【注文住宅の設備】プロは選ばない!後悔する住宅設備のオプション10選
注文住宅は便利な最新設備、オプションを採用すればするほど快適な暮らしができると考えがちですが、
建築費用がアップして当初よりも数百万円の予算オーバーということにもなりかねません。
なんで便利な最新設備を採用したのに快適にならないの?
暮らしはじめてから確かに便利だけど使いこなせない、いらなかったと後悔しているという体験談もよく耳にします。
もし、そのようなことが事前にわかって不要なものはできる限り省くことができれば、建築費用を削減できます。
私は18年間(2024年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
住宅設備のオプション選びで金額を調整することが多いです。
今回はプロは選ばない!後悔する住宅設備のオプションを10こご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・後悔する住宅設備のオプション10選
・住宅設備のデメリット
上記のことがわかります。
今回ご紹介する住宅設備を省くことによって500万円程度の費用削減につながります。
ひとつ言えることは、最新最強の設備を取り入れたからといって快適な暮らしが手に入るとは限らないということです。
もしかするとライフスタイルに合わなくてデメリットばかりが目立ってしまう可能性もあります。
お金をかければ快適な暮らしができるというわけではないので、ライフスタイルに合った設備、オプション選びをしましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
後悔する住宅設備のオプション10選
後悔する住宅設備のオプションは以下の10こになります。
後悔する住宅設備のオプション10選
①親子ドア(10〜20万円)
②長いスロープ(40〜50万円)
③吹き抜け(100〜200万円)
④床暖房(12帖:60〜100万円)
⑤勝手口(20〜50万円)
⑥ベランダ、バルコニー(75〜100万円)
⑦間接照明(30〜100万円)
⑧サンルーム(50〜100万円)
⑨小屋裏収納(50〜100万円)
⑩ウッドデッキ(20〜50万円)
①親子ドア(10〜20万円)
玄関ドアを広くて大きいものにしたいと考えた結果、親子ドアを採用することがあります。
左右両開きにすることができて、引越しの時には便利に活用できたご家庭は多いと思います。
ですが、暮らしはじめてみると小さい扉は全くといってよいほど使わないことに気づき、普通のドアでよかったと後悔してしまう人もいます。
ドアの素材やデザインにもよりますが、親子ドアは通常の片開きに比べて10〜20万円ほど高くなるので、金額面でも後悔は膨らんでしまいます。
親子ドアで得られるメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
・大型家具の搬入時に便利
・高級感がある
などが挙げられます。
メリットのひとつである「大型家具の搬入」は何度でもあるものではありません。
掃き出し窓から入れることもできるでしょう。
小さい方の扉を使わないのであれば、間口が広く見えて最高も十分にとれる「片袖トビラ」を検討してみましょう。
金額面でも親子ドアよりも安く設定されていることが多いです。
②長いスロープ(40〜50万円)
緩やかなスロープを作るためにはある程度の長さが必要になり、狭いところに設置すると急傾斜になってしまいます。
折り返しという方法もありますが、倍の面積が必要になります。
高齢者が同居している、またはベビーカーを使用する時期には便利ですが、
スロープの傾斜で自転車が停めにくくなってしまったなどの失敗談も多いです。
スロープは手すりの設置も必要になり、その費用もかかるので足腰が丈夫なうちは数段の階段にしておいても良いと思います。
必要になったら介護保険などで自治体から補助金をもらって後付けにすることができます。
③吹き抜け(100〜200万円)
玄関やリビングから2階へ吹き抜けと高窓がある間取りはあこがれる人が多いと思います。
しかしながら、もう一度家を建てるなら吹き抜けにしないという人も多いです。
冷暖房効果が悪いことや音やニオイが2階まで広がってしまうことが理由として挙げられます。
また、吹き抜けはシーリングファンで天井付近の空気を循環させていることが多くなりますが、
暖かい空気と一緒にほこりや調理時の油まで上がっていくので、
シーリングファンや高窓にはかなり頑固な汚れが付着してしまいます。
年に数回掃除をするのが大変で業者に依頼するご家庭も多いです。
光熱費が高い、手間がかかることに悩まされて、こんなことなら2階の部屋をもっと広くすればよかったという後悔につながることもあります。
立地条件によって、吹き抜けが採光や採風に欠かせないという場合もあるので、デメリットばかりではありませんが、
リスクを考慮しながら慎重に検討しましょう。
④床暖房(12帖:60〜100万円)
床暖房は足元から暖まって健康によく、室内を清潔に保てる良い設備ですが、
高い費用をかけて導入したのにだんだん使わなくなってしまったという声も多いです。
冬の寒さが厳しい地域では1年のうちに半年くらい使用すると思いますが、
冬季の3ヶ月程度で昼間は誰もいなくなるというご家庭では、なくてもよかったと感じることが多いようです。
広いLDKのリビング部分だけに床暖房を入れるなど導入範囲が狭すぎると室内が均一には暖まりません。
断熱性や気密性が高いことはもちろんですが、部屋全体を均一に暖めたいなら70%を床暖房にする必要があります。
16帖であれば12帖以上になります。
近年の高断熱、高気密の住宅であればエアコン1台でも足元まで暖まり、建物内の温度差もなくすことができます。
冬は日差しをうまく取り入れられる家づくりをすれば、床暖房なしでも暖かい家を実現できるようになるでしょう。
床暖房はメリットの多い設備ですが、居住地や家族構成、ライフスタイルによって「あれば便利」なものなのか「ないと困る」ものなのかをじっくり考えてみましょう。
⑤勝手口(20〜50万円)
キッチンの勝手口は便利に利用している、なくてもよかったと意見はさまざまです。
勝手口があることで断熱性能が低下して冬は寒かったり、結露したりすることもあります。
また、勝手口の前には動かせるモノしか置けなくなってしまいます。
あるのが当然だと思って設置したけれど、そこから出入りすることはまったくないし、用途がなかったという後悔が多いようです。
勝手口用のドアは断熱性がイマイチなものが多いので、早朝にキッチンに立った時にヒヤッとするという声も聞かれます。
採光、採風、換気のためであれば小窓にした方が断熱性はもちろん、防犯面でも安心です。
また、勝手口をつけるとそこから出入りするための外階段や庇なども作ることになり、ドアだけでは済まなくなるので、
用途が決まっていない方には窓の方が断然安くて費用の削減にもなります。
⑥ベランダ、バルコニー(75〜100万円)
一戸建てにベランダがあってあたりまえと思って作ったものの、引っ越してからほんの数回しか使っていないというケースが多くあります。
実際、ランドリールームや物干しテラスがあって、布団も乾燥機を使用しているなら省いても不自由はないでしょう。
共稼ぎで洗濯物を干したまま出かけられなかったり、花粉の時期は干さなかったりして、いつの間にか室内干しがメインになってしまうことが多いです。
ベランダやバルコニーは雨風にさらされっぱなしの場所なので、ホコリや落ち葉などが溜まって掃除を怠ると排水口が詰まってしまいます。
つまりが発生すると大雨の日に水が流れなくなったり、雨漏りの原因になったりします。
また、定期的な防水性のメンテナンスも必要です。
表面塗装の塗り直しと防水を作り直す工事の2種類あって、塗り直しをする目安は約5年、防水をつくり直す防水工事は約10年ごとと言われています。
洗濯物や布団を干すためになくてはならない場所であれば、日々の掃除やメンテナンスをかかさないようにしましょう。
⑦間接照明(30〜100万円)
おしゃれでかっこいい照明をつけたものの普段の生活の中ではまったく使わなかったという声も多いです。
間接照明は壁を照らすコーニス照明、天井を照らすコーブ照明があります。
施工会社からのプランニングでは機能性よりも「おしゃれさ」にこだわって提案されることが多くなっています。
雑誌やインターネットでリビングや寝室を間接照明でおしゃれに暮らしている写真を見て、採用したくなる方も多いと思います。
しかし、いざ暮らしはじめてみると慌ただしい日常の中でおしゃれな照明が設置されていることすら忘れてしまっているなんてこともあります。
お子さんと過ごすリビングは明るい方がいいですよね。
壁を照らすコーニス照明を取り入れても年に1〜2度しか使わないのであれば、
その分の費用をもっと有意義に使えたのではないかと後悔する人も少なくありません。
折り上げ天井を照らすコーブ照明は50〜100万円と高額です。
やわらかい光で落ち着いた空間になりますが、コーブ照明だけだと薄暗く感じることがあります。
照明を検討する際は現在のライフスタイルを振り返り、おしゃれな照明が必要かどうかを冷静に考えてみることが大切です。
⑧サンルーム(50〜100万円)
サンルームは洗濯物を干したり、植物を育てたり、子供の遊び場としても便利ですが、
全面ガラス張りにして日差しを取り込むので夏は想像以上に暑くなります。
真夏のサンルームは車の中のような暑さになることもあり、隣接した部屋の室温まで上げてしまいます。
冬は日差しのある日中は暖かくて良いのですが、外とガラス1枚で仕切られている場合、結露が起きやすく、カビの原因にもなります。
サンルームも施工費用がかなり高くなるので慎重に検討しましょう。
⑨小屋裏収納(50〜100万円)
小屋裏収納は収納スペースになるだけでなく、趣味の部屋としても使えて子供の遊び場にもなるなど、アイデア次第でさまざまな使い方ができます。
一方でデメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
・上り下りが面倒
・入り口が狭くて荷物の出し入れが大変
・夏は暑くて冬は寒い
◾️上り下りが面倒
はしごを両手に荷物を抱えて上ることはできないので、高齢者には不向きです。
◾️入り口が狭くて荷物の出し入れが大変
高さは1.4メートルまでで天井が低いので入り口も狭く、大きなものを出し入れできないです。
◾️夏は暑くて冬は寒い
夏は異常なほどに暑くなるので子どもが遊ぶと大変危険です。
多機能な小屋裏収納にするためには断熱材をしっかりと入れて、小窓や空調、照明、コンセントを設置して一年中過ごしやすい場所にしなければなりません。
そうなると、100万円単位の費用がかかります。
中途半端なつくりにするとムダな空間になる可能性は大です。
せっかく小屋裏収納をつくったのにいらないものを詰め込んで閉めっぱなしになってしまったと後悔するのは勿体無いです。
⑩ウッドデッキ(20〜50万円)
ウッドデッキを設置する際は、素材選びに注意しましょう。
天然木にすると腐食を防ぐために年に1度は防腐剤を塗るなどのメンテナンスが必要になります。
何もせずに2〜3年放置していると木材が水分を吸ってカビやコケが生えて腐食していきます。
新築したばかりの頃はBBQなどを楽しんでいたけれど、メンテナンスが面倒で劣化したまま放置しているというご家庭もあるようです。
気温や天候に左右される場所なので、どの季節でも快適に過ごせるようにしないと使わなくなってしまいます。
ウッドデッキをつくる場合は雨よけ、日よけになるオーニングを設置したり、
目隠しフェンスをつくったして、プライバシーを確保しつつ、日常的に使用できる環境を整えておきましょう。
腐食してしまったら、撤去にも費用がかかってしまいます。
まとめ
今回は建築費用を削減したい人や後悔する住宅設備のオプションを知りたい人に対して、
プロは選ばない!後悔する住宅設備のオプションを10こご紹介してきました。
まとめると以下になります。
後悔する住宅設備のオプション10選
①親子ドア(10〜20万円)
②長いスロープ(40〜50万円)
③吹き抜け(100〜200万円)
④床暖房(12帖:60〜100万円)
⑤勝手口(20〜50万円)
⑥ベランダ、バルコニー(75〜100万円)
⑦間接照明(30〜100万円)
⑧サンルーム(50〜100万円)
⑨小屋裏収納(50〜100万円)
⑩ウッドデッキ(20〜50万円)
今回は10項目についてお話ししましたが、もしこれを全て不採用にすると約500万円、建築費用を減らせるかもしれません。
住宅ローンの借り入れを500万円減らすと、
4,000万円を変動金利0.4%、35年で返済する場合は月々の返済額は約102,000円、
3,500万円では返済額は約89,000円になります。
月々13,000円の差は大きいですよね。
他にも各ご家庭によってよく考えると不要なものはあると思います。
お金をかければ快適な暮らしができるというわけではないので、
ライフスタイルに合った設備、オプション選びをしましょう。
この記事が少しでもこれから注文住宅を建てる方、今まさに設備選びをしている方はぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。
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