一級建築士が絶対に選ばない!暮らしに大きな影響を及ぼす窓の重要なポイント
注文住宅で窓の設置について考える際にどんなことを重視しますか?
採光・採風、開放感、外観のデザイン性などが挙げられますが、
窓の種類や配置は暮らしに大きな影響を及ぼす重要なポイントになります。
窓を設置する上での重要なポイントってなに?
各部屋の用途に合わせた窓を考えることです。
窓は水まわりやリビング、寝室、子ども部屋のそれぞれの場所に適した位置や種類があります。
私は18年間(2024年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
窓の設計は外観にも影響してくるので注文住宅を作る際は配置や種類を選ぶのにとても苦労します。
今回は一級建築士の私が絶対に選ばない最悪の窓4パターンをご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・窓選びの重要なポイント
・各部屋ごとに適した窓
上記のことがわかります。
窓は採光・採風だけでなく断熱性能や防犯性能などにも注意して選ぶ必要があります。
窓は水まわりやリビング、寝室、子ども部屋のそれぞれの場所に適した位置や種類があります。
暮らしに大きな影響を与える設備なのでしっかりと考えて選ぶようにしましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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窓選びの重要なポイント
窓選びの重要なポイントはいかになります。
窓選びの重要なポイント
・洗面脱衣室、浴室
→洗面脱衣室:自然光を取り入れる
→浴室:1300mmより高い位置
・トイレ
→小さなFIXやすべり出し窓
・リビング
→大開口の掃き出し窓は断熱性能に注意
→家具を置くスペース
・寝室・子ども部屋
→東側に大きな窓はつくらない
→狭い部屋に掃き出し窓はつくらない
→出窓は作らない
洗面脱衣室、浴室
ここは家の中で一番湿気が多いところですが、日当たりがイマイチな場所にあることも多いです。
洗面脱衣室と浴室は隣り合っていますが、窓の役割は微妙に違います。
洗面化粧台は出かける前の身支度をするところなので、自然光が入る明るい空間にすることをおすすめします。
ただし、大きな引き違い窓を選んでしまうと冬の寒さを感じやすくなったり、外からの視線が気になったりするので要注意です。
引き違い窓は開閉しやすいのですが、気密性が低く、レールの部分や左右の戸が重なる召合わせ部分などから隙間風を感じることがあります。
さらにサッシやガラスの断熱性が低いと、真冬は外気の寒さが伝わってかなり冷え込みます。
位置として避けたいところは以下になります。
洗面脱衣室の窓の避けたい位置
・床から1200mm以下の高さ
・洗濯機と重なるところ
・洗面台の正面(鏡に映るところ)
などが挙げられます。
◾️床から1200mm以下の高さ
周囲の視線が気になって開けにくくなってしまいます。
◾️洗濯機と重なるところ
開閉がしづらくなることはもちろんですが、洗濯機の上に収納ラックを設置すると開けることができない窓になってしまいます。
◾️洗面台の正面(鏡に映るところ)
鏡の正面に窓があると逆光になり、顔が暗く見えます。
洗面所は鏡の上に窓があるなど、自然光で明るい空間にした方が出かける前の身支度がしやすく、気持ちがあがると言われています。
プライバシーを確保しつつ、採光・採風によい窓を選ぶなら、横長の高窓をFIXにして自然光を採りいれ、
小さなすべり出し窓などで自然換気ができるようにすると良いでしょう。
一方で浴室は景色を楽しみながら入浴するのでなければ、それほど大きな窓は必要ないです。
窓にはカビが生えやすいのでなるべく断熱性能が高く、掃除のしやすい窓にすることが大切です。
洗面脱衣室、浴室の窓は視線を遮ることができるように床から1300mmより高い位置にすることをおすすめします。
トイレ
確かに換気扇があれば十分だし、トイレの窓は開けたことがないという声もあります。
トイレに窓が必要な理由としては採光と開放感が挙げられます。
トイレは思いのほか湿気が多く、自然光がないとちょっと重苦しさを感じます。
窓がないトイレは昼間でも灯りをつけて使用するので、なんとなく閉塞感もあるんですよね。
トイレの窓は大きすぎると防犯面での不安がある上に、暑さ寒さにも悩まされてしまうので、小さなFIX窓やすべり出し窓がおすすめです。
また、外からの視線に影響のない位置や種類を選んで設置しましょう。
周囲の状況によって上からの視線も要チェックになります。
リビング
開放感のあるリビングにするためには大きな掃き出し窓をと考える方が多いと思いますが、
重要視しなければならないのは周囲の状況になります。
目の前の道路や隣家が近い場合は、せっかく大きな窓を設置したのに、
視線が気になってカーテンが開けられなかったり、
目隠しにタープを張って日差しが採り入れられなかったりする家は結構多いです。
それならば、掃き出し窓ではなくても形状や位置を工夫して採光・採風が十分な空間にした方が断然良いでしょう。
大きな掃き出し窓があるために、家具を置くスペースがなくなってしまうこともあります。
庭が広めでテラスやウッドデッキがあるなら掃き出し窓は必須かもしれませんが、
そうでなければ外からの視線が気にならない位置に大きめの腰高窓を設置して、
高窓や縦すべり出し窓などで採光・採風を良好にすることを考えてみましょう。
掃き出し窓や大開口の窓は視線が気になるだけでなく、断熱性能もそれなりに低下します。
その対策として、断熱性能の高いサッシやガラスを選ぶことになり費用は高額になります。
カーテンやシャッターも窓が大きくなるほど高額になります。
ただし、掃き出し窓がないことがデメリットになる場合もあります。
・玄関以外に出入りするところがない
・大型家具など外から入れられない
◾️玄関以外に出入りするところがない
通常は不自由がないかもしれませんが、何かのアクシデントがあって玄関から出入りできなくなった時に不便です。
対策としては、リビング以外の居室で視線が気にならないところに掃き出し窓を設置することや勝手口を設けるなどが挙げられます。
◾️大型家具など外から入れられない
LDKに必要な冷蔵庫や食器棚、ソファーなどの大型家具は玄関からリビングに搬入できるかどうか、
しっかりサイズを測ってから購入しなければなりません。
寝室・子ども部屋
寝室や子ども部屋の窓選びは安眠はもちろんですが、プライバシーを保つためや室温調整のために重要なポイントがいくつかあります。
寝室・子ども部屋の窓の重要なポイント
・東側に大きな窓はつくらない
・狭い部屋に掃き出し窓はつくらない
・出窓はつくらない
東側に大きな窓はつくらない
太陽が東からのぼるので冬の朝は暖まって良いのですが、夏は早朝から強い日差しが入ってきます。
東側に大きな窓があると遮光カーテンにしてもかなり暑さを感じて眠りを妨げる可能性があります。
東側に窓を設けるときはベッドに直接日光があたらないよう高窓にすることや
「樹脂窓+Low-E複層ガラス」などを採用して断熱性能を高くするなどの対策が必要です。
狭い部屋に掃き出し窓はつくらない
寝室や子ども部屋が2階のベランダに面していることも多いです。
布団を干すときに便利ですが、掃き出し窓は夏の湿気、冬の結露が気になります。
昼間は閉めっぱなしになることが多いので、ベッドが掃き出し窓際にならないようにしなければなりません。
子ども部屋が4.5帖程度の場合は、掃き出し窓がない方が断然使い勝手がよく、過ごしやすいです。
掃き出し窓がなければ、ベッドを置く位置が自由に変えられるし、ものを置く場所も増えます。
また、布団や洗濯物を干すときに子ども部屋からベランダに出られるのが嫌だという子どもの不満もあるようです。
お子さんの成長とともに部屋で過ごす時間も長くなっていくので、
隣家からの視線も気にならないように気配りをしながら窓の大きさや配置を決めてあげましょう。
出窓はつくらない
出窓は構造上、断熱性や気密性が低く、熱や冷気がこもって室内と温度差ができてしまいます。
特に北側に設けた場合は、冬は出窓の部分がとても冷えて結露が発生しやすくなります。
また、暴風雨のときには風切り音が発生してびっくりすることもあります。
出窓にはシャッターがつけられないので、台風の日は怖いですよね。
寝室を出窓にするのは避けたほうが良いでしょう。
窓は水まわりやリビング、寝室、子ども部屋のそれぞれの場所に適した位置や種類があります。
暮らしに大きな影響を与える設備なのでしっかりと考えて選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は窓の作り方を知りたい人や窓の失敗例を知りたい人に対して、
暮らしに大きな影響を及ぼす窓の重要なポイントをご紹介してきました。
まとめると以下になります。
窓選びの重要なポイント
・洗面脱衣室、浴室
→洗面脱衣室:自然光を取り入れる
→浴室:1300mmより高い位置
・トイレ
→小さなFIXやすべり出し窓
・リビング
→大開口の掃き出し窓は断熱性能に注意
→家具を置くスペース
・寝室・子ども部屋
→東側に大きな窓はつくらない
→狭い部屋に掃き出し窓はつくらない
→出窓は作らない
洗面脱衣室の窓の避けたい位置
・床から1200mm以下の高さ
・洗濯機と重なるところ
・洗面台の正面(鏡に映るところ)
寝室・子ども部屋の窓の重要なポイント
・東側に大きな窓はつくらない
・狭い部屋に掃き出し窓はつくらない
・出窓はつくらない
窓は採光・採風だけでなく断熱性能や防犯性能などにも注意して選ぶ必要があります。
窓は水まわりやリビング、寝室、子ども部屋のそれぞれの場所に適した位置や種類があります。
暮らしに大きな影響を与える設備なのでしっかりと考えて選ぶようにしましょう。
この記事が少しでも窓をつけて快適な部屋にしたい人のお役に立てれば幸いです。
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