その収納はもう時代遅れ!?一級建築士が選ぶ家事が楽になるキッチン収納
核家族化や共働き家庭の増加など時代の変化とともにキッチン収納も変化しています。
最近のトレンドは時短・動線を意識したものが多く、
いかに日々の家事を「ラク家事」にするかという機能性がキッチン収納に求められています。
時代遅れのキッチン収納ってどんな物があるの?
時代遅れのキッチン収納は以下のような物があります。
・吊戸棚
・床下収納
・扉式シンク下収納
どのキッチン収納も共通して収納したものを取り出すたびにかがんだり、背伸びをしたりと身体への負担がかかることです。
私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
キッチンの収納を考える際にお客様の要望が変わってきていると実感しています。
今回は時代遅れvs最先端ということで、今や時代遅れとなってしまったキッチン収納とおすすめの最先端キッチン収納について、
そして、時代遅れのキッチン収納をシンプル収納化する方法などをご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・最先端のキッチン収納
・時代遅れの収納を使いやすくするコツ
上記のことがわかります。
日々の不便さを仕方ないことだと諦めて受け入れてしまうのはよくないと思います。
最新の情報を収集してリフォームするなり代替品で手軽に取り入れるなどして、
収納をアップデートすることで、日々の家事はグッと楽になります。
こだわりのラク家事キッチンで毎日の家事を楽しみましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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家事が楽になるキッチン収納
まず初めに時代遅れとなってしまった見せる収納について振り返ってみましょう。
見せる収納からシンプル収納に
キッチン収納といえば昔は大きな食器棚にしまう見せる収納が主流でした。
見せる収納には、どこに何があるのか一目でわかることやインテリア性に優れているなどのメリットがあります。
お気に入りの食器が並ぶ棚を眺めるとたしかに気分がいいですよね。
しかし、見せる収納はセンスよく配置しないと物が多すぎてごちゃごちゃした印象を与えてしまいます。
とくにキッチンの場合は、油やホコリがこびりついて汚くなりやすいというデメリットがあります。
また、お皿や大きな鍋などをすべて食器棚にまとめてしまうと、調理をしながら必要なものをその都度取りに行く手間がかかってしまいます。
・掃除の手間がかかる
・無駄な動きが増える
という点で非効率的ということで、時間効率が求められる現在ではシンプル収納が主流となっています。
時代遅れの収納は身体に負担がかかる
壁一面の食器棚以外にも時代遅れになってしまったキッチン収納は以下になります。
・吊戸棚
・床下収納
・扉式シンク下収納
これらの収納に共通しているのは、収納したものを取り出すたびにかがんだり、背伸びをしたりと身体への負担がかかることです。
かがんだ状態から重いものを持ち上げると腰が痛くなりますよね。
また、まだ若い方には想像できないかもしれませんが、40代、50代になってくると肩が上がらなくなる40肩・50肩と呼ばれる関節の炎症に悩まされる方もいます。
腰痛や40肩などになってしまうと、身体に負担のかかるキッチン収納はデッドスペースになりがちです。
吊戸棚
まだまだ吊戸棚を設置する家は多いですが、高いところにある収納は基本的に使わなくなります。
普段使いをするものは手が届く範囲にしまうため、吊戸棚には使用頻度の低いものが集まりがちです。
そのため、吊戸棚にものをしまった1年後には何を入れたか忘れてしまったなんてことよく起こります。
また、普段使わない大きなもの例えばホットプレートや圧力鍋などを入れる方がいますが、頭上に落下してくる危険性があるので気をつけましょう。
できれば違う場所に収納しましょう。
最近のトレンドはカップボードにゴミ箱を収納するスペースを作り、吊戸棚の代わりに飾り棚を設置する収納になります。
タカラスタンダードさんのオフェリアはゴミ箱を使わないときは隠しておけるので、インスタでも人気の商品になります↓
収納スペースの都合でどうしても吊戸棚を設置したい場合は、多少収納力が落ちて割高になってしまいますが、昇降式の吊戸棚を選ぶと良いでしょう↓
床下収納
床下の空間を有効活用できるため床下収納も根強い人気があるキッチン収納です。
しかし、取手の出っ張りでつまずいて転倒する危険性があったり、底が深いためものの出し入れがしにくく腰が痛くなるなどデメリットがあり、
現在では時代遅れのキッチン収納となってきています。
扉式シンク下収納
昔のシンク下収納といえば扉式でしたが、棚板がないことでデッドスペースができてしまう上に、
ものの出し入れの際はその都度かがまなけれいけないというデメリットがあります。
そのため、現在のシンク下収納は引き出し式が主流となっています。
シンプル収納のメリット
スマホの普及などにより時代は大きく変化し、現代社会は情報が溢れています。
しかし、過剰な情報は脳を疲れさせる原因となってしまうため、受け取る情報は取捨選択していく必要があります。
シンプル収納には以下のようなメリットがあります。
シンプル収納のメリット
・視覚情報が減る
・キレイな状態をキープしやすい
視覚情報が減る
見せる収納で視覚情報の多い部屋も受け取る情報が多すぎて、脳が疲れる一因になりかねません。
不要な物が見えないシンプルな収納は見せる収納と比較して、視覚情報が少ないというメリットがあります。
特に、リビングからキッチンが見える間取りの場合は、
キッチンがシンプルに整頓されていると視覚情報が減り、リビングがよりリラックスでる居心地の良い空間になります。
キレイな状態をキープしやすい
キレイな状態をキープするためにはアクションを減らすことです。
なぜなら、ものを出してしまうまでのアクション数が多いと、元の場所に戻すのが億劫になり、部屋の中が散らかりやすいからです。
例えば、食洗機内の食器を片付ける時に必要なアクション数は、動線を意識していないキッチンの場合は
①食器を持ってしまう場所まで行く
②扉や引き出しを開ける
③食器をしまう
④扉や引き出しを閉める
⑤食洗機に戻って次の食器を取り出す
これを食洗機の中の食器がなくなるまで行う必要があります。
しかし動線を意識して食洗機の背面にカップボードを設置すると、食器を持って振り返るだけでその場から動く必要がなくなります。
ということは1回の片付けで行ったり来たりする①⑤の2アクションを減らすことができます。
食洗機の中の食器を全て片付けるのに複数回同じ動作を繰り返すと考えると、
シンプル収納は圧倒的にアクション数が少ないことがわかります。
最先端のキッチン収納
最先端のキッチン収納は以下になります。
最先端のキッチン収納
・スリムワゴン
・ニッチ収納
・パントリー
・マグネットパネル
スリムワゴン
スリムワゴンとは10〜30cm幅程度のちょっとした隙間に入るワゴンのことです。
これがあると収納スペースが増えるので、キッチンの冷蔵庫横のほか洗面所の洗濯機横の収納にもおすすめです。
インスタでは天板がナチュラルな木目ということもあり、tower(タワー)のハンドル付きスリムワゴンが人気のようです↓
山崎実業 tower(タワー) スリムワゴン
¥10,556
ニッチ収納
ニッチ収納は壁に埋まっている収納なので、設置してもせり出して来ず部屋も狭くならないというメリットがあります。
小物を飾ったり背面にアクセントクロスを貼ったりとインテリア性に優れている点も人気の理由です。
また、マグネットボードを設置して浮かせる収納をしたり、コンセントを設置してスマホやタブレットの充電をしたりすることも可能で、実用性も兼ね備えています。
ナスラックさんのニッチ収納は、
高さ60cm、幅37cmの小さいもので30,250円(税込)
となっています↓
標準でマグネットボードが付いているのでもちろん浮かせる収納もできます。
ホコリなどの汚れをなるべく掃除したくないという方には扉付きのタイプがおすすめです。
パントリー
パントリーは食品や日用品などをしまっておくスペースで、ウォークインやウォークスルー、壁付けなどの種類があります。
収納力がありローリングストックもしやすく、防災的な観点からも設置しておくと安心です。
ものの住所を作ることが片づけの基本ですが、パントリーがあれば迷子のものを減らすことができます。
マグネットパネル
キッチンの壁の一部をマグネットパネルにすると壁に穴を開けることなく、浮かせる収納にすることができます。
調味料入れやキッチンペーパーホルダーなどマグネットタイプのものを気軽につけたり剥がしたりできるので、
マグネットパネルは今人気のキッチン収納となっています。
散らかりがちなリモコンをペタッと貼って片付けられるので、リビングに取り入れる人もいます。
パネルは基本的に無地の単色が多いのですが、タカラスタンダードさんの不燃マグボードプレミアシリーズならデザイン性の高いものもあります↓
時代遅れの収納を使いやすくするコツ
時代遅れの収納を使いやすくするにはリフォームをして最先端のキッチン収納を取り入れるしかないと諦めていませんか?
そこまでお金や手間をかけなくても百均などで販売されている商品でも、工夫次第で手軽に収納を使いやすく改善することができます。
例えば以下のような時代遅れの収納について考えてみましょう。
時代遅れの収納を使いやすくするコツ
・床下収納
→ハンドル付きバスケットを利用
・吊戸棚
→ハンドル付きケース、ラベリング
・扉式シンク下収納
→引き出しボックス、ラック
床下収納
ハンドル付きのバスケットにしまいたい物を入れて収納すると床下の物が取り出しやすくなります↓
また、突っぱり棒とバスケットを使用して収納を2段にすることでも、
小さなものを取ろうと奥深くまで手を伸ばさなくてもよくなるのでおすすめです。
使用しないときはキッチンマットを上に敷いて、段差でつまづかないようにすると安心です。
吊戸棚
ハンドル付きのケースにラベリングして収納すると何が入っているかひと目でわかる上に収納した物が取り出しやすくなります。
ハンドル付きのケースは百均でも購入することができるので、まずは試しに一つ購入してみてはいかがでしょうか?
扉式シンク下収納
引き出しボックスやラックを設置することで空間上部のデッドスペースを減らすことができます。
その他にもマグネットパネルの代わりに百均でマグネットシートを貼って必要なものを浮かせたり、
冷蔵庫横などにスペースがあればスリムワゴンを買い足したりして、
シンプル収納化することも可能です。
towerのスリムワゴンはちょっと高いと思う方は、1,650円(税込)で幅12.5cm、高さ76.2cmのスリムワゴンがスリーコインズにて販売中です。
こちらは大人気商品のため、現在確認したところ店舗在庫は全店舗ゼロになっているが、公式通販ではまだ入手可能とのことです。
このお値段なら手軽に取り入れることができますよね。
もちろん時代遅れのキッチン収納が悪いわけではありません。
先ほどご紹介した最先端のキッチン収納もきっと10年、20年後にはもっと便利なものが出てきて時代遅れになるでしょう。
まとめ
今回は楽になるキッチン収納を知りたい人や時代遅れのキッチン収納をうまく利用したい人に対して、
一級建築士が選ぶ家事が楽になるキッチン収納をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
シンプル収納のメリット
・視覚情報が減る
・キレイな状態をキープしやすい
最先端のキッチン収納
・スリムワゴン
・ニッチ収納
・パントリー
・マグネットパネル
時代遅れの収納を使いやすくするコツ
・床下収納
→ハンドル付きバスケットを利用
・吊戸棚
→ハンドル付きケース、ラベリング
・扉式シンク下収納
→引き出しボックス、ラック
日々の不便さを仕方ないことだと諦めて受け入れてしまうのはよくないと思います。
最新の情報を収集してリフォームするなり代替品で手軽に取り入れるなどして、
収納をアップデートすることで、日々の家事はグッと楽になります。
こだわりのラク家事キッチンで毎日の家事を楽しみましょう。
この記事が少しでも家事が楽になるキッチン収納の実現のためにお役に立てれば幸いです。
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