コンセプトの明快さや富士登山が疑似体験できる![富士山世界遺産センター]/坂茂
所在地:静岡県富士宮市宮町5番12号
建築者:坂茂/㈱坂茂建築設計
施工者:佐藤工業・若杉組特定建設工事共同企業体
延床面積:約3,411㎡
総事業費:約41億円
(以前に行ってきた富士山世界遺産センターの記事です。)
富士宮のまちづくりには少しかかわっていたこともあり、坂氏の設計した建物は計画段階から気になっていました。
やっと、OPENしたので早速家族で行ってきました。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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コンセプトの明快さ
水面に映る逆円錐形が富士山をイメージさせる
逆さ富士がそのまま建物の形状になっており、水面にはそびえ立つ富士山が映し出されます。
開けた土地なので風で水面が波立ってしまいなかなかきれいな富士山は拝めないです。
内部のらせん状のスロープで富士登山を疑似体験できる
緩やかなスロープを登っていくと富士山の歴史、文化、自然など様々な角度から学べる展示スペースがります。
壁面に投影された富士山にまつわる映像を見ながら全長193mのスロープを登ることで、空中を浮遊するような感覚で富士登山を疑似体験することができます。
スロープなど床スラブは厚みを感じないすっきりとした構造となっていました。
設計は2014年にプリツカー賞を受賞した坂茂さん
身近なところに世界的な建築家の作品があることは、建築系の友達が多い自分にとって案内できる建築物たできてうれしいです。
見ておくべきポイント
■逆円錐形内部の空間を楽しむ
■円錐曲面に沿った木格子の部材の組み方
■最上階の開口部のディテールの潔さ
■木格子とサッシの取り合いの難しさ
逆円錐形内部の空間を楽しむ
なかなか逆円錐形の内部に入る機会はないので上に行くにしたがってひろがっていく内部空間を楽しむだけでも価値があると思います。上の方から吹抜けを見下ろすスロープの空間が面白いです。
円錐曲面に沿った木格子の部材の組み方
木格子は地域のブランド材「FUJI HINOKI MADE」を使用。
円錐形に斜めに沿わせると木格子の材の形状は放物線状になるのですがそれをクロスさせるように格子を組み合わせています。
思っていた以上に木格子の厚みがあり、形状に合わせて曲げてさらにクロスして組むのは大変だったと思われます。
最上階の開口部のディテールの潔さ
刻々と姿を変える富士山を絵のように切り取ったピクチャーウインドです。景色を切り取るためのに余計なものは見せない潔いディテールは一見の価値ありです。
木格子とサッシの取り合いの難しさ
内部の木格子がそのまま外部の木格子になってつながっているのですが、当然ですが内外はガラスサッシで間仕切らなければなりません。
サッシ部分は木格子をつなげることができないので微妙な納まりになっていました。
木格子のサッシとの取り合いの難しさを感じました。
実際に体験した感想
面白い形状の建築でやっちまった感はありますが、内部空間の面白さや最上階の眺望は一見の価値があると思います。
逆に富士宮のシンボル的な建物としてこのぐらいの大胆さがいいのかもしれません。
余談ですが、川沿いはきれいに整備されていて春は桜並木がとてもきれいです。昼間の散歩コースにはとてもよいです。
お腹がすいたらお宮横丁で富士宮焼きそばも食べれます。
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