その設備はもう時代遅れ?最近では選ばれなくなった住宅設備7選
住宅設備や家電は10年程度で時代遅れになるといわれるように、新しい機能がどんどん追加されて便利になっていきます。
社会情勢の変化や時代の流れとともに住宅設備のトレンドも変化しています。
時代遅れになった住宅設備ってどんなの?
代表的なものはキッチンの吊戸棚や床下収納などです。
パントリーを作るご家庭が増えたことが要因です。
私は18年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
10年前とでは住宅設備に関してかなりお客さんの希望が変わっていることを実感しています。
今回は最近では選ばれなくなった時代遅れの住宅設備についてご紹介します。
選ばれなくなったということは、それに替わるものやもっと便利になったということなのでそれも含めてご紹介できればと思います。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・選ばれなくなった住宅設備7選
・最近の住宅設備で選ばれているもの
上記のことがわかります。
住宅設備は最新型のもので揃えたくなりますが、大切なことは本当に必要なものか、ライフスタイルに合っているかをしっかり考えることです。
取り入れてから後悔しないように、家族みんなで話し合ってみましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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選ばれなくなった住宅設備7選
選ばれなくなった住宅設備は以下になります。
選ばれなくなった住宅設備7選
・吊戸棚、床下収納
・浴室暖房乾燥機
・床暖房
・サッシのアルミフレーム
・浴室のテレビ、ホームシアター
・ビルトインエアコン
・押入れ
吊戸棚、床下収納
少し前までほとんどのキッチンにはこの2つの収納があったように思います。
現在も空間を有効利用するためには良い収納方法とも言えますが、
最近ではパントリーが取り入れられるようになり、収納の形が変化しています。
吊戸棚や床下収納に入れておくものとしては、
・吊戸棚
使用頻度の少ない調理器具や食器
・床下収納
飲み物や醤油、油などの買い置き、缶詰や非常食
などが挙げられます。
普段、使わないものが収納されていてここ数年で一度も開けたことがないというご家庭もあります。
吊戸棚は背伸びをしたり、踏み台にのったりすることが多く、
床下収納はかがんだり、膝をついたりしなければならないので、確かに出し入れはしにくいですよね。
キッチンにウォークイン型や埋め込み型のパントリーを設置すれば、吊戸棚や床下収納がなくても十分に収納できます。
対面式のオープンキッチンのように吊戸棚がないと頭上がスッキリして開放感があり、元も明るくなります。
床下収納は点検口としての役割もあるので、どこかに作るようになると思いますが、キッチンの床は油や食品のカスが床に落ちやすく、
床下収納のまわりの溝に入り込むと掃除が大変になります。
床下収納は洗面所に設置して、掃除用品などを収納しておくという方法もおすすめです。
浴室暖房乾燥機
浴室暖房乾燥機は浴室にあたりまえのようについている場合が多いです。
洗濯物を天気や時間に関係なく干せたり、毎日しっかりと乾燥させてカビの発生を防げるなどのメリットがあります。
一方で、洗濯物の量が多いとなかなか乾かなかったり、電気代がかかる、遅い時間や早朝に入浴する家族がいると使いにくいなどのデメリットがあるので、
洗濯物の乾燥としては使わなくなるご家庭も多いです。
最近では洗濯乾燥機も購入しやすい価格帯になり、省エネタイプで電気代がそれほどかからないものもあります。
また、ランドリールームや洗面脱衣室で除湿器や送風機を使用すれば、比較的短時間で乾きます。
浴室暖房乾燥機を設置するか悩んだら、どのような用途で使用するかを考えて不要であれば省いても良いかもしれません。
床暖房
床暖房は足元から暖まって健康に良く、室内を清潔に保てる良い設備ですが、
高い費用をかけて導入したのにだんだん使わなくなってしまったという声も多いです。
冬の寒さが厳しい地域では1年のうち半年くらい使用すると思いますが、
冬期の3ヶ月程度の使用で昼間は誰もいないご家庭ではなくてもよかったと感じることが多いようです。
2022年10月から断熱性能の最高等級が5から7に引き上げられ、消費エネルギーをできる限り削減できる家づくりがより推奨されるようになりした。
高断熱、高気密の住宅であればエアコン1台でも足元まで暖まり、建物内の温度差もなくすことができます。
床暖房にかかる光熱費やメンテナンス費用、故障時の修理費用などを考えると、エアコン1台にかかる費用の方が断然安価になります。
高断熱・高気密であることに加えて冬は日差しをうまく取り入れられる家づくりをすれば、床暖房なしでも暖かい家を実現できます。
床暖房はメリットの多い設備ですが、居住地や家族構成、ライフスタイルによってあれば便利なのか、ないと困るのかを考えましょう。
サッシのアルミフレーム
住宅内で最も熱が出入りしやすいのは窓になります。
国内では断熱性能の低いアルミフレームがまだまだ多く使用されています。
窓サッシのフレームの素材がアルミになると断熱性能が低下します。
暑さ、寒さの厳しい地域では樹脂フレームがおすすめです。
熱伝導率を比較してみると、樹脂フレームの窓はアルミフレームの窓の1/1,400とされています。
樹脂フレームは初期費用がアルミフレームの2倍くらいになりますが、住み心地の良さを考えると決して高いものではないと思います。
YKKapさんのサイトでは、過ごす時間が長い居室の窓は最低でも「アルミ樹脂複合フレーム+複層ガラス」以上が推奨されています。
木製サッシも樹脂サッシ同様に断熱性能は高いのですが、輸入製品が多く樹脂サッシよりも高額になります。
また、木製は自然素材なので劣化を防ぐために定期的に塗装などのメンテナンスが必要になります。
浴室のテレビ、ホームシアター
壁掛け、埋め込みの浴室テレビは設置時に配線やアンテナを接続する工事が必要なので、かなり高額になります。
最近ではスマホやタブレットでNetflixのような動画配信サイトが楽しめるようになり、防水性能もかなり高くなっているので、浴室内にも持ち込めます。
持ち運びできる防水ポータブルテレビもかなり安価になっているので、浴室だけでなくどこでも気軽にテレビが見られるようになりました。
また、シーリングライトとインターネットに接続できるプロジェクターが一体化したものも販売されています。
Dolby(ドルビー)オーディオが搭載されているものは立体的なサラウンドが楽しめます↓
こちらはモバイルバッテリーやスピーカー、イヤホンなどを販売しているAnket(アンカー)さんのNEBULA(ネビュラ)です。
Anker Nebula Nova(シーリングプロジェクター)
¥89,900
スクリーンも不要で白いクロスであればきれいに映ります。
グレーやベージュの壁でも可能だそうです。
コンパクトなモバイルプロジェクターなどもあり、持ち運びも可能です。
ビルトインエアコン
ビルトインエアコンは天井埋め込み型で壁付けのように出っ張りがなく、風が4方向に出るといったメリットがあります。
間取りによってはとても効率的ですが、
・初期費用が高い
・メンテナンス費用が高い
・省エネ、除湿機能などの最新機能がない
・取替工事の手間がかかる
などのデメリットがあります。
ビルトインエアコンは照明との兼ね合いもあり、狭い部屋には不向きです。
壁付け型であれば古くなったら機器を買い替えるだけで、工事費もそれほどかかりませんが、
ビルトインエアコンは種類が少なくメンテナンスを行える業者も少ないため高額になりがちです。
また、ビルトインエアコンは建物の一部と見なされ固定資産税の対象にもなります。
押入れ
最近は本格的な和室よりもおしゃれな畳スペースを作るご家庭が多いです。
収納も「押入れ」ではなく洋室のようなクローゼットや吊収納が多く選ばれています。
従来の押入れは引き違いのタイプで半分しか開かないので、大きなモノの出し入れが大変で奥のモノが探しにくいというデメリットがあります。
最近の和室はお子さんの遊び場になることも多いので、クローゼットタイプであればおもちゃを収納できます。
吊収納は観音開きで出し入れしやすく、下のスペースを有効活用できるのでディスプレイしたり地窓をつけたりすることができます。
まとめ
今回は住宅設備を選ぶのに迷っている人や最近では選ばれなくなった住宅設備を知りたい人に対して、
最近では選ばれなくなった時代遅れの住宅設備についてご紹介してきました。
まとめると以下になります。
選ばれなくなった住宅設備7選
・吊戸棚、床下収納
・浴室暖房乾燥機
・床暖房
・サッシのアルミフレーム
・浴室のテレビ、ホームシアター
・ビルトインエアコン
・押入れ
住宅設備は最新型のもので揃えたくなりますが、大切なことは本当に必要なものか、ライフスタイルに合っているかをしっかり考えることです。
取り入れてから後悔しないように、家族みんなで話し合ってみましょう。
この記事が少しでもこれから住宅設備を選ぶ際の参考になってくれれば幸いです。
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アーキトリック一級建築士事務所