設計製図の試験に役立つ!?建築設計のエスキスが早くなる方法

建築設計をする場合はエスキスをします。このエスキスですが、パズルを解くようにコツがあります。

そもそもエスキスって
なに?

エスキース(仏: esquisse)とは、スケッチのことであるが、語源的には、「下絵」を指す。

日本では、建築や、環境デザインに関連する計画の初期にコンセプトや概念図等を簡易にまとめ、検討する際の資料作成作業も含むため、この行為全体をエスキース、またはエスキスと呼称している。

出典:Wikipediaより

建築士の「設計製図の試験」は、建築設計のエスキスが早くなるための練習にとてもよいと思います。

今回は「設計製図の試験」を例に、建築設計のエスキスが早くなるコツなどを紹介できればと思います。

私はこのコツをつかんでから格段にエスキスが早くなりました。

「設計製図の試験」当日は腹痛でトイレにいき30分ほどロスしましたが、一発で合格することができました。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

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エスキスを早くするコツ

エスキスを早くするコツ

エスキスを早くするコツは以下の通りです。

・問題文を読み込む
・プログラムを解く
・プランニングの数をこなす

上記の3つを練習すればエスキスは確実に早くなります。

問題文を読み込む

建築士の「設計製図の試験」では問題文に書かれていることが全てです。しっかりと問題文を読み込みましょう。

敷地や周囲の条件、その他の施設、計画の留意点、要求図面などしっかりとアンダーラインなどを引きチェックしましょう。

実際の建築設計でも建築主からの要望や敷地や周囲の条件などをしっかりと読み取ることは大切な仕事です。

建築主との話の中でも自分でキーワードを頭の中で決め、要点を整理していく習慣を心がけると建築主からの要望に漏れがなくなります。

プログラムを解く

問題文を読み込んだら箇条書きのプログラムを解いていきます。

具体的には問題文でアンダーラインを引いた箇所のキーワードを抜き取り要点や具体的な方法などを書き込んでいく作業となります。

例えば
・集合住宅居住者の店舗利用にも配慮
 →連絡通路

・市民も気軽に利用できる広場
 →主要な道路に面する広場

・オープンスペースを設けショッピングプラザと一体に計画
 →主要な道路に面するオープンスペースをショッピングプラザとつなげる
など

この作業に試験時間の1/3ぐらい時間をかけていいと思います。

プログラムを解きながら敷地内への出入口や建物の配置ゾーニングなど一緒に行います。

しっかりとプログラムを解き、頭に叩き込んである程度ゾーニングしてからプランニングすると格段に早くなります。

普段からTwitterなどでのつぶやきを、いいたいことの要点を箇条書きにする習慣にすると自然とプログラムを解く力がつきます。

プランニングの数をこなす

プランニングは数をこなしましょう。とにかく数をこなせばその分確実に早くなります。プランニングの時におさえておきたいのは以下の各部の寸法です。

各部の寸法
・駐車場
・エレベーター
・階段、スロープ
・廊下、屋外通路の幅
・出入口の幅
・トイレ
・設備機械室
など

基本となる寸法は頭の中に叩き込んでおきましょう。

プランニングはパズルみたいなものです。

解いたプログラムどおりに各室の配置ができているかや所要室の見落としはないかなど考えながらプランニングしましょう。

その他で気をつけること

その他で気をつけること

前述のこと以外で気をつけることは以下の通りです。

・敷地条件を確認する
・構造のスパンを決める
・アプローチを考える

そのほか、面積を算出して最終チェックを行うことなどは忘れずに行いましょう。

敷地条件を確認する

与えられた敷地条件から建てられる建物の限界を確認します。

具体的には建築面積や延べ床面積、高さの限界(道路・隣地斜線)、その他法令(ハートビル法など)を確認します。

実際の設計などでも2項道路や敷地内通路、接道義務など敷地条件から建物の配置や限界のボリュームが決まったりします。

建築設計において敷地条件を確認することは重要な仕事となります。

構造のスパンを決める

木造、鉄骨造、RC造などで構造のスパンは変わってきます。

大規模木造建築なども今後の試験ででてきそうですが…

一般的に木造なら2間~2間半スパン、鉄骨造なら7~9mスパン、RC造は6~8mスパンで想定します。

「設計製図の試験」では
・所要室が40㎡の倍数が多い場合は
 →6×7mのグリッド

・所要室が50㎡の倍数が多い場合は
 →7×7mのグリッド

それぞれのグリッドでプランニングするとすんなりと所要室が納まります。

アプローチを考える

敷地外からのアプローチについて考えます。

車の出入りや利用者の出入、搬入搬出など、2つ以上の道路に接している場合はどちらの道路からが望ましいのかなど考えます。

アプローチに関してはなれるとそんなに考えずにできるようになります。

アプローチによって建物をどこに建てるのかの配置や出入口が決まってくるので大まかなゾーニングと同時にアプローチを考えるといいかと思います。

コンセプトを明確に

コンセプトを明確に

これは「設計製図の試験」とはあまり関係ありませんが、建築設計でエスキスをする場合はコンセプトが明快なほうがいいと思います。

例えば
・広場や中庭を囲うようにする
・この部分は吹抜けにする
・敷地の高低差を利用したプラン
・周りの自然環境に合わせて配置
・シンプルな形状にする
など

建築設計であまり複雑なコンセプトの場合、カタチにならなかったりするので、カタチに落とし込みやすいキーワードで考えをまとめましょう。

まとめ

建築設計のエスキスが早くなる方法

今回は「設計製図の試験」を例に建築設計のエスキスについてのコツなどを見てきました。おさえるポイントをもう一度確認します。

ポイント

・問題文を読み込む
・プログラムを解く
・プランニングの数をこなす
・敷地条件を確認する
・構造のスパンを決める
・アプローチを考える
・コンセプトを明確に

上記のポイントに注意してエスキスを練習しましょう。プランをまとめるのが格段に早くなると思います。

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