設計事務所が生き残るために!設計事務所だからこそできるラグジュアリー戦略
少子高齢化の進行により、我が国の生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じており、総人口も2008年をピークに減少に転じています。
総務省「国勢調査」によると2060年には日本の総人口が1億人を切ると予測されています↓
この先40年で日本の総人口が減り、今の経済状態が続けば日本は貧困化して貧富の格差がより一層激しくなります。
住宅業界でも家を新築で建てる人は少なくなると予想されています。
これからは新築ではなくリフォームやリノベーションに力を入れていくのも一つの手かもしれませんが、
新築の住宅をいかに高い価格で維持できるのかも重要になってきます。
新築住宅の価格を高くすると建てられる人が少なくならないの?
確かに一般の人には難しくなるかもしれませんが、一方でこんな時代でも富裕層は存在しています。
新築住宅は富裕層向けのものに変革を迫られていく時代なのかもしれません。
私は17年間(2023年現在)住宅を中心に設計事務所を運営してきましたが、
新築住宅に関わる仕事は年々減っているという実感があります。
今回はこれから設計事務所を運営する上で欠かせない富裕層向けのラグジュアリー戦略についてご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・ラグジュアリー戦略が設計事務所に必要な理由
・設計事務所のとるべきラグジュアリー戦略
上記のことがわかります。
この記事で紹介するラグジュアリー戦略は設計事務所だからこそできることだと思います。
これから右肩下がりに新築住宅の需要が減る中でも、
新築住宅を設計して設計事務所を運営していくにはどうすればいいのか真剣に考えておきましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。
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目次
設計事務所のラグジュアリー戦略とは
設計事務所のラグジュアリー戦略をご紹介する前に、
ラグジュアリーとは何なのかやラグジュアリー戦略が設計事務所に必要な理由について考えてみましょう。
ラグジュアリーってなに?
ラグジュアリーとは、一般的に高品質で高級なものを指しますが、プレミアムとの違いを考えるとラグジュアリーの立ち位置がよく理解できます↓
ここで考えるのは「役に立つ」「意味がある」という指標です。
車で例えれば、トヨタや日産のような日本車は「役に立つ」けど「意味がある」とは言えないです。
ベンツは「役に立つ」し、所有する「意味がある」という位置になります。
つまり、ベンツはプレミアムという位置になります。
フェラーリは「役に立つ」ことはないが、所有することに「意味がある」つまりラグジュアリーということになります。
詳しくは西野亮廣さんの「生き残るためのVIP戦略」をご覧ください↓
(プレミアムとラグジュアリーの違いについては44:30から)
性能を突き詰めてもプレミアムにしかなれない
ラグジュアリーに求められる要素は、あくまで「意味がある」という指標です。
いくら「役に立つ」という指標が高くても、ラグジュアリーとは言えません。
つまり、性能を突き詰めてもプレミアムにしかなれないことになります。
ラグジュアリーになるためには、所有することに意味がないといけないことになります。
ラグジュアリーがどのように生まれるのかは以下の式で表すことができます。
[ラグジュアリー]=[認知度]ー[普及度]
ハウスメーカーのやっていることは、
知名度と普及度の両方に力を入れている点でどちらかというとプレミアムなもの目指していると思います。
個人でやっている建築士や設計事務所がこれから生き残るには、ラグジュアリーを目指すべきだと思います。
ラグジュアリー戦略が設計事務所に必要な理由
私が設計事務所がラグジュアリーを目指すべきだと考える理由は、
一人で担当できる住宅の設計・監理は1年間で3件が限界であり、
認知度を上げて設計料を自分で決められるようになるしか生き残る方法はないと考えるからです。
また、日本のように人口減少している国で薄利多売のビジネスモデルでは生き残れないと思います。
いかに自分の仕事の報酬を高くするかに力を入れた方がいいと思います。
前述したラグジュアリーの式から考えると
[ラグジュアリー]=[認知度]ー[普及度]
設計事務所がやるべきことは、「認知度」を上げることが唯一の方法ということになります。
じゃあ認知度を上げるためにはどうすればいいの?
これについてはまだ私は色々と模索中なので残念ながら答えが出せていませんが…
SNSやyoutubeを駆使して認知度を上げる方法が今の時代にあったやり方なのかもしれません。
また、建築雑誌や本、Blogを書いたり、twitterなど自身の建築家としての考え方や生き方などをSNSで発信したりすることも必要になってくると思います。
しかしながら、建築士や個人の設計事務所がこれから生き残るにはラグジュアリーを目指すべきだということは理解できると思います。
設計事務所のとるべきラグジュアリー戦略
設計事務所のとるべきラグジュアリー戦略は以下が代表的なものになります。
設計事務所のとるべきラグジュアリー戦略
・ホテルのような非日常を演出
・こだわりの素材を用いた造作家具
・ニーズに合わせたカスタムデザイン
・質の高い設計や施工、アフターサービス
・ブランドイメージを高めるためのマーケティング
・オリジナル製品の開発や販売
ホテルのような非日常を演出
ホテルのような日常を離れた非日常的な体験ができる空間を演出することもラグジュアリー戦略としては有効な手段です。
そのため、設計事務所が提供する空間は、ホテルのような高級感やエレガントさを演出することが求められます。
例えば、大理石の床や間接照明、豪華なインテリアなどを取り入れることで、非日常的な雰囲気を醸し出すことができます。
また、アウトドアリビングなど家でキャンプの雰囲気を楽しめる空間を作るなどの方法もあります。
注文住宅でいかに非日常を演出することは暮らしやすさや快適性には直接的には関係ないのですが、
そのような演出をすることで自分や家族だけの楽しめる時間を提供することがラグジュアリー戦略としては有効な手段になります。
こだわりの素材を用いた造作家具
ラグジュアリーな空間を作り出すには、こだわりの素材を使用した造作家具やインテリアが欠かせません。
設計事務所が提供する造作家具は、高品質であり、オンリーワンであることが求められます。
また、デザイン性も重要であり、ユーザーのニーズに合わせたカスタムデザインが必要です。
こだわりの素材を使用することで、空間に高級感や質感を演出することができます。
例えば、天然木や本革素材、手作りの照明などを使用することで、独自性のある空間を作り出すことができます。
造作家具はその空間に合わせたオンリーワンの家具になります。
こだわりの素材を用いた造作家具を作ることは、
来客に自慢できたり、自分で使っていて気分を上げてくれたり、ラグジュアリー感を感じさせるために有効な手段になります。
ニーズに合わせたカスタムデザイン
ラグジュアリーな空間を提供するためには、お客様のニーズに合わせたカスタムデザインが必要です。
設計事務所が提供するデザインは、お客様の希望や要望を取り入れたものであることが求められます。
例えば、カスタムバイクを作るときに自分の希望や要望をいかにそのバイクで実現するかに似ています。
その場合はカスタムデザインに対してお客様が値段を決めることはできないところが重要です。
お店側の示す値段、言い値で自分の予算と照らし合わせて値引き交渉をする形となるため、お店側に有利なかたちになります。
設計事務所もニーズに合わせたカスタムデザインをすることで同じようなかたちに持っていくことができます。
こだわりのカスタマイズされた納まりや素材、空間は所有することに「意味がある」ことになるからです。
設計事務所は積極的にお客様のニーズに合わせたカスタムデザインをすべきだと思います。
質の高い設計や施工、アフターサービス
質の高い設計や施工、アフターサービスは、顧客満足度を高める上で重要な要素です。
設計事務所がラグジュアリーブランドを目指す場合、これらのサービスにもこだわる必要があります。
設計においては、デザインだけでなく機能性や耐久性にも配慮する必要があります。
また、施工においても品質にこだわり、手間や時間を惜しまず丁寧に仕上げることが求められます。
そして、アフターサービスも重要なポイントです。
不具合が発生した場合や、改善を希望する場合にも迅速かつ丁寧な対応を行うことが顧客満足度を高めるために必要です。
ブランドイメージを高めるためのマーケティング
ラグジュアリーブランドを目指す場合、高品質な製品を提供するだけでなく、ブランドイメージを高めるためのマーケティング活動が必要となります。
マーケティング活動には、広告やPRが含まれます。
広告には、美しい写真や映像を使って商品やサービスの魅力をアピールすることが求められます。
また、PR活動には、オープンハウスなどのイベント開催やお客様の口コミ評価なども含まれます。
SNSを活用することも重要です。
SNSを活用することで、商品やサービスの情報を多くの人々に発信することができます。
例えば、InstagramやTwitterを活用することで、商品やサービスに対するファン層を拡大することが可能です。
ブランドイメージを高めるためには、ラグジュアリーブランドらしい独自性や高級感を表現することが重要です。
これによって、お客様にとって非日常的で特別な存在感を与えることができます。
オリジナル製品の開発や販売
最後に、オリジナル製品の開発や販売もラグジュアリーブランドを目指す場合には重要な要素です。
設計事務所が独自の製品を開発することで、他社と差別化を図ることができます。
また、自社で製品を販売することで、利益を増やすこともできます。
例えば、オーダーメイドキッチンやクローゼット収納を製品として規格化することで差別化を図ることができます。
設計事務所としてオリジナル製品の開発や販売はメーカー側の協力も必要になるのでなかなかできないことですが、ラグジュアリー感を出すには効果的な方法になります。
この設計事務所に頼むとこんな製品やこんな選択肢があるなど、その良さを分かってくれるお客様がファンになってくれます。
設計事務所にファンが増えれば口コミで認知度が上がるので、ラグジュアリー戦略としては有効な手段になります。
まとめ
今回は 設計事務所が生き残るためにやるべきことを知りたい人や設計事務所のラグジュアリー戦略について知りたい人に対して、
設計事務所だからこそできるラグジュアリー戦略についてご紹介してきました。
まとめると以下になります。
設計事務所のとるべきラグジュアリー戦略
・ホテルのような非日常を演出
・こだわりの素材を用いた造作家具
・ニーズに合わせたカスタムデザイン
・質の高い設計や施工、アフターサービス
・ブランドイメージを高めるためのマーケティング
・オリジナル製品の開発や販売
この記事で紹介するラグジュアリー戦略は設計事務所だからこそできることだと思います。
これから右肩下がりに新築住宅の需要が減る中でも、
新築住宅を設計して設計事務所を運営していくにはどうすればいいのか真剣に考えておきましょう。
この記事が少しでもこれから設計事務所をどう運営すればいいのか悩んでいる人のお役に立てれば幸いです。
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アーキトリック一級建築士事務所