電気代の高騰でオール電化にすると後悔する?オール電化を検討する時の注意点

皆さんはオール電化にどんなイメージを持っていますか?

昨今の電気代の高騰によって光熱費が家計を圧迫しているという状況の中で、オール電化について考えてみたいと思います。

注文住宅を建てる際にどうしようかと悩む方も多いのではないでしょうか?

すでに導入されているご家庭ではぜひコメント欄に体験談を書きこんでくださいね。

オール電化にすると光熱費は安くなるの?

オール電化はうまく使わないと光熱費が高くなる危険性があります。

電気代が高騰してオール電化にして後悔しているという声もあります。

私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、

全ての住宅でオール電化にすることはおすすめしてきませんでした。

ガスコンロやIHクッキングヒーターなどそれぞれのご家庭により向き不向きがあったり、

床暖房や洗濯乾燥機などガスの方が効率が良かったりするからです。

また、オール電化で電気代を安くするには初期費用が高くなる傾向があります。

今回はオール電化にして電気代を安くする方法とオール電化を検討する時の注意点をご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・オール電化に向いているご家庭

・オール電化にはこの設備が必要

上記のことがわかります。

オール電化には蓄電池、エコキュート、太陽光発電の設備が必要であり、これらの設備がない場合は電気代が高くなることがあります。

初期費用は高くなりますが、各自治体ごとに補助金の制度があるのでしっかりと調べてから検討するようにしましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

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オール電化を検討する時の注意点

オール電化を検討する時の注意点を考える前にオール電化のメリット・デメリット、オール電化に向いているご家庭について考えてみましょう。

オール電化に向いているご家庭

我が家はオール電化にすべきかと悩んだら次のことを参考に考えてみましょう。

オール電化にするメリット・デメリットは以下になります。

オール電化にするメリット

・火を使わず安全

・蓄電池や太陽光発電で停電時も安心

・蓄電池や太陽光発電で電気代が安い

・エコキュートで災害時に水が使える

・電気、ガスの基本使用料を一本化

オール電化にするデメリット

・初期費用が高額になる

・蓄電池や太陽光発電を併用しないと日中の電気代が高い

・蓄電池や太陽光発電を併用しないと停電時に家電が使用できない

オール電化を選択する場合は次の3つの設備が重要なポイントとなります。

オール電化にはこの設備が必要

・蓄電池

・エコキュート

・太陽光発電

地震や台風、豪雨などでライフラインが遮断されることに不安がある場合や、

日中も在宅していることが多いご家庭で気兼ねなく電気を使って暮らしたいと考えるなら、

「蓄電池×太陽光発電×エコキュート」でオール電化を検討しましょう。

蓄電池や太陽光発電、エコキュートの初期費用が負担になったり、十分な太陽光を確保できず設置できない場合は、

日中電気を多く使うご家庭では電気代を抑えることが難しく停電時も大変な思いをします。

この3つの設備なしでオール電化にすると一番光熱費がかかる冬季にびっくりするほど電気代が高くなる可能性があります。

そのような場合はオール電化ではなくガスト併用して「エコジョーズ」を選択する方が安心です。

エコジョーズは瞬間湯沸かし式で従来のガス給湯器よりも少ないガスで効率よくお湯が沸かせます。

給湯のガス代のみを軽減するものなので調理はIHクッキングヒーター、洗濯乾燥機はガスにするなど使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

オール電化で電気代が高くなるケース

なぜ「蓄電池・太陽光発電・エコキュート」の3つの設備がないとオール電化は光熱費が高くなるのでしょうか?

国の発表によると家庭で使われるエネルギーのうち約3割が給湯とされています。

毎日、家族みんなが入浴してシャワーを使用するのが大きいのでしょう。

オール電化の場合はお湯づくりも電気でおこないます。

その給湯器が電熱ヒーターでお湯をつくる「電気温水器」だと消費電力量がとても多くなります。

一方、大気中の熱を使ってヒートポンプでお湯をつくる「エコキュート」は電熱ヒーターを使わないので、電気温水器に比べて約75%も電気代を削減できるとされています。

※東京電力エナジーパートナーの試算が経産省資源エネルギー庁のホームページで公表されています。

この事例からオール電化で電気代が高くなるいちばんの理由は、電熱ヒーターでお湯をつくる「電気温水器」で機器選びによって大きな差が出ることがわかります。

特に冬は消費電力量が多くなり、この3つの設備との併用がないと寒さの厳しい地域では電気ヒータ式の床暖房の消費電力量もプラスされて、

1ヶ月の電気代が10万円を超えたなんてご家庭もあるそうです。

オール電化は安い夜間電力をフル活用することで電気代を抑えて暮らせるしくみで、オール電化住宅で使える電気プランは夜間の利用がお得になっています。

かといって、安くなっている時間帯は午前1時〜6時の間なので活動する人は少ないと思います。

東京電力エナジーパートナーの値上げされた料金を見てみると、夜間電力=午前1時〜6時は約28円、それ以外は約36円となっています。

値上げ前に比べて7月からは請求額が約10円ずつ値上がりしています。

例えばオール電化で冬の寒さが厳しい時期に電気温水器や電気ヒーター式の床暖房を使用していると、電気代がかなり高くなります。

学校や仕事で日中は留守になるご家庭であれば、使用電力量はそれほど多くはならないと思いますが、

子育て中で終日在宅していたり、テレワークが多いなどのご家庭は大変です。

オール電化を検討する際は、今後も電気代が値上げされる可能性が高いことを考えておきましょう。

昨今の社会情勢を考えると一度値上げしたものが安かった頃にもどるのは難しそうですよね。

オール電化にはこの設備が必要

オール電化を選択する場合は次の3つの設備が重要なポイントとなります。

オール電化にはこの設備が必要

・蓄電池

・エコキュート

・太陽光発電

蓄電池

蓄電池は夜間の安い電力を貯めて使用することで電気代が軽減されます。

夜間の安い電力を貯めておけば、昼間の高い電気代を抑えることができます。

また、蓄電池があれば停電時も安心です。

エコキュート

電気温水器と比較して初期費用はエコキュートのほうが約2倍かかります。

容量や機能によって変わりますが、本体価格は電気温水器が10〜25万円に対してエコキュートは20〜50万円程度になります。

導入時の費用は電気温水器が安くても同じ電力量で3〜6倍の熱エネルギーを生み出せるエコキュートのほうが電気代は断然安くなります。

実際に電気代で比較してみましょう。

こちらはPanasonicさんのホームページに記載されている、東京電力エナジーパートナーエリアで年間の電気代を比較した一例です↓

家庭用ヒートポンプ給湯機がエコキュートこのとで、この図によると約75%も電気代を削減できることになります。

4年間使用した場合の電気代は

・エコキュート:10万円
・電気温水器:40万円


となり、初期費用が高くても20年、30年と暮らすマイホームではエコキュートのほうが断然お得になります。

ちなみに耐久年数は

・エコキュート:15年程度
・電気温水器:20年程度


この点についてはエコキュートが発売からようやく20年が経過したところなの、15年以上経っても大きな故障がない状態で使っているというご家庭も多いです。

太陽光発電

一戸建てであれば太陽光パネルを設置すること検討しましょう。

太陽光発電であれば日中に使用する電力を作ることができます。

日照時間や日当たりにもよりますが、オール電化と太陽光発電だけでも電気代はかなり軽減できます。

東京都では2025年4月から新築住宅への太陽光パネルの設置が義務化されます。

また、国としては2030年に供給される新築戸建て住宅の約6割に太陽光発電が導入されることを目標としています。

現在は2割程度とされていますが、どうなっていくのでしょう…

「蓄電池×太陽光発電」を組み合わせることで効果が高まり、電気代をゼロにすることもできます。

ただし、設備を導入する費用は高額になります。

太陽光発電を設置して元が取れるのか?という声も多いようですが、考え方次第だと思います。

ここ10年間で売電価格は半減しています。

今後も下がり続けていくと考えられているので、売電収入よりもどれだけ電気代を安くできるかを重視したほうがいいと思います。

夫婦とお子さん2人の4人家族で「太陽光発電×蓄電池」を導入前(ケースA)と導入後(ケースB)で比較すると、

・東京電力
・従量電灯B
・契約アンペア60A


上記の契約内容で太陽光発電容量3.7kw、蓄電池容量4.1kwhを導入(家庭用の一般的なもの)した場合の購入電力量と電気料金の比較になります↓

※7月13日幻冬舎ゴールドオンラインに掲載されていた記事参考

こうして1ヶ月の電気代を比較してみると夏は約5,000円、冬は約10,000円の削減となっています。

平均7,000円程度安くなると考えても、年間で85,000円くらい安くなっています。

エコキュートに切り替えることでさらに安くなるデータもあるので、年間13万円以上軽減されることになります。

ひと昔前までは太陽光発電はとても高額なものでしたが、現在の状況を考えると

・太陽光発電設備の販売価格の低下

・太陽光パネルの期待寿命の長期化

・電気料金の高騰


となっているので、導入する価値は十分にあります。

また、太陽光発電と一緒に使われることが多い蓄電池ですが、蓄電池のみでも設置できるので、安い夜間電力を蓄えて使用することもできます。

補助金を利用すれば初期費用も抑えられます

導入の補助金

現在、経済産業省の資源エネルギー庁では高効率給湯器の導入支援「給湯省エネ事業」を行なっています。

光熱費の高騰への対策のひとつとして、家庭で使われるエネルギーのうち約3割を占める「給湯」に補助金が出ます。

エコキュートは1台につき50,000円となります。

太陽光発電や蓄電池への補助金は各自治体によってさまざまです。

東京都では新築で太陽光発電設置の場合

・補助額:12万円/kw(3kw以下)または10万円/kw(3kw以上)

・上限:500万円/棟


となっています。

蓄電池については

・補助額:15万円/kw

・上限:120万円/戸まで


(機器費だけでなく全ての経費を合わせた金額の3/4が対象)

蓄電池・太陽光発電設置の補助額や上限はお住まいの自治体のよってかなり差があるのでしっかりと確認しましょう。

このような補助金を利用できれば初期費用が抑えられ、暮らしはじめてから電気代をゼロにできる可能性は高くなります。

売電によって設置費用を相殺することは難しいかもしれませんが、オール電化で電気代を安くするには「蓄電池×太陽光発電×エコキュート」の導入を検討してみましょう。

まとめ

今回はオール電化にして後悔したくない人やオール電化を検討する時の注意点を知りたい人に対して、

オール電化にして電気代を安くする方法とオール電化を検討する時の注意点をご紹介してきました。

まとめると以下になります。

オール電化にするメリット

・火を使わず安全

・蓄電池や太陽光発電で停電時も安心

・蓄電池や太陽光発電で電気代が安い

・エコキュートで災害時に水が使える

・電気、ガスの基本使用料を一本化

オール電化にするデメリット

・初期費用が高額になる

・蓄電池や太陽光発電を併用しないと日中の電気代が高い

・蓄電池や太陽光発電を併用しないと停電時に家電が使用できない

オール電化にはこの設備が必要

・蓄電池

・エコキュート

・太陽光発電

オール電化には蓄電池、エコキュート、太陽光発電の設備が必要であり、これらの設備がない場合は電気代が高くなることがあります。

初期費用は高くなりますが、各自治体ごとに補助金の制度があるのでしっかりと調べてから検討するようにしましょう。

この記事が少しでもオール電化を検討している人のお役に立てれば幸いです。

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