理想の暮らしを実現するために設計事務所に注文住宅を頼むメリットとデメリット

私は建築設計事務所を16年やっています。

友人や知り合いが住宅を建てるときに相談役になるのですが、

注文住宅を建てる際に、最初から設計事務所という選択肢がないことにいつもショックを受けています。

設計事務所に注文住宅を頼めるの?

注文住宅はハウスメーカーや工務店に頼むのが一般的になっていますが、

設計事務所でも注文住宅を専門にやっているところは多いです。

設計事務所に注文住宅を頼むとハウスメーカーや工務店に頼むよりも、オンリーワンの住宅を実現することができます。

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎設計事務所に注文住宅を頼もうとしている人

▶︎設計事務所に注文住宅を頼むメリットがわからない人

上記の方々に対して、設計事務所に注文住宅を頼むメリットやデメリットを紹介します。

この記事で設計事務所に注文住宅を頼むという選択肢を選ぶ人が少しでも増えてくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

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設計事務所の注文住宅のメリット

設計事務所の注文住宅のメリットは以下になります。

設計事務所の注文住宅のメリット

・間取りや仕様の自由度がある

・高い設計力とデザイン性

・特殊な敷地でも対応

・適正な建築費になる

・手抜き工事を許さない

間取りや仕様の自由度がある

設計事務所の注文住宅のメリットは、間取りや仕様の自由度があることです。

設計事務所の注文住宅では敷地条件をもとにいちから間取りや仕様を決めていくからです。

例えば、ハウスメーカーの場合など基本プランがあり、それを敷地に当てはめていくのですが、

設計事務所の場合は、何も書かれていない状態から敷地に建物の線を描き始めます。

何もないところからだと遅くならない?

確かに基本プランがある方が早いかもしれませんが、

敷地の特徴をしっかりと捉えエスキースをした方が、その敷地にあった建物を設計することができます

また仕様の自由度があるので、既製品を使わないでオーダーメイドで家具や造作を作ることができます。

その敷地にあったオーダーメイドの住宅を作るには、間取りや仕様の自由度があることが必要だと思います。

高い設計力とデザイン性

設計事務所の注文住宅のメリットは、高い設計力とデザイン性があることです。

設計事務所では日頃から美的センスを磨いている建築家が多く在籍しているからです。

実際に、住宅の外観デザインは設計する人のセンスに左右されるところが大きいです。

デザインの良し悪しってどうやっ見分けるの?

デザインの良し悪しは、ぱっと見で感じる印象でわかると思います。

設計事務所のデザインは小手先だけのかっこよさではなく、構造からできる内部空間の面白さがあります。

ハウスメーカーや工務店の住宅だとカッコいい外観でも内部空間の面白さにつながっていない住宅が多いです。

よって、内部空間の面白さやデザイン性の高い注文住宅を望むのであれば、設計事務所に頼んだ方がいいと思います。

特殊な敷地でも対応

設計事務所の注文住宅のメリットは、特殊な敷地でも対応できることです。

設計事務所の注文住宅はハウスメーカーとは間取りの自由度が格段に違うからです。

特殊な敷地の場合は設計事務所に頼んだ方がいい理由についてはこちらの記事をご参照ください↓

例えば、狭い敷地で大きなリビングが作れない場合でも、

設計事務所では暮らし方の視点を変えてリビンを必要としない間取りを提案することもできます。

暮らし方の視点を変えるってどういうこと?

普通は当たり前のことでもそれが本当に必要なのかを根本から考え、その土地にあった暮らし方の最適解を求めることです。

暮らし方自体を考え直すことで、他とは違った自分達の暮らしにあった注文住宅を実現することができます。

適正な建築費になる

設計事務所の注文住宅のメリットは、適正な建築費になることです。

実施設計が終わった段階で施工会社から相見積もりをとり競わせることで施工会社を決めるからです。

相見積もりの重要性についてはこちらの記事をご参照ください↓

この相見積もりをとって競わせることが適正な建築費で工事を進めるためにはとても重要なことになります。

施工会社は当然ですが、会社の利益が取れる工事を見積の中に素人目にはわからないように潜ませてきます

その工事が適正な価格なのかは他社と比較してみないとわからないのは当然だと思います。

相見積もりってどうやってとるの?

ハウスメーカーや工務店の場合も見積もりを取って比較すればいいと思いがちですが…

ハウスメーカーや工務店の見積もりを比較しても、そもそもプランが違ったり、選んでいる仕様が違かったりして正確に比較することができません

しっかりと比較して適正な建築費で工事をしたいのであれば、施設計をして比較する以外にないと思います。

手抜き工事を許さない

設計事務所の注文住宅のメリットは、手抜き工事を許さないことです。

設計事務所に設計・監理をお願いすると施主と施工会社以外の設計事務所という第三者が工事に関わってくるからです。

この第三者である設計事務所の監理はとても重要な役割だと思います。

工事監理についてはこちらの記事をご参照ください↓

第三者が工事に関わってくると何が違うの?

設計事務所が工事監理者になった場合は、施主側の意見と施工会社の意見が対立してしまった場合にその調整役をしてくれたり、

施工会社にしっかりとした工事を行うように監理してくれます。

ハウスメーカーや工務店など下請けの業者の質は正直なところまちまちです。

しっかりと施工してくれる業者ならいいのですが、そうでない場合もあります。

そんな場合でも、第三者の目が監理してくれれば、抜き工事など許すはずもなく設計図通りの品質で作ることが可能になります。

設計事務所の注文住宅のデメリット

設計事務所の注文住宅のデメリットは以下になります。

設計事務所の注文住宅のデメリット

・完成まで時間がかかる

・沢山の選択肢があり迷う

・住宅展示場がない

・工事金額がすぐに分からない

・担当者との価値観の違い

完成まで時間がかかる

設計事務所に注文住宅を頼む際の一番のデメリットは、完成までに時間がかかることです。

完成までになぜ時間がかかるのかはこちらの記事をご参照ください↓

完成を早くすることを全て行なったとしても、

・基本設計→3ヶ月
・実施設計→1ヶ月
・相見積もり→1ヶ月
・工事期間→5ヶ月


トータル10ヶ月は最短でもかかる計算になります。

設計事務所に急いでもらうことはできないの?

早く完成したいからといって、基本設計や工事期間を短くすることはあまりお勧めではありません

こだわりの注文住宅を実現させるための時間を削ることになり、設計事務所に頼むメリットがなくなってしまうからです。


完成までに時間が取れないのであれば、ハウスメーカーや工務店にお願いした方がいいと思います。

設計事務所をあまり急がせても、いい仕事ができないので断られる場合が多いです。

沢山の選択肢があり迷う

設計事務所に注文住宅を頼む際のデメリットは、沢山の選択肢があり迷ってしまうことです。

なかなか決められない人に沢山の選択肢があると迷ってしまうことがあるからです。

沢山の選択肢があることが逆にデメリットになるなんてことよくあります。

設計事務所の注文住宅では展示場やモデルハウスのように実物を目にすることができないのもその理由です。

実物を見れれば迷わないようになるの?

メーカーのショールームで実物を見たとしても実際に自分の住宅に合っているのか完璧にイメージできる人は少ないと思います。

造作家具などは実物を作るまで図面やパースで確認しなければならないのでなかなか決められないなんてことが多いです。

そんな場合は、設計事務所にある程度まかせましょう

設計事務所は何件も住宅を作っているプロ集団です。

設計事務所に選択肢を絞ってもらいその中から選ぶというスタンスに変えれば自分のこだわりを実現する満足感が得られ、選ぶストレスから解放されます。

住宅展示場がない

設計事務所に注文住宅を頼む際のデメリットは、住宅展示場がないことです。

もちろん設計事務所でもオープンハウスのように引渡し間近の住宅を一般に開放して見学する機会を作る場合もありますが、

実物を確認できないのはできるまで設計した注文住宅をイメージすることが難しいので不安に思うお客さんが多いです。

実際にできるものがイメージできなければ不安じゃない?

そんな不安を解消するために設計事務所では建築模型や外観パース、内観パースなどを用いてイメージしてもらう努力をしています。

設計事務所を選ぶ際もしっかりとイメージを伝える努力をしてくれる設計事務所を選んだ方がいいと思います。

設計事務所にも色々と特徴があるのですが、ファーストプレゼンは無料のところが多いです。

お試しでプランを作ってもらうなど、決める際は十分に設計事務所の特徴を吟味してから頼むようにしましょう。

工事金額がすぐに分からない

設計事務所に注文住宅を頼む際のデメリットは、工事金額がすぐに分からないことです。

住宅設計を専門に行なっている設計事務所の場合は、独自で坪単価いくらの仕様などを作っているので、

設計事務所がクライアントの予算を大きく超える工事金額になることはないと思います。

予算を超える工事金額になる場合ってどんな時?

設計事務所が初めて使う工法や仕様の場合は工事金額が大きくずれることはあります。

また、デザインに特化した設計事務所や住宅設計をあまりやっていない設計事務所の場合は、建築のコスト感覚がない設計をしてしまう場合があります

建築のコスト感覚がある設計事務所の見分け方は、開設者や担当が設計施工を行う会社や、建設会社、工務店で働いた経験があるかないかで判断できます。

設計事務所を選ぶときに担当者の経歴などそれとなく聞いてみるといいと思います。

担当者との価値観の違い

設計事務所に注文住宅を頼む際のデメリットは、担当者との価値観の違いがある場合です。

大きな設計事務所に頼むと設計担当する人によって当たり外れがあります。

設計事務所の担当者との価値観の違いがあり、自分のこだわりが理解されずに残念な設計になってしまう場合があります

担当者を変えてもらうことはできないの?

担当者をすぐに変えてもらえればいいのですが、設計事務所にも都合がありなかなかすぐには対応できないと思います。

住宅に対しての価値観の違いは、設計する際に何を気おつけなければならないのかなど寸法設定や仕上げの選択など様々なところで違いによるズレが現れてきます

住宅設計をしている人なら価値観が違ったとしても、想像力を働かせて設計することは可能なのですが…

設計事務所自体に根本的な価値観の違いがある場合は、お断りして他の設計事務所を探しましょう。

まとめ

今回は設計事務所に注文住宅を頼むメリットがわからない人に対して、設計事務所に注文住宅を頼むメリットやデメリットを紹介してきました。

まとめると以下になります。

設計事務所の注文住宅のメリット

・間取りや仕様の自由度がある

・高い設計力とデザイン性

・特殊な敷地でも対応

・適正な建築費になる

・手抜き工事を許さない

設計事務所の注文住宅のデメリット

・完成まで時間がかかる

・沢山の選択肢があり迷う

・住宅展示場がない

・工事金額がすぐに分からない

・担当者との価値観の違い

注文住宅はハウスメーカーや工務店に頼むのが一般的になっていますが、

設計事務所でも注文住宅を専門にやっているところは多いです。

設計事務所に注文住宅を頼むとハウスメーカーや工務店に頼むよりも、オンリーワンの住宅を実現することができます。

この記事で設計事務所に注文住宅を頼むという選択肢を選ぶ人が少しでも増えてくれれば幸いです。

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