その間取りで大丈夫?できるだけ避けたい平屋の間取り5選
私は注文住宅の設計を16年ほどやってきましたが、平屋の間取りを作るのは2階建てや3階建てを作るより難しいと感じています。
平屋は間取りの良し悪しが暮らしやすさにダイレクトに影響します。
できるだけ避けたい平家の間取りって?
この記事にあげるできるだけ避けたい平家の間取りだと生活しずらいので、間取りを作るときに細かなところまで配慮が必要になります。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎平屋の間取りをどうしようか迷っている人
▶︎平屋の間取りにして後悔したくない人
上記の方々に対して、できるだけ避けたい平屋の間取りを5つと平屋のメリットとデメリットを紹介します。
この記事で平屋にして後悔するひとが少しでも減ってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
平屋のメリットとデメリット
平屋のメリットとデメリットの代表例を挙げてみます。
もちろんこれだけではないと思いますが、あくまでも参考まで…
平屋のメリット
平屋のメリットは以下になります。
平屋のメリット
・地震に強い
・大空間が実現できる
・バリアフリーに適している
・家族とのコミュニケーションが増える
・自然を身近に感じられる
・地震に強い
平屋は高さがない分、地震による揺れが少ないので地震に強いです。
・大空間が実現できる
上には屋根しか乗っからないのでかかる荷重が少なく、大スパンの梁を用いて大空間が実現できます。
・バリアフリーに適している
平屋は1階に全ての空間があるのでバリアフリーに適しています。
・家族とのコミュニケーションが増える
1階に全ての部屋があるので家族と顔を合わせる機会が多くなり、家族とのコミュニケーションが増える傾向があります。
・自然を身近に感じられる
縁側を作ることですぐに外の庭に出れるので自然を身近に感じることができます。
平屋のデメリット
平屋のデメリットは以下になります。
平屋のデメリット
・プライベートな空間を確保しづらい
・部屋を増やすには敷地が必要
・日当たりの確保が難しい
・基礎と屋根工事が2階建に比べて高い
・周りの住環境からの影響が大きい
・プライベートな空間を確保しづらい
1階に全ての空間があるので家族と顔を合わせやすく、プライベートな空間を確保しずらいです。
・部屋を増やすには敷地が必要
部屋を増やせばその分だけ敷地面積が必要になります。
・日当たりの確保が難しい
平屋は中央や北側の日当たり確保が難しいです。
・基礎と屋根工事が2階建に比べて高い
基礎と屋根の面積が2階建てに比べて2倍に増えるので工事費用が高くなります。
・周りの住環境からの影響が大きい
周りの建物が2階建てや3階建てだと家の中が丸見えになってしまう場合があります。軒や庇を深くするなどの対策が必要です。
避けたい平屋の間取り5選
できるだけ避けたい平屋の間取りは以下の5つになります。
避けたい平屋の間取り5選
・洗面所と寝室の入り口が近い
・書斎がリビングの一角にある
・小さな部屋をいくつも作る
・廊下がない
・風通しと採光が取れない
洗面所と寝室の入り口が近い
できるだけ避けたい平屋の間取りのひとつ目は、洗面所と寝室の入り口が違い間取りです。
夜寝ている時にシャワーやドライヤーの音が聞こえると目が覚めてしまうからです。
子供が大きくなると深夜まで起きているので夜中にシャワーの音で目が覚めてしまう…
なんてことよくあります。
高齢になると眠る力が衰えて、睡眠が浅くなるため物音がするとすぐに目が覚めてしまいます。
生活する時間帯が違う場合は難しいんじゃない?
確かに家族の生活する時間帯が合わないと生活音はとても気になると思います。
しかしながら、夫婦の寝室と洗面所や風呂を離した間取りにしたり、間に物置を作ったりすることで音が気にならなくなります。
家族の生活する時間帯が合わないとシャワーやドライヤーの音が気になるのでできるだけ離した間取りにしましょう。
書斎がリビングの一角にある
できるだけ避けたい平屋の間取りは、書斎がリビングの一角にある間取りです。
書斎がリビングの一角にあると子供の遊び場になったり、いつのまにか物置化してしまったりします。
また、リモート会議などしていると家族の声や姿が丸見えになってしまう場合があります。
ひとりで寂しいのでリビングの一角がいいんだけど…
確かにリビングの一角にあれば、家族の目線や声が届くので寂しさはありませんが、
書斎では集中して本を読んだり、調べ物をしたり、趣味に没頭したりする人がほとんどだと思います。
書斎はなるべくリビングから離れた場所に作ったり、夫婦の寝室の奥に作るなどの間取りにしましょう。
また、スキップフロアで書斎を作ると目線の高さが違うので、リビングと適度な距離感の書斎を作ることができます。
小さな部屋をいくつも作る
できるだけ避けたい平屋の間取りは、小さな部屋をいくつも作る間取りです。
平屋は構造的に解放感のある大空間ができるといったメリットがなくなってしまうからです。
部屋が増えれば照明やエアコン、収納などがそれぞれの部屋に必要になります。
また部屋をいくつも作るとそれだけ広い面積が必要となりトータルコストが上がってしまいます。
子供部屋は人数分欲しいんだけど…
子供部屋は出入口を2つ作っておき、必要になったら家具などで間仕切るようにしましょう。
また、LDKなどは壁を最小限にしてひとつの空間にするなど、耐震性に影響のない壁はなるべく作らない方が建築コストが抑えられます。
廊下がない
できるだけ避けたい平屋の間取りは、廊下がない間取りです。
平屋は生活音が伝わりやすく、匂いについても同様に伝わりやすいからです。
廊下があれば、
・音や匂いが伝わりにくくなる
・生活動線が交差しにくくなる
・プライベート空間を確保できる
などのメリットがあります。
メリットはわかるけど廊下の面積が無駄じゃない?
確かに廊下がなければその分、部屋を大きくすることができます。
しかしながら、廊下がないとリビングからトイレや洗面所、寝室などの出入口が丸見えになってしまいます。
廊下が無駄にならないように廊下に収納や本棚を設けるなど間取りを工夫しましょう。
風通しと採光が取れない
できるだけ避けたい平屋の間取りは、風通しと採光が取れない間取りです。
風通しと採光がうまく取れなければ北側が暗くて湿気の多い場所になってしまうからです。
平屋だとどうしても中央や北側の部屋が暗くなりがちです。
北側を寝るだけの部屋にすれば風通しと採光は関係ないんじゃない?
確かに、一年中窓を閉めっぱなしでエアコンで温熱環境をコントロールしている住宅が多くなっているので、
風通しや採光について昔ほど必要性を感じないかもしれません。
しかしながら、風通しが良いと部屋は一瞬で換気できたり、日当たりがいいとエアコンなしでも暖かだったりします。
平屋の間取りを考える際にはしっかりと風通しや採光のことを考えた方が電気代などの光熱費が抑えられると思います。
コの字、くの字、L字などの間取りにして中庭を設けどの部屋からも光と風を取り込める間取りにしましょう。
また、フェンスなどで光が入ってこない場合は高窓を設けて風通しと採光を考慮する方法もあります。
まとめ
今回は、平屋の間取りをどうしようか迷っている人や平屋の間取りにして後悔したくない人に対して、
できるだけ避けたい平屋の間取りを5つと平屋のメリットとデメリットを紹介してきました。
まとめると以下になります。
平屋のメリット
・地震に強い
・大空間が実現できる
・バイアフリーに適している
・家族とのコミュニケーションが増える
・自然を身近に感じられる
平屋のデメリット
・プライベートな空間を確保しづらい
・部屋を増やすには敷地が必要
・日当たりの確保が難しい
・基礎と屋根工事が2階建に比べて高い
・周りの住環境からの影響が大きい
避けたい平屋の間取り5選
・洗面所と寝室の入り口が近い
・書斎がリビングの一角にある
・小さな部屋をいくつも作る
・廊下がない
・風通しと採光が取れない
平屋の間取りは難しいので上記の避けたい平屋の間取りになってしいがちです。
しっかりと設計段階で細かなところまで配慮して間取りを考えましょう。
この記事で平屋にして後悔するひとが少しでも減ってくれれば幸いです。
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