外壁はメンテナンスが必要なの?後悔しないコスパの良い外壁の種類と選び方
外壁は外観の印象を決めるものなので見た目にこだわる人も多いです。
しかし、外壁はメンテナンスが必要なものなのでその周期や費用を考えることも大切です。
一般的なサイディングは何年くらいでメンテナンスが必要なの?
メンテナンスは以下が目安になります。
・窯業系サイディングの場合は5〜10年ごと
・金属系サイディングの場合は10〜15年ごと
定期的なメンテナンスが必要になります。
定期的なメンテナンスは洗浄、コーキング打ち直し、塗り替えなどになります。
ニチハの窯業系サイディングでプラチナコート30などは、
30年の塗膜の変色などが保証されているので、塗り替えのメンテナンスが30年間必要ないものもあります。
外壁のメンテナンスは足場を設置しなければならないので工事費も割高になります。
なるべくメンテナンスの周期の長い外壁材を選んだ方が長い目で見るとコスパはよくなります。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎外壁選びに迷っている人
▶︎後悔しないコスパの良い外壁にしたい人
上記の方々に対して、コスパの良い外壁の種類と選び方をご紹介します。
この記事が外壁選びに迷っている人のお役に立てれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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コスパの良い外壁の種類と選び方
まずは外壁の種類についてみていきましょう。
外壁の種類
一般の住宅で用いられる外壁の種類は以下になります。
外壁の種類
・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・光触媒サイディング
・親水性サイディング
・樹脂サイディング
・タイル
・左官
などの種類があります。
国内で最も採用されている窯業系サイディングや近年人気のある金属製サイディングの耐用年数は約40年とされています。
光触媒サイディングや親水性サイディングは外壁の汚れを日光で分解したり雨水で洗い流す機能がついたサイディングです。
樹脂サイディングは塩化ビニル樹脂を主原料としたもので、耐水性が高く塗装が不要で、タイルと同様に塗装のメンテナンスがありません。
外壁のメンテナンスについて
外壁はメンテナンスをせずに放っておくと、見た目が悪くなるだけでなく雨漏りの原因になったり傷んで張り替えが必要になったりします。
国内で最も採用されている窯業系サイディングや近年人気のある金属製サイディングの耐用年数は約40年とされています。
しっかりとメンテナンスを行えば、新築から40年は張り替えをする必要がないと考えても良いでしょう。
一般的には、窯業系サイディングは5〜10年ごととされています。
チョーキングやひび割れ、反り、変色などが見られたらメンテナンスが必要です。
金属系サイディングは10〜15年ごととされています。
塗装の剥がれやサビ、コケ、カビなどが見られたらメンテナンスが必要です。
定期的なメンテナンスには洗浄、コーキング打ち直し、塗り替えなどがあります。
洗浄
1年に1度は家の周りをぐるっとまわって汚れた部分をスポンジなどでこすって落とすような自分でできる手入れもあります。
頻繁に高圧洗浄をしたりするのはサイディングを傷める可能性もあるのであまりおすすめできません。
コーキング打ち直し
サイディングの外壁では壁材のつなぎ目となる隙間を埋める目地の点検が重要です。
特に直射日光があたる部分は劣化が早くなります。
耐用年数の長いシーリング材にすることも大切です。
塗り替え
一般的なサイディングの外壁は塗装によって守られています。
10〜15年に一度は塗り替えが必要か点検をしておけば安心です。
塗料の種類によっても劣化の進み具合が異なります。
塗料の種類としては主に次のようなものがあります。
外壁の塗料と耐用年数
・アクリル塗料:5年前後
・ウレタン塗料:6〜10年
・シリコン塗料:10〜15年
・フッ素塗料;15〜20年
耐用年数が長くなるほど費用は高額になります。
塗り替えの際には塗料を安さだけで選ばず、耐用年数も考えましょう。
窯業系サイディングでは新築から5年後、金属系サイディングでは10年後に点検してもらうと良いでしょう
立地環境や自然災害などによってその前に何らかの症状が現れていたらメンテナンスは必要です。
住宅ローンを返済しながらも5年、10年後と高額の出費は続くことになります。
このようなメンテナンスを必ず行わなければならないわけではなく、
遠目に見てきれいな状態でも症状が出ている場合があるのでこまめにチェックしたほうが良いと思います。
メンテナンスしなくてもいい外壁
全くメンテナンスしなくても良い外壁はないです。
しかし、耐久性の高い外壁材料や塗料、目地を使用すればメンテナンスの手間を軽減できるようになります。
外壁材であれば、タイルや樹脂サイディングになります。
タイル
土や石、砂のような自然の素材を高温で焼いたものなので直射日光や雨風による劣化が少ない素材です。
ただし、目地に隙間ができたりひび割れしたりするのでそこから雨漏りすることは考えられます。
また、浮きや剥がれなども起こる場合があるので日頃の目視チェックは怠らないようにしましょう。
タイル自体は劣化していなくてもコーキングの打ち直しなどは必要になります。
樹脂サイディング
樹脂サイディングとは塩化ビニル樹脂を主原料としたもので、耐水性が高く塗装が不要で、タイルと同様に塗装のメンテナンスがありません。
樹脂そのものに着色しているので時間が経っても色あせしにくい素材です。
また、シーリング材を使用せずに施工することもできるので、メンテナンスがほとんどいりません。
聞きなれない外壁材ですが、LIXILさんのホームページで樹脂サイディングのイメージがつかめます。
WALL-J:LIXIL
樹脂サイディングは国内ではあまり使用されていませんが、海外の住宅には多い外壁材です。
アメリカ特に北米でのシェア率は約50%だそうです。
厳しい寒さに強い外壁材なので、国内でも豪雪地帯などで採用されています。
タイル、樹脂サイディングともに初期費用は高くなります。
また、多彩な窯業系サイディングに比べると色の種類は格段に少ないですが、
LIXILさんのバーリエーションを見ると、選べる色は少ないですがかっこいいと思います。
どちらも選ぶときには高いなぁと考えてしまいますが、長い目で見るとコスパのよい外壁材といえると思います。
外壁の失敗例
外壁を選ぶ際に全体の予算との兼ね合いであまりお金をかけられないこともあります。
また
「こんな見た目にしたい」
「この色にしたい」
といったこだわりもあるでしょう。
しかしながら、しっかりと考えないと外壁選びで後悔することものあります。
失敗例1)
「初期費用の安さだけでなく将来的なメンテナンスを考慮すればよかった」
安いサイディングを選ぶと頻繁にメンテナンスを行うことになります。
高くなるほど塗料の性能や継ぎ目のシーリング材の質も上がります。
シーリング材が紫外線を浴びることでひび割れしたり剥がれて隙間ができないように、
耐用年数の長いシーリング材にすることも大切です。
失敗例2)
「汚れがつきにくい、ついても目立たない外壁材にすればよかった」
汚れが目立ちやすい色だけどこの色を選びたいという場合は、
光触媒サイディングや親水性サイディングといったセルフクリーニング機能を備えた窯業系サイディングにする方法もあります。
光触媒サイディングは、外壁に日光があたると付着している汚れを分解し雨水で洗い流せるサイディングのことです。
価格は約1.5倍になってしまいますが、その後のメンテナンス周期や劣化しにくいことを考えるとコスパはよいと思います。
親水性サイディングは雨水で汚れを浮かせて洗い流してくれるサイディングのことです。
光触媒サイディングと比較すると親水性の方が費用は安価で日光があたらなくても効果が発揮されます。
まとめ
今回は外壁選びに迷っている人や後悔しないコスパの良い外壁にしたい人に対して、
コスパの良い外壁の種類と選び方をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
外壁の種類
・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・光触媒サイディング
・親水性サイディング
・樹脂サイディング
・タイル
・左官
メンテナンス周期
・窯業系サイディングの場合は5〜10年ごと
・金属系サイディングの場合は10〜15年ごと
定期的なメンテナンスには洗浄、コーキング打ち直し、塗り替えなど
外壁の塗料と耐用年数
・アクリル塗料:5年前後
・ウレタン塗料:6〜10年
・シリコン塗料:10〜15年
・フッ素塗料;15〜20年
サイディングメーカーなど様々な種類のサイディングを出していますが、
色やデザインだけでなく、外壁は予算が許す限りメンテナンス周期の長いものを選びましょう。
外壁にあまり予算が回らない場合は、シーリング材だけでも耐用年数の長いものにすることをおすすします。
この記事が外壁選びに迷っている人のお役に立てれば幸いです。
こんな外壁を選んで後悔したなどの体験談もお待ちしております^_^
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アーキトリック一級建築士事務所