何を準備すればいいの?土地がある場合の注文住宅で準備すること

持っている土地に注文住宅を建てたいけど、何から始めたらいいのかわからない人って多いと思います。

何を準備すればいいの?

土地の測量図面や境界確定の他に土地の情報を調べておきましょう

不動産登記されている土地なら法務局に行けば地積測量図などが手に入りますが、

登記されていない土地の場合は土地家屋調査士に依頼する必要があります。

土地の境界確定など時間と手間がかかるので早めに準備しておいた方がいいです。

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎土地はあるけど何を準備すればいいのかわからない人

▶︎持っている土地に注文住宅を建てたい人

上記の方々に対して、土地がある場合の注文住宅で準備することをご紹介します。

この記事で土地がある場合に適切に準備を進められるようになってくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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土地がある場合に準備すること

土地がある場合に準備することは以下になります。

土地がある場合に準備すること

・地積測量図を作成する

・土地の高低差を測量する

・土地の境界確定をする

・土地の地目を調べる

・土地の情報を整理する

地積測量図を作成する

土地がある場合に準備することのひとつ目は、地積測量図を作成することです。

地積測量図とは地積の測量結果を明らかにする法的な図面のことです。

※地積とは土地の面積のことです。

注文住宅の図面(配置図や平面図など)を作成するのに必要になる図面です。

登記された土地の場合は法務局に行けば手に入りますが…

昭和30年代後半の不動産登記法改正前の土地の場合は地積測量図の添付義務がなかった為、法務局に地積測量図がない場合が多いです。

地積測量図がない場合は、土地家屋調査士に依頼して地積測量図を作成してもらいましょう。

現況測量の場合の費用は土地の大きさや形、構造物や障害物によりますが、通常の費用は10万円~で、期間は早ければ1日で終わります。

接している道路の種類や地域性により、広い範囲の道路測量や道路を挟んだ先の土地まで測量が必要なこともあり、費用も時間もかかる場合があります。

土地の高低差を測量する

土地がある場合に準備することは、土地の高低差を測量することです。

地積測量図があっても土地の高低差までは記載されていないので、測量する必要があります。

土地の高低差がある場合にはしっかりと測量事務所に依頼して測量してもらいましょう。

見晴らしがよく高低差が2メートル以内であれば設計事務所や工務店の業務の範囲内で測量してくれるところもあります。

土地家屋調査士に依頼して地積測量図を作成してもらうときに土地の高低差もしっかりと測量してもらいましょう。

土地の境界確定をする

土地がある場合に準備することは、土地の境界確定をすることです。

土地の境界が曖昧だと建築基準法に適合しているのかの確認できないために、配置図を作成することができないからです。

登記された土地の場合は境界確定されているので土地の境界標があります。

登記されていない土地の場合は、境界測量、境界立会い、確定測量が必要になるので費用と時間がかかります

確定測量の費用は

・一般的な住宅用地なら約40~50万円

・市区町村の道路や水路などに接している場合は約50~60万円

・国道などに接している場合は約60~80万円

そのほかにも、その土地の条件によって費用が増えることもあります。
(まれに100万円を超えることも)

また、境界立会いは全隣接者の立会確認書への署名捺印が必要になるため、それぞれの都合によって日数がかかる場合があります。

自分の土地はしっかりと境界標があるのかどうかを確認しておきましょう。

土地の地目を調べる

土地がある場合に準備することは、土地の地目を調べることです。

土地の地目が「宅地」ならいいのですが、「田・畑」の場合は農地転用の必要性があるからです。

土地には23種類の地目がありますが、その中でも建物を建てられるのは「田・畑・宅地・山林・原野・雑種地」の6種類です。

このうち「宅地・山林・原野・雑種地」の4つには建物を建設することができます。

「田・畑」も宅地に農地転用すれば建物が建てられるようになります。

農地転用は農業委員会の許可が必要となるなど、手続きが複雑になるため、基本的には行政書士に依頼する必要があります。

土地家屋調査士に相談すると、行政書士を紹介してくれます。

また、土地家屋調査士と行政書士のダブルライセンスを持っている場合もあります。

土地の情報を整理する

土地がある場合に準備することは、土地の情報を整理することです。

その土地にはどんな規制があるのかをあらかじめ知っておくと注文住宅を設計する際に役立つからです。

土地の情報は市役所の都市計画課に行けば教えてくれます。

聞いておくことは以下になります。

・区域区分
・用途地域
・建ぺい率
・容積率
・高さ制限
・日影規制
・防火、準防火地域
・都市計画道路
・その他の地域について
・景観条例の有無など


などです。

窓口に行けば概要をまとめたものを印刷してくれるところもあります。

また、接道している道路の名称や種類、幅員(道路の幅)や下水道の有無なども一緒に聞いておきましょう。

こちらは道路課、上下水道局などに行けば教えてくれます。

それらの資料を整理しておくと基本設計にとても役に立つので準備しておきましょう。

先に準備しておくメリット

上述したことを先に自分で準備しておくと以下のメリットがあります。

先に準備しておくメリット

・どこに頼むのか選択肢が増える

・安い費用でできる

・基本設計が早く進む

どこに頼むのか選択肢が増える

自分で先に準備しておくと、注文住宅をどこに頼むのか選択肢が増えます。

自分で上述したことを準備した場合は自分の費用で行うので問題ないのですが…

それを工務店に頼んでしまった場合、費用が発生する場合があるので注文住宅を工務店に頼むしか選択肢がなくなってしまう場合があります。

最初は工務店にたのもうと思ったけど、いい設計が出てこなくて、

後から設計事務所にしたくなった場合など問題が生じることがあります。

自分で準備して自分で費用を負担すれば、そのような問題は生じなくなります

よって、その準備したものを元にハウスメーカ、工務店、設計事務所に設計を依頼するという選択肢が増えることになります。

安い費用でできる

自分で先に準備しておくと、注文住宅が安い費用できます。

最初に地積測量図や高低差の測量、境界確定まで終わっていれば、その分の費用がかからないからです。

工務店や建設会社にそれらを頼むと管理費や諸経費などが上乗せされて高くなる場合があります。

自分で土地家屋調査士に直接依頼した方が安くなるので、自分で先に準備できることはしてしまいましょう。

基本設計が早く進む

自分で先に準備しておくと、基本設計が早く進めることができます。

土地の情報などをしっかりと整理しておくとそれが基本設計にとても役に立ち時間短縮になるからです。

農地転用などが必要な場合は費用と時間がかかり申請手続きが複雑になりますが、

必要かどうかがわかっていれば、農業委員会が開かれる日程に合わせてスケジュールが立てられるので設計作業を早く進めることができます。

設計での間取りに悩むことも重要ですが、基本設計を早くしたいのであれば、

自分で先に準備しておくことも必要だと思います。

まとめ

今回は土地はあるけど何を準備すればいいのかわからない人や持っている土地に注文住宅を建てたい人に対して、

土地がある場合の注文住宅で準備することをご紹介してきました。

まとめると以下になります。

土地がある場合に準備すること

・地積測量図を作成する

・土地の高低差を測量する

・土地の境界確定をする

・土地の地目を調べる

・土地の情報を整理する

先に準備しておくメリット

・どこに頼むのか選択肢が増える

・安い費用でできる

・基本設計が早く進む

登記された土地で地積測量図が法務局で手に入ればいいのですが、

手に入らなかった場合は土地家屋調査士に依頼してしっかりと土地を測量してもらいましょう。

先に自分で依頼すれば安くなったり、設計を依頼する選択肢が増えるなどのメリットがあるので、

自分でできることは自分で先に準備しておきましょう。

この記事で土地がある場合に適切に準備を進められるようになってくれれば幸いです。

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