トイレで後悔した!?残念なトイレを作らないための失敗パターン5選

トイレは1帖程度の狭い空間ですが、プライバシーをしっかり確保しつつ家族みんなが快適に使用できるような工夫が必要です。

トイレは毎日使うところなので快適な空間にすれば毎日がストレスなく暮らせます。

トイレを快適に使用できる工夫ってどんなことがあるの?

トイレは広さや機能性はもちろん、入ってから出るまでの動きはスムーズか、掃除のしやすさやメンテナンス、起こりやすい不具合などについて考えながら空間作りをしましょう。

私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、

トイレにはそれぞれの家族の考えがつまった空間なので慎重に設計をしています。

今回は後悔の多い失敗パターンを挙げながら、最適なトイレ空間づくりについてご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・トイレの失敗パターン5選

・失敗しないための注意点

上記のことがわかります。

トイレは狭い空間ですが、毎日使うところなので細かいところまで設計的な配慮が必要です。

また、トイレ設備も毎年のように新機能が追加されるので、選択に迷ってしまうこともあります。

新機能だからといって選んでしまうと後で後悔するなんてこともあります。

今回ご紹介した失敗例を参考に後悔のないようにトイレ作りをしましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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トイレの失敗パターン5選

トイレの失敗パターンで多いのは以下の5つになります。

トイレの失敗パターン5選

・広さでの失敗
便器の前は最低40cm、左右は最低15cm

・手洗いボウルで失敗

→0.5坪以上で奥行きにゆとりが必要

・収納で失敗

→座って手の届くところと見えないところに収納

・形状で失敗

→タンクレストイレのメリットとデメリット

・設備で失敗

→窓の有無と引き戸か開き戸の選択

広さでの失敗

一戸建てにおけるトイレの広さは一般的に0.4坪(78cm×123.5cm)〜0.75坪(123.5cm×169cm)とされています。

畳一枚分より少し狭いくらいがその中間の0.5坪(78cm×169cm)となります。

この寸法は壁芯までの長さではなく、内法寸法なので壁厚分だけ数センチずつ短くなっています。

完成したときに図面の数値でイメージした広さよりも狭く感じる原因のひとつで、トイレのように狭い空間ほど違いを感じやすくなります。

トイレは狭くても良いと考える場合でも、最低限このくらいのゆとりが必要です↓

図は0.4坪のトイレの一例です。

・便器の先から壁やドアまでは最低40cm

・便器の左右には最低15cmずつ


これは最低限必要と考えられる距離なので、実際に便器の前が40cmでは窮屈に感じてしまいます。

座ってみるとわかりますが、40cmだと身長160cmの人が利用しても壁や扉が近くて圧迫感があります。

理想としては50cm以上はほしいところです。

一方で、左右の壁があまり遠すぎるとトイレットペーパーを取るときに不便なので15〜20cm程度がよいでしょう。

ただし、タンクの有無や便器のサイズによって壁までの距離は変わります

タンクレスのほうが便器のサイズがコンパクトであることが多いようですが、

トイレ内に手洗い場を設置する場合はその分のスペースが必要になります。

トイレを選ぶ際にはこのような点に注意しましょう。

手洗いボウルで失敗

0.4坪のトイレは奥行きにゆとりがないので、タンクレストイレにしてトイレ内に水栓と手洗いボウルを設置すると、

小さなものになって手洗いの際に壁や床への水の飛び跳ねが気になります。

子供たちが急いで手を洗って周囲がビシャビシャになっているというご家庭もあります。

トイレが狭い場合は手洗い場をトイレの外に設置したほうが、トイレ内にもでっぱりがなくなって動きやすくなりますが、

動作が1ヶ所で完結しなくなるため、小さなお子さんがトイレの後に手を洗わなくなったという声もあります。

0.5坪のトイレであれば、奥行きにゆとりがあるのでタンクレスにして少し大きめの洗面ボウルを設置できます。

0.75坪になると左右にもゆとりができてカウンターを設置することも可能です↓

この広さであれば大きめの手洗いボウルを設置することもでき、小さなお子さんや高齢者の介助が必要になった場合でもゆとりをもって使用できるでしょう。

収納で失敗

トイレに観音開きの吊戸棚を設置して使いづらいという声もあります。

観音開きは狭い空間で背伸びをして開けようとすると力が入らないようです。

座って背面になる壁の頭上にある場合と正面になる壁の頭上にある場合は、

どちらも身長が低いと出し入れが大変ですが、奥行きがあると取り出すときには奥が見えなくて大変になります。

とくに正面は踏み台を置くところに困るので避けたほうがよいでしょう。

便器に乗るようなことは絶対にしないでください。

トイレの収納は用途によってこの2種類に分けて考えるとよいでしょう。

・座って手の届くところ

・見えないところ

座って手の届くところ

ここには予備のトイレットペーパーやエチケット用品などを置けるくらいのニッチ収納があると便利です。

トイレットペーパー2、3個と芳香剤がおけるくらいのサイズがあればよいと思います。

トイレットペーパーホルダーの上もちょっとしたモノが置けるよう棚状にしておくと便利です。

見えないところ

ここには掃除用品などを収納しておきたいですね。

狭いトイレで収納棚の出っ張りを無くしたい場合は、便座の両サイドにすき間収納を設置したり、背面を高さのある棚にする方法があります。

造りつけにしてもいいし両サイドのすき間収納は可動式のものを購入してもよいでしょう。

形状で失敗

デザイン性や空間の有効利用といった面ではタンクレスが選ばれることが多くなりました。

タンクレストイレのメリットは以下になります。

タンクレストイレのメリット

・水道に直結していて連続流水が可能

・トイレが広く使える

・掃除がラク

一方でタンクレストイレのデメリットは以下になります。

タンクレストイレのデメリット

・価格が高め

・手洗いは別途購入

・配管がつまりやすい

・便座が故障したら丸ごと交換

タンク式に比べて節水効果が高く、1回に流れる水の量は3分の1で済むものもあります。

40年くらい前までは1回15リットルほども水が流れていましたが、1995年にPanasonicさんが6リットルまで軽減し、現在は3リットルが最小です。

ただし、タンクレストイレは水道代の節約になる一方で詰まりやすいと感じる人が多いようです。

水圧が低めで流れる水の量も少ないので、配管内で流れ切らずに残ってしまうことが一番の原因です。

メーカーごとに少量の水でもしっかりと流せるような工夫がされていますが、トイレットペーパーを多めに使用したりお掃除グッズを流したりしているうちに、配管の途中で詰まりが発生してしまいます。

タンク式でも節水機能のついたものは同様の注意が必要です。

設備で失敗

トイレの設備で悩むところと言えば、

・窓は必要か

・開き戸か引き戸か


などが挙げられます。

窓については意見が分かれるところですが、設置したけれど周囲が気になって開けられなかったり、換気扇で十分という声もあります。

窓を設置するメリットとしては

・暗い雰囲気にならない

・閉塞感がない


ということが考えられます。

採光目的であれば開閉できないFIX窓にするという方法もあります。

高い位置に横長のFIX窓を設置すれば収納のジャマになることもないでしょう。

また、開き戸か引き戸かについては防音という点では開き戸に軍配が上がります。

引き戸自体、建具枠と戸の間に隙間ができやすい構造なので防音性が低いのですが、

防音性が低い理由としては、引き込みスペースの壁が開き戸よりも薄くなってしまうということも挙げられます。

LDKに面してトイレのドアがある場合は開き戸がおすすめです。

高齢者が使いやすいトイレにするなら引き戸のほうが断然よいでしょう。

まとめ

今回は残念なトイレを作りたくない人やトイレでの失敗パターンを知りたい人に対して、

後悔の多い失敗パターンを挙げながら、最適なトイレ空間づくりについてご紹介してきました。

まとめると以下になります。

トイレの失敗パターン5選

・広さでの失敗
便器の前は最低40cm、左右は最低15cm

・手洗いボウルで失敗

→0.5坪以上で奥行きにゆとりが必要

・収納で失敗

→座って手の届くところと見えないところに収納

・形状で失敗

→タンクレストイレのメリットとデメリット

・設備で失敗

→窓の有無と引き戸か開き戸の選択

トイレは狭い空間ですが、毎日使うところなので細かいところまで設計的な配慮が必要です。

また、トイレ設備も毎年のように新機能が追加されるので、選択に迷ってしまうこともあります。

新機能だからといって選んでしまうと後で後悔するなんてこともあります。

今回ご紹介した失敗例を参考に後悔のないようにトイレ作りをしましょう。

この記事が少しでも快適なトイレ作りの参考になってくれれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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