税金や維持費をしっかり確保しておこう!注文住宅を建てるとかかるコスト
マイホームを購入する際に
「毎月の家賃並みの返済額です」
という文言をよく聞きます。
確かに住宅ローンの月々の返済は家賃とあまり変わらないかもしれません。
むしろ駐車場の支払い分が減ったという場合もあります。
ですが、長くマイホームを維持していくには様々な費用が発生します。
どんな費用が発生するの?
税金関連だと
・不動産取得税
・固定資産税
・都市計画税
その他の費用としては
・自治会費
・浄水器のカートリッジ費用
・給湯器や家電製品の修理代
・外壁や屋根のメンテナンス費用
などがあります。
お子さんが小さい時にマイホームを購入して、ちょうど教育費がかかるようになった頃に修理の時期が重なってしまうなんてこともあります。
私は17年間(2023年現在)設計事務所を運営してきました。
私が設計をする注文住宅は、なるべくメンテナンスの必要のない工法や耐用年数の長い材料を用いることにしています。
お陰様で建てた注文住宅は現在でも綺麗な状態で住まわれています。
注文住宅を建てるときに初期費用をケチると後で大変なことになります。
外壁や屋根の劣化は避けられないものですが少しでも耐用年数の長い素材を選んだり、
日頃から自分の目で点検して、いたんだ箇所は自分で部分的に補修したりするだけで、長い目で見ると家の痛み具合はかなり違ってきます。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・注文住宅を建てるとかかるコスト
・見落としがちな費用
・外壁や屋根のメンテナス費用
上記のようなことがわかります。
注文住宅を建てるとかかるコストが税金だけだと考えていると、外壁や屋根が劣化した際に費用が確保できずに大変なことになります。
しっかりと日頃から点検やメンテナンスをしていないと、
劣化に気づかずに取返しのつかないことになってしまったなんてリフォーム物件もたくさんあります。
この記事を参考にメンテナンスに備えて少しずつ貯蓄することも考えてみましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。
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注文住宅を建てるとかかるコスト
それでは注文住宅を建てるとかかるコストについて見ていきましょう。
税金関連
「マイホームを持つ=資産を持つ」
ということなので税金の支払いが発生します。
支払う税金は3種類あります。
注文住宅を建てるとかかる税金
・不動産取得税
・固定資産税
・都市計画税
不動産取得税
不動産取得税は不動産を取得した際に1度だけお住まいの都道府県に納める税金のことです。
通常の税額は固定資産税評価額の4%ですが、2024年3月31日までは土地と住宅用の家屋は3%に軽減されています。
ちなみに固定資産税評価額は売買価格とは異なります。
土地は地価公示価格の70%、新築の建物は工事金額の50〜70%程度です。
それの3%ってかなりの金額になるんじゃない?
一定の条件を満たしていれば軽減措置を受けるための申告をして支払いを軽減できます。
詳しくはこちらをご参照ください↓
不動産取得税の軽減措置(静岡県公式ホームページ)
固定資産税
固定資産税は各自治体の固定資産評価をもとに税額が決定するものです。
1年に1度納付書が送られてくるので、一括または第1期〜第4期の4回に分けて支払います。
税額は月日ともに建物が劣化するので評価額が下がっていきますが…
いずれは建物分はゼロになるの?
そうではありません。
木造住宅における固定資産税はどんなに下がっても新築時の2割まで(80%減)で、ここまでしか下がらないとされています。
都市計画税
居住地が市街化区域内の場合は都市計画税が課せられます。
市街化区域とは「市街化を図るべき区域」とされています。
都市計画税は都市計画事業などの費用にあてられる税金になります。
これらの税金は滞納することがないよう、しっかりとストックしておきましょう。
その他に支払う費用
その他に支払う費用としては
・自治会費
・ビルトイン浄水器のカートリッジ費用
自治会費
加入の義務はありませんが引っ越しをすると自治会に加入することをすすめられるケースがほとんどです。
自治会によって会費は様々ですが、月数百円〜千円程度を半年または1年ごとに支払うことが多いです。
行事や集会場の建て替えなどのために寄付を求められたという話もあります。
地域の方々と交流をもったり、災害時に助け合いができたりする点がメリットといえます。
加入するかどうかは自由なので、自治会の活動内容などをよく調べ考えてから決めましょう。
ビルトイン浄水器のカートリッジ費用
こちらも義務ではありませんが、キッチンにビルトイン浄水器を設置し使用を続けると、定期的にカートリッジを購入することになります。
あるメーカーでは、浄水カートリッジの種類によって1,600L〜10,000Lごとに交換が必要とされています。
交換時期は家族の人数やカートリッジの種類によっても変わりますが、2ヶ月〜12ヶ月まで様々です。
価格を見るとカートリッジ1本5,000円〜20,000円程度のようです。
大家さん任せだった費用
備え付けのエアコンや給湯器が故障したりトイレがつまったなど、
賃貸物件では大家さんに連絡すれば修理してもらえたものがすべて自己負担になります。
そんなのあたりまえじゃない?
という声も聞こえてきそうですが、修理や買い替えにはかなりの費用がかかります。
メーカー保証が終了した後も有料で延長保証などのサービスをつけられることもありますが、月日とともに故障のリスクは高くなります。
エコキュートの保証期間を見てもメーカーによって1年〜5年とさまざまです。
電化製品には当たりはずれがあるので、購入後に有料で延長保証に加入しておくなどの対策を講じておくのもよいと思います。
保証期間が終了すると出張費用だけでも万単位でかかることもあります。
長い目で何かあったことをみれば保証のための費用は無駄ではないかもしれません。
劣化に備えておきたい費用
家のメンテナンス費用は思いのほか高額になるものです。
特に雨漏りの原因となる外壁や屋根などは定期的に点検をして、劣化具合をチェックしておかなければなりません。
劣化に備えておきたい箇所
・外壁塗装・目地
・屋根塗装
外壁塗装・目地
一般的に外壁は、
・窯業系サイディングは5〜10年ごと
・金属系サイディングは10〜15年ごと
メンテナンスが必要とされています。
特にサイディングの外壁は壁材のつなぎ目となる目地の点検が重要です。
窯業系サイディングの場合は、1年に数回はチョーキングやひび割れ、反り、変色などがないかをチェックしましょう。
金属系サイディングの場合は、塗装の剥がれやサビ、コケ、カビなどがないかを自分の目でチェックしましょう。
ポイントはそのような症状が現れた時にすぐに対処しておけば、大ごとになりにくいということです。
メンテナンスが少なくて済む外壁といえばタイルです。
傷がついたり色あせたりすることが少なく耐久性は抜群です。
ですが、10年に一回程度はタイルの浮きや目地のシーリング材を点検し、
状況によってはひび割れしたタイルの張り替え、シーリング材の補修をする必要があります。
屋根塗装
屋根材もさまざまで耐用年数が短いものは10年サイクルでの再塗装が必要になるなど、初期費用が安く済んでも維持費がかさむことがあります。
比較的安い屋根は「化粧スレート」で耐用年数は20〜25年とされています。
10年ごとに点検をして劣化が進んでいれば塗装することになります。
耐用年数が50年以上といわれている「陶板」という屋根材は再塗装の必要がないため破損しない限り維持費がかかりません。
ただし、化粧スレートに比べて初期費用は大幅に高くなります。
メンテナンスの費用
このように外壁や屋根は5〜15年ごとに何らかのメンテナンスが発生すると考えておきましょう。
費用としては30坪程度の住宅で
メンテナンスの費用
・シーリングの打ち替え:15〜20万円
・外壁塗装(足場代込み):70〜100万円
・屋根塗装(足場代込み):40〜60万円
屋根の形状や塗装の質などによってかなり変わるので、上記の価格はあくまでも標準的な材料で行う場合の目安となります。
おうち積立も必要
以上のようにひと通りの費用を見てきましたが、家は建ててしまえば完了というわけではありません。
5年後、10年後を見通してできれば、電化製品の修理や外壁、屋根などのメンテナンスに備えておうち積立をしておくことをおすすめします。
どれくらいの金額を積み立てておけば安心なの?
これは建物の形状や大きさ、材質などによって大きく変わりますが…
月々15,000円を積み立てておけば5年で90万円くらいになり、5年後のメンテナンス費用を賄える額になります。
外壁は常に点検をして清掃や部分補修を行なっておけばメンテナンス費用も軽減できます。
他にも湿気による水回りの劣化やシロアリ被害などがあり得るかもしれません。
日頃から換気や清掃をしっかりと行なって家を長持ちさせるように心がけましょう。
まとめ
今回は注文住宅を建てるとかかるコストが知りたい人やメンテナンス費用にいくらかかるのか知りたい人に対して、
注文住宅を建てるとかかるコストについて詳しくご紹介してきました。
まとめると以下になります。
注文住宅を建てるとかかる税金
・不動産取得税
・固定資産税
・都市計画税
劣化に備えておきたい箇所
・外壁塗装・目地
・屋根塗装
メンテナンスの費用
・シーリングの打ち替え:15〜20万円
・外壁塗装(足場代込み):70〜100万円
・屋根塗装(足場代込み):40〜60万円
注文住宅を建てるとかかるコストが税金だけだと考えていると、外壁や屋根が劣化した際に費用が確保できずに大変なことになります。
しっかりと日頃から点検やメンテナンスをしていないと、
劣化に気づかずに取返しのつかないことになってしまったなんてリフォーム物件もたくさんあります。
この記事を参考にメンテナンスに備えて少しずつ貯蓄することも考えてみましょう。
この記事で税金や維持費をしっかり確保する人が少しでも増えてくれれば幸いです。
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