その間取りで実現できる?素人が注文住宅の間取りを自分で考えるときの注意点
子供の頃、自分の部屋の間取りを描いて遊んだ人もいると思います。
間取りを考えるのは誰でもできます。
しかしながら、実際にその間取りで建物を建てられるのかということは別の問題です。
その間取りで実現できる?
間取りだけでは情報量が少ないので外観や空間のつじつまがあっていなかったりします。
間取りを考える時は高さ方向の空間をイメージしながら描くことが必要になります。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎建築の素人でも間取りを自分で考えたい人
▶︎間取りを考えるときの注意点を知りたい人
上記の方々に対して、素人が注文住宅の間取りを自分で考える時の注意点をご紹介します。
この記事が楽しんで自分の家の間取りを考える人のお役に立てれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
素人が間取りを考えるときの注意点
建築の素人が間取りを自分で考えるときの注意点は以下にな入ります。
素人が間取りを考えるときの注意点
・間取りと外観を同時に考える
・見えてこない空間を想像する
・部屋の広さは家具を配置する
・入ったつもりで動き回る
・尺モジュールで寸法を考える
間取りと外観を同時に考える
間取りを作る時に忘れがちになるのですが、間取りを考える時に外観も同時に考えることが大切です。
いくらいい間取りを考えたとしても、外観との整合性が取れていない間取りでは建築を建てることができないからです。
間取りをある程度考えたら、立体としてどのような外観にするのかを検討したり、
その逆で立体から間取りを考えたりと方法はたくさんあります。
間取りは平面図としての情報だけを描き記したものですので、実際の立体情報は省かれます。
どのように立体を想像すればいいの?
立体として間取りを捉えるためにはある程度訓練が必要だと思います。
模型を作ってみたり、スケッチアップなどの無料ソフトで3Dモデリングしてみたりするといいと思います。
まず最初は間取りだけでも構わないと思います。
徐々にどのような外観にしたいかを間取りを作りながら同時に考える癖をつけていきましょう。
見えてこない空間を想像する
前述しましたが、間取りは平面図としての情報だけを描き記したものですので、間取りで見えてこない空間を想像することも大切になります。
間取りで見えてこない空間とは、例えば階段下の空間や家具上部の空間、開口部上部のタレ壁など高さ方向の空間のことです。
どうやって見えてこない空間を想像すればいいの?
確かに最初は想像するのが難しいと思います。
建築をやっている私でも展開図を描かないと正確な空間を把握することは難しいです。
間取りを立体として想像できるかは建築空間をたくさん体験しないと想像する事はできないと思います。
そんな時は正面から見た高さ方向のスケッチを描いてみましょう。
何回も描いているうちに間取りが立体として捉えられるようになります。
部屋の広さは家具を配置する
間取りを描いていると時々、部屋の広さがわからなくなることがあります。
そんな時は間取りに家具を配置してみましょう。
家具の大きさは大体でいいのですが、
家具を間取りに描き込むとその部屋の大きさが広いのか狭いのかを把握することができるようになります。
置く家具がない場合はどうすればいいの?
そんな時は畳の数で広さを把握しましょう。
日本人には畳の帖数で大体の広さがわかる感覚が子供の頃から染み付いています。
和室がない家で育った子供にはその感覚があるかわかりませんが…
1帖が人が寝転がれる最低限の広さになります。
畳2枚分の広さが1坪となり約1820×1820の正方形の広さになります。
部屋の広さの感覚は相対的に決まる場合もあるので、家具を配置するとその大きさの関係で広く感じたり、狭く感じたりします。
入ったつもりで動き回る
間取りを描いたらその間取りに入ったつもりで動き回ってみましょう。
想像力が必要ですが、間取りに入ったつもりで動き回るとこの部分はもっと広くしたいやここはもう少し狭くしても大丈夫そうだなど、
自分の描いた間取りの広さや使い勝手を想像することができます。
間取りに入ったつもりで想像できない場合はどうすればいいの?
スチレンボードで模型を作るのが一番いいと思います。
模型を作ったら自分の身長と同じサイズの人型を作り、模型の内部に置いてみましょう。
模型を作らなくても間取りの上に自分と同じサイズの人型を作り、動かしてみましょう。
子供の頃のお人形遊びと同じ要領で想像力を働かせましょう。
部屋の広さや出入り口の位置などをチェックしつつ、
置きたい家具などをイメージしながら作るとより具体的な間取りを作ることができます。
間取りはあくまでも平面の情報なので高さ方向をしっかりとイメージしながら描くことが大切です。
尺モジュールで寸法を考える
尺モジュールで寸法を考えることも、間取りを早く作るには必要なテクニックです。
尺モジュールとは1尺=303mmとして、その倍数でスケールを決めていく考え方です。
6尺=1818mmが1間となります。
グリッドの寸法を1マス910mmで考えて、間取りを作ると尺モジュールの住宅にな入ります。
なんで尺モジュールで寸法を考えるの?
日本の建材メーカーが尺モジュールで材料を作っているので、尺モジュールで寸法を考えると材料ロスが少なくなるメリットがあるからです。
寸法を決めるときに尺モジュールを使うと、
例えば棚の奥行き150mmより大きくしたい場合、その上の寸法は
300mm→450mm→600mm→900mm
というようにキリのいい寸法で決めることができます。
慣れれば大きさを決めるのが早くなるので尺モジュールで寸法を考えるようにしましょう。
間取りを考える時に必要なもの
間取りを考えるときに必要なものは以下になります。
間取りを考える時に必要なもの
・iPadアプリのコンセプト
・三角スケール
・シャープペン
・クロッキー帳(10mm方眼マス)
・コピックベーシック36色
iPadアプリのコンセプト
コンセプト(iPadアプリ)
¥1,200(買い切り)
iPadとApple Pencilがあるのであれば、コンセプトというアプリで間取りを考えることがおすすめです。
コンセプトはサブスクよりもできれば買い切りで使う方がいいと思います。
ブラシやペンツールが豊富にあり、コピック全色が使えてお絵かきアプリとしてはとても優秀です。
手書き風の線も、真っ直ぐな線も、曲線だって滑らかな線が描けます。
定規ツールなどを使えばしっかりとした図面やパースなども描けてしまいます。
キャンバスが無限に広く使えるのでアイデアを描きためておけたり、
写真を貼り付けてそこにペンで描き込めたりと、使い方によってはコンセプトでプレゼン資料が作れてしまいます。
とりあえず無料で使ってみて、気に入ったら購入を検討してみましょう。
三角スケール
三角スケール 15cm
¥992
三角スケールは三角形の形をした定規のことです。
色々な縮尺の図面の寸法を測ることができます。
手書きで間取りを作る場合は三角スケールがないと寸法が測れないです。
また、設計事務所や工務店などで渡される図面の寸法を測るのにも必要になります。
スケールがあっていない間取りだと寸法をチェックすることができないので、ただの絵になってしまいます。
間取りを作ったり、寸法をチェックするためにまずは三角スケールを手に入れましょう。
シャープペン
シャープペン 0.9mm ステッドラー
¥1,084
私が使っているシャープペンは0.9mmの芯の太いものを使っています。
手書きで間取りを考えるときは太い芯のものの方が強調する壁が塗りやすかったりするのでおすすめです。
以前は2mm芯のホルダーを使っていたのですが、
芯削り器を持ち歩かなければならなかったりと打合せの時に不便だったので、太い芯のシャープペンに変えました。
間取りを考える時は色々な線を表現できた方がいいので、なるべく芯の太いものを使用した方がいいと思います。
クロッキー帳(10mm方眼マス)
クロッキー帳(10mm方眼マス)A4サイズ
¥594
クロッキー帳の10mm方眼マスのものが使いやすいです。
1マスを910mmと考えて間取りを作ると簡単に尺モジュールの間取りを作ることができます。
クロッキー帳は鉛筆のノリがよくとても描きやすいのでおすすめです。
学生の時はA4サイズのものを使っていました。
間取りを考える時に、前の間取りを透かして描くこともできる薄さなのでとても使いやすいと思います。
コピックベーシック36色
コピックベーシック36色
¥12,698
間取りに色をつけたい時はコピックがおすすめです。
フローリングや木質系の部分だけ色を塗ったり、家具に影を描いたりすると立体感のある間取りを描くことができます。
原色系のコピックはあってもあまり使わないので、最初に選ぶコピックはよく使うベーシック色のものがいいと思います。
間取りに影をつけたり光を表現すると立体としての空間を把握しやすくなるのでおすすめです。
まとめ
今回は建築の素人でも間取りを自分で考えたい人や間取りを考えるときの注意点を知りたい人に対して、
素人が注文住宅の間取りを自分で考える時の注意点をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
素人が間取りを考えるときの注意点
・間取りと外観を同時に考える
・見えてこない空間を想像する
・部屋の広さは家具を配置する
・入ったつもりで動き回る
・尺モジュールで寸法を考える
間取りを考える時に必要なもの
・iPadアプリのコンセプト
・三角スケール
・シャープペン
・クロッキー帳(10mm方眼マス)
・コピックベーシック36色
間取りは平面図としての情報だけを描き記したものです。
実際の空間では高さ方向のをイメージすることが必要になります。
見えてこない空間を想像しながら、自由に自分の好きな間取りを作ってみましょう。
この記事が楽しんで自分の家の間取りを考える人のお役に立てれば幸いです。
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