見た目だけで判断しないで!建築イメージ写真に隠された設計上の注意点

建築のイメージ写真ってほんとにカッコいいものが多いですよね。

InstagramPinterestRoomclipなどで自分の気に入った写真を見つけてきて、

こんな感じにしたいです!

って言われて、詳しく見させてもらう写真の大半が、この間取りでは実現不可能なものの場合が多いです。

その写真自体は映えているのですが、

基本的に見せたくないところは写真にしないので、素人ではその写真に映らない部分までは想像できないんですよね…

私は17年間(2023年現在)住宅を中心に設計事務所を運営してきましたが、

その間取りに合うイメージ写真を見つけてきたお客さんはかなり少ないです。

今回は、建築のイメージ写真に隠された設計上の問題点と写真を選ぶ際の注意点をご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・建築イメージ写真の設計上の問題点

・設計上の問題点を解決する方法

・建築のイメージ写真を選ぶときの注意点

上記のことがわかります。

建築のイメージ写真はうまく選べば設計者にイメージを伝えるのにとても有効な手段になります。

イメージ写真を選ぶ際は自分の間取りに合っているのかをしっかりと考えてから選ぶようにしましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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建築イメージ写真の設計上の問題点

建築イメージ写真の設計上の問題点は以下になります。

建築イメージ写真の設計上の問題点

・実際に住んでわかる問題点

・写真加工による虚偽表現

・比例の歪みや大きさの誇張

実際に住んでわかる問題点

建築イメージ写真の設計上の問題点は、実際に住んでみるまで気づかなかったということがあります。

例えば、玄関が狭くて荷物を置く場所がなかったり、収納スペースが不足していたりする場合があります。

また、家族の増減によって間取りが合わなくなったり、リビングが写真のイメージより狭く感じたりすることもあります。

写真加工による虚偽表現

建築イメージ写真の設計上の問題点は、写真加工による虚偽表現があるということです。

住宅の広告写真は美しいデザインやインテリアが魅力的に映るように加工されている場合が多いです。

これにより、実際の住宅とは異なる印象を受けることがあります。

特に、部屋の広さや光の入り方などは、写真加工によって変わることがあります。

写真だけでなく設計図面も確認することが重要です。

比例の歪みや大きさの誇張

建築イメージ写真の設計上の問題点は、比例の歪みや大きさの誇張があるということです。

広告写真やパース図面では、比例が歪められたり、大きさが誇張されたりすることがあります。

これにより、実際の住宅とは違う印象を受けてしまうことがあります。

比例の歪みや大きさの誇張はカメラのレンズにより実際の空間とかなり違っていることが多いです。

設計図面で寸法を確認したり、写真に写っているスケールのわかるもので広さを確認しましょう。

設計上の問題点を解決する方法

住宅を建てる際に、設計上の問題点を解決するためには以下の方法があります。

設計上の問題点を解決する方法

・実際の間取りに合うかを確認

・構造上可能かどうかを判断

・見えない部分をイメージする

実際の間取りに合うかを確認

そのイメージ写真が実際に自分たち家族の生活スタイルに合うのかを確認しましょう。

例えば、来客も少ないのに過剰に演出された間接照明があっても、普段の生活では使わなかったなんてことよくあります。

イメージ写真がいいと思っても自分たちの生活スタイルに合わないということはよくあります。

自分たちが求める間取りに合うかをイメージすることが重要です。

構造上可能かどうかを判断

イメージ写真の中には、実際に建てることができないようなものもあります。

例えば、柱のない空間や壁がほとんどない設計などは、建築構造上の問題から実現が難しいことがあります。

そのため、イメージ写真を見たときには、構造上可能かどうかを確認することが必要です。

見えない部分をイメージする

イメージ写真は、建物の外観や内装を美しく見せるためにその部分だけ加工された写真も多くあります。

また、見えない部分で間取りや構造に不都合が生じていることも多々あります。

例えば、カッコよく見える片持ち梁のストリップ階段ですが、それを実現するために構造補強が高額になったりするケースです。

そのため、イメージ写真を見たときには、見えない部分もイメージすることが大切です。

建築のイメージ写真を選ぶときの注意点

建築のイメージ写真を選ぶときの注意点は以下になります。

建築のイメージ写真を選ぶときの注意点

・自分の生活スタイルをイメージする

・自分の望む間取りと全体とのバランス

・機能や使い勝手への設計的な配慮

・依頼した工務店で施工可能かどうか

・予算オーバーにならないか考慮する

自分の生活スタイルをイメージする

写真を見る前に、自分がどのような生活を送りたいかをイメージしましょう。

例えば、家族が多い場合は、広いリビングや多数の寝室が必要です。

また、家族が一緒に過ごす時間を大切にする場合は、広々とした屋外スペースや、家族が集まって楽しめる大きなテーブルが必要になるかもしれません。

さらに、家族の趣味やライフスタイルに合わせたスペースも必要になります。

自分たちがどのように暮らすかをイメージし、それに合った写真を選びましょう

そうすることで、自宅に帰ってからも理想の生活をイメージし、暮らしを楽しむことができます。

自分の望む間取りと全体とのバランス

写真で気に入った部分があっても、全体の間取りやバランスを考慮することが大切です。

例えば、一部のスペースが広くなりすぎると、他の部分が狭くなってしまい、使い勝手が悪くなることがあります。

そのため、適切なバランスを保つためには、以下のような方法があります。

・同じアングルの写真を探して広さを比較す

・複数の写真を見比べて他の部分とのバランスを考える

・間取り図と同じアングルから撮影した写真を選ぶ


全体的なバランスを考えて、自分の望む間取りと合わせた写真を選びましょう。

機能や使い勝手への設計的な配慮

見た目だけでなく、機能や使い勝手にも注目しましょう。

例えば、調理がしやすいキッチンや収納スペースが充実した物件が、日常生活で使いやすくなります。

また、家族構成やライフスタイルに合わせた設計がされているかも確認しましょう。

将来的なライフプランについても考慮することが大切です。

子育てや介護、趣味や仕事など、将来的なライフスタイルの変化に合わせてた設計的な配慮が必要です。

依頼した工務店で施工可能かどうか

写真で気に入った建物でも、その設計や構造が工務店で実現できるかどうかは重要なポイントです。

建物の見た目が好みであるという理由だけで工務店を選んでしまうと、

後になって設計や構造に問題が生じた場合に手遅れになってしまうかもしれません。

施工可能な設計かどうかを確認し、その工務店が信頼できるかどうかもチェックしましょう。

また、施工前には建物のデザインや材質について詳しく相談し、自分たちの要望や予算に合わせた最適なプランを作成してもらいましょう。

建物は何十年とそこに暮らすことになるため、慎重に選ぶことが重要です。

予算オーバーにならないか考慮する

最後に、予算オーバーにならないか考慮しましょう。

予算内で実現できる写真を選ぶことが重要ですが、それだけでは十分ではありません。

以下は、予算内で実現するための具体的な方法です。

・建物を小さくすることでコストを削減する

・マテリアルを変更してより安価に仕上げる

・将来のメンテナンスコストを考慮して耐久性の高いマテリアルを選ぶ


また、予算内で実現できる写真を選んだ場合でも、建物の詳細な見積もりを取ることで、後々のトラブルを防ぐことができます。

しっかりと建物の予算を把握し、トラブルを未然に防ぎましょう。

まとめ

今回は建築のイメージ写真が好きな人や写真でイメージを伝える場合の注意点を知りたい人に対して、

建築イメージ写真に隠された設計上の注意点についてご紹介してきました。

まとめると以下になります。

建築イメージ写真の設計上の問題点

・実際に住んでわかる問題点

・写真加工による虚偽表現

・比例の歪みや大きさの誇張

設計上の問題点を解決する方法

・実際の間取りに合うかを確認

・構造上可能かどうかを判断

・見えない部分をイメージする

建築のイメージ写真を選ぶときの注意点

・自分の生活スタイルをイメージする

・自分の望む間取りと全体とのバランス

・機能や使い勝手への設計的な配慮

・依頼した工務店で施工可能かどうか

・予算オーバーにならないか考慮する

建築のイメージ写真はうまく選べば設計者にイメージを伝えるのにとても有効な手段になります。

イメージ写真を選ぶ際は自分の間取りに合っているのかをしっかりと考えてから選ぶようにしましょう。

この記事で建築イメージ写真を利用して上手に要望を伝える人が少しでも増えてくれれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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