その屋根で大丈夫?屋根の形状による注意点と失敗しない屋根選びのコツ
屋根の選び方次第で家の外観はもちろん、間取りも変わります。
また、メンテナンスの頻度や費用も変わります。
何を重視して選べばいいの?
屋根の形状や屋根材を選ぶ際は見た目だけでなく、家を建てる地域の気候に合わせることが大切だと思います。
今回は見た目だけではなく暮らし始めてから後悔することがない屋根選びのコツについてご紹介します。
屋根の形状によって相性の良い屋根材や外壁に与える影響などさまざまな観点から見ていきたいと思います。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎屋根選びをどうしたら良いのかわからない人
▶︎失敗しない屋根選びのコツを知りたい人
上記の方々に対して、屋根形状による注意点と失敗しない屋根選びのコツをご紹介します。
この記事が少しでも失敗しない屋根選びのお役に立てれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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失敗しない屋根選びのコツ
失敗しない屋根選びのコツは以下のことに注意しましょう。
失敗しない屋根選びのコツ
・屋根の種類と特徴
・雨漏りの原因と対策
・屋根の形状と屋根材
屋根の種類と特徴
初めに屋根の種類と特徴を簡単に説明します。
代表的な屋根形状は以下になります。
代表的な屋根形状
・切妻屋根
・寄棟屋根
・陸屋根
・片流れ屋根
・方形屋根
・指しかけ屋根
・入母屋屋根
上の図を参考にひとつづつ見ていきましょう。
切妻屋根
■メリット
・初期費用が安い
・雨漏りのリスクが低い
■デメリット
・日差しや雨が直接当たるので
・妻部分が劣化しやすい
寄棟屋根
■メリット
・雨や風、雪に強い
■デメリット
・雨漏りのリスクが若干高い
陸屋根
■メリット
・メンテナンスしやすい
・屋上として利用できる
■デメリット
・メンテナンスの頻度が多い
片流れ屋根
■メリット
・初期費用が安い
・スタイリッシュな印象
■デメリット
・雨樋が劣化しやすい
・強風に弱い
方形屋根
■メリット
・雨や風、雪に強い
・耐久性が高い
■デメリット
・太陽光発電に向かない
指しかけ屋根
■メリット
・初期費用が比較的安い
■デメリット
・雨漏りのリスクが若干高い
入母屋屋根
■メリット
・外壁が劣化しにくい
■デメリット
・雨漏りのリスクが若干高い
・初期費用が高め
メリットとデメリットを簡単に見てみました。
屋根の形状については、初期費用が高いからといって万全ではないということがわかります。
どのような対策をすればデメリットを軽減できるのか考えることが大切です。
雨漏りの原因と対策
屋根は何よりも雨漏りが心配ですよね。
雨漏りしやすい形状として共通して言えるのは、接合部が多い形状の屋根です。
接合部が多いと雨が入り込む隙間が発生しやすくなります。
屋根の形状が複雑になるほど接合部が多くなります。
また、外壁と屋根の取り合い部分がある場合も雨漏りのリスクは高くなります。
屋根形状が複雑でない片流れ屋根や陸屋根はシンプルであっても、雨漏りのリスクがあるので注意が必要です。
それぞれの原因を説明していきます。
片流れ屋根
片流れ屋根はシンプルな形状で雨樋も片側のみなので初期費用は安価です。
破風板と野地板の境目に暴風雨が直撃すると雨水が侵入してしまうことがあります。
また、片流れ屋根はケラバが他の屋根に比べて長いため、軒先にたくさんの雨水が流れ込みます。
このようなことから野地板や外壁の劣化が早くなったり、雨漏りのリスクが高まったりします。
片流れの雨漏り対策は以下になります。
片流れの雨漏り対策
・透湿ルーフィングを増して巻く
・取り合い部の透湿ルーフィングを強化する
・ケラバには水切り金物を使用する
などの方法がありますが、これらも劣化するので定期的に点検しなければなりません。
片流れ屋根は初期費用が安価でスタイリッシュな印象なので人気がありますが、その後のメンテナンスはしっかりと行う必要があります。
片流れ屋根についての詳しいメリット・デメリットについてはこちらの記事をご覧ください↓
陸屋根
屋上として使用することができる陸屋根ですが、平なので雨水を排水するための勾配はわずかで十分ではありません。
そのため、防水シートが施行されていますが接合部やパラペット立ち上がり部分はとても劣化しやすくなっています。
そこが雨漏りの原因となることが多いです。
陸屋根では排水溝から排水口、そして雨樋へと雨水を流します。
雨漏りの原因として多いのが排水口の詰まりです。
暴風雨のたびに落ち葉や土、砂が流れ込んでうまく排水できずに水が溜まった状態になると、劣化しやすくなります。
陸屋根の雨漏り対策は以下になります。
陸屋根の雨漏り対策
・まめに点検をする
・掃除をかかさない
天候によっても変わるので劣化が見られたらその都度メンテナンスを行いましょう。
屋根の形状と屋根材
屋根の形状によってさまざまなメリット、デメリットがあるのでそれらをカバーするような屋根材を選ぶことも大切です。
代表的な屋根素材は以下になります。
代表的な屋根素材
・スレート
・ガルバリウム
・瓦
・アスファルトシングル
スレート
初期費用が安く、軽量で耐震性に優れた屋根材です。
色やデザインが豊富なのでどの形状の屋根にも合わせやすい屋根材です。
ただし、耐水性がそれほど高くなく、乾きにくいという特徴があるので、雨漏りしやすい屋根形状には不向きです。
防水性や断熱性は塗装でカバーできるのでまめに点検してメンテナンスを行う必要があります。
ひび割れしやすかったり、飛散しやすかったりするので、寒冷地や台風の多い地域には不向きです。
ガルバリウム
防水性、防火性が高く軽量で耐震性が高い屋根材ですが、飛来物が当たると凹みやすく傷つきやすいといったデメリットがあります。
片流れ屋根に選ばれることも多く、この組み合わせでも雨漏りがあると言われているので、
ガルバリウムでも種類にこだわって選ぶことも大切です。
ガルバリウムには横葺きと縦葺きがあり、勾配も傾斜角度によってどちらが適しているかが変わります。
傾斜が緩い屋根では横葺きの方が雨漏りのリスクが高くなります。
瓦
他の屋根材に比べて耐用年数が50年以上ととても長く再塗装も不要です。
破損した瓦のみを交換できるのでメンテナンス費用も比較的安価になります。
ただし、重量があるので耐震性の検討が必要になります。
和風様式の入母屋屋根はもちろんですが、切妻屋根に使用して和モダンな雰囲気を出すこともできます。
片流れ屋根や陸屋根に使用されることはほとんどない屋根材です。
アスファルトシングル
洋風のおしゃれなデザインで、初期費用が安価で軽量、防水性に優れています。
防音性もあるので雨音が響きにくいというメリットもあります。
雨が降ったあと水が流れていきにくいので勾配が緩やかな屋根には不向きです。
強風でめくれやすいというデメリットもあるので、まめに点検やメンテナンスが必要な屋根材です。
まとめ
今回は屋根選びをどうしたら良いのかわからない人や失敗しない屋根選びのコツを知りたい人に対して、
屋根形状による注意点と失敗しない屋根選びのコツをご紹介してきました。
まとめると以下にな入ります。
失敗しない屋根選びのコツ
・屋根の種類と特徴
・雨漏りの原因と対策
・屋根の形状と屋根材
代表的な屋根形状
・切妻屋根
・寄棟屋根
・陸屋根
・片流れ屋根
・方形屋根
・指しかけ屋根
・入母屋屋根
片流れの雨漏り対策
・透湿ルーフィングを増して巻く
・取り合い部の透湿ルーフィングを強化する
・ケラバには水切り金物を使用する
陸屋根の雨漏り対策
・まめに点検をする
・掃除をかかさない
代表的な屋根素材
・スレート
・ガルバリウム
・瓦
・アスファルトシングル
屋根の形状や屋根材を選ぶ際は見た目だけでなく、家を建てる地域の気候に合わせることが大切です。
また、初期費用だけでなく後のメンテナンスのことまで考えて選ぶことをおすすめします。
この記事が少しでも失敗しない屋根選びのお役に立てれば幸いです。
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