下調べしないと後悔する⁉︎固定資産税が高くなる材料や設備について

注文住宅を建てると固定資産税を毎年支払わなければなりません。

固定資産税が決まる評価基準を知らないと、予想以上に高い固定資産税を支払うことになってしまうかもしれません。

下調べしないと後悔するの?

注文住宅を設計する前に使う材料や設備について下調べしないと、高い固定資産税の請求がきてびっくりすることがあります。

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎固定資産税が高くなる材料や設備がわからない人

▶︎固定資産税をなるべく安くしたい人

上記の方々に対して、固定資産税が高くなる材料や設備についてご紹介します。

この記事で固定資産税の評価基準を知り、後で後悔する人が少しでも減ってくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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固定資産税が高くなる材料や設備

固定資産税が高くなる材料や設備は以下になります。

固定資産税が高くなる材料や設備

・複雑な外観

・立派な和室がある

・瓦葺きや漆喰仕上げ

・ホームエレベーターがある

・ガレージがある

複雑な外観

複雑な外観の場合は固定資産税が高くなります。

また、グレードが高い建材を使用するほど高くなります。

総二階というすっきりした建物と凹凸の多い複雑な形をした建物を比較すると複雑な形のほうが再建築価格が高く評価されるためです。

※再建築価格とは同一のものをその場所に新築する場合に必要な建築費のことです。

また、2階建と平屋建てでは同じグレードの建材を使用しても、基礎や屋根、壁が多くなることから固定資産税は平屋の方が高くなる。

立派な和室がある

立派な和室があると固定資産税が高くなります。

実際に床の間があって鴨居や欄間があって雪見障子があるなどの書院造りの和室は建築費が高くなるからです。

このような本格的な和室は価値が高いとされ、固定資産税も高くなります。

和室はシンプルな造りであっても柱、天井板、長押、鴨居などの材料費が高額になります。

洋室に比べて3〜5割増し程度の施工費がかかるとされています。

一方で、リビングの一角にあるような簡易的でモダンな和室で特別な素材が使われていなければ、固定資産税は高くならないでしょう。

瓦葺きや漆喰仕上げ

瓦葺きや漆喰仕上げであると固定資産税が高くなります。

総務省の木造家屋再建築費評点基準表によるとサイディングに比べてタイルや漆喰の評点は高く設定されているからです。

固定資産税が最も高い屋根材料は銅板です。

銅板屋根は神社などに使用されている銅でできた金属屋根のことです。

一般住宅で使用される屋根素材としては瓦葺きが高くなっています。

また、軒の出が大きいほど固定資産税は高くなり、腰折れ屋根のような急勾配の屋根も高くなります。

このように評点があらゆる部分で細かく分かれています。

給湯器やユニットバス、システムキッチン、洗面台、トイレにもそれぞれ評点があり、

トイレが1階と2階にある、洗面台が2ヶ所にあるといった場合は評点に影響します。

ホームエレベーターがある

ホームエレベーターがあると固定資産税は高くなります。

住宅設備で最も評点が高いものはホームエレベーターです。

ホームエレベータのある住宅はずば抜けて評点が高くなっているので注意が必要です。

ガレージがある

ガレージがあると固定資産税は高くなります。

カーポートかガレージかの違いでも固定資産税は変わってきます。

カーポートとは支柱に屋根を取り付けた周囲に壁のないもののことで、

ガレージとは基礎があり3方向以上の壁があるもので、シャッターなどの設備で外から見えなくなる建物のことを言います。

カーポートには固定資産税がかからないとされていますが、ガレージは基礎工事が必要になるので課税対象になります。

その他で注意すること

そのほかで注意することは以下になります。

その他で注意すること

・固定資産税は最大80%減

・3年ごとの評価替え

・建物の課税ミスがある場合も

固定資産税は最大80%減

木造住宅における固定資産税はどんなに下がっても新築時の2割まで(80%減)で、ここまでしか下がらないとされています。

新築住宅には税額の減額措置があります。

新築住宅にかかる固定資産税を3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額する措置です。(適用期限:令和6年3月31日)

詳しくはこちらをご覧ください↓

新築住宅に係る税額の減額措置(国土交通省)

3年ごとの評価替え

土地家屋は3年ごとに評価替えが行われます。

評価替えの時点での再建築価格と経年減点補正率を用いて評価額が決まります。

再建築価格とは同一のものをその場所に新築する場合に必要な建築費のことです。

経年減点補正率とは経年劣化による損耗状況の減価率のことです。

再建築価格の基礎となる建築費は上昇する場合もあり、固定資産税がどんどん下がっていくわけではないことに注意しましょう。

建て替えやリフォームを行えば再度固定資産評価がなされることになります。

建物の課税ミスがある場合も

建物の課税ミスを確認する場合は、法務局から登記事項証明書を取得し、登記されている床面積と課税明細上の床面積を比較しましょう。

ここで、課税明細上の床面積のほうが大きいことが分かった場合は、固定資産税を多く支払っている可能性が高くなります

こうした問題が見つかった場合は、登記事項証明書と課税明細を持参して、担当窓口に問合せをすることをおすすめします。

まとめ

今回は固定資産税が高くなる材料や設備がわからない人や固定資産税をなるべく安くしたい人に対して、

固定資産税が高くなる材料や設備についてご紹介してきました。

まとめると以下になります。

固定資産税が高くなる材料や設備

・複雑な外観

・立派な和室がある

・瓦葺きや漆喰仕上げ

・ホームエレベーターがある

・ガレージがある

その他で注意すること

・固定資産税は最大80%減

・3年ごとの評価替え

・建物の課税ミスがある場合も

固定資産税が決まる評価基準を知らないと、予想以上に高い固定資産税を支払うことになってしまうかもしれません。

知っていれば作らなかった(使わなかった)

など後悔しないように、設計段階でしっかりと確認しましょう。

この記事で固定資産税の評価基準を知り、後で後悔する人が少しでも減ってくれれば幸いです。

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