狭小住宅でも大丈夫?老後の暮らしを豊かにする狭小住宅の間取りの工夫

老後の暮らしを豊かにするために狭小住宅を検討している人は多いと思います。

終の住処ともいえるコンパクトな狭小住宅で老後を静かに過ごすことはとてもいい考えだと思います。

狭小住宅でも大丈夫なの?

狭小住宅でも夫婦2人が暮らすには十分な住宅が実現できます。

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎老後は夫婦2人で狭小住宅を終の住処にと考えている人

▶︎狭小住宅で暮らしを豊かにする間取りを考えている人

上記の方々に対して、建坪が25坪以下の夫婦2人が暮らせる狭小住宅の間取りを紹介します。

この記事で老後の暮らしを豊かにする終の住処をイメージしてもらえれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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狭小住宅について

狭小住宅の明確な定義はないのですが、老後のことを考えると狭小すぎても住みずらくなってしまいます。

老後の暮らしを豊かにする狭小住宅について考えてみたいと思います。

狭小住宅とは

狭小住宅の定義はWikipediaによると、一般に約15坪(50m2)以下の土地に建てられる住宅が狭小住宅と呼ばれているとしています。

この場合、建ぺい率80%としても建坪が12坪となり、3階建てのようなとても住みずらい住宅ができてしまいます。

老後の狭小住宅を考えると平家で建坪が20〜25坪以下、坪単価70〜80万円で2,000万円以下が妥当な線だと思います。

建坪が25坪の建物が建つための土地は建ぺい率50%として50〜60坪は必要になります。

よって、この記事では老後の狭小住宅として以下の条件をもとに終の住処を考えてみたいと思います。

・建築面積20〜25坪以下
・敷地面積50〜60坪以下

老後のための資金計画

老後のための資金計画は40代から考えないと間に合わないと思います。

具体的な計画についてはこちらの記事をご参照ください↓

上の記事では子供が独立して家を出たら自宅を売却して安い賃貸に引っ越すことで老後の資金を調達することを勧めています。

30代で家を建ててしまうと住宅ローンの返済や教育費などで貯蓄どころではないと思いますが…

子供が独立して家を出る40代のタイミングで自宅を売却して安い賃貸に引っ越せば、

計算上は退職金(平均約1,600万円)と合わせて3,160万円は貯蓄に回せる計算になります。

終の住処を狭小住宅にするメリット

終の住処を狭小住宅にするメリットは以下になります。

終の住処を狭小住宅にするメリット

・修繕費が安い
・光熱費が安い
・掃除が楽
・移動が楽

終活のことを考えると暮らし方をコンパクトにした方がいいと思います。

修繕費が安い
小さい平家だと「家の修繕費」が格段に安くなります。

修繕の時に足場を組む必要がないからです。

光熱費が安い
小さい平家だと光熱費(電気代や水道代、ガス代など)が安くなります。

いまでは当たり前のように高気密高断熱の家が作れます。

床面積を小さくすれば床下エアコン一台で冬場でも暖かで過ごせます

掃除が楽
小さな平家だと掃除が楽になります。

平家でバリアフリーの段差のない家なら、ルンバなどのロボット掃除機が家中をお掃除してくれます。

移動が楽
小さな平家だと移動が楽になります。

平家でバリアフリーの段差のない家にすれば、つまづいたりする心配もなくなります。

また、2階への上り下りがなくなるので移動が楽になります。

狭小住宅の間取りの紹介

老後の暮らしを豊かにする狭小住宅の間取りについて考えてみました。

建坪が25坪の基本プランになります。

このプランで狭小住宅の生活をイメージできれば幸いです。

Type A

Type A
建築面積:22.25坪
敷地面積:56.01坪

北入りを想定した間取りになります。

LDKは24帖あり、夫婦2人が暮らすには十分広さになります。

寝室は8帖ありますが1部屋しかないので1LDKのプランになります。

あと2坪あれば4.5帖の部屋が2部屋でき2LDKになります。

坪単価70万円で建てたとして1,558万円となります。

Type B

Type B
建築面積:23.50坪
敷地面積:56.01坪

東(西)入りを想定した間取りになります。

LDKは25帖あり、夫婦2人が暮らすには十分広さになります。

寝室は8帖ありますが1部屋しかないので1LDKのプランになります。

南側のウッドデッキでゆっくりとお茶を飲みながらくつろげるスペースになっています。

坪単価70万円で建てたとして1,645万円となります。

Type C

Type C
建築面積:23.00坪
敷地面積:56.01坪

南入りを想定した間取りになります。

LDKは25帖あり、夫婦2人が暮らすには十分広さになります。

寝室は8帖ありますが1部屋しかないので1LDKのプランになります。

あと2坪あれば4.5帖の部屋が2部屋でき2LDKになります。

坪単価70万円で建てたとして1,610万円となります。

老後の生活を考えると2,000万円以下で建てるのがベストだと思います。

老後の暮らしを豊かにするアイデア

老後の暮らしを豊かにするアイデアとして以下のこと取り入れて考えましょう。

老後の暮らしを豊かにするアイデア

・平家であること
・全てにおいてバリアフリー
・中庭を作る
・勾配天井で空間を広く見せる
・空間を区切らない

平屋であること

老後の暮らしを豊かにするためには平家であることが必要だと思います。

歳をとると階段の上り下りはきつくなるからです。

建坪が25坪以下の間取りで、スキップフロアやロフトを作れば収納をもう少し増やせるのですが、

スキップフロアやロフトを作ってもそこにものを運び入れることが難しいと思います。

老後の暮らしを考えると平家であることは必須条件だと思います。

全てにおいてバリアフリー

老後の暮らしを豊かにするためには全てにおいてバリアフリーであることが必要だと思います。

快適に暮らすために障害となるものがあると暮らしていて不便さを感じてしまうからです。

全てにおいてバリアフリーとは床の段差や出入口の幅だけでなく、

温熱環境や掃除のしやすさなども考慮することが必要です。

終の住処をバリアフリーにするための注意点についてはこちらの記事をご参照ください↓

中庭を作る

老後の暮らしを豊かにするためには中庭を作ることが必要だと思います。

植物に囲まれた生活をすると季節のうつろいや自然を身近に感じることができるからです。

また、中庭を作ることで部屋に2ヶ所以上の開口部がでるので風通しが良くなります。

最近では1年中窓を締め切って生活することを想定いて住宅が作られていますが、

春秋の陽気のいい日には開口部を開けて外の空気を取り入れるのはとても気持ちがいいです。

勾配天井で空間を広く見せる

老後の暮らしを豊かにするためには勾配天井で空間を広く見せることが必要だと思います。

勾配天井で空間を広く高く見せることができると普段の生活に高揚感が生まれ楽しく暮らすことができるからです。

マンションではなくせっかく平家に住むのであれば勾配天井をうまく作り、

空間的な面白さを楽しみましょう。

空間を区切らない

老後の暮らしを豊かにするためには空間を区切らないことが必要だと思います。

LDKが一体の空間は建坪からは考えられない広さを感じることができるからです。

広々とした空間はゆったりと静かに時を過ごすのにはとても良い環境だと思います。

狭小住宅の場合はなるべく広くみせることが必要なので部屋で区切らない工夫が必要です。

まとめ

今回は老後は夫婦2人で狭小住宅を終の住処にと考えている人や狭小住宅で暮らしを豊かにする間取りを考えている人に、

建坪が25坪以下の夫婦2人が暮らせる狭小住宅の間取りを紹介してきました。

まとめると以下になります。

■老後の狭小住宅
・建築面積20〜25坪以下
・敷地面積50〜60坪以下

■老後のための資金計画
老後のための資金計画は40代から考えないと間に合わない

終の住処を狭小住宅にするメリット

・修繕費が安い
・光熱費が安い
・掃除が楽
・移動が楽

老後の暮らしを豊かにするアイデア

・平家であること
・全てにおいてバリアフリー
・中庭を作る
・勾配天井で空間を広く見せる
・空間を区切らない

建坪が25坪以下の建物を建てる時には、土地が60坪ないと車が置くスペースが作れないと思います。

土地の坪単価25万円とすると60坪で1,500万円は土地代にかかります。

建物にかけるお金を2,000万円以下におさえても、総額で3,000〜3,500万円かかる計算になります。

これが高いと思うのかは人それぞれだと思いますが、40代から行動を起こせば手の届く範囲だと思います。

狭小住宅に住むメリットを考えると、子供が独立しても同じ住宅にそのまま住み続けるより、

今の自分の生活スタイルに合わせて狭小住宅を終の住処にするほうが老後の暮らしを豊かにすることができると私は思います。

この記事で老後の暮らしを豊かにする終の住処をイメージしてもらえれば幸いです。

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