スイッチの位置はそこでいいの?あとで後悔しないために注意すること
新築やリフォームの際には決めることがいっぱい。
プランや外観、内装、設備はもちろんですがスイッチやコンセントなどの配線計画も、日ごろの快適さを左右する大切なポイントです。
といっても電気図面はちょっとわかりづらいしスイッチやコンセントってそんな重要だと思わないけど…と思ったあなた!
そんなことはありません。スイッチやコンセントの位置を考えていなかったばかりに家具を実際に配置してみたら使えなくなったなどなど、あとから後悔するなんてことよくあることです。
ここではスイッチに着目して、電気図面からスイッチ位置の良し悪しをみていきたいと思います。
※電気図面ではスイッチ、コンセント、照明器具が一緒に描かれていることもあります。
コンセントは弱電(インターネットやテレビ、電話など)とあわせてまとめ、スイッチは照明器具などといっしょにするなど、図面を分けてつくったほうが親切な図面です。
コンセントについてはこちらをご参照ください↓
スイッチとあわせて考えなければならないのが照明器具です。
事前に知っておけば照明器具の選び方もかわってきますのでこちらをご参照ください↓
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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スイッチの種類と記号の見方
まずは電気図面を実際に見てみましょう。
といってもスイッチや照明器具の記号はとても簡単でスイッチは●黒丸、照明器具は記号リストにのっているマークが書かれている場合が多いです。
スイッチが照明器具と接続されていることをあらわしているのが線で描かれています。
スイッチの種類によって描き方もいろいろ違ってきますがここでは代表的なものをあげておきます。
その他のスイッチの種類に関してはこちらへ↓
:一般的な埋込スイッチ
:ほたるスイッチ
:調光スイッチ
:人感センサ付スイッチ
:遅れ消灯スイッチ(玄関用)
:換気扇スイッチ
:リモコン機能付スイッチ
:コンセント付スイッチ
※画像は[コスモシリーズワイド21/Panasonic]
今ではスイッチやコンセントといえばコスモシリーズを使うのが一般的です。まさにスイッチの代名詞です。
埋め込みスイッチやほたるスイッチはいいとして、
■調光スイッチは明るさを0%~100%の範囲でスムーズに明るさを調整できるスイッチのことです。
■人感センサ付スイッチは人の熱や動きを検知して自動点灯するスイッチです。感知する範囲など調節が難しいので配置する位置が重要となります。
■遅れ消灯スイッチは玄関を出るときなどスイッチをOFFにしても一定時間後まで照明を点灯してくれます。
■換気扇スイッチについて、最近ではトイレや浴槽などに常時換気扇を設置するケースが多いのですが、トイレや浴槽の使用後にスイッチを押すと強運転で強制換気ができ設定時間後に弱運転に切り替えてくれるものです。
■リモコン機能付スイッチはパネルの一部が取外せリモコンとしてON・OFFできるスイッチです。寝室のベッドサイドまで持っていけるので照明をつけたまま寝落ちなどのリスクを減らせます。
■コンセント付スイッチはパネルを開くとコンセントがついているタイプのもので、廊下などの掃除機の電源などに便利です。
一通り代表的なスイッチの種類を知った上で、次はスイッチの位置についてどのように決めたらいいのかみていきましょう。
電気図面で日常をイメージする
いつもさわるものなので日常をイメージすることは簡単ですが、電気図面でみるとかなかイメージできないのでコツが必要です。
まずは、レゴなどの人形を用意しましょう。次に自分だと思って図面上でいろいろと動かしてみましょう。
■移動する動線上で押しやすい位置は?
■扉を開ける動作や部屋なかでの行動
■いつもの場所からどうスイッチを押す?
■なるべく最短距離の位置はどこの壁か
■まとめるならどこの壁がいいのか
■こっちからもスイッチがあればいいのに
などがあげられます。人形を使うおままごとみたいでなかか楽しいし、図面のなかで動き回る自分をイメージしやすいくなります。
設計図として展開図が手元にあればそちらをみながら家具や家電の陰にならないかチェックしましょう。
※設計事務所以外の住宅の場合、展開図などしっかりとした設計図がそろっていない場合はよくあります。
では次に実際の電気図面(照明スイッチ図)で具体的にみていきましょう。
押しづらいスイッチはどれ?
上の図面は押しづらいスイッチの代表例です。
室内にいるときは特に問題ないのですが、室内に入るときドアを開けてしまうとその影にスイッチが隠れてしまい、閉めてからでないと押すことが出来ません。
ではどこにスイッチを配置するのが正解でしょうか?
この場合の修正例はこちらです。
入ってから壁が少ないので移動するにしてもなかなか適切な場所がないのですが、よく使うスイッチなので入ってから位置がわかっていれば右手で壁を探って、みなくても押すことが出来ます。
間取りの打合せ段階では生活のしやすさ優先でスイッチのことは忘れてしまいがちですが、スイッチの打合せをしてしっかり確認しておきたいところです。
なるべく一箇所にまとめる
リビングなどお客さんが来る場合、ほたるスイッチが壁にあると暗くして映画鑑賞などするとき目に入ってしまって邪魔になったりします。
位置を決めるのはなかなか難しいのですが、部屋に入ってからみないでスイッチを押せる壁面などに取付ける場合は、大きめのスイッチや個別にスイッチを取付けるほうがいいかと思います。
一箇所にまとめることの出来る壁には家具や家電製品をおきたい場合が多いので高さについても考えておく必要があります。
人間の目線の高さは120cm~150cmですので、スイッチの高さは一般に110cm~120cmがスイッチパネルの中心となるように設置するのが一般的です。
勉強机や書斎机などで座りながらスイッチを操作したい場合は70cm~90cmの机より少し高い位置に設置すると使いやすいと思います。
いろいろと図面で検討しながら、なるべく一箇所にまとめることや入ってすぐで自分のわかりやすい位置に設置するのがいいと思います。
三路スイッチで連携させる
三路スイッチって知っていますか?
知っていたらごめんなさい。
では三路スイッチには「ポッチ」がない理由はわかりますか?
なぜないのかはがどちらでもON、OFFするスイッチだからです。(ほたる灯などが付いている場合はあります)
三路スイッチはたとえば2階建ての階段のような場所に1階でも2階でもスイッチのON、OFFをするスイッチのことです。
これは我が家の失敗例なのですが、玄関の照明のスイッチをリビングの室内側にしか付けませんでした。
誰かしら家に人がいる環境でなれてしまっていたせいか、計画段階では気づかなかったのですが、いざ住んでみて失敗を痛感しました。
上の図面では誰も家にいないとき、玄関に入ってから照明をつけることができません><;
正解はいろいろあるのですが、下の図のように三路スイッチで室内側と連携させることです。
もちろん玄関専用の遅れ消灯スイッチにしたり、人感センサ付スイッチにしたりといまではいろんなスイッチがあるので選択肢は多いのですが、
当時はありませんでしたので三路スイッチにするのが妥当な正解だったのかなと思います。
三路スイッチについては、現場では電気工事がある程度進んでしまってからでは難しくなってしまうので計画段階でしっかりと考えておく必要があります。
スイッチのまとめ
実際の例を図面で見てきたわけですが、スイッチの位置を決めるためのポイントは以下の通りです。
・レゴブロックの人形で日常をイメージ
・押しづらいスイッチはどこなのかを探す
・なるべく一箇所にまとめる
・三路スイッチで連携させる
・コレ使いたいと業者に指示する
まだまだありそうですが、こんなところでしょうか。
スイッチの種類も上述したもの以外にもおしゃれなスイッチがたくさん出ています↓
スイッチの位置はあくまでも自分自身で使いやすいように配置することが大切です。
使いやすさは実際にそこで生活する人でないとわからないです。
設計者や住宅業者はプロなんだから大丈夫だろうなんて考えてあとから後悔しないように、生活をしっかりとイメージして自分にとって最適なスイッチを計画しましょう。
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アーキトリック一級建築士事務所