アーティストとデザイナーの違いから建築家に必要な能力とは

ものづくりの現場ではデザイナーやアーティスト、建築家、建築士など様々なタイプの人間がかかわっています。

ものを作っている仕事で
デザイナーやアーティスト
建築家ってよく聞くけど
違いってあるの?

今回はそんな様々なタイプの人間がどのようなことを考え行動しているのかなどご紹介することで、これからの建築家にとって必要となる能力は何かを考えて生きたいと思います。

アーティストとデザイナーの違い

アーティストとデザイナーの違い

ものづくりの現場では、いまいちデザイナーとアーティストの立ち位置がわかりづらくなってしまいます。

ひとりの人間の中にもデザイナー的な側面やアーティスト的な側面があったりと、どちらなのかはっきりとした境界線はあいまいです。

下記に記述した項目でデザイナーとアーティストの違いについてもう一度確認してみましょう。

アートとデザインの違い

まずはアーティストやデザイナーが生み出すアートやデザインの違いを知りましょう。

簡単な例だと…

ひとつのイスを作る時に、アートでは「座れないイス」を作るのも、そこにメッセージがあればアリです。デザインでは「座れないイス」はイスの本来の機能はなく使えないのでナシです。

このように、アートなのかデザインなのかの違いがあります。実際に「座れないイス」が欲しいかどうかはさておき…

絵画や彫刻などから発せられるメッセージに気づきや作者との共感が生まれた時にその作品が欲しいと思うことはあります。

主観的な創作か他者からの求めか

アーティストにとってはあくまでも主観的な創作なので他者からの求め(理解や利益)がなくても、意欲的に創作活動をします。

それに対してデザイナー他者からの求め(理解や利益)がないと創作する意味がありません

売れているアーティストは、あくまでも主観的な創作物が他者のこころに訴えかけ理解されたときに他者がファンとなり作品に価値を見出すことで利益が生まれます。

ファンに対してのサービスやファンの求めに応じた作品を作った時点で商用となるため、本来のアーティストとは呼べないと思います。

その表現は「問題」か「答え」か

アーティストにとって作品をとおしていかに「問題」に気づくのかが重要となる傾向にあります。アート作品をみていると自分自身と向き合い、その中から新たな発見が生まれたり、作者との共感が生まれたるする体験をしたことはあると思います。アーティストには「問題」をいかに気づかせるかという表現が求められています。

それに対してデザイナーはいかに「答え」を見つけ出すのかが重要です。クライアントの要望にそもそもの問題を提起したところで意味はありません。要望にそった解決策「答え」をカタチとしてデザインすることを求められます。

建築士が建築家と呼べない理由

建築士が建築家と呼べない理由

一般の人は建築士と建築家を混同して使っている場合が多々あります。建築士は建築家のひとつの側面(スキル)にすぎないと思います。

建築士は職業です

建築士とは建築物を設計及び工事監理する職業の資格でありあくまでも職業です。

ひとつの住宅を建てる際でも、計画、法規、環境、設備、構造、施工など多岐にわたっての知識が必要になります。

一定の知識や経験がないと基準を満たさない欠陥住宅を建てることになってしまいます。

もちろん各専門分野の人に外注すればいいのかもしれませんが、建物を統括する責任者として広く浅くでも知識が必要となります。

そのための資格制度であり建築士とは職業の一種です。

建築家は生き方である

日経アーキテクチュアに「建築家という生き方」という本があります。

この本のネーミングは「建築家」というものをすごくうまく説明していると思います。

まず「建築家」とは職業ではなく「生き方」であるということは…

自分の目指す建築像を実現するために何かしら目標なり覚悟を決めて生きていく「生き方」を続けているひとが「建築家」であるという意味だと思います。

この「生き方」ですが、自分が大好きな安藤忠雄さんの生き様なんてまさに「建築家」そのものだと思います。

建築家が建築士である必要性

建築家が生き方だったら資格なんて関係ないのだから今すぐに建築家っていう肩書きで生きていこう!と簡単に思うひともいるかもしれませんが、そんな人に仕事を頼む人がいるでしょうか?

友達や知り合いにお金持ちがいて

「遊んでいる土地があるのでからそこに自由に建物を作って欲しい、お金はいくらかかってもいいよ」

そんなチャンスをつかめるひとなどごく一握りだと思います。

はじめて建築を作る際もいろいろと勉強しなければならないことも出てきますので、結局は建築士をとり広く浅くでも知識を身につけたほうが手っ取り早いと思います。

これは私の考えですが、建築士になることは建築家の最低条件のひとつだと思います。

建築家に求められるものはアートやデザイン的な側面もありますが、作られた建物の中での人間の活動があるわけですので、快適で安全な環境づくりにはそれなりの社会的責任があります。

建築家として生きていくと決めたら、建築士をとったとしてもそれで終わりではなく建築に対して問題意識を自分で探して勉強する姿勢が必要だと思います。

これからの建築家に必要な能力

これからの建築家に必要な能力

以上、アーティストとデザイナーや建築士と建築家の違いを見てきたわけですが、これからの建築家には何が必要になるのかを少し考えてみたいと思います。

チームとして仕事をする能力

個人の影響力が大きくなる社会にとって個人で大きな仕事を受注することが増える傾向にあると思います。

建築もこれからはひとつのプロジェクトごとにチームで仕事をするかたちが多くなると思います。

いままでの仕事の進め方との違いは、独立した各個人でプロジェクトごとチームを作るところにあります。

組織設計事務所だと社風にあった人材の中での考えになってしまいますので外部からコンサルタントなどを雇い新しい視点を入れる必要性が出てくると思います。

そんな中で建築家として活躍できるのは、チームプレイではなく利己的なスタンドプレイからなるチームワークかもしれません。

チームとして仕事をする場合、アーティストの主観的な創作から生まれたスタンドプレイに対してデザイナーとしてカタチにして利益を生み出すチームワークのような、いつでも両方の立場に回れる建築家が求められると思います。

ライフスタイルの変化に対応する

これまでにない速度でインターネットが発展し、すでにGoogle検索などライフスタイルの一部になっています。そんなライフスタイルの変化に対応することは必要です。

これからの建築家は、SNSやyoutube、ブログなどの発信力や影響力が必要になると思います。

いままでと同じ仕事が成立たない時代です。住宅の大手ハウスメーカーが強いのは、やはり建材や施工法などに実験や研究費を使い根拠の上でつくられているところにあります。

始めたばかりの一個人の建築家にとって大手ハウスメーカーと渡り合うには、やはり個人の発信力や影響力が必要だと思います。

問題解決より問題提起する力

問題解決はGoogle検索やnoteなどである程度は検索して答えを見つけ出すことが出来る時代です。

これからの時代は問題解決する力よりも問題提起する力の方が重要になってくるのかもしれません。

つまり、いま目の前にある課題が何なのかを見つける力のことです。

この問題提起する力がなくして新しい作品は生まれないし改善もされないでしょう。

お客さんからの求めに素直に答えることだけだと不十分だと思います。それよりもその求めの根本から見直しお客さんが考えていなかったような解決策を提案してみることも必要なのかもしれません。

これはアーティストが得意なことなのかもしれませんが、その問題への答えも捜さなければならないのでデザイナーとしての側面も重要になると思います。

法令で決まっているからといって「それはできません!」と言い切ってしまう建築士が多いのですが、自治体と何が問題なのかをとことん話し合った上でその法的な解決策を可能な限り考え、提案する姿勢も必要だと思います。

まとめ

アーティストとデザイナーの違いから建築家に必要な能力を考える

これからの建築家にはアーティストやデザイナー、建築士などの様々な側面が必要だといういうことをみてきました。

仕事や職業だと割り切ってどれかひとつの立場を貫くことも必要なのかもしれませんが、それではいち個人で新しいものは生み出せないと思います。

自分の中にいろいろな側面をもって少しずつその側面を成長させていく生き方が必要だと思う今日この頃です。

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