あなたは建築家orデザイナー?ステータスで比較し足りないものを補うには

私は建築に関わる仕事をしてきてもう20年以上たちます。

その間には様々なタイプと人と一緒に仕事をしてきました。

デザイナー、アーティスト、建築家、建築士…

一緒に仕事をしてきた様々なタイプの人はそれぞれに、ずば抜けている能力や足りない能力などがありました。

建築家やアーティストって
どこが違うの?

一般に建築家やアーティストはその人の生き方であり、デザイナーや建築士はその人の職業であるとされています。

生き方と職業って
どう違うの?

生き方とは
・問題を提起し自己を表現する手段として作品を作る

職業とは
・仕事としてクライアントの要求に答えて対価をもらう

などの違いがあります。

今回は私の独断と偏見ではありますが、デザイナー、アーティスト、建築家、建築士がどのようなステータスを持っているのかや人物像などをご紹介できればと思います。

この記事がこれからデザイナーや建築家を目指そうとしている人にとって、どのような能力を身につければいいのかや、自分に足りないものを補うにはどうすればいのかなどの参考になってくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。

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建築に関わる人々

私の経験から、建築家やデザイナーと呼ばれる人達はそれぞれに個性的なのですが、突出している部分と欠落している部分がありました。

アーティストとは一緒に建築の仕事をしたことはありませんが、学生時代から岡村太郎や草間彌生が好きで彼らの作品や書籍を読み漁っていたので、だいたいどんな人種なのか想像は付きますw

そんな私が独断と偏見ではありますが、デザイナー、アーティスト、建築家、建築士のステータスを比較していきます。

ステータスを比較してみる

指標として以下の6つについてステータスを比較をしていきます。

①コストマネージメント
②想像力
③問題解決能力
④コミュニケーション能力
⑤社会性
⑥現場監理能力

デザイナー

デザイナーと呼ばれる人たちは問題解決能力が優れている人たちが多い印象です。

ここでの問題解決能力とはデザイン力のことを指します。

また、お客さんの要望をうまく聞き出し問題を解決する仕事としているためにコミュニケーション能力は高いです。

店舗設計事務所で働いていた時は先輩や社長がデザイナーだったのですが、いろいろな素材を熟知していてデザイン性の高い納まりはとても勉強になりました。

店舗設計に関わる建築デザイナーは建築基準法や消防法などの法令を軽視する傾向が強く、店舗設計事務所を管理する建築士は負担が大きくなります。

アーティスト

アーティストは想像力が特化している印象です。

問題解決能力はクライアントの意図しない形で逆に問いかけることが多く、問題を提起することに関してはずば抜けています。

普段の何気ない出来事を感受性豊かに感じとり、自身の想像力で自己の感情を表現する能力があります。

一方、コストマネージメントや現場監理能力、社会性といった能力が欠如している人が多い印象です。

アーティストは基本的に自己表現のために作品を作るので、人々にその作品に対しての共感や理解が生まれなければ価値が付きません。

人間として欠落してしまった何かを補うために作品をつくるなど、創作活動が生きるために習慣化している人だと思います。

建築家

建築家と呼ばれる人たちは様々ですが、コミュニケーション能力や想像力が優れている人が多い印象です。

お施主さんを洗脳?してしまうほどで、他人のお金で自分の作品を作ってしまうほどのコミュニケーション能力があります。

想像力に関してもアーティスト並の能力があり、新しいアイデアを次々に発想しそれを形にしていきます。

一方、コストマネージメントや現場監理能力はあまり高くありません。

ディテールの美しさを求めるばかりに建築費を予算オーバーしてしまったり、現場の段取り無視で気に入らないとやり直しさせられることも度々w

建築士

建築士は現場監理能力と社会性が高い人が多い印象です。

ひとつの建築をお施主さんや職人さんたちと協力し、作り上げていく職業なので必要な能力です。

一方、人にもよりますがコミュニケーション能力はあまり高くありません。

建築基準法など専門的なことや業界用語で普段から話しているので、一般のお客さんには話が通じない場面が多々あります。

ステータスを補うには

デザイナ、アーティスト、建築家、建築士それぞれのステータスを見てきましたが、あなたはどのタイプのステータスに近かったでしょうか?

すべてのステータスを上げる必要はありませんが、あまり偏りすぎるのも問題だと思います。

次に自分に足りないステータスを補うにはどうしたらいいのか考えてみます。

コストマネージメント

コストマネージメントの能力を身につけるには、自分の設計した建築を実際に見積ってみることがおすすめです。

公共建築をやっている設計事務所なら当然のように設計見積りはやっているのですが、一般の設計事務所だと工事金額に関しては建設会社まかせのところがあります。

実際に相見積りを比較する場合でも、設計見積りで工事金額の適正な価格を出しているととても比較しやすいです。

なかなか建築コストについて書かれてある本はないのですが、建築知識の「木造住宅のコストがわかる本 」は実践的なコラムが充実していておすすめです↓

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正しい概算の出し方や見積りのチェック法など、「根拠あるコスト管理」で建築主に信頼される極意が各工事別に書かれてあります。

想像力

想像力とは

「自身が経験していないことや未来のこと、現実には存在しないことを、頭の中で思い描く力」

のことです。

想像力を身につけるには日常で物事を考える際に「仮説(=自分なりの仮の答え)」を立てていくことをおすすめします。 

例えば、買い物の際に

「最近よくこういった商品を見かけるけどなんでだろう」

「なぜ今このようなキャンペーンを打ち出しているんだろう」

などと、普段なら気にとめなさそうそうなことも立ち止まって考えるようにしてみましょう。

日常から「想像癖」をつけることで想像力を鍛えることができます。

問題解決能力

問題解決能力を身につけるには、問題に対して段階的に考えることがおすすめです。

①問題を正しく認識
②問題を分析
③解決策を立案


①まずは問題に対して客観的に向き合い、本質を見極めましょう。

②次に問題の影響範囲を適切に把握し、潜在的な問題も含めて原因分析をしましょう。

③最後に問題の原因と解決策から、適切なリソースの確保しましょう。
リソースとは「資源」のことで、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」などのことです。

チーム内の仕事で複数人いる場合は問題認識が正しいかどうかなど議論しましょう。

段階的に問題と向き合う癖をつける問題解決能力は身につけられると思います。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは

「対人的なやり取りにおいて、お互いの意思疎通をスムーズにするための能力のこと」

コミュニケーション能力がある人は

①他人を巻き込む力
②理解させる、説得する力
③論理的に伝える力


のような能力が高い人のことです。

コミュニケーション能力は私も身につけたい能力で、色々試しているのですが…

コミュニケーション能力が高い人は、相手に対して興味をしめし、話をよく聞いてくれる人が多い傾向があります。

また、相手の気持ちを具体的に考えながら話ができ、例え話をうまく会話に折り込み自分の意図する方向へと相手の気持を導くことができます。

仕事をする上ではぜひとも身につけておきたい能力のひとつです。

社会性

社会性とは集団の中でうまくやっていく能力や他人と関っていく能力のことです。

社会性を身につけるには、まずは挨拶を習慣づけましょう。

他人との交流を円滑にするには自分からきっかけを作ることが肝心です。

そして、ディスカッション(話し合い)を積極的に行うことも重要です。

ディスカッションを通じて

・相手の意見を尊重する
・相手の話をさえぎらない
・自分の考えを他人に正確に伝える
・論理立てて話をする


を心がけましょう。

社会性には相手との交流は避けられません。

社会性を身につければ周りにいる人達との関係がうまくいき人間関係のストレスも軽減されます。

現場監理能力

現場監理能力とは現場を設計図通りに納めるために、建設会社の現場監督や職人さんたちと協力して現場を監理する能力です。

予算や工程、品質などを監理する能力は建築現場によく足を運び、職人さんや現場監督と会話をすることで身につきます。

現場管理で必要な能力は

・現場を束ねる統率力
・トラブルを未然に防ぐための先読み力
・工程管理をスムーズに行う段取り力
・利益を生み出す交渉力
・学びを欠かさない向上心

だと思います。

建築工事を分離発注で行う時など現場監理能力の高さが試されます。

自分の設計した建築をうまく納めるためには欠かせない能力です。

まとめ

今回は私の独断と偏見ではありますが、デザイナー、アーティスト、建築家、建築士がどのようなステータスを持っているのかや各ステータスをどのように伸ばしていくかなどを見てきました。

まとめると以下のとおりです。

・デザイナー
→問題解決能力とコミュニケーション能力が優れている

・アーティスト
→想像力が優れている

・建築家
→想像力とコミュニケーション能力が優れている

・建築士
→現場管理と社会性が優れている


となります。

かなりの独断と偏見ではありますが、私が建築の仕事をしてきて関わってきた人達の特徴です。

デザイナーや建築家を目指そうとしている人にとってコミュニケーション能力や問題解決能力、想像力は欠かせないと思います。

自分のステータスを冷静に把握し足りないものを補うように頑張りましょう。

実際に働いてみて自分のステータスを見極めることや伸ばしていくことも重要になります。

今はひとつの会社に縛られるのではなく自分自身の能力を高めていく時代だと思います。

若いうちにいろいろな経験をすることで自分の能力や適正がわかってくることもあります。

実際に働いてみて自分にとって得られるものがないと思ったら早めに転職することをおすすめします。


この記事がこれからデザイナーや建築家を目指そうとしている人にとって、どのような能力を身につければいいのかや、自分に足りないものを補うにはどうすればいのかなどの参考になってくれれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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