その階段で大丈夫?暮らしはじめてから後悔しがちな階段の注意点
階段は上り下りするだけでなく空間のデザイン素材としてもとても大切です。
また配置によってライフスタイルも変わります。
そして階段の配置は一度決めてしまうとリフォームで変更することも困難なので、
新築時によく考えておいたほうがいいです。
後悔する階段ってどんなの?
後悔しがちな階段の例は以下のような流行りの階段です。
後悔しがちな階段
・リビング階段
・スケルトン階段
・らせん階段
・玄関の吹き抜け階段
・階段下のトイレや収納
どれもおしゃれさはあるのですが、実際に設置した場合にはデメリットもあるので、
しっかりと注意点を把握してから設置するようにしましょう。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎後悔しがちな階段について知りたい人
▶︎いろいろな階段のデメリットを知りたい人
上記の方々に対して、暮らしはじめてから後悔しがちな5つの階段の注意点についてご紹介します。
この記事が階段を作る際の情報として少しでもお役に立てれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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暮らしはじめて後悔しがちな階段
暮らしはじめて後悔しがちな階段は以下になります。
後悔しがちな階段
・リビング階段
・スケルトン階段
・らせん階段
・玄関の吹き抜け階段
・階段下のトイレや収納
リビング階段
最近ではリビングにある階段の間取りが流行しています。
リビング階段には大きく分けて2つのパターンがあります。
タイプA
・リビング内に階段が見える
タイプB
・リビング内に階段の出入り口がある
リビングに階段を設置する場合にデメリットを知っておく必要があります。
リビング階段で困ったという声が寄せられているのは以下の3つです。
リビング階段での後悔
・冷暖房費が高くなる
・子供の友達がくるとリビングが丸見え
・生活音やニオイが広がる
冷暖房費が高くなる
冷暖房費用が高くなるのはリビングに階段を配置する場合に、
階段部分の2階が吹き抜けみたいになってしまうので冷暖房が効きにくいからです。
特に暖かい空気は2階へ上昇していくので、冬はリビングの足元が冷えるという声があります。
断熱性能など冷暖房に対する対策が必要になります。
子供の友達がくるとリビングが丸見え
子供たちが中高生にもなると休日だけでなく平日の夜にも友達がくることがあります。
子供部屋が2階にあると来訪者からリビングが丸見えになります。
急な来訪者にも対応できるよう心構えが必要になります。
生活音やニオイが広がる
1階から2階に生活音が響く、ニオイが広がる状況は2階側で感じやすくなります。
キッチンの油汚れが2階までというご家庭もあるようです。
換気扇を強力なものにするということも考えておかないといけないです。
タイプB
リビング内に階段の出入り口がある場合は、リビングのドア付近に階段を配置すれば、
リビングを通過しますが階段の上り下りの際はリビングから見えません。
このような階段の配置であれば出入り口に引き戸やロールスクリーンなどを設置すれば
リビングとは別の空間にすることができます。
こうすれば前述したパターンAの3つのデメリットはなくなり、
出かける時や帰宅した時に家族と顔を合わせるというメリットは得られます。
しかしながら、リビングを横切った先に階段を設けると来訪者への気遣いは発生するので配置には注意しましょう。
スケルトン階段
スケルトン階段とは、おしゃれな雰囲気や開放感を出すために踏面だけにする階段のもことです。
スケルトン階段の醍醐味はやはり開放感だと思います。
なるべくシースルー感を出したいのですが…
小さなお子さんがいるご家庭では、蹴上を低くして緩やかな階段にすることや、
手すりを設置して隙間をなるべく無くすなどの転落防止の対策が必要になります。
また、キッチンにスケルトン階段があるとちょっとためらいがある人も多いと思います。
開放感を損なわないような素材(アクリル板など)で蹴上げ部分をふさぐこともあります。
リビング内に見せる階段を設置する場合は、圧迫感のないスケルトン階段がおすすめです。
ですがさまざまなデメリットもあります。
スケルトン階段での後悔
・埃が落ちてくる
・階段下の使い方が難しい
・費用が高くなる
埃が落ちてくる
蹴上がないと溜まった埃が上から落ちてくることがあるので、下にデスクなどを置いて作業するとなると少し抵抗があります。
階段の下のデスクでコーヒーを飲みながら仕事をしていたらコーヒーに埃が入ってしまったなんてことも…
そのようなことがないように毎日こまめに清掃が必要になります。
階段下の使い方が難しい
埃が落ちてくることはもちろんですが、スケルトン階段ならではの開放感を損なわないようにすると考えると階段下の使い方は難しいです。
趣味の飾り物とかがあればいいのですが、特にないとウォールシェルフのようなおしゃれな収納などがいいと思います。
しかしながら、収納庫としての機能はあまり期待できないです。
費用が高くなる
通常の階段よりも複雑な施工となるため、費用は高くなります。
特にリビングの中央などに設置する場合は見せるために高品質な素材を使用したり、
両側に手すりが必要になったりと、さらに費用が高くなります。
らせん階段
一度はあこがれる螺旋階段ですが採用した方々の声を聞くとちょっと後悔があるようです。
らせん階段を設置する場合は必然的に吹き抜けとなります。
そして、階段下もデットスペースとなりがちです。
らせん階段自体はコンパクトで省スペースになります。
らせん階段での後悔
・階段下がデットスペースになる
・慣れるまでに時間がかかる
・荷物が搬入できない場合がある
らせん状にまわりながら上り下りすることになり、
踏面も四角形ではなく三角形になったり、形が不規則になったりと慣れるまでに時間がかかるようです。
両手に荷物を持ったまま上り下りするのは通常の階段よりも不便で、家具を搬入する際には使用できない場合もあります。
階段から搬入できないとクレーンを使って2階に上げることになり、引っ越しの費用も高額になることを覚悟しなければならないです。
らせん階段は狭小住宅などではメリットを発揮できると思います。
空間を有効活用したいというご家庭にはおすすめです。
玄関の吹き抜け階段
玄関が吹き抜けで階段があるという間取りはとても解放感があります。
設置されている窓からの採光によって階段は常に明るく解放感があります。
ただし玄関を吹き抜けにすることで居住スペースは減ってしまいます。
吹き抜けの玄関と開放的な階段という間取りは床面積にゆとりが必要です。
玄関の吹き抜け階段での後悔
・居住スペースが減る
・居住スペースに無駄ができる
・床面積にゆとりが必要
玄関からすぐに階段があると家族が出入りしても気づかなかったり、顔をあわせる機会が減ったりすると言われていますが、
そうならないように階段を家の奥の方に設置すると廊下は長くとる必要があり、その分居住スペースが減ってしまいます。
階段は家の中央部付近にあると居住スペースに無駄がなくなります。
階段を家の端っこに端っこに持っていくのであれば、廊下をなくしたリビング階段の方が居住スペースは広くなると思います。
また玄関を吹き抜けにしなくてもスケルトン階段にすることで開放感を得ることができます。
階段下のトイレや収納
床面積が狭い場合は階段下を有効に活用するために、トイレにしたり、収納庫にしたりと工夫がなされることが多いです。
階段の下は天井が低くなるところがあるので差し支えないように考える必要があります。
トイレの場合はその低くなるところに便器がおかれるようになります。
スケルトン階段の場合はそのような活用方法はできないのでおしゃれにディスプレイしたり、
すっきりとしたシースルー感を味わったりするようになります。
どちらにしても、床面積が狭い家や物が多い家には不向きなのかもしれません。
まとめ
今回は後悔しがちな階段について知りたい人やいろいろな階段のデメリットを知りたい人に対して、
暮らしはじめてから後悔しがちな5つの階段の注意点についてご紹介しました。
まとめると以下になります。
後悔しがちな階段
・リビング階段
・スケルトン階段
・らせん階段
・玄関の吹き抜け階段
・階段下のトイレや収納
リビング階段での後悔
・冷暖房費が高くなる
・子供の友達がくるとリビングが丸見え
・生活音やニオイが広がる
スケルトン階段での後悔
・埃が落ちてくる
・階段下の使い方が難しい
・費用が高くなる
らせん階段での後悔
・階段下がデットスペースになる
・慣れるまでに時間がかかる
・荷物が搬入できない場合がある
玄関の吹き抜け階段での後悔
・居住スペースが減る
・居住スペースに無駄ができる
・床面積にゆとりが必要
階段をどこに配置するかで、2階の間取りが左右されることが大きいので、
何を重視して家を建てるのか、コンセプトをしっかり保つことが大切なので、
家族でよく話し合ってみましょう。
この記事が階段を作る際の情報として少しでもお役に立てれば幸いです。
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アーキトリック一級建築士事務所