こんな間取りは暮らしにくい?一級建築士の私が考える悪い間取り6選
注文住宅を建てる際、間取りについてはとことんとことんこだわったほうがいいと思います。
間取りは簡単に変えられないからです!
ぜひ知ってもらいたいのは暮らしにくい間取りの例です。
暮らしにくい間取りってどんなものなの?
私が考える暮らしにくい間取りは以下のようなものになります。
暮らしにくい間取り
・部屋をたくさん作ってしまう
・吹き抜けがワイルドなリビング
・廊下がない
・玄関が狭い、暗い、匂いがこもる
・水回りに日当たりや風通しがない
・脱衣室を通るトイレ
などが考えられます。
もちろん、私の考えなので自分にはこの間取りは良いと思うものもあるかもしれませんが、
このような間取りになってしまったと時には気をつけたほうがいいことを記事でまとめてみました。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎暮らしにくい間取りを知りたい人
▶︎悪い間取りにしたくない人
上記の方々に対して、私が考える悪い間取りの例を6つご紹介します。
この記事が暮らしにくい間取りになることを避ける手助けになってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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暮らしにくい間取り
私が考える暮らしにくい間取りは以下のようなものになります。
暮らしにくい間取り
・部屋をたくさん作ってしまう
・吹き抜けがワイルドなリビング
・廊下がない
・玄関が狭い、暗い、匂いがこもる
・水回りに日当たりや風通しがない
・脱衣室を通るトイレ
部屋をたくさん作ってしまう
私が考える暮らしにくい間取りのひとつ目は、部屋をたくさん作ってしまうことです。
部屋がたくさんあると使い勝手が良いように思えますが、家の広さとの兼ね合いが大切だからです。
子供部屋を2部屋、夫婦の寝室、和室、書斎など…
30坪以下の注文住宅で5LDKになってしまうと各部屋が狭くなってしまい、使い勝手が悪くなります。
特に子供部屋は使用する期間に限りがあるので、注意が必要です。
初めから子供部屋を完全に独立した形で2部屋作ってしまうと、お子さんが小さい間はいいのですが、
大学生になって一人暮らしをする時期や成人して家を離れるようになった場合に部屋の自由度が限られてしまい納戸のようになってしまいます。
でも子供たちが自分の部屋が欲しいっていうんだけど…
それならば、最初から大きな1部屋にして子供の時の使用期間だけ仕切りを設けるほうが良いと思います。
子供部屋が本当に必要な時期は中学生から高校生、大学生くらいまでの6〜10年かもしれません。
子供の自立を促し、子供が家を出てからの夫婦の時間を大切にできる注文住宅のほうが暮らしやすいと私は思います。
それも考慮して間取りを考えることをおすすめします。
吹き抜けがワイルドなリビング
私が考える暮らしにくい間取りは、吹き抜けがワイルドなリビングです。
※ここでいうワイルドとは間取りで音や匂いのことに配慮のない間取りのことです。
吹き抜けは施工例などを見るとおしゃれで憧れますよね、ですが暮らしてみると意外なデメリットに悩まされることがあります。
吹き抜けのデメリットってどんなことがあるの?
リビングの吹き抜けのデメリットは以下になります。
リビングの吹き抜けのデメリット
・メンテナンスが大変
・光熱費が高くなる
・音や匂いが伝わりやすい
・2階が狭くなる
・耐震性が下がる
魅力的な吹き抜けを作るためにどうすればいいのかなどはこちらの記事をご参照ください↓
1階のリビングが吹き抜けになっていてその2階が吹き抜けに面して寝室になっている場合、
テレビの音やキッチンで食器を洗う音が2階に響いて気になってしまうことがあります。
また、吹き抜けだとテレビの音が上に抜けていくので聞こえづらくボリュームを上げてしまいがちになります。
そうなるといっそう2階がうるさくなってしまいます。
リビングが1階にある場合は吹き抜けを考えますが…
リビングを2階にすれば屋根断熱性能を高めることで天井をかなり高くでき、吹き抜けのような開放感が得られます。
日当たりもよく眺めも良くなるので2階リビングもおすすめです。
2階リビングについてはこちらの記事をご参照ください↓
廊下がない
私が考える暮らしにくい間取りは、廊下がない間取りです。
廊下は無駄な空間だと考えて省いてしまう間取りも多いですが、私はおすすめしていません。
LDKに面してトイレがある場合など不便な間取りになることが多いです。
廊下があるとどんないいことがあるの?
廊下の役割は以下のようなことが考えられます。
・匂いが遮れる
・音が伝わりづらくなる
・プライバシーを保てる
廊下がない間取りではLDKの奥に水回りを集約した間取りだと、
入浴中の水音やドライヤーの音がリビングまで響いたり、水回りの換気がうまくいかないこともあります。
また、廊下がないことによってひとつの空間が広くなるのは良いのですが、冷暖房などの光熱費が高くなってしまうことになります。
家族が多いご家庭ではなるべく居室を多く広くするために廊下を省きがちですが、
廊下があれば、来客時にお客さんと顔を合わせなくて自分の部屋に行けたりします。
家族が多ければなおのこと、プライバシーを保つために廊下があったほうがいいと思います。
玄関が狭い、暗い、匂いがこもる
私が考える暮らしにくい間取りは、玄関が狭い、暗い、匂いがこもる間取りです。
玄関は日当たりを優先するところではないので少し暗く、匂いもこもりがちな間取りが多いです。
他の空間をなるべく広くしようと考えるあまり、最小限のスペースになってしまった…
なんて後悔エピソードを聞くことがあります。
玄関ってどのくらいのスペースがあればいいの?
玄関はホールを含めて4人家族で1.5坪(3帖)の広さが標準だといわれています。
アパートやマンションから一戸建てに引っ越す際に玄関が広くなるというのは魅力的ですよね。
玄関の良い例は、
下足入れや収納棚を設置する場合に幅を広くとったほうがゆったりとした玄関になります。
一戸建ての場合は間口は1350mm以上は必要だと思います。
また少し狭くても玄関ホールに小窓を設けて採光や採風をとり、匂いのこもらないようにしましょう。
水回りに日当たりや風通しがない
私が考える暮らしにくい間取りは、水回りに日当たりや風通しがない間取りです。
洗面所、浴室、トイレなどは、日当たりを考えたときは隅の方においやってしまいがちです。
実は暮らしの中で使用頻度が高い部屋なので、ここに採光や採風がないと住み心地にかなり影響が出てしまいます。
マンションやアパートでは洗面所、浴室、トイレに窓がなかったけど…
マンションの場合、洗面所や脱衣室、浴室に窓がないこともありますが、注文住宅では窓を設けることができます。
これから20年、30年と暮らすマイホームを考える際に水回りの湿気は大敵になります。
壁にカビが生えたりすると健康にも良くありません。
やむを得ずそのような場所に水回りを持ってくるしかなかった場合には、
1階の場合は高いところに小窓を設置して開閉できるといいと思います。
また、思い切って2階に浴室や洗面所、ランドリールームをまとめる間取りもいいと思います。
2階であれば高窓や天窓などで光や風を取り込みやすくなります。
日当たりの良い場所に浴室や洗面所を設置するのはもったいないと考える方も多いのですが、
生活に欠かせない大切な場所なので優先順位は低くないと思います。
脱衣室を通るトイレ
私が考える暮らしにくい間取りは、脱衣室を通るトイレのある間取りです。
LDKに面してトイレのドアを見せたくない場合などこのような間取りになる場合があります。
どんなデメリットがあるの?
2階にもトイレがあればそれほど不便は感じないかもしれませんが、
入浴している間はトイレに入ったり洗濯したりできないデメリットがあります。
お子さんが小さいうちは気にせずに使用していても年頃になると気になります。
海外の住宅の間取りやホテルなどに憧れて、このようなトイレを望まれる人もいますが…
ひとり暮らしや夫婦2人ならいいかもしれませんが、子供や家族が多いと不便さを感じることが多くなります。
廊下を設けるなどトイレのドアを見せない間取りにするなど、トイレは脱衣室を通らないで使えるようにしたほうがいいと思います。
まとめ
今回は暮らしにくい間取りを知りたい人や悪い間取りにしたくない人に対して、
私が考える悪い間取りの例を6つご紹介してきました。
まとめると以下になります。
暮らしにくい間取り
・部屋をたくさん作ってしまう
・吹き抜けがワイルドなリビング
・廊下がない
・玄関が狭い、暗い、匂いがこもる
・水回りに日当たりや風通しがない
・脱衣室を通るトイレ
間取りは後からではなかなか変えるのが難しいので、とことんこだわったほうが自分にあったいい注文住宅ができます。
私の考える暮らしにくい間取りになってしまう前にしっかりと考えて、対策をしましょう。
この記事が暮らしにくい間取りになることを避ける手助けになってくれれば幸いです。
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