面積が36坪で4LDKの2階建ての木造住宅を1,000万の土地に1,800万で建てた場合

・外構工事→180万
・家具家電とカーテン→200万
・地鎮祭→8万
・印紙代→2万
・表示登記費用→7万
・不動産取得税→64万
ーーーーーーーーーーーーーー
・合計461万

建築費用以外に最低でも461万はかかる計算になります。

まとめ

今回は価格の違いによる注文住宅の仕様の違いを知りたい人や自分が建てたい注文住宅はどのくらいかかるのか知りたい人に対して、

注文住宅の価格による仕様の違いや建築工事費以外でかかる費用などをご紹介してきました。

まとめると以下になります。

1,000万円台の注文住宅の仕様

・シンプルな外観(片流れや切妻)
・シンプルな間取り
・床はフローリング材かCF仕上げ
・内壁、天井はクロス貼り(量産)
・外壁はサイディング

2,000万円台の注文住宅の仕様

・窓は複合サッシ
・断熱、気密性能を上げる
・家具や設備のグレードを上げる

3,000万円台の注文住宅の仕様

・床は無垢フローリング
・窓は樹脂サッシ
・内壁、天井はクロス貼りAA、S
・内壁のアクセントにエコカラット
・外壁は左官仕上げも可能

4,000万円台の注文住宅の仕様

・鉄骨造やRC造でも可能
・窓は樹脂サッシか木製サッシ
・間接照明などでLDKや寝室を演出
・中庭のある間取り
・内壁はジョリパット左官も可能

建築工事費以外にかかる費用

・土地代

・外構工事や家具、家電、カーテンなどの費用

・地鎮祭や契約時の印紙代、その他の諸経費

・登記費用や不動産取得税など

※延べ床面積が36坪で4LDKの2階建ての木造住宅を1,000万の土地に1,800万で建てた場合、建築費用以外に最低でも461万はかかる計算になります。

今回の坪単価による仕様はあくまで私の長年の経験上のものなので、

ウッドショックによる価格の上昇を考えるとこの仕様ではできないことがあるかも知れません。

あくまでも参考までに…

この記事が自分が建てたい注文住宅の予算を把握する手助けになってくれれば幸いです。

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