CD管とPF管って何が違うの?電気配管で配線することのメリットとデメリット

木造住宅の配線は、弱電(テレビアンテナ線や電話線、LAN配線やCATV配線など)の工事業者が完了間際に入るので、

後からでも線が通せるようにCD管やPF管と呼ばれる中が空洞になった空配管を先行して配管しておくのが一般的です。

CD管とPF管って何が違うの?

CD管は自己消化性がなく
耐侯性が低いです。
PF管は自己消化性があり
耐侯性が高いです。
CD管に比べて
PF管は値段が高いです。

ひと昔まえは配管など使わずにIVケーブルやVVFケーブルをそのまま配線していたのですが、

後から蓄電システムをつけたいなど配管や配線だけは先にしておくケースが増えてきました。

配線の全てを配管でやったこともあったのですが、柱や梁を穴を開けなければならない箇所などはケーブルと比べて穴の径が大きくなってしまうのであまりおすすめしません。

電気配管で配線することのメリットとデメリットを知ることで、コスパのよい配線を心がけましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

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3つのメリット

1.配線を後からできる
2.メンテナンス性能がある
3.漏電による火災の燃焼防止

1.配線を後からできる

代表的なメリットですが、先行して配管しておくと後からでも配線の工事ができます。

電気工事での弱電とはテレビアンテナ線や電話線、LAN配線やCATV配線などで、電気を「信号」として活用するものです。

強電とは家庭用のコンセントなどの「低圧」や、電柱の配電線につながれている「高圧」、発電所と変電所をつなぐ「特別高圧」などを合わせて強電と呼びばれています。

強電に比べて弱電は漏電による火災の心配は少ないので、CD管でも大丈夫だと思います。

強電の場合でも管内部にIVケーブルなどを通すため「保護管」扱いになり、CD管やPF管を区別して使用する規定はありません。

2.メンテナンス性能がある

ひと昔まえのLANケーブル(CAT5)だと通信速度1Gbps以上に対応したLANケーブル(CAT5e以上)に変更しなければならなかったのですが、

そんなとき配管で配線してあれば変更することが簡単にできます。

光回線があればテレビや電話、FAXなど使用できてしまいますが、あとからCATV配線をしたり、高速インターネットに変更することも考えられます。

後からのメンテナンスや設備の変更などを考えて、外の取込み口から室内への出口までは配管で配線するようにしましょう。

2階建ての場合、離れすぎた部屋では無線LANで飛ばないこともありますので、1階と2階の少なくとも1箇所は配管で配線しておくことがおおすすです。

3.漏電による火災の燃焼防止

強電を使う場合は万が一の漏電を考えてPF管を使用することをおすすめします。

外部に使用する管はCD管だと耐侯性がないのでPF管を使用するようにしましょう。

なるべくならPFD管と呼ばれる耐侯性の高いものや、硬質ビニル電線管(J管,VE管)の使用を検討しましょう。

3つのデメリット

1.作業が大変でコスト高
2.天井懐がないと配管が大変
3.柱梁に穴を開ける場合もある

1.作業が大変でコスト高

電気配管で配線する場合は専用の留め具が必要だったり、急な角度で曲げられないなど作業のしづらさがあります。

IVケーブルやVVFケーブルをそのまま配線する場合に比べ、作業は難しくなりコスト高になります。

また、木工事や内装工事の進み具合で作業の進行具合も違ってきますので、電気工事業者は現場に付きっきりになります。

最初に電気配管を設置してしまって後から配線する場合であっても内壁のボードを張られてしまい、後からの工事に苦労することなどもあります。

大工さんと電気業者との間でしっかりとした話し合いがとても大切になります。

2.天井フトコロがないと配管が大変

天井あらわしの家や大梁をみせて天井フトコロがあまりない家の場合は電気配管による配線が大変になります。

間柱の間に落としたいとき、大梁があらわしなのでうまく落とし込めないなんて事はしょっちゅうあります。

ローコスト住宅にありがちな天井あらわしや大梁をみせて天井フトコロがあまりない木造住宅は電気配管で行う場合は大変になるのであまりおすすめしません。

梁にあける開口部を小さくできるIVケーブルやVVFケーブルで配線するほうがいいと思います。

3.柱や梁に穴を開ける場合もある

柱や梁に穴を開ける時に注意したいことがあります。当然ですが構造材である柱や梁を欠損させることはその部分の耐震性の低下を招きます。

どうしても柱や梁に開口を設ける場合は以下に注意して耐力を低下させないようにしましょう。

□ 梁の欠損

□ 柱の欠損

まとめ

電気配管で配線することのメリットとデメリットを見てきたわけですが、弱電などの後から工事する箇所や配線の変更がありそうな箇所を配管にすることのメリットはあります。

しかしながら、配線の全てを電気配管で行うことはおすすめしません。それより梁や柱の欠損による耐力の低下のほうが大変だと思います。いまどきの住宅で室内の配線ケーブルが漏電するまで老朽化しないと思います。

蓄電システムや太陽光パネルの設置など後からの工事が大変な箇所もありますが、どこまでを電気配管で配線するのか見極めることが重要だと思います。

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アーキトリック一級建築士事務所

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