窓の位置ひとつで生活が変わる!?失敗しがちな窓の事例6パターン
窓の失敗は引越しをして家具を配置したときや暮らしはじめて季節がひと回りしたときに気づいて後悔するものです。
この窓さえなければ、この窓のせいでと失敗しないようにぜひこの記事を最後までご覧ください。
窓の位置ひとつで生活が変わります。
失敗しがちな窓ってどんなものがあるの?
失敗しがちな窓の事例は以下になります。
失敗しがちな窓の事例
・断熱性能の低い窓
・西側の掃き出し窓
・家具の配置を考えなかった窓
・ベッドの近くの掃き出し窓
・断熱性のない出窓
・隣との配置が悪い高窓
などがあります。
窓はしっかりと図面で大きさや位置を確認しないと家具を配置した時に後悔する場合が多いです。
窓のサイズや位置は展開図で確認します。
注文住宅なら図面は揃っていると思いますが、図面がない場合は作ってもらいましょう。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎窓の位置で生活を快適にしたい人
▶︎窓の失敗事例を知りたい人
上記の方々に対して、失敗しがちな窓の事例6パターンをご紹介します。
この記事が失敗しがちな窓に注意して快適に暮らせる手助けになってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を16年間(2022年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
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失敗しがちな窓の事例6パターン
失敗しがちな窓の事例6パターンは以下になります。
失敗しがちな窓の事例
・断熱性能の低い窓
・西側の掃き出し窓
・家具の配置を考えなかった窓
・ベッドの近くの掃き出し窓
・断熱性のない出窓
・隣との配置が悪い高窓
断熱性能の低い窓
窓が暑さ、寒さの原因になっているといわれてもピンとこない人がほとんどだと思います。
どれだけの差があるのか壁と窓の断熱性を比べてみましょう。
YKKapのカタログ資料をもとに窓の断熱性能を壁の厚みで表してみました。
※壁の中に入っている断熱材のグラスウール16K(1㎡が16kgのもの)を100mmの厚さだと仮定しています。
窓の断熱性能を壁の厚みで表すと
・アルミサッシ+単板ガラス
→住宅用グラスウール約0.2mm
・アルミサッシ+複層ガラス
→住宅用グラスウール約30mm
・樹脂窓+複層ガラス
→住宅用グラスウール約30mm
・樹脂窓+トリプルガラス
→住宅用グラスウール約55mm
窓の断熱性能は、この程度の性能しかないことになります。
つい最近まではアルミサッシ+単板ガラスが一般的に使われていましたが、
壁に入っているグラスウール16Kと比較すると100mmに対して0.2mmしかないことになり、1/500しか断熱性能がないことになります。
リビングの窓をすべてアルミサッシ+単板ガラスにしたら窓から熱が出入りして、夏は暑く冬は寒いリビングになってしまいます。
最近では窓の性能もぐんぐん上がっていてLIXLI「レガリス」という商品は、樹脂フレーム+高性能5層ガラスだそうです。
快適な暮らしを実現するには窓にかける費用をケチらないことが大切です。
特に大開口の掃き出し窓は断熱性能にこだわりましょう。
西側の掃き出し窓
西側は1日のうち最も長く強い日差しがあたるところです。
大きな窓、断熱性の低い窓を設置すると夏場は熱がこもって熱帯夜に悩まされるなんてこともあります。
西日のリスクは夏の暑さだけでなく一年を通して以下のようなことも挙げられます。
西日のリスク
・フローリングの劣化
・家具や壁の劣化
・カーテンの日焼け
・紫外線による肌荒れ
西側に掃き出し窓がある家はしっかりと西日対策をしなければなりません。
掃き出し窓は部屋が明るくなっていいのですが、そのようなリスクを考えると出入りすることがなければ腰窓にした方がいいかもしれません。
また、東側に寝室の窓がある場合も注意が必要です。
太陽が東からのぼるので冬の朝は暖まってよいのですが、夏は早い時間から強い日差しが入ってきます。
夏は空気が暖まるのが早いので大きな窓は遮光カーテンにしても暑さを感じてしまいます。
朝の少しの時間だけだろうと甘くみていると日の出が早い夏、6時前から想像以上に強い日差しが入ってきて、
遮光カーテンだけでは夏を乗り切れないかもしれません。
眠りを妨げられないようにベッドに直射日光が当たらないハイサイドライトにすることや、高性能の断熱窓を採用するなど対策をしましょう。
家具の配置を考えなかった窓
家具を設置する段階になって窓との干渉に気づくことも多いです。
設計の段階で大まかにイメージしているとは思いますが、ディスプレイ棚をひとつ増やしただけで壁面の使い方が大きく変わってしまいます。
窓の位置や季節によって室内に日差しが入る場所は決まります。
しっかりと窓の位置を決めたはずなのに、テレビやソファーを設置してみたら日が当たって見えにくい場所だったなんて失敗もあります。
また、せっかく窓を作ったのに背の高い家具を重ねて開けられなくなることもあります。
日当たりは季節や1日の時間帯によっても変わるので万全にすることは難しいかもしれませが、
・カーテンが閉めっぱなしの窓
・開けられない窓
だけは作らないように注意しましょう。
模様替えをすることも考えて、家具の多い部屋は窓を多くしすぎないようにしましょう。
ベッドの近くの掃き出し窓
寝室や子供部屋が2階のベランダに接していることは多いと思います。
布団を干すときには便利ですよね。
ですが、掃き出し窓は冬の結露が気になります。
寝室は毎日換気したりできればいいのですが、昼間は閉めっぱなしになることが多いので、
ベッドが掃き出し窓の近くにならないように広さや配置を考えましょう。
寝ているときに吐き出される息に含まれている水蒸気で窓が結露してしまうからです。
掃き出し窓が腰窓や壁だったらベッドを置く位置も自由に変えられます。
また、子供部屋はなるべく日当たりのよい窓の大きな部屋にすることもありますが、隣家から丸見えになってしまう場合もあります。
それではカーテンを閉めっぱなしにして過ごすようになってしまいます。
お子さんは成長とともに部屋で過ごす時間も多くなるので、そのような点にも気配りして、窓の大きさや配置を決めていきましょう。
断熱性のない出窓
最近の住宅では出窓があまり見られなくなってきました。
たぶん、軒ゼロ住宅のようにシンプルで出っ張りのないデザインが好まれることが多くなったからでしょう。
出窓はディスプレイスペースとしても利用できて日当たりもよく、鉢植えを置くスペースとしても便利です。
しかしながら出っ張っているだけに、出窓の部分だけ熱や冷気がこもって室内と温度差ができてしまいます。
私の家の寝室も出窓を作ったのですが…
しっかりと断熱材を入れたにも関わらず、冬はその部分だけが寒くなり枕元に冷気が降りてきて寒いなんてことよくあります。
特に北側に設けた場合、冬は出窓の部分がとても冷えて結露が発生し、日中の日当たりもいまいちなので、下地の木材の劣化が早くなる場合もあります。
梅雨の時期にはカビが生えることもあるので、まめに手入れをして不衛生にならないようにしましょう。
また、暴風雨の時には雨音や風切り音がしてびっくりすることもあります。
シャッターもつけられないので台風の恐怖感が増す可能性があります。
寝室を出窓にするのは避けたほうが良さそうですね。
出窓は構造上、断熱性や気密性が低くなってしまうのでZEHが推奨されているこれからの住宅には不向きかもしれません。
隣との配置が悪い高窓
玄関や階段、リビングなどを吹き抜けにして高窓があると素敵ですよね。
視線が空まで抜けて開放感が得られます。
しかし、それがデメリットになってしまったというご家庭もあります。
1階のリビングに設けたものの、それより高い位置に隣のベランダがあり、丸見えになってしまったそうです。
高窓はプライバシー性が高いといわれますが、同時に建築中の家が完成してみたら配置が悪かったというケースです。
設計段階から隣の家の平面図や立面図をもらたり、写真からとなり家の模型も作ったりして自分の家の間取りを検討しましょう。
また、届かない窓の掃除やメンテナンスは職人さん用の高い脚立が必要になります。
一般家庭で行うのは危険なのでここはお金がかかってもプロにおまかせしましょう。
まとめ
今回は窓の位置で生活を快適にしたい人や窓の失敗事例を知りたい人に対して、
失敗しがちな窓の事例6パターンをご紹介してきました。
まとめると以下になります。
失敗しがちな窓の事例
・断熱性能の低い窓
・西側の掃き出し窓
・家具の配置を考えなかった窓
・ベッドの近くの掃き出し窓
・断熱性のない出窓
・隣との配置が悪い高窓
私の事務所兼自宅でも事務所部分には高窓を設けて冬場は光をとり込めるようにしています。
メンテナンスや日常の開け閉めは大変ですが、
冬場は日差しが入りとても暖かで、夏場は自然換気もしっかりできてとても快適に過ごせています。
窓の位置ひとつで生活が変わります。
窓を設計するときは、ケチらずにしっかりとお金をかけて高性能の窓を設置しましょう。
この記事が失敗しがちな窓に注意して快適に暮らせる手助けになってくれれば幸いです。
家のことで実際に体験した失敗談や成功談など、
こんな窓は失敗だったというコメントもお待ちしております。
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アーキトリック一級建築士事務所