コンセプトシェアハウスってなに?法的な規制緩和と今後の需要について
最近、街中に住宅をつくり、まちを活性化しようという市の試みの検討会議に参加しています。
街中には空きビル、空き店舗、空き事務所などが多く、それらを住宅にすることで街中に住む人の経済活動により、まちを活性化することが目的です。
その会議の中で一世帯の住宅にリノベーションするのではなく、シェアハウスという考え方もあるのではないかという話になり、
意見を求められたので
「地方都市でシェアハウスをつくるにしてもコンセプトがなければ成り立たないのではないか?」
とコンセプトシェアハウスを提案してみました。
コンセプトシェアハウスってなに?
いろいろなコンセプトのもと集まった人と一緒に住むシェアハウスのことです。
今回は、これからの地方都市でシェアハウスが成り立つためには何が必要なのかを考えていきたいと思います。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
コンセプトシェアハウスとは?
コンセプトシェアハウスは大きく分けて下記の4つに分類されます。
・国際交流型
・趣味共有型
・生活支援型
・ゆめ実現型
国際交流型
海外ではルームシェアが一般的で、経済的なメリットの大きさから海外留学生がシェアハウスに住むケースは多いです。
自然に国際交流の場となり、最近では積極的に留学生を受け入れてサポート体制をとっているシェアハウスが出てきています。
趣味共有型
「同じ趣味をもった人たちが集まって暮らす」そんなコンセプトのシェアハウスです。
アウトドアやDIYの好きな人が集まり、共有スペースには趣味に関連する書籍やDVDなどがあます。
アウトドアブランドからの試供品やシェアできる工具などが揃っているシェアハウスなどもあります。
生活支援型
シングルマザーの子育てと仕事を支援するというコンセプトのシェアハウスなどです。
シェアハウスに住んでいる子供同士が遊んだり、誰かしらが子供をみてくれるなど仕事をしているシングルマザーにとっては助かります。
同じ境遇の方たちが集まることで、悩みを分かち合ったり、相談相手になるという関係が精神的な助けにもなります。
また、チャイルドケアの専門スタッフが子供の相手をしてくれて、ママたちに少しだけ自分の時間ができるといったサポートがあるシェアハウスもあります。
ゆめ実現型
起業家や料理人、漫画家などを目指す人が集まるシェアハウスなどです。
プロとして独り立ちするための専門家のセミナーがあったり、コンテストなどが開催され賞金のでるイベントがあったりします。
人との比較の中で自分にあった方法などが見つかったりするので、一緒のゆめを持っている人と生活すると自分もやらなきゃと刺激になります。
シェアハウスの良いところは?
一緒に生活するとなるとメリットもあればデメリットもあります。
以下は代表的なメリット・デメリットとなります。
シェアハウスのメリット
・ルームシェアなので家賃が安くなる
・一人分を作るより食費が安くなる
・光熱費が安い
・誰かいてくれる安心感がある
・家具や家電を揃えなくて良い
・病気した時に助かる
・家事や掃除など担当を決めれば楽ができる
・コミュニティーづくりができる
・困った時に相談する人がいる
・新しい情報など発見がある
シェアハウスのデメリット
・生活のリズムが合わない
・人間関係のストレスが増える
・部屋や設備の使い方が気になる
・プライバシーが自分の部屋だけ
・体臭や香水など臭いのストレスがある
・騒音などのトラブルがある
・ルールを守らない人がいる
・冷蔵庫の食材を勝手に使われる
・外国人に日本の常識が通じない
・男女共同だとセクハラ問題がある
シェアハウスの未来は?
街中に暮らす場合にシェアハウスもひとつの選択肢だと思います。
次に、シェアハウスの規制緩和や地方都市で成り立つシェアハウスのあり方、今後の需要について考えてみたいと思います。
シェアハウスの規制緩和
シェアハウスは建築基準法上の「寄宿舎」に該当します。
国土交通省は既存建築ストック(空き家、空きビルなど)を有効活用するためにリノベーションに関しての規制を見直しました。
詳しくはこちらを御覧ください↓
「既存建築ストックの有効活用、木造建築を巡る多様なニーズへの対応 並びに建築物・市街地の安全性及び良好な市街地環境の確保の総合的推進に向けて」
たとえば
・延床面積200㎡未満かつ3階建て以下は耐火建築物にしなくてよい
・200㎡未満は用途変更の建築確認が不要
・寄宿舎の規制緩和↓
寄宿舎等における間仕切壁の防火対策の規制の合理化(国土交通省)参照
などがそれです。
空き家や空きビルが増えていく現状をふまえての規制緩和です。
空き家や空きビルは建物として老朽化が激しくなるので、規制緩和してリノベーションを促進させようとする意図があります。
地方都市でのシェアハウス
私は地方都市に住んでいますが、街中にあるシェアハウスというのは正直なところ魅力を感じません。
住むなら小さくてもいいからガレージ付きの住宅を選ぶと思います。
地方都市において、街中に住むことがどれだけメリットがあるのか考えてしまいます。
商店街などが発展して、友だちが来たら街中の飲食店や居酒屋にすぐ行けたり、カフェなどでリモートワークできたり…
とは言うものの、東京とは違う地方都市ならではの地域格差があり選択肢も限られてしまいます。
地方都市でのシェアハウスを成り立たせるには、やはり「コンセプトシェアハウス」にすることだと思います。
都市機能にたよった街中のシェアハウスよりコンセプトをもったシェアハウスには魅力を感じます。
たとえば私の場合は、
「バイク好きのひとが集まり、カスタムするための工具やツーリングイベントなどが充実しているガレージ付きのシェアハウス」
なんてコンセプトシェアハウスがあれば期間を決めて住んでみようかなと思います。
シェアハウスの今後の需要
核家族化がすすむ中で「夫婦のみ」や「一人親家庭」なども年々増加傾向にあります。
家族のあり方が変化しているので住み方も変わっていくと思います。
シングルマザーの生活支援型のシェアハウスは増加していくでしょう。
血縁関係がなくても家族みたいなコミュニティーのなかで暮らしたいと思うひとはシェアハウスを選ぶでしょう。
「自身の力で自由を楽しみたい」人でかつ、「物や人に縛られない生活」を望む人が増えれば、一戸建ての住宅を建てるよりもシェアハウスの需要は増えていくと思います。
まとめ
今回はこれからの地方都市でシェアハウスが成り立つためには何が必要なのかを考えてみて、「コンセプトシェアハウス」というものにたどり着いきました。
同じコンセプトのもと集まった人たちと暮らすことはとても魅力的で楽しい時間がすごせると思います。
オンラインサロンに限らず、同じ価値観の人と一緒になにかすることは楽しいものです。
同じ価値観の人たちであつまるコミュニティー型のシェアハウスはこれから増えていくでしょう。
「なにをすれば自分が楽しく暮らせるのか?」
これからは家族という枠にとらわれずに、いまの自分にあったコミュニティーをそのときどきで選択していく時代なのかもしれませんね。
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