竪穴式住居は屋根を如何に支えるかから始まった!?

洞窟から出た人類の最初の住居はどんなものだったろう…

最初は大きな木を利用して、落ちている倒木で垂木をかけ桟を縄でくみ、そこに草を束ねて屋根を作り、雨や風をしのいだのだろう。

開けた土地に住むようになって作られた竪穴式住居の堀立柱という発想は大きな木の代わりだったのかもしれない。

今回は雨や風といった自然環境から身を守るために、屋根を如何に作るかということが重要だったに違いないという観点から古代住居を見ていきたいと思います。

竪穴式住居ななぜ穴を掘るの?

古代住居の代表的なものは竪穴式住居です。まだいろいろとわからない点もあるのですが、後期旧石器時代からつくられ始め平安時代ごろまでつくられていた住居形式です。

そんな長い間、つくられ続けていたということはやはりそれなりに理由があったと考えられます。

そもそも、
なんでわざわざ穴を掘るの?

竪穴式住居もやはり屋根を如何に作るかという観点で見ていくと、なぜそのような形状になったかがわかります。

以下は竪穴式住居がなぜわざわざ穴を掘ったのかの代表的な説明になります。

①部材が少なく加工する手間を省ける
②屋根が低く上にのぼりやすい
③隙間風や防寒対策になる
①部材が少なく加工する手間を省ける

竪穴を掘って土壁を建物の壁のかわりにしています。外壁を新たに作らなくていいので、穴が掘れればそこに屋根をつくるだけなので部材が少なくてすみます。

部材が少ないと加工する手間も省けるため、他の古代住居より短期間でつくることが可能だったたと考えられます。

②屋根が低く上にのぼりやすい

屋根をつくるとき上にのぼってつくらなければならないので、屋根が高い位置にあると作業が大変です。

竪穴を掘ることで屋根を低くすることができるため、上に簡単に登って作業をすることができます。

③隙間風や防寒対策になる

半地下式にすることで一年を通して室内の温室度差が少なくなります。しかしながら夏は湿気を含んだ空気で蒸してしまっていたり、冬は屋根から隙間風が入ってきたりします。

竪穴を掘って土壁を建物の壁の代わりにすることで、土壁の部分は夏はひんやりして冬は隙間風を防ぐことができ防寒対策になっていたと考えられます。

竪穴を掘って土壁を建物の壁とすることでえられる利点と屋根をつくる作業しやすく、加工する手間も部材も少なくてすむということが平安時代ごろまでつくられていた大きな理由だと考えられています。

次にどのように屋根の荷重を支えたのかについてみていきたいと思います。

掘立柱と礎石の違い

古代住居では住居形式を建築要素ごと細分化することで技術的に発展してきたと考えられます。

堀立柱とは

土を掘りくぼめた穴をつくり、その穴に木の柱を立て、土を固めながら埋め戻していった柱のことです。

礎石とは

建物の土台(礎)となって柱などを支える石のことです。柱が直接地面に接すると湿気や食害などで腐食や老朽化が早いため、その対策として用いたもの。

屋根の荷重を如何に支えるかを考えた時、今までは堀立柱で十分支えられたのですが、屋根の荷重が大きくなるにつれて堀立柱では柱自体が徐々に地面に埋まっていってしまいます。もちろん堀立柱の底部に石を敷き詰めた例(山ノ下遺跡など)もありますが…

堀立柱で屋根をささえる構造だとどうしても現場施工的になりちょうどよい木材がなければ、その場にあった加工する手間がかかってしまいます。

一方、礎石を用いることで地面に柱がそれ以上は埋まらないようにすることが可能となります。そのことにより建物に用いる柱を同じ長さにできるので部材の精度を上げ大量につくることが可能になったと考えられます。

礎石を用いた構造だと柱や梁の長さが同じになるので、寸法さえ決めてしまえば木材を加工場などでつくることができその精度を上げることができます。

サス構造とオダチ組

竪穴式住居の屋根は外壁の役割も果たしていたのですが、建築要素の屋根と外壁という細分化されることにより屋根自体の構造も変わってきます。

竪穴式住居の場合、垂木が地面に接していることで柱にかかる荷重を分散できたので堀立柱の径は小さくても大丈夫だったのですが、屋根と外壁が細分化されることで屋根の荷重を支えるための柱の径は大きくなり、屋根構造も技術的に発展していきます。

代表的な屋根構造としてサス構造オダチ組を取り上げます。

サス構造

サス(扠首)とは2本の材を頂部でつなぎ合わせ合掌のかたちにしたもので、合掌造りともよばれ茅葺き屋根など古民家ではよく使われている構造です。

梁の上でつくられていて、茅を葺く垂木とは別の構造的な補強のことです。棟木(最頂部の横材)はサスの上にあります。

オダチ組

オダチ(束)とは棟木を支えるために立てられた材のことです。古民家などの合掌造りではオダチ組とサス構造が一緒に用いられている例もあります。

木造軸組工法(在来工法)でも梁の上に束を立て棟木や母屋などの横材で垂木をうけ屋根を構成しています。

小屋組みという考え

4本の柱や梁で構成された骨組みの側面が外壁となり、上部に独立して屋根を設けることになったわけですが、この屋根構造を小屋組みといいます。

※サス構造やオダチ組も小屋組みの屋根構造の一種です。

屋根と外壁が細分化されることで屋根の荷重を支えるための小屋組みは独自に発展してきたわけですが、現代では和小屋洋小屋に大別されています。

寺社仏閣など屋根が大きくなるにつれて小屋組みをしっかりとつくることが重要となってきます。

まとめ

屋根を如何に作るかという観点から古代住居の小屋組み構造を見てきたわけですが、建築要素ごと細分化することで技術的に発展してきたことは大きいと思います。

①掘立柱から礎石を用いるようになることでの現場加工での手間を省けたり、部材の精度を上げ大量につくることが可能になった

②垂木が地面と接してつくることから梁の上に屋根を設けるようになったことによるサス構造やオダチ組の技術的な発展

③寺社仏閣など屋根が大きくなるにつれて小屋組みをしっかりとつくることの重要性

など、現在の木造建築を考える上でも屋根の小屋組みを考えることは重要です。

キャンプなどでも上級者になるとテントを張らないでタープとハンモックだけでキャンプを楽しむのが常識となりつつありますが、このタープつまり屋根をつくることが古代住居でとても重要であり、この小屋組みに着目して遺跡などの復元建物を見学すると新たな発見があると思います。

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