VR空間での生活が中心になる?VR時代の建築空間のあり方と淘汰される住宅の機能
VR時代の建築空間において、これらの変化がどのように進展するかに注目が集まります。
未来の住環境に向けて、建築やデザインのプロフェッショナルたちは新しい挑戦に取り組んでいくことになります。
現実世界ではどんな建築空間をつくればいいの?
現実世界での建築の役割や機能は、VRの中で快適に過ごすために必要最低限の機能やスケルトンの状態に近づくかもしれません。
しかしながら、今の段階では自然光の温かさや涼しい風を感じたりする感覚器官までは再現されていないのが現状です。
これからの建築は自然の魅力を最大限に活かす建築にするのか、個々の隔離されて快適なスペースを重視するのかの分かれ道にあるのかもしれません。
私は18年間(2024年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
これからの建築はVR空間で如何に快適に過ごすかに重きをおく住宅に変化していくと思います。
今回はVR時代の建築空間のあり方と淘汰される住宅の機能についてご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・従来型LDKの課題と新しい提案
・淘汰される住宅の機能
上記のことがわかります。
VR時代の建築空間では、従来の住宅の機能や空間には新たな問題が浮かび上がり、建築空間のあり方を見直す必要があります。
ものに囲まれた生活ではなく、デジタル情報に置き換えられた収納スペースを必要としないものに重きをおく時代になるでしょう。
これからの建築は自然の魅力を最大限に活かす建築にするのか、個々の隔離されて快適なスペースを重視するのかの分かれ道にあるのかもしれません。
現実の建築空間が持つ魅力はどこにあるのかをしっかりと考え、VR時代になっても柔軟に対応できる住宅を実現しましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
VR時代の幕開け
現代において、技術は飛躍的に進化しています。
特に、仮想現実(VR)技術の進展は目覚ましいものがあり、私たちの生活に新たな可能性をもたらしています。
VRが日常に浸透する中でその影響を探り、未来の建築空間にどのような変革が訪れるのかを見ていきましょう。
現在の技術進化とVRの台頭
現代社会では、急速に進む技術が私たちの日常生活に深く浸透しています。
その中でも注目すべきなのがVR技術の進化です。
VRは、従来のコンピューターグラフィックスを超え、臨場感ある仮想空間を提供することで、新しい世界を切り開いています。
この進化が私たちの日常に浸透することで、
新しい生活の可能性が広がり、私たちの感覚や経験がこれまで以上に豊かになることが期待されています。
VR空間が生活に与える潜在的な影響
VRが生活に浸透することで、私たちの住環境やライフスタイルにも大きな変革が生まれるでしょう。
新しい形態の建築空間が求められ、VRが提供する臨場感や拡張性が、これからの住まいにおいて中心的な役割を果たすことが予想されます。
VR技術の進化は、住宅デザインにおいても大きな影響を与えるでしょう。
臨場感ある仮想空間が生活に溶け込むことで、個々のニーズに合わせた柔軟な住環境が実現され、
これからの住まいはVRの力を借りて新たな可能性を追求する時代に突入することでしょう。
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Meta Quest 3 は、Meta が開発・販売する最新の VR ヘッドセットです。2023 年 10 月に発売され、前モデルの Quest 2 よりも解像度やパフォーマンスが向上しています。
主な特徴
- 解像度:4K+ インフィニティ ディスプレイ(25PPD、1218 PPI)
- フレームレート:72Hz、80Hz、90Hz、120Hz(実験的)
- プロセッサ:Qualcomm Snapdragon XR2
- メモリ:12GB LPDDR5 RAM
- ストレージ:128GB、256GB、512GB
- カメラ:2 つ(前方、背面)
- 重量:約 507g
主な用途
- ゲーム
- 映画鑑賞
- 教育
- トレーニング
- コミュニケーション
Meta Quest 3 は、VR の可能性をさらに広げる製品として注目されています。ゲームや映画鑑賞などのエンターテインメントから、教育やトレーニングなどの実用的な用途まで、さまざまな場面で活用されています。
概要説明
Meta Quest 3 は、Meta が開発・販売する最新の VR ヘッドセットです。解像度やパフォーマンスが向上し、ゲームや映画鑑賞、教育、トレーニングなどの用途に活用されています。
従来型LDKの課題と新しい提案
VR時代において、従来の住宅の機能や空間には新たな問題が浮かび上がっています。
これまでの概念を超え、建築空間のあり方を見直すことが求められます。
従来型のLDKの課題と新しい提案は以下になります。
従来型のLDKの課題と新しい提案
・家族と個人の空間の再定義
・従来型のリビングからの脱却
・スケルトンな空間へと近づく
家族と個人の空間の再定義
新たな時代において、従来のリビング・ダイニング・キッチン(LDK)の枠組みを超え、
家族と個人のニーズに柔軟に対応することが不可欠です。
従来型LDKが抱える制約や課題を克服するため、家族と個人の空間を新しく定義する必要があります。
どのように再定義すればいいの?
家族で過ごす時間や空間もVRの共有空間で行われるようになり、場所やスペースの大きさなどにとらわれなくなります。
VR対応の空間は、個々のニーズに合わせて柔軟に変化できるシステムを提供し、これが新しい住環境のスタンダードとなるでしょう。
例えば、家族が共有する空間と個人がリラックスできる空間を柔軟に切り替えることができるVR対応のLDKがこれからは必要になるでしょう。
料理するときや食事をするときでも、VRゴーグルについているカメラによりARで拡張された現実世界での生活が当たり前になると、
現実世界での情報量が少ない方が快適に感じられるようになるでしょう。
従来型のリビングからの脱却
VR時代において、リビングを中心に据えるのではなく、個人のニーズに合わせて空間を柔軟に変化させることが求められます。
家族が一緒に広いリビングでくつろぐ必要性が薄れ、むしろ快適な個室が重視されるでしょう。
従来型のリビングはどのように変わるの?
従来型のリビングは個々が動き回れる範囲のブースで区分けされた方がVR空間に没頭しやすくなるかもしれません。
こうした変革に伴い、従来型のリビングよりも長時間座っても疲れないソファーや、VR空間に適した変幻自在な椅子が必要になります。
これにより、個人が自在に使える空間が中心となり従来型のリビングからの脱却し、新しい生活スタイルが生まれていきます。
スケルトンな空間へと近づく
住宅の内部空間は物理的な要素を最小限に抑えたスケルトンな空間へと近づいていくでしょう。
装飾や照明演出はVR空間によって簡単に変えるとができるので、現実空間としての必要性がなくなるからです。
スケルトンな空間に近づくと何が必要なくなるの?
例えば、家具や装飾品などの物理的なものはデジタルに置きかわるので必要なくなります。
これにより、住宅の内部はVR空間での個々の好みやニーズに合わせて柔軟に変化しやすい状態の空間が求められるようになるでしょう。
そんなスケルトンな空間へと近づく住宅の内部空間には何が必要なのか、
それは自然光の温かさや風の涼しさなど視覚情報以外の要素をうまく取り入れた建築空間なのかもしれません。
淘汰される住宅の機能
VR時代に合わせた新しい建築空間が台頭する一方で、これまでの住宅機能が淘汰される動きもあります。
どのような機能が影響を受けるのでしょうか?
淘汰される住宅の機能は以下になります。
淘汰される住宅の機能
・本棚や洋服などの収納スペース
・TVやモニターの設置場所
・打合せスペースや応接室
本棚や洋服などの収納スペース
淘汰される住宅の機能は、本棚や洋服などの収納スペースなどです。
もうすでに本はデジタル化により収納スペースを必要としなくなっています。
また、アバターによる活動がメインになった場合に、洋服などもデジタル化され収納スペースを必要としなくなります。
それでも現実生活では洋服は必要なんじゃない?
現実生活での洋服は普段着だけが必要になり、パーティーなどで着るブランド品の洋服や靴、バックなどは必要なくなります。
それよりも、アバターに着せる限定品の洋服などの方が貴重になるでしょう。
収納スペースの確保は現在の住宅を考える上でとても重要な要素ですが、VR時代での必要性は必要最低限になるでしょう。
TVやモニターの設置場所
VR時代において、淘汰される住宅の機能はTVやモニターの設置場所などです。
これまでの大画面に焦点を当てた建築構造から、VRに対応した動き回れる空間が求められます。
VRに対応したモニターってどういうこと?
360°体を動かしても視界が遮るものがない空間がVRのモニターに置き換わります。
物理的なスクリーンの大きさに拘束されず、仮想空間内で情報やエンターテインメントを自由に楽しむことが一般的となり、
これに伴い、TVやモニターの特定の場所に依存する必要が薄れます。
建築とテクノロジーが融合する未来では、スクリーンがなくても臨場感ある体験が可能となり、
住宅の機能やデザインにおいて新たな可能性が広がります。
打合せスペースや応接室
淘汰される住宅の機能は、打合せスペースや応接室などです。
VR時代における住宅機能の変革は、従来の大画面に焦点を当てた建築からVRに対応した動き回れる空間へのシフトがメインになります。
従来の打合せスペースや応接室が個室に置きかわるの?
VR空間を共有すれば、自分の個室にいながらスペースの限界を感じることなくさまざまな打合せスペースや応接室を作ることが可能になります。
VR技術の進化が進む中、遠隔での打合せやコミュニケーションが一段と進展し、特定のスペースに縛られない新しい働き方が形成されつつあります。
これに伴い、従来の打合せスペースや応接室の必要性が次第に薄れていく可能性があります。
これからの建築空間は、VRの導入により物理的な制約を超え、柔軟かつ効率的な利用が可能になるでしょう。
まとめ
今回はVR時代の建築空間のあり方を知りたい人やVR空間の生活で住宅の機能がどう変わるのか知りたい人に対して、
VR時代の建築空間のあり方と淘汰される住宅の機能についてご紹介してきました。
まとめると以下になります。
従来型のLDKの課題と新しい提案
・家族と個人の空間の再定義
・従来型のリビングからの脱却
・スケルトンな空間へと近づく
淘汰される住宅の機能
・本棚や洋服などの収納スペース
・TVやモニターの設置場所
・打合せスペースや応接室
VR時代の建築空間では、従来の住宅の機能や空間には新たな問題が浮かび上がり、建築空間のあり方を見直す必要があります。
ものに囲まれた生活ではなく、デジタル情報に置き換えられた収納スペースを必要としないものに重きをおく時代になるでしょう。
これからの建築は自然の魅力を最大限に活かす建築にするのか、個々の隔離されて快適なスペースを重視するのかの分かれ道にあるのかもしれません。
現実の建築空間が持つ魅力はどこにあるのかをしっかりと考え、VR時代になっても柔軟に対応できる住宅を実現しましょう。
この記事が少しでもVR時代の住宅のあり方を考えるきっかけになってくれれば幸いです。
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