新築時にケチると危険!注文住宅の安全性を確保する設備と対策

マイホームを購入する際に重視したいところは家族によって様々です。

立地環境、おしゃれな空間、スマートハウスなどなど…

希望は色々あると思いますが、

安全性が確保されてこそ快適な暮らしができるものです。

注文住宅の安全性ってどうやって確保するの?

安全性を確保するためには、防犯、災害対策、事故防止に注意する必要があります。

私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、

高齢者やお子さんのいるご家庭の仕事が多かったので注文住宅の安全性については細心の注意を心がけています。

今回はケチると危険な住宅の安全性を確保するための設備と対策をご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・住宅の防犯対策と防犯設備

・住宅の災害対策と設備

・建物内の事故防止

上記のことがわかります。

マイホームを建てるときには間取りや便利な設備を重視しがちですが、快適に暮らしていくためには安心・安全であることが最重要ポイントです。

それを視野に入れて設備や素材選びをすることでトラブルや後悔を最小限にしましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

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住宅の防犯対策と防犯設備

窃盗や強盗の発生件数は平成15年以降、年々減少しているそうですが、その背景には住宅の防犯性能の向上があります。

新築時に設置しておきたい防犯設備は以下になります。

住宅の防犯対策と防犯設備

・モニター付きインターホン

・スマートロック

・スマートリモコン

モニター付きインターホン

呼び鈴が鳴ると同時に録画される仕組みになっていて、留守中に誰が尋ねてきたかわかります。

スマホと連携できるインターホンなら外出中でも応答可能なので、留守を狙った空き巣への防犯対策にもなります。

また、最近では女性がひとりで留守番している時などに便利な、男性の声で応答してくれる「応答くん」という商品もあります↓

Amazonより

応答くん 16種類のボイス入り
¥1,880

ライソン(LITHON)という会社が開発したもので宅配サービスがきた時に、

「玄関の前に置いておいてください」

「ありがとうございます」

知らない人の訪問には、

「何の用ですか?」

「帰ってください」

など16種類の音声パターンがあります。

このようなものも用意しておくと安心ですね。

スマートロック

スマホなどの電子機器を使用してドアの鍵の解施錠をおこなうスマートロックや

窓やドアの鍵の締め忘れをスマホに知らせてくれる設備を新築時に取り入れてみるのも良いでしょう。

YKKapさんの「戸締り安心システムミモット」は玄関ドアを施錠したタイミングで、窓やドアの鍵の締め忘れがあればスマホに通知してくれます↓

YKKapより

スマートリモコン

家電や設備をWi-fiやBluetoothに接続してスマホやタブレットを使って外出先からも操作できるシステムもあります。

照明のオンオフやシャッターの開閉などもできるようになっていて、帰宅が遅くなるときや旅行で数日間留守にするときなど、

外出先から照明をオンにするだけでも防犯対策になります

住宅の災害対策と設備

台風などの暴風雨や地震が起きた際に被害をうけにくい住宅であることはとても大切なことです。

自然災害への対策は住宅を建てる前からしっかりと考えておく必要があります。

土地を購入して注文住宅を建てる場合は、

・ハザードマップの確認
・内水ハザードマップの確認
・軟弱地盤かどうかの地盤調査


などの確認は必須項目ですが、

それが安全であるとわかっていたら以下ようなことにも注目して見ましょう。

住宅の災害対策と設備

・基礎の高さ
→高くする

・屋根材、外壁材

→防災瓦、ガルバリウム鋼板

・窓ガラス

→防災安全合わせ複層ガラス

基礎の高さ

湿気や雨量が多い地域、川や海などが近い地域では水害を避けるために基礎を高くする必要があります。

基礎を高くすることで床下に湿気が溜まることを防ぎ、ネズミや害虫などが住みつかないようにする効果もあります。

特に木造住宅は湿気が大敵です。

ただし、あまり高くしすぎると工事費用が割高になったり、出入り口に高低差ができたりというデメリットが出てきたりします。

周囲の環境や家族構成などに合わせて設計の段階から気配りをしておきましょう。

屋根材、外壁材

台風の多い地域で安心安全に暮らすためには、屋根材や外壁材選びも大切になります。

瓦屋根にする場合は瓦同士がかみ合うように施工する「防災瓦」を取り入れることも考えましょう。

また、費用が比較的安価で風に強いとされる屋根材はガルバリウム鋼板です。

飛来物などの衝撃に強い外壁材は断然タイルですが、費用はかなり高額になります。

最も多く選ばれているサイディングは継ぎ目のコーキング材が劣化すると雨漏りの原因になります。

窓ガラス

窓は日々の生活に大きな影響を与えるところです。

窓の断熱性能を高めると光熱費を大きく削減できることから断熱性能を重視して窓選びをするご家庭は増えていますが、

暴風雨対策や防犯対策にこだわることも大切です。

ひと昔前はシャッターがなければ飛来物が窓にあたって割れるのではないかという不安がありました。

しかし、最近では防災安全合わせ複層ガラスを使用すれば、飛来物でガラスが飛び散る危険性が低く、ガラス破りで侵入される心配も減ります。

YKKapさんの商品ではガラスとガラスのあいだの樹脂中間膜が60mil,90milと通常の安全合わせガラスの2〜3倍の暑さがあります↓

YKKapより

防災・防犯対策はもちろん紫外線も99%以上カットしてくれます。

建物内の事故防止

家の中で転倒や転落、ヒートショックなどでケガをしたり、最悪の場合は命を落とす危険性がある部分は十分な対策が必要です。

小さな子や高齢者が暮らす家はもちろんですが、どの世代でも気をつけるに越したことはありません。

建物内の事故防止のために注意しなければならないことは以下になります。

建物内の事故防止

・ヒートショック防止
→浴室暖房乾燥機、窓の断熱性能

・段差の転倒防止

→段差を無くす、TOTO:ほっカラリ床

・階段の転落防止

→踏面を広く、蹴上を低く、手すりの設置

・アプローチの事故防止

→滑らない素材、手すりの設置

・シロアリ被害防止

→人工木、ハードウッド

ヒートショック防止

寒い時期に暖かいところから寒い浴室に移動すると血圧が急に上がって、めまいや立ちくらみを起こすだけでなく、心筋梗塞や脳卒中の危険性もあります。

浴室でのヒートショックを防ぐためには次のような設備を取り入れてみましょう。

・浴室暖房乾燥機

・脱衣所やトイレに暖房器具を設置

・窓の断熱性能を上げる

浴室暖房乾燥機

入浴前に浴室暖房を入れて浴室の扉を開けておけば、脱衣所や浴室ともに暖まります。

脱衣所やトイレに暖房器具を設置

脱衣所やトイレが北側にあると真冬の夜間や早朝は厳しい寒さを感じます。

使いやすい場所にコンセントを設置しておきましょう。

窓の断熱性能を上げる

大きめの窓にする場合は樹脂サッシ+複層ガラスなどにすると寒さはかなり軽減されます。

段差の転倒防止

脱衣所と浴室のあいだやリビング内の和室などに段差ができることもあります。

お年寄りや小さなお子さんはほんの数センチの段差でもつまずいてしまうので、設計の段階でどれくらいの段差なのかを確認しておきましょう。

特に浴室の床はシャンプーなどを使ってすべりやすくなっていると小さなお子さんや高齢者が転倒する危険性が高くなります。

すべりにくい素材を使用した床もあるので検討してみましょう。

例としては、TOTOさんのほっカラリ床などがあります↓

TOTOより

表面がすべりにくくて乾きやすい素材が使用されています。

クッション性にも優れているので膝をついても痛くないという特徴があります。

日々のお手入れも必要になりますが、安全性を重視するご家庭にはおすすめです。

階段の転落防止

転落といえば階段です。

2階建て以上の住宅に階段はつきものですが、階段での事故は想像以上に多いです。

消費者庁がまとめたデータによると、子育て中のご家庭では約4割に何らかの転倒事故の経験があり

階段などからの転落はハイハイから歩きはじめる1歳前後に多く発生しています。

また、65歳以上でいは転倒や転落が原因で亡くなったり、介護が必要になったりすることもあるようです。

階段は設置場所にもよりますが、どのような形状でも手すりをつけることはもちろん

・踏面を広くする
・手すりのすき間をふさぐ


などの対策が必要になります。

おしゃれな形状にするとすき間が多くなったり、手すりがつかまりにくかったりすることも多いので、

使い勝手がどうなのかを体感できることが理想です。

実際に上り下りしやすいか、踏面や蹴上のサイズは把握しておきましょう。

アプローチの事故防止

アプローチに使用される素材には様々なものがあります。

見た目がよいに越したことはありませんが、選ぶ際には安全性も重視したいところです。

多く選ばれているタイルは色、柄の種類が豊富でデザイン性にも耐久性にも優れていますが、

表面がツルツルしているものは雨の日はすべりやすくなります。

すべり防止のコート剤で加工されているものや凹凸があるものを選ぶとよいでしょう。

また、敷地内にはなるべく段差がないほうが歩きやすくて安全ですが、

よほど立地条件のよい広い土地でもない限り屋外に段差のない家は建ちません。

屋外の階段は室内に比べて踏面は広め蹴上は低めにするのがよいとされていますが、

どうしても急になってしまう場合は、すべりにくい素材を使用して必ず手すりをつけましょう

シロアリ被害防止

アプローチやウッドデッキに天然木を使用する際にはシロアリに注意しましょう。

枕木として使用される天然木には撥水加工、防腐、防虫処理が施されていますが、劣化とともに効果はなくなっていきます。

シロアリは土の中にもいるので防腐、防虫効果がなくなってしまった枕木の下に大量発生することもあります。

木材のように見えるコンクリート製、プラスチック製のものを選ぶとよいでしょう。

ウッドデッキも同様にホームセンターなどで安く購入できるSPF材などを使用すると、

防水、防腐処理を施しても数年で効果がなくなるので、まめに塗装しないと腐食してシロアリが発生し大切な家にまで被害が及ぶこともあります。

人工木を使用するか天然木ならシロアリ被害を受けにくく劣化しにくいハードウッドをおすすめします。

まとめ

今回は新築時につけたほうがいい防犯設備を知りたい人や安全性を確保するために注意することを知りたい人に対して、

ケチると危険な住宅の安全性を確保するための設備と対策をご紹介してきました。

まとめると以下になります。

住宅の防犯対策と防犯設備

・モニター付きインターホン

・スマートロック

・スマートリモコン

住宅の災害対策と設備

・基礎の高さ
→高くする

・屋根材、外壁材

→防災瓦、ガルバリウム鋼板

・窓ガラス

→防災安全合わせ複層ガラス

建物内の事故防止

・ヒートショック防止
→浴室暖房乾燥機、窓の断熱性能

・段差の転倒防止

→段差を無くす、TOTO:ほっカラリ床

・階段の転落防止

→踏面を広く、蹴上を低く、手すりの設置

・アプローチの事故防止

→滑らない素材、手すりの設置

・シロアリ被害防止

→人工木、ハードウッド

マイホームを建てるときには間取りや便利な設備を重視しがちですが、快適に暮らしていくためには安心・安全であることが最重要ポイントです。

それを視野に入れて設備や素材選びをすることでトラブルや後悔を最小限にしましょう。

この記事が少しでも注文住宅の安全性を確保する手助けとなってくれれば幸いです。

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